トリック(TRICK)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『TRICK』とは、テレビ朝日系列で放送されたミステリードラマ。2000年にシーズン1、2002年にシーズン2、2003年にシーズン3が制作・放送された。シーズン1と2は深夜帯の放送にも関わらず人気は絶大で、テレビドラマの放送が終わった後もスペシャルドラマや劇場版が制作され、実に14年も続いた。マジシャンと物理学者の男女バディが、インチキ霊能力者のトリックを暴き、事件を解決に導くストーリー。ゆるくコミカルな場面とシリアスな展開のギャップが魅力的なドラマである。

サイ・トレイリングとは、その人の持ち物などから意識の痕跡を追跡できる能力のこと。3年前に失踪した婚約者の小早川恭子(こばやかわきょうこ)を探したい岡本宏(おかもとひろし)は、その能力を使って恭子を探せないかと考えていた。失踪した時期から、霧の晩に白いタクシーに乗ると2度と戻ってこれないという人面タクシーの噂が囁かれていた。岡本は自身の目で、恭子が人面タクシーに乗り込んだ現場を目撃し、その後行方がわからなくなったと言う。そこで、サイ・トレイラーである深見博昭(ふかみひろあき)の能力が本物なのか調べてほしいと、上田に依頼をする。
日本ではもうサイ・トレイリングをしないと言う深見に、奈緒子は挑戦状を叩きつける。奈緒子は「私が意識の痕跡を感知できたら、この女性の行方をサイ・トレイリングしてもらいます」と告げ、無事、深見を打ち負かすことに成功し、岡本の失踪した婚約者の痕跡をサイ・トレイリングしてもらえることになった。ただし、条件として報酬1千万円を要求される。その1千万円を支払いたいと名乗り出たのが、小早川恭子の唯一の肉親である叔父の小早川辰巳(こばやかわたつみ)だった。
深見はサイ・トレイリングで意識を辿り、郊外の山中にたどり着く。そこで、恭子と同時期に失踪した3人の女性の、殺された場所と埋められた場所を言い当て、白骨体を発見した。小早川恭子のサイ・トレイリングは翌日に持ち越しとなったが、当日になって岡本が人面タクシーに遭遇し、恭子が乗っていたと騒ぐ。そこで、奈緒子たちは人面タクシーの捜査に向かう。人面タクシーは霧の夜に出現し、人をすり抜けるということで、霧にプロジェクターで投影したのではと推理する。しかし、実際に現れた人面タクシーは映像には見えず、思わず目をつぶってしまった。人をすり抜ける人面タクシーのトリックは、その目をつぶった数秒の間に完了していた。
人面タクシーが現れたのは十字路で、深い霧と工事灯の明かりに惑わされ、目をつぶった数秒の間に方向感覚を失い、右折したタクシーが直進したように錯覚させられた。そしてその運転手こそが深見だと推理したが、動機を見つけることができずにいた。さらに、女性たちが殺害された時期、深見は日本にいなかったという。
深見が関わった証拠がないか探していたところ、岡本と深見がグルだと思い至った。そんな中、岡本は亡くなった恭子に成りすました手紙を残し失踪する。深見がその手紙を読み取り、サイ・トレイリングで岡本がいるというホテルをたどり着くが、一足遅く岡本は飛び降りて死んでいた。さらに、深見も何者かに殺害されたのか、脈がない状態で見つかる。深見の死体を見た小早川辰巳は取り乱し、1人山中に向かい、白骨体を掘り起こしていたところを逮捕された。その掘り起こされた白骨体は、探していた小早川恭子のものだった。そこに、死んだはずの深見が現れる。脈がなかったのは、脇の下にボールを挟んでいたから。深見は初めから、小早川辰巳を逮捕させるためだけに動いていた。その理由は、深見は恭子の実の父親で、最愛の娘の命を奪った小早川辰巳を、法的に確実に抹殺することが目的だった。
恭子が失踪したとき、深見はすぐに岡本に接触した。深見が遺体が埋められた場所を知っていたのは、岡本が遺体を埋める小早川辰巳を見張らせていたから。岡本の死も、小早川辰巳に能力を信じ込ませるため、深見が仕組んだことだった。捜査の手が迫っていると嘘をつき、岡本をホテルの3階にかくまい、警察が来たら窓から逃げろと伝えていた。そして、岡本を睡眠薬で眠らせている間に8階の部屋に運び込み、奈緒子たちの呼びかけを警察と勘違いした岡本は窓から逃げようとして転落死した。深見の目的は小早川辰巳の逮捕のみだったので、罪を告白した後は素直に警察に連行された。最初から最後まで、全て深見の思い通りに進んでいたのだった。

