ARMORED CORE 4(アーマード・コア4)のネタバレ解説・考察まとめ

『ARMORED CORE 4』(アーマード・コア4)とは、『アーマード・コアシリーズ』の11作目で、新型ロボット兵器を操る傭兵となって世界の覇権を左右するリンクス戦争に臨むPlayStation 3及びXbox 360用アクションゲーム。
新型ロボット兵器ネクストを駆る傭兵「リンクス」たちにより、限界を迎えていた国家が滅ぼされた国家解体戦争から5年。この戦争で負傷した主人公は、自分を救ってくれた恩人たちを救うため、リンクスとして新たな戦場に赴くこととなる。

『ARMORED CORE 4』の概要

『ARMORED CORE 4』(アーマード・コア4)とは、『アーマード・コアシリーズ』の11作目で、新型ロボット兵器を操る傭兵となって世界の覇権を左右するリンクス戦争に臨むPlayStation 3及びXbox 360用アクションゲーム。
プラットフォームをより高性能なゲーム機に移したことで、ビジュアルや処理速度が劇的に上昇。扱うロボット兵器もアーマード・コア(以下AC)からネクストACに代替わりし、操作方法も変わったことでよりスピーディーな戦闘を楽しめる。世界観も一新され、「新しいARMORED CORE」を強く意識した作品となっている。

近未来。衰退し、限界を迎えつつある世界各地の国家は、代わって力を持つようになった企業たちの送り出すネクストACと、それを駆る「リンクス」と呼ばれるパイロットたちにより敗北。その枠組みを破壊され、世界は巨大企業によって統治されるようになる。
国家解体戦争と呼ばれるこの事件から5年。市民の居住区の1つであるアナトリアコロニーに、ようやく深手から回復した1人の男がいた。彼はかつて国家解体戦争に参加し、ネクストACに敗れた旧式ACのパイロット「レイヴン」の1人だった。この頃、アナトリアコロニーは重要人物の死去により企業から強い圧力を受けており、倒れていた自分を救ってくれた恩人たちの苦境を見た彼は、ネクストACに乗り込んで再び戦場に戻ることを決意する。しかし汚染物質を撒き散らすネクストACは傷ついた彼の体を蝕み、同時にその活躍は新たな火種として世界的な戦争の発端ともなっていく。

『ARMORED CORE 4』のあらすじ・ストーリー

国家解体戦争

近未来。世界各地の国家は拡大する貧富の差を解消できず、そこから生じる民衆の不満を抑えられず、もはやその体制すら維持できないほどに衰退していた。
この時代、代わりに大きな力を持ったのが世界規模で展開する巨大企業だった。テロや暴動を抑えるために世界中が新たな兵器を欲し、それに応じる形でACなどの新兵器を開発した巨大企業たちは、自分たちの飽くなき利益追求の姿勢を邪魔する存在に成り果てた国家をついには見限り、武力による打倒を企てる。

この際、企業側の主力となったのがネクストACと呼ばれる新型機だった。数年前に発見されたコジマ粒子という物質を攻防に応用し、既存のACを遥かに超える性能を発揮するネクストACは、たった26機で世界中の国家を敗北に追いやる。その主権を奪い、国境を廃し、自分たちの裁量で世界を動かし始める。
後に国家解体戦争と呼ばれるようになるこの世界規模の戦争に、レイヴンこと「ACを駆る傭兵」も国家側の戦力として多数参加していた。しかしそのほとんどはネクストACの圧倒的な力の前に造作もなく蹴散らされ、戦場でレイヴンが持て囃される時代が終わったことを自らの敗北をもってまざまざと見せつける結果となった。

