ARMORED CORE MASTER OF ARENA(アーマード・コア マスターオブアリーナ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』(アーマード・コア マスターオブアリーナ)とは、ロボットゲームの傑作として名高い『アーマード・コアシリーズ』の3作目で、家族の仇を追うために自作したロボット兵器に乗り込んで傭兵としての高みを目指していくPlayStation用アクションゲーム。
最強のレイヴン(傭兵)ハスラー・ワンに家族を殺された主人公は、復讐のために自らもレイヴンとなる道を選ぶ。憎悪を糧に戦い続けてランキングを駆け上がり、主人公は家族の仇を追い詰めていく。
『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』の概要
『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』(アーマード・コア マスターオブアリーナ)とは、ロボットゲームの傑作として名高い『アーマード・コアシリーズ』の3作目で、家族の仇を追うために自作したロボット兵器に乗り込んで傭兵としての高みを目指していくPlayStation用アクションゲーム。製作はフロム・ソフトウェアで、ファンの間では「MoA」もしくは「ACMoA」と略されている。
2作目となる『ARMORED COR PROJECT PHANTASMA』(アーマード・コア プロジェクトファンタズマ)から2年後となる1999年に発売され、前作を大きく上回るボリュームで好評を博した。特にNPCと対戦できる「ARENA」モードには力が入れられており、ストーリーの進行とリンクしたもの、脚部の種類別によるものなど多種多様。ゲーム雑誌の記者たちが作った機体や前々作『ARMORED CORE』(アーマード・コア)の公式小説に登場した機体も名を連ねるなど、遊び心に満ちたものとなっている。
ロボット兵器アーマード・コア(以下AC)を駆り、企業間の抗争で力を振るう傭兵たち。人は彼らを「戦場に死をもたらす者」、「死肉を食らう怪鳥」との意味を込めて“レイヴン”と呼び恐れていた。
最強のレイヴンであるハスラー・ワンに家族を殺された主人公は、復讐のために自らもレイヴンとなる道を選ぶ。レイヴンたちのネットワークであるレイヴンズ・ネストに参加し、憎悪を糧に戦い続けてランキングを駆け上がっていく主人公は、やがて家族の仇を追い詰めると同時に世界の裏で暗躍する存在にも近づいていく。
本作には公式小説が存在し、ここではそれについても紹介する。
『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』のあらすじ・ストーリー
ゲーム版
復讐鬼の誕生
「大破壊」と呼ばれる人為的な災害が発生し、国家という枠組みが崩壊してから長い時が流れた。世界は力ある巨大企業が支配するようになり、利益と覇権を巡って日常的に抗争が勃発。その戦場では、ACと呼ばれるロボット兵器を駆る傭兵レイヴンたちが思うままに力を振るっていた。
あの日、地下複合都市アイザック・シティで大規模な戦闘が発生。逃げ遅れた主人公は、目の前で家族が赤と黒のカラーリングに“9”のエンブレムをつけたACの攻撃によって命を落とすところを目の当たりにしてしまう。その絶望と喪失感を怒りと憎悪に変えた主人公は、家族の仇である“9”のエンブレムをつけたACのことを調べ始める。
家族の仇の名を突き止め、それを討つための力を得る。そのために一番手っ取り早いのは自分自身がレイヴンになることだ。そう考えた主人公は、レイヴンを志す者のサポートをしているラナ・ニールセンという人物に接触する。
彼女に紹介される形で、主人公はレイヴンたちの拠点にしてネットワークでもあるレイヴンズ・ネストを来訪。試練を突破し、レイヴンとしてデビューする。
狙うは最強のレイヴン
レイヴンとしてデビューした主人公は、意外なほどの才能を発揮し、ラナを驚かせる。程無くして彼は企業から受けたミッションの中で“9”のエンブレムをつけたACと再会し、家族の仇と襲い掛かるも容易にあしらわれて取り逃がしてしまう。
ラナによれば、あの機体の名はナインボール。パイロットの名はハスラー・ワン。レイヴンズ・ネストで公開されているランキングで不動の1位を守り続けている最強のレイヴンだという。
仇の名を突き止めるも、彼我の間に立ちはだかるあまりにも高い壁を感じる主人公。しかし家族を殺された憎悪から生じる復讐心は、なおその心を駆り立て、さらなる強さを求める主人公を新たな戦場へと導いていく。
プログテック社の誘い
いくつもの戦いを経験して成長した主人公は、レイヴンズ・ネストで開催されている「レイヴン同士の決闘」を興行化したアリーナでも快進撃を続けていく。やがてハスラー・ワンへの挑戦権を獲得するのも夢ではない位置にまで到達するが、もはや自分の支援は必要ないと判断したのか、ラナとは疎遠になっていく。
代わりに主人公に接近してきたのが、プログテック社という新興の企業だった。ミッションの中で偶然出会った同社の技術者エラン・キュービスは、主人公の実力を高く評価し、自社の利益にもなると判断して様々にサポートする。
プログテック社は新興ながら優れた技術力で注目されており、大企業から執拗な攻撃を受けていた。レイヴンたちにとっては格好の稼ぎ場所であり、それは同時にハスラー・ワンと遭遇する可能性が高いことも意味している。主人公はエランの協力を受け入れ、プログテック社の専属に近い立場となる。
ハスラー・ワンの謎
プログテック社のために戦い続ける内、ついに主人公は戦場でナインボールと対峙。激闘の末にこれを撃破する。しかしエランたちプログテック社の技術者がナインボールのコックピットを調べたところ、中には人がいた痕跡がなく、レイヴンズ・ネストでは相変わらずハスラー・ワンがランキング1位の座に留まり続けていた。