天罰を下す子

同居している従兄弟と些細なことで揉めてしまい、ほんの軽い気持ちで天罰を頼んだら、本当に死んでしまった。上田を訪ねてきた塚本恵美(つかもとえみ)はそう告白すると、御告者・針生光太の正体を暴いてほしいと依頼をしてきた。依頼内容は、自分に天罰を与えてもらい、本当に天罰が下るのか。上田はいつものように奈緒子を誘うが、奈緒子はあるセミナーに潜入しインチキを暴いてレポートをするバイトのため行けないという。
仕方なく単身向かった上田は、御告者・針生光太(はりゅうこうた)と対峙する。現れたのは黒いローブを着た小学校低学年くらいの子供と、その子の祖母のカズと、母の貴子(たかこ)だった。天罰の儀式は、天罰を下したい人物の持ち物を祭壇に捧げ光太が祈り、巫女装束のカズと貴子が舞を披露する。依頼通り、塚本に天罰が下るよう御告者に依頼し、その後自宅で塚本を天罰から守るべく匿うことにした。
そして、御告者へ客を斡旋している倉岡という男の存在を知る。倉岡の顧客手帳を手に入れるため、上田は倉岡に接触し、顧客リストが書いてある手帳を奪うことに成功した。だが、御告者は倉岡という男は知らないといい、倉岡に天罰が下るよう祈った。
一方奈緒子は、大道寺安雄(だいどうじやすお)が主宰の「笑顔がこぼれる会」に潜入し、不正を暴こうと嗅ぎまわっていたところ、大道寺に捕まってしまう。何とか縄抜けをして脱出し、部屋を出たところで、大道寺が刺殺されていることに気づく。
大道寺の部屋は密室になっており、その部屋の物置に捕らえられていた奈緒子にしか犯行は不可能ということで、奈緒子は矢部に逮捕されてしまった。
上田が塚本と自宅にいると、どこから誰が入ったのか、自宅にメモが残されており、それには、塚本の天罰は明日中に下ると書かれていた。そのメモは倉岡から奪った手帳の1ページを切り取られたもので、倉岡が犯人だと推測するが、翌日倉岡は死体で発見された。
上田が捜査に行き詰まり、拘留中の奈緒子にヒントを貰おうと面会に訪れる。奈緒子に助言をしてもらっていると、上田の自宅にいるはずの塚本から、慌てた様子で「部屋に誰かいる」と告げられた。急いで自宅に戻った上田は、倒れている塚本を発見する。
やはり天罰が下ったのだろうか、と思っていたが、奈緒子が笑顔がこぼれる会で撮った写真に、御告者の祖母・カズが映りこんでいた。そして、倉岡の顧客リストの中には大道寺の名前が書いてあり、大道寺は御告者に天罰を依頼していたことがわかる。カズが大道寺を殺したということで、奈緒子は無事保釈となる。
その後、上田は光太に、持ち主を伏せ「この腹巻の持ち主に天罰を下してほしい」と言う。今日中にその持ち主は消えると告げるが、腹巻の持ち主はカズだった。実は、御告者の天罰を現実にしてきたのは自分だとカズは告白する。始めは光太の何てことない小さな願い事を叶えただけだったのに、次第にエスカレートし殺人までするようになってしまった。カズは、「光太のことを頼む」と言い残し、服毒自殺をした。ただし、塚本の従兄弟と、倉岡を殺害したのは、カズではなく塚本がやったことだった。その動機は遺産相続で、従兄弟が死ねばその父、つまり塚本の叔父の財産は唯一の肉親である塚本が全て相続できるため。倉岡を殺したのは、天罰に信憑性を持たせるためだった。上田の自宅に残された奇妙なメモも、誰かに襲われたというのも、すべて塚本の自作自演だった。そして、実は上田が最初に御告者に天罰を依頼したのは、塚本ではなく奈緒子だった。

妖術使いの森

妖術使いが住む、入ったら2度と出られないと言われる「白木の森」。高速道路を建設予定のため、いわくつきの白木の森について調査してほしいと、来さ村の役場から橋本孝夫(はしもとたかお)という男が上田を訪ねてきた。いつものように上田は奈緒子を誘い、白木の森がある来さ村へと向かう。
妖術使いを探すため、民俗学者の柳田黒夫(やなぎだこくお)、ルポライターの小松純子(こまつじゅんこ)、高速道路の開発を請け負う建設会社の日向栄一(ひゅうがえいいち)、探検家兼俳優のアラン・ジャンポール・井上と、そして今回の依頼人である来さ村役場の橋本孝夫で白木の森へ足を踏み入れるのだった。森の中を捜索すると、重力を断ち切る板、心を読む岩など妖術使いが作ったとされる様々なものを発見する。その中の1つ、死人を生き返らせる棺桶を開けたところ、中から何者かが飛び出して行くのを全員が目撃した。森では全員のどこかしらの毛が伸びるなど、奇怪な現象が起こる。
翌朝、捜索の拠点とした小屋の前で、建設会社の日向が岩に潰され死んでいるのを発見。その後も奇怪な事件が起こる中、妖術使いが奈緒子の前に現れる。実は奈緒子は、幼少期にその妖術使いと接触したことがあった。妖術使いは、奈緒子の母・里見の生まれ故郷である黒門島から、120年前に追われた者たちの生き残りだった。小屋へ戻った後、柳田は妖術使いを探しに行くと、1人で森へ捜索に向かう。その後、森中に毛生えの歌が鳴り響き、出所を探しているとき、柳田の他殺体を発見するが、全員にはアリバイがあった。
妖術使いの仕掛けを解明するため、森を捜索する奈緒子と上田は、仕掛けの近くにスイッチを見つける。重力を断ち切る板、心を読む岩、死人を生き返らせる棺桶にはトリックがあり、柳田と小松が協力して操作をしていた。
柳田はかつての教え子だった岸本の復讐のため、橋本と日向に妖術使いの森のトリックを使い恐怖を味わわせ罪を告白させようとした。岸本の恋人だった小松も協力をするが、小松はそれだけでは気が済まず、橋本と日向を殺害。そして、2人の殺害に気づき、説得をした柳田のことも邪魔になり、殺害していた。奈緒子が見た妖術使いの正体は小松で、120年前に黒門島を追われた者の末裔だと言い残し、姿を消した。