アナトリアコロニーの窮状

国家に代わって複数の巨大企業が世界を統治するようになると、民衆はさらに劣悪な環境へと追いやられた。僻地への移送、労働の強制、そして富を企業が吸い上げていく仕組みが完成し、世界はより閉塞感を増していく。極端なまでの富の一極集中によって世界に無気力と平和が訪れたこの時代を、やがて人々は「パックス・エコノミカ(経済による平和)」と自嘲を込めて呼ぶようになっていった。
アナトリアコロニーも、そうやって僻地に追いやられた人々が暮らす土地の1つだった。ただここにはイェルネフェルト教授という知識人が存在し、ネクストACに関する彼の研究成果を企業に売ることで、他のコロニーよりは人間らしい生活ができていた。しかしそのイェルネフェルト教授が死去し、彼の研究が外部に流出して商品価値が無くなったことで、アナトリアコロニーは最大の収入源を失ってしまう。

この頃、アナトリアコロニーには1人のよそ者が滞在していた。かつてレイヴンとして名を馳せたその男は、国家解体戦争でネクストACを相手に大敗を喫し、その時の古傷に苦しみ続けていた。そんな彼を見るに堪えずに引き取って世話をしたのは、イェルネフェルト教授の娘であるフィオナという娘だった。フィオナの看病でレイヴンは少しずつ回復し、ようやく心身共に復調する。
アナトリアを管轄するエミール・グスタフはこれに目をつけ、「教授が研究用に所有していたネクストACをレイヴンに与え、彼を傭兵に仕立てる」という金策を思いつく。恩のあるアナトリアの人々のためならとレイヴンはこれを引き受けるが、ネクストACはコジマ粒子と呼ばれる人体に害のある物質を撒き散らす性質があり、これに乗って戦うことは回復したばかりのレイヴンの体にも深刻な影響を与えることが予想された。全てを承知してネクストACを受領するレイヴンを放っておけず、フィオナはオペレーター役を買って出る。

レイヴンの飛翔

アナトリアをオーナーとする形で傭兵業を再開したレイヴンだったが、国家解体戦争で完膚なきまでに叩きのめされた彼がネクストACに乗り込むことに、世間は冷笑を浴びせる。特に国家解体戦争時からネクストACを乗りこなしていた、「リンクス」と呼ばれる特殊な資質を持つパイロットたちは、「時代遅れ」や「旧時代の遺物」といった嘲笑を口々に言葉にする。
レイヴンにネクストACを与えたエミールからして、「戦力としては期待していないが、“国家解体戦争で大活躍したネクストACの乗り手がアナトリアコロニーにいる”という事実を政治的に利用させてもらおう」というのが本音だった。しかしレイヴンは昔取った杵柄を存分に発揮して縦横無尽の活躍を見せ、ついにはリンクスをも撃破。ネクストACという強大な抑止力によって保たれていた巨大企業の優位をも揺るがす存在へと成長する。

同じ頃、ジョシュア・オブライエンという新人リンクスもまた頭角を現し始める。ジョシュアは「故郷を守る」という強固な目的のために戦っており、フィオナとは旧知の間柄だった。レイヴンとジョシュアは時に敵として、時に味方として戦場で邂逅し、巨大企業たちからも注目と警戒の対象となっていった。
やがて2人の存在は、パックス・エコノミカを震撼させる戦争の引き金となり、世界の在り方をも変えていく。

リンクス戦争

国家解体戦争では手を組んでいた巨大企業たちだったが、レイヴンがネクストACに乗って活躍する頃にはGA陣営とレイレナード陣営に二極化が進んでいた。
ある時、レイヴンはレイレナード陣営のアクアビット社との癒着が指摘されていたGAヨーロッパを粛正するようGA陣営から依頼され、これを達成。アクアビットはこの粛清を「自社への攻撃」だと受け取って猛烈に反発し、武力を用いての報復に乗り出す。やがてこの抗争は密かに続いていたGA陣営とレイレナード陣営の緊張状態を一気に刺激して爆発し、両陣営全体を巻き込む規模へと拡大していく。

