レッドアリーマーII（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

『レッドアリーマーII』の概要

『レッドアリーマーII』とは、カプコンによってリリースされたゲームボーイソフト『レッドアリーマー 魔界村外伝』（1990年）の続編としてリリースされた作品。
本作は『魔界村』シリーズに登場する人気の敵キャラクターであるレッドアリーマーを主人公として操作し、魔界に襲来した謎の軍団を倒していく。
ゲームシステムは全体的に前作を踏襲している一方で、ロールプレイングパートの移動速度の上昇や戦闘のシステムなどが発展、変更されている。
人間のキャラクターを操作する『魔界村』とは異なり、魔物を操作する事によってアクション面でも全く違った遊びができるのも魅力だ。翼で飛行したり、口から魔力を吐いて敵を攻撃したり、壁にはりついて敵やステージに仕掛けられた罠を攻略したりと、多彩なアクションを楽しめる。
物語も「魔物にさらわれた姫を助ける」という王道の『魔界村』とは異なった展開となっており、おどろおどろしい魔界を守るために奔走する魔界の戦士としてのダークなロールプレイングを楽しむ事が可能。

前作に引き続き開発はカプコンが行い、企画は後にスーパーファミコン用ソフト『ロックマン7 宿命の対決!』を手掛ける事になる宮崎亮、音楽はスーパーファミコン用ソフト『ロックマンX』を担当する事になる里村由紀が作曲している。
本作もまた前作に続いて人気を博し1993年に『魔界村外伝 THE DEMON DARKNESS』のタイトルでゲームボーイへと移植された。
敵キャラクターであったレッドアリーマーの人気を更に成長させ、コンテンツとしての『魔界村』シリーズの可能性を大きく拡げた。

1994年には、スーパーファミコン向けに『デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編』という同じくレッドアリーマーを主人公とした作品がリリースされる事となる。
本シリーズはカプコンのみならず、ゲーム業界に悪役が主人公を務めるスピンオフ作品がユーザーに受け入れられる実績を残した。

『レッドアリーマーII』のあらすじ・ストーリー

謎の軍団の襲撃

これは人間界が誕生していない、遥か昔の魔界と呼ばれる世界での物語。
炎の海が荒れ狂い、見渡す限りの荒野が拡がる魔界は荒涼としつつも穏やかな時を刻んでいた。

本作の主人公であるレッドアリーマーは魔界の町であるエトルリアに住む魔物の一体である。彼は魔界のために戦う一人前の戦士となる事を目標として、エトルリアの町にある戦士の訓練場へと通っていた。
ある日、レッドアリーマーが訓練場の試練を乗り越え無事に卒業を迎えた時であった。突如として魔界に正体不明の黒き光が降り注ぎ、間髪入れることなく謎の軍団が襲撃してきた。
訓練場から戻ってきたレッドアリーマーの目の前で息絶えていく魔界の魔物たち。

訓練場のすぐ外にまで謎の軍団の気配が迫っている。
レッドアリーマーはエトルリアを治める魔王モーロックのもとへと急ぎ向かう。

エトルリアの壊滅

訓練所を出たレッドアリーマーが見たのは町を闊歩する謎の軍団であった。
地面から湧き出てくる魔物や巨大な目玉を持つコウモリ型の魔物など、エトルリアの町は謎の軍団によって埋め尽くされてしまっていたのだった。

レッドアリーマーは襲い来る謎の軍団の魔物を倒しながら進んでいく。魔王モーロックの居城へ至る道で襲来してきた謎の軍団のリーダー格である「ナーガス」と戦う事になった。
竜のような姿と、腹に恐ろしい第二の顔を持つ怪物は炎を吐き、レッドアリーマーに襲い掛かる。
猛攻を搔い潜りなんとかナーガスを倒したレッドアリーマーは、モーロックのもとへと急ぐ。玉座にモーロックの姿を見つけ、駆け寄るレッドアリーマーであったが、彼もまた多くの魔物と同じく黒い光の影響によって息絶える寸前であった。
最後の力を振り絞り、モーロックはレッドアリーマーに魔王バアルの治める町「ギベア」へ向かうよう告げると、断末魔の叫び声と共に消滅してしまう。

モーロックの言葉を胸に、レッドアリーマーは壊滅した故郷を旅立ち、魔王バアルを訪ねる事にする。

魔王バアルの窮地

ギベアの町にたどり着くレッドアリーマーだったが、城にてバアルの無残な姿と対面する。
魔王バアルもまた魔王モーロックと同じく黒い光の影響を受けてしまい、「ウッ…」としか言葉を発する事のできない状態となってしまっていた。
レッドアリーマーはギベアに住む町人たちに話を聞いてまわると、バアルを救う為の手段を知るかもしれない存在「ヘカテ」についての噂話を耳にする。

レッドアリーマーは町人から教えられた、ヘカテの住むと言われる洞窟を訪れ無事にヘカテに会う事ができる。しかし、闇の中に生きるヘカテは赤い炎のようなレッドアリーマーの姿に戸惑い、会話を続けられなくなってしまう。
ヘカテが言うには「夜のしずく」があればレッドアリーマーから発せられる力に惑わされる事もないとの事。
ヘカテの助言を得る為に、夜のしずくがあると言われるヒンノムの森へ向かうレッドアリーマー。