第3シリーズ

奈緒子はまたしても仕事をクビになり、変わらない生活を続けていた。一方上田は、新しく『なぜベストを尽くさないのか』を発行し、有名な大学教授として、充実した日々を送っている。

言霊で人を操る男

仕事をクビになった奈緒子が自宅アパートに帰ると、勝手に部屋の鍵が変えられていた。新しい鍵をもらおうとするも、家賃を払わなければ渡せないと言われ、金の無い奈緒子は途方に暮れる。そんなとき上田が現れ「リゾートホテルに行こう」と誘われた。
リゾートホテルの建設会社の相沢即史(あいざわそくふみ)が、上田にある事件の依頼に来たという。森の自然を生かしたリゾートホテルの建設をしていたが、芝川玄奘(しばかわげんじょう)と名乗る男が「神聖な森を汚すものには天罰が下る」と、村に居座ってしまった。
その男は言霊使いで、言った言葉が全て現実になるため、恐ろしくて手が出せないという。依頼者の相沢は、上田に依頼する前に芝川のインチキを暴こうとしたが、「お前は間もなく、自ら命を絶つ」という言葉を受けていた。対象は人だけではなく、物や自然、動物までも、芝川の言ったとおりになるらしいのだが、このインチキを暴くため、蛾眉村へ向かった。
村には、依頼者の相沢と、仲間の建設業者の井上真一(いのうえしんいち)・信二(しんじ)の兄弟、蛾眉村の地主である江藤が潜入していた。しかし、自分たちだけでは手も足もでない。「お言葉だ!」という号令があり、これから玄奘の儀式が始まるという。
儀式をする小屋に入った後、地面がグラグラ揺れるような不思議な感覚になる。村中で焚かれている、「柴咲香(しばさきこう)」のせいだと推測する。玄奘が現れ、言葉の大切さを説く。解りやすく説明するため、カードマジックを披露するが、すぐに奈緒子に見破られてしまう。そこで、玄奘は窓から見える山を1つ消してしまうと言い、いったん窓を閉め隠した後、もう1度開くと山は消えていた。
山が消えたのは、小屋自体がクレーンで吊り上げられ、高いところから見ると見える山が、地上からだと手前の森で見えなくなるといったトリックだった。地面が揺れているように感じたのは、お香のせいではなく、実際に揺れていたからだった。
翌日、密室の小屋の中で服毒自殺した相沢が見つかった。本当に玄奘の言霊通り、相沢が自殺してしまったと怯える井上兄弟に向かい、「あなたは弟さんを殺す」と言霊を唱える。相沢の自殺に不審を持ち調べたところ、玄奘たちに毒を飲まされ殺されていたことが解った。そのことを玄奘に突き付けると、信者たちに追われることとなってしまい、森の中にあったボロボロの小屋で野営する。
玄奘と対決するため、村に戻る途中、奈緒子と上田ははぐれてしまう。上田は奈緒子を探している途中、江藤と再会、そして井上真一が信二を殺し崖から転落死した。しかし、信二を殺したのは信一ではなかった。地主の江藤は実は玄奘の仲間で、信二を殺したのも江藤だが、信一は自分が殺してしまったと信じ込み自殺をしてしまった。
玄奘は元々中学教師で、生徒たちから口先だけの教師だとバカにされ、生徒からいじめを受けてしまう。それにより精神を病み、自身を超能力者だと思い込むようになったという。玄奘の幹部はそのことを知っていて、玄奘のことを利用している。奈緒子たちは捕らえられ、火あぶりにされる瞬間、上田の大暴れによって窮地を脱する。慌てた玄奘は言霊で上田を止めようとするが、当然止まらず、逆に放り投げられてしまう。放心状態となった玄奘は、森に向かい呼びかけ、フラフラとどこかへ行ってしまった。

瞬間移動の女

瞬間移動の女・スリット美香子(右)と直接対決をする上田(中)、奈緒子(左)