「戦場でナインボールを撃破した」という訴えも却下され、どういうことかと戸惑う中、エランが驚くべき仮説を主人公に提示。ナインボールは何者かに遠隔操作されていたACであり、ハスラー・ワンという人物はその事実を隠蔽するために作られた架空の存在なのではないかというのだ。
ならば自分の家族を殺したのは誰なのか。困惑する主人公の下に、“ミッションの依頼”の形でラナからの怪しげな招待状が届く。罠であることを理解しつつ、主人公はこれが自分の復讐の旅の最後の戦いになることを予感しながら出撃する。
天使とイレギュラー
指定された場所に待っていたのは、ナインボールに酷似した謎のACだった。そのACはハスラー・ワンとラナの2人分の声を重ねて主人公のことを「イレギュラー」と認定し、猛然と攻撃を加えてくる。
レイヴンズ・ネストとは、大破壊前に作られた巨大演算ユニットが、「地球環境の再生と人類の発展」を目的に企業間の抗争をバランスよく導くために結成した組織だったのだ。技術力や戦闘力で規定のレベルを超える存在は「イレギュラー」と見なし、ナインボールを送り込んで始末するのが彼らのやり口だった。プログテック社もイレギュラーだと判断されてはいたが、その壊滅のために出撃したナインボールを撃破した主人公こそは、より優先すべき抹殺対象と認識されていた。
演算ユニットそのものが組み込まれたナインボール・セラフの力は、ACの枠組みを超えたすさまじいものだった。しかしイレギュラーたる主人公の力はそれをも上回り、死闘の末にナインボール・セラフは撃破される。主人公の復讐の旅は、ここにひとまずの結末に至る。
演算ユニットがあれ1つとは限らない。同じくイレギュラー認定されたプログテック社と共に、主人公はレイヴンとしてさらなる戦いに身を投じていく。
小説版
基本的なストーリーは同じながら、ゲーム版では名前も性別も不明だった主人公にフリッツ・バーンという名前と青年期の男性という設定が設けられている。
最初にレイヴンズ・ネストを訪れたタイミングで、フリッツはビンテージという女性レイヴンと知り合い、彼女から“レイヴンとはどのようなものか”を教わる。長生きしたければ誰も信用するなとアドバイスするビンテージは、フリッツに親切にする一方で、自分を雇うプログテック社の情報をレイヴンズ・ネストに流すスパイ行為を繰り返していた。
しかし次第にフリッツと深い仲になり、エランのことも友人として信頼するようになったビンテージは、彼らのためにスパイをやめる決意をする。「フリッツにはレイヴンとしての才能があるが、いくらなんでもハスラー・ワンに勝てるわけがない」と考えた彼女は、最後にフリッツを死なせないために誤情報で誘い出したナインボールを不意打ちするが、あっさりと見切られた上で反撃され死亡。ここにフリッツが駆け付け、家族ばかりか恋人まで殺された怒りで逆上しながらナインボールを討つ。
その後はラナに呼び出される形でナインボール・セラフと戦い、死闘の末にこれを撃破。未だ各地に残る“家族と恋人の仇”たる演算ユニットを破壊するためエランと共に次なる戦いに備える、という展開になっている。
『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』のゲームシステム
プレイヤーはレイヴンと呼ばれる傭兵となり、自分でパーツを選んで組み上げたロボット兵器ACを操って企業からのミッションをクリアして報酬を得る。この報酬を使って新しいパーツを購入し、ACを強化していく。
プレイヤーの分身である主人公には、外見、年齢、性格どころか性別も含めて設定が存在せず、「殺された家族の復讐」という理由からレイヴンを目指したということ以外は全てが不明。それらについてはプレイヤーが自由に想像できる形にした上で、ひたすら「ロボットアクションゲーム」を楽しむのが本作のコンセプトである。
ASSEMBLE(アセンブル)
SHOPで購入したパーツを選んでACを組み上げるモード。基本となるコアパーツに、脚部、腕部、頭部、ジェネレーター、FCS(火器管制システム)、ブースター、腕武器、肩武器を選ぶことで完成する。
パーツごとのカラーやエンブレムを変更することも可能で、ロボットアニメの主人公機のような華々しいカラーリングにすることもできる。
コアパーツ
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目次 - Contents
- 『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』の概要
- 『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』のあらすじ・ストーリー
- ゲーム版
- 復讐鬼の誕生
- 狙うは最強のレイヴン
- プログテック社の誘い
- ハスラー・ワンの謎
- 天使とイレギュラー
- 小説版
- 『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』のゲームシステム
- ASSEMBLE(アセンブル)
- コアパーツ
- 脚部
- 腕部
- 頭部
- ジェネレーター
- FCS(Fire Control System)
- ブースター
- 腕武器
- 肩武器
- MISSION(ミッション)
- ARENA(アリーナ)
- MAIL(メール)
- SHOP(ショップ)
- SYSTEM(システム)
- 『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』の登場人物・キャラクター
- 主人公/フリッツ・バーン
- ラナ・ニールセン
- ハスラー・ワン
- エラン・キュービス
- ビンテージ
- 『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
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- 『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 小説版には続編の構想があった