コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』とは、フジテレビで2008年7月に放送された医療ドラマである。脚本は林宏司と安達奈緒子。主演は山下智久で、新垣結衣や戸田恵梨香などが出演する。救命救急センターにフェローシップ研修でやって来た4人のフライトドクター候補生が、葛藤をしながら救急救命や災害医療に奮闘する作品。事故や病気などで重傷を負った患者の命に真摯に向き合い、仲間たちとぶつかったり支え合ったりしながら成長する姿を描く。本作は最高視聴率が21.2%を記録し、3rdシーズンまで制作された。

1stシーズン第11話、白石に声をかける黒田

白石は黒田と共にボイラー爆発事故の発生した化学工場に向かった際、消防の安全確認を怠ってしまい、彼に右腕を失う大怪我を負わせてしまう。自分のせいで黒田の外科医としての人生が奪われてしまい大きな責任を感じた白石は、精神的に追い込まれ、医師を辞めることまで考える。だが後日、黒田は白石に「もう気に病むことはない。お前が辞めても俺の腕は元に戻らないが、その代わり医者を続けてれば1つや2つ救われる命はある。誰よりも多くヘリに乗れ」と声をかけた。この言葉により白石は医師を続けることを選び、誰よりも多くヘリに乗って多くの患者を救うことを決意した。黒田の力強く温かい言葉が白石の背中を押した名言だった。

緋山がトラウマを乗り越えて患者を救う場面

2ndシーズン11話、トラウマを乗り越えて手術を決意する緋山

緋山は脳死状態の男の子の延命を中止する書面のサインを母親からとらず訴訟問題に発展しかけたことがトラウマとなり、患者と向き合うことが怖くなっていた。そんな折、飛行機の墜落事故の現場に駆り出された緋山は、そこで命の危険に脅かされている子供に遭遇する。緋山は橘に無線で援助を仰ぐが、彼は現場を離れることができないため、彼女に開胸して処置をするよう指示する。だが恐怖で手が震えてしまった緋山は子供の母親に対し、問題を起こして何週間もオペをしていないことを伝え、手術はできないと謝罪する。すると母親は緋山に「先生に何があったか知らないし、そんなのどうでもいい。ただ運が悪いとは思わない。だってここにはまだ医者に診てもらえてない人がいっぱいいるけど、ショウタは先生に診てもらえた。だけどここで先生に諦められると、可能性ゼロなんだよ。今ショウタ救えるの先生だけなんだ」と必死に訴える。そんな母親の言葉に、緋山は手術を決意し、見事に子供を救った。子供を助けてほしいと必死に訴える母親の言葉や、トラウマを乗り越えて手術を決意する緋山の姿が胸を打つ名場面だった。

『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

当初白鳥巧という名前だった藍沢

本作の制作を務めた増本プロデューサーはインタビューで、主人公は若い世代に影響力のある人が良いと考え、当時新進気鋭の山下智久をキャスティングしたと語っている。山下はそれまでの出演作では、美しくナイーブな男の子のイメージがあったため、企画当初は「白鳥巧」という役名で野心家のライバルから刺激を受けながら成長していくピュアな心を持った人物にしようとしていたようだ。しかし実際に山下と対面した時、男っぽく硬派で陰のある佇まいで、全くイメージが違っていた。そのためタフでクールなキャラに変更し、ライバル役として考えていた藍沢を主人公としたという。

綿密な取材を重ねてリアルを追及

本作は綿密な取材を重ね、医師の監修も受けながら丁寧に作られた作品のため、リアルな描写が実際の現場で働いている医師たちにも評判となっている。例えば他の医療ドラマでは緊急事態の際に医療スタッフが走り回り、大声で指示が飛ぶ場面が多いが、本作ではリアルな描写にするため緊急事態でも冷静に淡々とした口調で指示が飛んでいる。また他の医療ドラマでは医学的な意味を説明するのが一般的であるが、実際の医療スタッフは説明をすることはないため、本作では極力説明を避けてリアルに近づけることでスピーディーな緊迫感のあるシーンが生まれている。説明を削り過ぎると説明不足になってつまらなくなるというリスクもあるが、増本プロデューサーは様々な医療ドラマに携わった豊富な経験から、絶妙なラインを把握することができたという。また冴島の優秀な看護師っぷりもリアルで、スピーディーに道具を渡したり、医師の手元を見ながら次の道具を用意したりと実際にトレーニングを積んだ看護師のリアルな姿が描かれている。

徐々に絆を深めていったキャスト陣

比嘉愛未と浅利陽介は現場の雰囲気についてインタビューで、1stシーズンでは若いメインキャストはみんな余裕がなかったため、ほとんど会話がなかったと語っている。そのため勝村政信やりょう、柳葉敏郎といった大人のキャストチームが、現場を明るくして雰囲気を作っていたようだ。1stシーズンが終わってから若いキャスト陣も絆が深まったらしく、浅利を中心に年に1回コードブルー会を開くなどして、2ndシーズンが終わってからも親交を続けていたという。そのため3rdシーズンが始まる頃には、それぞれ色々な現場で経験を積んで大人になっていたのもあって自然と距離が縮まり、自分たちが引っ張らなきゃという覚悟を持って撮影に挑むことができたようだ。また比嘉は大変なシーンの撮影で上手くいかないと背負い過ぎてしまうところがあり、辛いことを引きずってしまうところがあるようだが、浅利が一緒にいて寄り添ってくれたことで救われたという。浅利はみんなをまとめてリラックスさせたり笑わせたりとムードメーカーになっており、若いキャストを引っ張る存在になっていたようだ。

『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の主題歌・挿入歌

主題歌:Mr.children「HANABI」

日本のバンドであるMr.childrenの2008年9月3日に発売された33枚目のシングルである。累計売上は48.8万枚を記録し、2008年度の年間チャートで6位を獲得。ドラマのタイアップ効果もあり、2021年にストリーミングの累計再生回数が1億回を突破した。問題を抱えていない人などいないが、それぞれに素敵な明日を願って暮らしているという当たり前の中にある儚さと美しさを歌った楽曲となっている。

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