奈緒子は噴水の水を「トレビの泉の水」として売りつけようとしていたところを、矢部に逮捕されそうになる。矢部から逃げる奈緒子は、たまたま上田と鉢合わせた。上田は、これから神ヶ内村に行くところだと言い、貴重な出土品の土偶を警備するという。追われる身の奈緒子は自宅に帰れず、上田に同行することとなった。
土偶を狙っているのは、空間に切れ目(スリット)を作って瞬間移動をすることができるスリット美香子(すりっとみかこ)。依頼者である神ヶ内村の学芸員の芥川呂都里下須(あくたがわろどりげす)は、不思議な力を使うスリット美香子は「ミカリ様」の生まれ変わりだと言う者もいると話した。ミカリ様とは、遥か昔この地を支配していた豪族の娘で、不思議な力を持っていた。そのミイラが1年前に出土されたが、発掘した西村博士は不審な死を遂げたという。ミイラは現在行方不明になっているらしい。
奈緒子と上田が村に滞在中に宿泊する宿には、大きな金庫を部屋に持ち込んでいる、怪しげな風貌の三沢という男が宿泊していた。三沢は何か事情を知っている様子で、奈緒子に「スリット美香子はインチキだ」と伝える。後でスリット美香子のことを教えてやると言っていたが、その後、三沢は行方不明となった。三沢はスリット美香子により殺害され、警備のため村に訪れていた矢部の目の前で、空間の切れ目に連れていかれていた。後日、三沢の遺体はミカリ様にゆかりのある場所で発見される。
土偶を貰えないとわかったスリット美香子は、今晩20時に取りに行くと宣言。土偶の保管場所は、何枚もの扉の先にあり、さらに扉には直前に取り換えられた頑丈な錠前がついている。裏口には鍵がかけられた上、鉄アレイの入った段ボールが山積みになっており侵入は不可能だった。総出で見張りをしていたが、突如現れたスリット美香子は空間に裂け目を作り、まんまと侵入されてしまった。しかし盗まれたものは何もなく、土偶も無事に見えたが、よく調べてみると土偶は偽物とすり替えられていた。偽物は三沢が部屋に持ち込んでいた金庫の中に入っていたもので、スリット美香子が言うには、三沢が偽物と取り換えるつもりだったらしい。
次にスリット美香子は、行方不明のミカリ様のミイラを、自分が小屋に閉じ込められている状態で移動させると言った。そして宣言通り、スリット美香子は小屋を1歩も出ずにミイラを移動させてみた。
実は、スリット美香子の正体は、ミイラを発見し殺害された西村博士の娘で、父の敵を取るため村に訪れていた。空間が裂けたのは、背景に合わせた黒い幕や、表面が鏡のようになっている銀紙を設置し、それを裂いて隠れるというトリックだった。さらに、学芸員の芥川が協力者であり、土偶を盗みに侵入する美香子の手引きをしていた。芥川は出土品を三沢に横流ししていたが、三沢から脅され、更に多くの品を要求されていたため恨みを持ち協力していた。スリット美香子は、やりたいことは全てやったと言い残し、現場から逃走した。

絶対死なない老人ホーム

奈緒子が自宅に帰ると、いつものように上田が待ち構えていた。今回、上田が受けた依頼は「絶対に死なない老人ホーム・魯人(ろじん)ホーム」の真意を確かめてほしいというもの。京國屋書店の夫人・京明日香(きょうあすか)が、母が入居したいと言っているが入居費用が10億円で高額なため、入居前に調査をしてほしいとのことだった。
上田が下見に出かけた際は、ごく普通の老人ホームであり、理事長の万田亀太郎も噂だと言う。しかし、調査を進めるうち奇妙な証言を得る。死亡したはずの老人が入居しており、今も元気に暮らしているという。その老人・古川良平(ふるかわりょうへい)を看取った看護師に確認すると、亡くなったのは真実だった。だが、魯人ホームに本人を訪ねると、元気そうに過ごしており、一度死んだが赤地に生き返らせてもらったと言う。
そこに、老人ホームの専任カウンセラーの赤地洋司と、副理事長の千田鶴二郎(せんだつるじろう)が現れる。赤地は、死んだ人間や壊れた物を(形のないものに対しても)修復するという超能力を持っていた。
上田は奈緒子を連れて魯人ホームを再び訪れ、赤地の能力が本物なのか調べることにした。赤地は、「この世に存在する全てのものを元通りにすることができます。」といい、招き猫を叩き割る。欠片の1つを上田に預け、それ以外を全て箱に入れ、戻れと念じる。そうすると、招き猫は元通りになっていて、上田が持っていた欠片がピッタリとはまった。奈緒子は、あれはすり替えマジックだと上田に解説をする。同じ2体の招き猫を用意しており、1体だけわざと欠片を作っておく。その場で粉々にした招き猫は隠し、もう1体を箱の中から取り出すと、元通りになったように見える。上田に渡した欠片は、その場で割って壊したものではなく、予め作っておいた欠片だったため当然ピッタリはまるようになっていた。
魯人ホームには赤地の実父・茂蔵も入居しているのだが、赤地が1番最初に生き返らせたのが茂蔵だった。茂蔵は5年前に水難事故に遭い死んでしまったが、赤地が遺体を3日3晩抱きしめ続けると茂蔵は生き返ったという。
赤地の能力を信じない奈緒子と上田の前で、誰かを銃で撃ち殺し、赤地に生き返らせるというパフォーマンスが始まる。そこで、古川が名乗り出て猟銃で胸を撃ち抜かれ、さらに千田も自らに銃口を向け自殺した。赤地が念じると、古川は生き返る。千田も生き返らせようとしたが、奈緒子の判断で救急車で病院に搬送された。奈緒子の考えでは、あの銃には弾は入っておらず、撃たれたふりをしていただけで本当は生きている。病院に搬送し、赤地と離した状態で千田が生きていたら、空砲だったことの証拠になる。しかし、千田は病院で死亡が確認された。
実は千田には多額の借金があることがわかり、魯人ホームの資金にまで手を付けようとしたため、万田は千田を始末することにした。あの銃には弾は入っていないと伝えていたが、空砲なのは最初の1発で、千田が自分を撃った2発目には実弾が入っていたのだった。魯人ホームの老人は全員、時給560円で雇われた偽物だった。父親の茂蔵は本物だったが、直前で沈没した船に乗るのをやめたのか、水難事故に遭ってはいなかった。死亡者リストに父の名前があるのを見て、水死に見せかけ殺して保険金を手に入れようとした。しかし父は死なず、溺れたショックで記憶を失っていたが、段々と記憶が戻ってきていた。記憶が戻れば、赤地が茂蔵を殺そうとしたことがばれてしまう。
そこで、赤地は茂蔵に、1度死んで生き返ったと嘘をつき、死なない老人ホームを作って殺人未遂を隠した。まだ記憶が戻らず、息子を信用している茂蔵は、銃を持ちだし自殺を図る。息も絶え絶えに、こいつらに力を見せてやれと言う茂蔵に、「僕にはそんな力はない。インチキですから」その言葉を聞き、茂蔵は絶命した。