この戦いの中で決選兵器として用いられたのは、他の追随を許さない桁外れの力を持つネクストACだった。それを駆るリンクスたちは恐怖と脅威の代名詞であり、後にこの戦いが「リンクス戦争」と呼ばれるようになったのも彼らの八面六臂の活躍が原因である。
レイヴンもまたこの戦いに巻き込まれ、フィオナと共に様々な戦場を渡り歩く。当初はネクストACへの適正の低さもあって侮られていたが、伝説的とまでいわれた操縦技術でそれを補い、リンクス戦争全体を通じて全リンクスの1/3を撃破するというすさまじい戦果を上げる。ついにはレイレナード陣営の中心であるレイレナード本社を単体で殲滅し、リンクス戦争を力づくで終わらせるという人間離れした快挙を成し遂げる。

戦乱の遺したもの

ネクストACを多用しながら繰り広げられたリンクス戦争は、コジマ粒子による世界的汚染という惨事を巻き起こした。地上の大半は人類の生存に適さない劣悪な環境に成り果て、戦争で疲弊した各企業にはそれを回復する術も力も残されていなかった。
リンクス戦争で英雄的活躍を果たした主人公だったが、その存在は「世界最大の企業すら滅ぼし得る危険極まりない個人」と認識されてしまう。これを排除するべくジョシュアがアナトリアに送り込まれ、最後の戦いが繰り広げられる。レイヴンの手によって討ち取られたジョシュアは、自身もまた故郷を人質に取られてこの依頼を受けるしかなかったことを言外に打ち明けつつ息を引き取る。

国家解体戦争、パックス・エコノミカ、そしてリンクス戦争。ネクストACの完成が招いた激動の時代は、人類そのものの首を絞める結果となり、勝者無き時代が訪れる。自らもコジマ粒子に汚染され、余命少ないレイヴンは、自分を狙う者たちとの戦いに巻き込まれないよう静かにアナトリアを去る。そんな彼に、フィオナもまた付き従うのだった。

『ARMORED CORE 4』のゲームシステム

プレイヤーはネクストACを駆る傭兵となり、アナトリアを介して依頼されるミッションをクリアして報酬を得る。この報酬を使って新しいパーツを購入し、ACを強化していく。
『アーマード・コアシリーズ』では、プレイヤーの分身である主人公には、外見、年齢、性格などの一切の設定が存在しないのが定番だったが、本作では「男性」、「伝説的技量を持つ歴戦の傭兵」、「国家解体戦争でネクストACに敗れ重傷を負い、命を救ってくれたアナトリアのために戦う」といった明確な設定が設けられている。

GARAGE(ガレージ)

SHOPで購入したパーツを選んでACを組み上げるモード。基本となるコアパーツに、脚部、腕部、頭部、ジェネレーター、FCS(火器管制システム)、ブースター、腕武器、肩武器、エクステンション、インサイド、ラジエータを装着することで完成する。
パーツごとのカラーやエンブレムを変更することも可能で、ロボットアニメの主人公機のような華々しいカラーリングにすることもできる。

コアパーツ

ACの基本となるパーツ。完成させたいACが重武装型であれば防御性能の高いもの、機動力を活かしたいなら軽量なものを選ぶのがセオリー。

脚部

ACを組み上げる際に「必ず選択しなければならない」必須パーツの1つ。2脚、逆関節、4脚、タンク、フロートの5種が存在し、さらにそれぞれに「軽量高速型」や「重武装型」など様々な種類がある。
総積載量と限界積載量という数値が存在し、脚部以外の機体の総重量は前者の内に留めることが推奨されている。これを超えても出撃は可能だがネクストACの強みである機動力が低下し、後者の数値を超えると出撃自体ができなくなる。

腕部

機体を組み上げるための必須パーツの1つ。通常タイプの腕と武器と一体化したもの(武器腕)がある。武器腕はいずれも強力だが、総じて防御性能が控えめで、手に武器を持つこともできなくなる。

頭部

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