死を呼ぶ駄洒落歌

茨城県の旧家・亀山家の顧問弁護士である村松弁(むらまつべん)が、上田の研究室を訪れた。亀山家は有名な和歌の名家であるが、訳あって屋敷が人手に渡るというのだ。屋敷には、開ければ大きな災いが起こると言い伝えられている「いちまつ模様の扉」があるという。中には、先祖の亀山闇十郎(かめやまやみじゅうろう)が封じ込められていると伝えられている。明治時代に扉を開けた人物は、開けた途端に発狂し、謎の死を遂げていた。そこで、人手に渡る前にその開かずの扉を開ける立ち合いをしてほしいという依頼を受けることになった。
莫大な報酬を匂わせ、またしても奈緒子を同行させることに成功した上田は茨城県の亀山家を訪れる。亀山家の当主は亀山鶴子(かめやまつるこ)という高齢の女性で、危篤で昏睡状態となっていた。鶴子の世話をしているのが、鶴子の長男の娘である千鶴(ちづる)だった。千鶴の両親は他界しており、現在は寝たきりの鶴子に変わり、家のことを取り仕切っている。
千鶴に案内されたいちまつ模様の扉は、市松模様ではなく、1本の松が描かれた「一松模様」であった。中には歌で人を呪い殺せるという亀山闇十郎が封じ込められているという。400年前に天変地異を起こすほど強力な力を持っていたとされる闇十郎だが、遊女と恋に落ちたため一族に殺害された。奈緒子と上田が扉を開けるが、中には誰もいなかった。
開かずの扉を開けた直後から、不気味な面をつけた闇十郎らしき人物が現れ、立て続けに一族が殺害されていく。一松模様の扉の中で、蝋燭の火が消え暗闇になった際、鶴子の次男である藤二郎(とうじろう)が刺殺された。次に、唇の上に毒を塗られた長女の麗香(れいか)が、コップの水を飲んだことで毒が体内に入り死亡。千鶴の妹の千里(ちさと)は、襲われ気を失っている間に浴槽に入れられ、電気コードで感電死。千里の双子の妹の千春(ちはる)は犯人に呼び出され、崖の上から落とされ殺害された。殺された全員の傍らには、闇十郎が残したとされる和歌があり、和歌になぞらえた殺害方法だった。
そしてそれができた唯一の人物が千鶴だった。千鶴は、いとこである哲也(てつや)のことを慕っており、哲也に亀山家の当主を継がせたかった。それを邪魔する藤二郎と麗香、哲也に言い寄っていた千里と千春が邪魔になり殺害したと言うのだ。しかし、現当主の鶴子が老衰で亡くなり、開封した遺言状には、亀山の名を捨てよと一言だけ書かれていた。亀山家は多額の借金があり、屋敷を売り払うのも返済のためだった。借金を返し終えたら、各々亀山家の名を捨て生きよというのが鶴子の遺言だった。やってきたことが無意味だったと知った千鶴は、麗香に塗ったものと同じ毒で自殺する。
最後に、上田は弁護士の松村に、一族の財政状況を知っていたにも関わらずなぜ知らせなかったのかと尋ねる。実は、3年前に次男の藤二郎は愛し合っていた恋人と無理やり別れさせられ、相手の女性は苦しみのあまり自殺していた。松村はその女性の兄で、妹の自殺後、呪われた一族が自分たちの手で滅んでいく様を見たいという理由で、顧問弁護士として亀山家に入り込んでいたことが明らかになった。

念で物を生み出す女

御獅舞村(おしまいむら)という村の教師・北見紀明(きたみのりあき)が、上田のもとに相談に来たという。25年前に「どんな病気でもたちどころに治す水」を何もない空間から作ることができる超能力者・長谷千賀子(はせちかこ)が村にいたという。不思議に思った学者たちが調べたところ、それはただの砂糖水という結果が出て、千賀子は詐欺師として村を追われてしまった。その恨みを晴らすべく、千賀子は能力をパワーアップさせ、1か月程前に村に戻ってきたというのだった。村人たちは討伐隊を作り、千賀子を追い出そうとするが、全員行方不明となってしまった。更に、依頼人の北見自身も、心臓の真ん中に針を物体化させると言われ、まもなく命を落とすと予言される。
上田と奈緒子は北見と夜通しともに過ごし、針を打ち込む隙も無い状態のはずであったが、北見は午前0時に命を落としてしまった。レントゲンにはしっかりと針が映っており、死因は心臓麻痺であった。
村を仕切っている地主の金井源三(かないげんぞう)は、息子が千賀子討伐に向かったまま帰らないという。金井家には、岸本誠一(きしもとせいいち)という使用人がおり、源三から厳しくあたられていた。岸本の案内で、千賀子との直接対決に向かう途中、奈緒子は黒門島の伝統的な装束に身を包んだ人影を目撃する。
千賀子は、毒水を源三の体内に物体化させ、源三を殺害すると宣言した。その晩、口に入れる物すべてを岸本に毒見させた源三は、翌朝死体で見つかる。寝室に隠し持っていた水筒の中に毒を入れられ、その水を飲んだことで死亡した。
さらに、捜査のため村を訪れた矢部が、行方不明になっていた討伐隊を見つけるが、源三の息子の省吾だけが死体で見つかった。
奈緒子は千賀子を訪ね、源三と省吾殺しの実行犯は千賀子ではなく、他の誰かがやったことを呪いのせいにしていると指摘。千賀子から、死んでほしい人の名前を書くと相手が死ぬという呪いの封筒を渡された奈緒子は、そこに千賀子の名前を書いた。千賀子は黒門島のことを知っており、奈緒子に対し、自分と同じ力が流れていると言った。そこに、村人が2人も殺され怒り心頭の討伐隊が、小屋に火をつけ千賀子ごと焼き払うと押しかける。上田が警察を連れて駆けつけると、そこには奈緒子と討伐隊の姿はなく、千賀子の死体のみ残されていた。
奈緒子は薬で眠らされ、琉球の無人島に連れてこられていた。そこには、黒門島を追われた黒津分家の一族がおり、生き残りのため、奈緒子のシャーマンの力が必要だと言う。黒津分家の要求は、呪い殺してほしい人たちがいることと、祖先の霊能力者が生み出した強力な武器を手に入れるため、「神の憎悪の象の像」の封印を解くこと。解除には、5文字の言葉が必要らしく、小屋に監禁された奈緒子は、抜け穴を見つけ脱出に成功。神の憎悪の象の像の前で、奈緒子を探しに来た上田と偶然合流する。そこで、千賀子の死に責任を感じる奈緒子に、千賀子は黒津分家に協力していて、自ら毒を飲んで死んだという。そして依頼者の北見も黒門島の出身で、予め心臓付近に針を仕込んでおり、針が動くよう体を動かし自殺したのが真相だと告げた。しかし奈緒子は、連れ帰ろうとする上田の手を振り払い、仲違いをしてしまう。
奈緒子は、黒津分家の者たちに上田を呪うよう言われ、呪いの封筒を渡された。書かないのであれば超能力を認めたことになり、俺たちの仲間になると言われてしまい、渋々上田の名前をひらがなで書く。再び小屋を抜け出した際、奈緒子を探していた矢部たちと遭遇するが、警察は奈緒子を黒津分家の仲間で危険人物だと思い逮捕しに来ていた。そして矢部から、上田が消えたと聞き自分のせいだと落ち込むが、神の憎悪の象の像の前で上田と再会。上田は崖から突き落とされ、崖を登っていたという。呪いの力は存在せず、岸本が呪いに見せかけ上田を始末しようとしていたのだ。
崖から突き落としたのは、岸本だった。岸本は、長年虐げられてきた恨みで源三と省吾を殺し、黒津分家と共謀して母である千賀子に罪をなすりつけていた。神の憎悪の象の像の封印は、奈緒子の父が読み方を当てがった門構えに火の文字。読み方は「je vous aime(ジュヴゼィム)」だった。

TRICK新作スペシャル1

人の運命を占う緑川。左から大芝、緑川、奈緒子、上田

驚異の占い師・緑川祥子(みどりかわしょうこ)と、4人の有名化学者チームが対決をするというテレビ番組に上田が出演していた。緑川は多数の著書をヒットさせている占星術師なのだが、その人がいつどこでどうやって死ぬか正確に占うことができるという。番組の放送中に、緑川に騙されたという男・加藤が乱入する。「俺の死ぬ日を占ってくれ!当たったら信じてやる!」と言い放つ加藤に、番組が終わる前に心臓麻痺で死ぬと占うと、その通りになった。観客やスタッフに緑川のインチキを暴いて来いと言われた上田と、家賃未払いのため自宅アパートの大家から追い出された奈緒子は、緑川がいる富市山村(とみいちやまむら)の宇宙占館デスラへ向かった。
現地には有名化学者チームの他3名もすでにおり、ともにインチキを解明しようと意気込むが、学者たちは次々と緑川の予言通り命を落としていくのだった。
緑川は暗黒厄年というものが存在すると言い、それは何をやってもだめな厄年のことで、逃れることはできないが、もたらす不幸を軽減することができるとし、信者に高額なグッズを売り付けていた。4人の学者は全員「暗黒厄年」だと言い、2日後に命を落とすと予言する。上田に渡された封筒の中には、4人がいつどこでどうやって死ぬか書かれているという。
昼食の時間になって、学者の1人の大隈早大(おおくまはやひろ)が現れなかった。そこで、上田が持っている封筒を開けたところ、「ふるいけや かわず飛び込む 水の音」と書かれていた。来る途中に古池屋という店があったことを思い出しそこまで行ってみると、店の裏の川で大隈の死体が見つかる。殺人の可能性もあるとして、矢部を現場に呼ぶことにした。しかし、殺人だとして、緑川や幹部たちにはアリバイがあり、時間的にも不可能だった。学者たちは、自分たちの封筒を開けてしまうことにした。どこでどう死ぬと言うことがわかっていれば、そこに近づかなければいいだけだ。新島同志(にいじまどうし)の封筒には、「溺れる者は わらをも掴む」、福澤慶(ふくざわけい)は「聖なる水が裁きを下す」と書かれていた。
その日の夜、新島が宿泊しているバンガローの外で奈緒子と上田は寝ずの番をしていたが、翌朝、新島は浴室でストロー(藁)を手に持って溺れて死んでいた。福澤と話していた上田は、金平糖が点々と落ちていることに気づいた。最初に死んだ大隈は常に金平糖を持っており、不安になると食べる癖があった。金平糖を拾いながら進んでいたが、途中の橋で、背後から何者かに襲われ、橋の上から落下した。
その間、奈緒子は到着した矢部と捜査を始める。緑川を問い詰めるが、逆に言い負かされてしまう。その後、奈緒子は1人で、新島のバンガローに調査に向かった。思い付きでトイレの水を流すと、水が止まらなくなり、ドアも内側からは開かない仕掛けになっていた。
ユニットバスの排水溝も極端に小さく、どんどん水が溜まり続け、新島がここで溺死したトリックに気づく。ストローを手に持っていたのは、天井の通風孔の空気を吸うためだった。そして誰かが頃合いを見計らい外の水道管を締め、水はユニットバスの排水溝からゆっくりと排出されたため、溺死した新島だけが残ったという訳だった。新島と同じ状況になった奈緒子は、風呂の蓋をバラし通風孔を突き破り、ストロー代わりにして生き残った。水が引いた後、行方不明だった上田に起こされる。橋の上から突き落とされたが、水深が深い場所に堕ちたお陰で助かっており、ちょうど大隈が死んでいた古池屋の裏の川辺で目を覚ましたと言う。そこで、大隈も上田と同じように橋の上から落とされ、古池屋の裏に流れ着いたと推理する。しかし何も証拠がなかった。新島のバンガローのユニットバスも、故障していたとして修理されてしまったため、証拠は隠滅されてしまった。
翌日、期限の2日後となり怯える福澤に対し、「30年前に人を殺しましたね」と緑川が問いかける。否定をする福澤に、水の入った鉢を提示し、人を殺したことがある人間がこの水に手を入れると死に至ると言う。緑川、奈緒子、上田が順番に手を入れるが何も起こらなかった。しかし福澤が手を入れると、すぐに苦しみだして死んでしまう。緑川は、2人分の手が入ったときに達する水位の部分に猛毒を塗っていた。鉢に手を入れた緑川に徴発され、福澤が手を入れると水位があがって猛毒が溶け出し、それを確認した緑川は毒が広がる前に手を引き抜いていたのだった。何も知らない福澤は、爪と皮膚の間から毒が回り死亡した。
番組の放送中に死亡した加藤については、録画していた映像にヒントがあり、死んだ加藤がしていたネクタイの柄と緑川が占いで使用する布は同じ柄だった。緑川と加藤は兄妹で、緑川の占いが当たると証明するため、加藤はカメラの前で自殺した。緑川の目的は、父を殺害した大隈、新島、福澤へ復讐することだった。町の鉄工所を営む発明家だった父は、強盗に殺され、熱心に開発していた発明品の設計図も盗まれていた。その後、その発明品で有名になった大隈らを見て、犯人だと確信し、復讐することにした。罪を告白した緑川は、毒水に手を入れ自殺した。

TRICK新作スペシャル2

上田の研究室に、一夜村(ひとよむら)の西園寺誠一(さいおんじせいいち)という青年が訪ねてきた。一夜村では「契り祭り」という古来より伝わる祭りがあり、好きな相手の体の一部を契り紙に包み、契り岳山頂にある巨岩の縄に縛ると恋が成就するそうだ。ただし、相手も同じことをしなければ3日以内に死ぬという。そこで、祭りの間に一夜村に行き、言い伝えが本当か検証してほしいと依頼される。奈緒子を実験台にしようという思惑があり、賞金で釣って一夜村に同行させた。
一夜村には上田と奈緒子の他に、東崎彩乃(ひがしざきあやの)という女性がきており、彼女は20年前に西園寺家の長女・松子(まつこ)に夫と息子を殺されたという。東崎彩乃は霊能力者の元で修業をし、人を呪い殺す力を手に入れ、西園寺家への復讐のため村へ戻ったのだった。無事、40年ぶりに復活した契り祭りが開催されたかに見えたが、次々と村人が命を落としていく。
依頼者の誠一には、親が決めた婚約者の石坂麗子(いしざかれいこ)がいたが、誠一は恋人の小松恭子(こまつきょうこ)と契り祭りの儀式をしようと共に山に向かう。そこに、幼馴染の佐々木菊枝(ささききくえ)が現れる。菊枝も誠一に思いを寄せており、からかうふりをして、自分と恭子の契り紙を入れ替えた。
その夜、麗子は誠一の名前を使い森に呼び出され、何者かから襲われてしまう。翌朝、高い木の枝に突き刺された麗香の死体が発見された。そこに、彩乃が子守歌を歌いながら現れ、その歌詞と麗子の状況が似ていたため疑われるが、高い木の枝に突き刺すことは誰であっても不可能に思えた。誠一の話では、麗子が殺された日の晩、灯りが見えたと言う村人がいたらしい。
地元の警察が木の上の麗子を降ろすと、串刺しにされてはおらず串刺しに見えるように木の枝にかけられ固定されていただけだった。その木の枝は木から生えている物ではなく、幹に貫通させた穴に通されていた。麗子を殺して木の枝に固定し、幹の穴から通したロープを枝にかけて引っ張り上げたと推理する。証拠となるロープは火をつけて燃やし、その時の火が、村人が見たと言う灯りの正体だろう。しかも、その仕掛けは20年前、木がまだ低いときに施されていた。
次に、誠一の幼馴染の菊枝の行方が分からなくなった。祭りののど自慢大会が開催され、菊枝はそれに出るはずだったのだが、現れないため代役で彩乃が立候補しステージに立った。そこで歌ったのが不気味な子守歌で、「寝ぬ子は蔵に住む鬼がさらいにくるぞ 天井から逆さ吊り それでも寝ぬ子は樽ん中ドボンして」という歌詞だった。すぐに樽のある蔵へ向かうと、菊枝は逆さ吊りの状態で水を張った樽の中で窒息死していた。樽の周りに水が飛び散った形跡がないことから、菊枝は眠らされた状態で空の樽の中に吊られ、眠っている間に水を張られて窒息死していた。水は、別の樽からサイフォンの原理を利用して注水し、死体が見つかった騒ぎの中どさくさに紛れて回収した。彩乃はのど自慢大会の間ずっと会場にいたというアリバイがあるが、この方法なら殺害現場にいなくとも実行可能だった。
実は、20年前に西園寺家に殺された彩乃の夫・東崎彦助は女癖が悪く、婿入り後も女遊びを繰り返していた。村の診療所の恩田医師いわく、麗子、菊枝、恭子の本当の父親は彦助だと言う。そのことから、次に狙われるのは恭子だと考え、1人で出歩くなと警告をするが、恭子は滝で死亡しているのが見つかった。
誠一は西園寺家の子ではなく、実は彩乃の実子だった。20年前に、松子が自分に呪いをかけようとしたことを知った彩乃は、自分の息子に危害が加わるのを避けるため、同じ時期に生まれた松子の息子の誠一と入れ替えることにした。入れ替えた松子の息子は大事に育てていたが、不慮の事故で亡くなり、彩乃の夫は彩乃自身が松子による呪いに見せかけ毒殺。彩乃は陰から息子の成長を見守っていたが、誠一と父親が同じ3人の女性と結ばれることが無いよう殺した。唯一、恭子にだけは手を下さず、真実を話し、身を引くよう説得した。だが、恭子はショックのあまり、食べると硬直し死に至る毒性に強い植物を口にし、滝で自ら命を絶った。彩乃は、誠一には真実を伝えない決断をしたが、恭子を殺された恨みから誠一は彩乃を刺してしまう。村人から見えない位置で刺されたため、彩乃は誠一を庇い、自分で刺したように見せかけ死んでいった。

TRICK新作スペシャル3

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14才の母(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『14歳の母』とは、2006年10月に日本テレビで放送されたドラマで、脚本は井上由美子が手掛ける。主演は志田未来。その他、三浦春馬や田中美佐子などが出演する。中学2年生の一ノ瀬未希は、14歳にして子供を身ごもってしまう。両親や兄妹、友達など周りの人々から猛反対を受けるが、未希は産む決心をする。しかし、そんな彼女を様々な困難が待ち受けていた。どんなに苦しくても産むことを諦めない少女が、苦難を乗り越えて成長していく姿を描く。本作の視聴率は20%を超え、数々の賞を受賞した。

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仮面ライダーセイバー(SABER)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

仮面ライダーセイバー(SABER)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『仮面ライダーセイバー』とは、2020年より放送された東映制作の特撮テレビドラマ作品。今作は令和仮面ライダーシリーズの第2作目。キャッチコピーは「文豪にして剣豪!!」。異世界に飛ばされた街や人々を救うため、主人公・神山飛羽真たちは救世主・仮面ライダーとなって悪に立ち向かう。異世界を舞台に、セイバーをはじめブレイズ、エスパーダなど多人数のライダーの活躍を描いている。

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劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(Zi-O)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(Zi-O)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(Zi-O)』とは、2019年に公開された特撮ヒーロー映画である。特撮テレビドラマ『仮面ライダージオウ』の単独映画作品。興行収入11.7億円、観客動員数78.0万人を記録した。ソウゴは仮面ライダージオウとして平成ライダーの力であるライドウォッチを集めていた。全てのライドウォッチを集めた時、平成をやり直そうとする集団クォーツァーが現れた。平成に築いた人々の暮らしを守るため、ソウゴと仲間達がクォーツァーに立ち向かう。

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平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER(平ジェネFOREVER)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER(平ジェネFOREVER)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』とは、2018年に東映系で公開された平成最後の仮面ライダーコラボ映画である。『仮面ライダージオウ』と『仮面ライダービルド』のクロスオーバー作品となっている。仮面ライダージオウまでの歴代の平成ライダーが集結するファンも多い。常盤ソウゴと桐生戦兎の仲間の記憶がなくなっていく事件が発生していた。二人の前に現れたティードという男と彼に狙われる少年・久永シンゴを追いながら真実を解明していく特撮ヒーロードラマである。

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