しかし森にもまた謎の軍団が待ち構えていた。
入り組んだ木々と気流によって侵入者を阻む森と、そこを埋め尽くす謎の軍団。
襲い来る謎の軍団とそれを率いるデスバルーンを打ち倒す事に成功したレッドアリーマー。

戦いを終えると、体の底から力が沸き起こる感覚をおぼえる。
レッドアリーマーは新たな魔力「バスター」を身に付けた。

ヒンノムの森、最奥にて無事に夜のしずくを手に入れたレッドアリーマーは、再びヘカテの元へ急ぎ向かう。

敵の正体

ヘカテの元へ夜のしずくを届けたレッドアリーマー。
すぐさまその場で「くらやみのろうそく」を作ったヘカテは、レッドアリーマーに使うよう促す。

ろうそくに火が灯ると、二人のいる部屋一帯は暗闇に包まれる。
暗闇の中、ヘカテはその力の一端を解放し、魔王バアルの力を封印した存在について語る。
魔界に混乱をもたらした黒き光、そしてそこから現れた破壊王の軍団こそが敵の正体である事が語られる。
破壊王によってかけられた封印は「呪いの杖」でしか解けない事を知るレッドアリーマー。

そして呪いの杖はシッテム砂漠に沈んだ遺跡の奥深くに眠っている事もまたヘカテの力を通して知る。
レッドアリーマーは魔王バアルを封印から救うため、一路シッテム砂漠へと向かう。

砂漠の遺跡

砂漠の遺跡にたどり着くレッドアリーマー。
しかし、またしても遺跡の中は破壊王の軍団によって占拠されていた。
砂に埋もれ、流砂のうずまく遺跡の中を、新たに身に付けたバスターの力を駆使して突き進んでいく。
謎の軍団の魔物を蹴散らし、奥深くに待ち構えていたサンドフロックをどうにか打ち倒すレッドアリーマー。

砂漠の底にたどり着いたレッドアリーマーは、無事にバアルを封印から解き放つ事のできるアイテム、呪いの杖を見つける。
それだけでなく、レッドアリーマーはまたしても体の底から力が沸き起こる感覚を覚え、「トルネイド」の魔力を身に付ける。

急ぎギベアの町で待つ魔王バアルの元へと戻るレッドアリーマー。
呪いの杖の力を使い、魔王バアルを破壊王の封印から解き放つ。
体の自由と自身の魔力を取り戻した魔王バアルは、レッドアリーマーに魔界王の居城であるキングパレスが危険である事を語る。

魔王バアルの命を受け、レッドアリーマーは魔界王を守り、そして破壊王の軍団を倒すためにキングパレスへと向かう事にする。

様子のおかしいキングパレス

キングパレスへと無事にたどり着くレッドアリーマーだったが、どうにも城下町の様子がおかしい。
人々は意味深な笑い声をレッドアリーマーに浴びせるばかりで、強い違和感を覚える。
不安をかかえながらも魔界王の居城であるキングパレスへと向かう。

魔界王のもとを訪ねるレッドアリーマー。
エトルリアの惨状、魔王バアルの受けた封印、魔界に降り注いだ黒き光や破壊王の軍団について問いかけるも、魔界王は「そんなものは知らない。おとなしく故郷へ帰れ」と命令してくる。
様子のおかしい魔界王によってくだされたその命令をレッドアリーマーが拒絶すると、魔界王は骨の魔物スカルサタンへと変貌し襲い掛かってくる。
スカルサタンは破壊王の軍団の一員であり、魔界王に化けてキングパレスを占拠していたのだった。

死闘の末にスカルサタンをレッドアリーマーが倒すと、キングパレスや城下町を徘徊していた怪しい魔物たちの姿も消えていた。
怪しい魔物たちに騙されていた魔界王のしもべである魔物たちは戸惑いつつも、レッドアリーマーに知る限りの情報を与えてくれる。
レッドアリーマーは少ないながらも手掛かりとなる情報を手にしてイマウスの山へと向かう。
魔界王がもしかするとその山の向こうに捕らえられているかもしれないのであった。

魔界王の救出

溶岩が海のように流れ、険しい山道と侵入者を拒む仕掛けが張り巡らされたイマウスの山。
それだけでなく、イマウスの山にまで破壊王の軍団の姿はあった。
空飛ぶ魔物たちに、新しく目覚めたトルネイドの魔力を駆使して立ち向かって行くレッドアリーマー。
山頂に近づくと突如として二体の石像が不気味な音と共に震え始める。
石像であったはずのそれらは翼を持つ恐ろしい魔物となって、レッドアリーマーに襲い掛かる。
二体一対の門番であるツインガーディアンとレッドアリーマーがイマウスの山頂にて激突するのであった。

破壊王の軍団とツインガーディアンを激闘の末に撃破し、イマウスの山を乗り越えると、そこには小さな砦のような建物が建っているのを見つける。
レッドアリーマーがそこへ一歩足を踏み入れると、奥から何やら苦しそうな声が聞こえてくる。
砦に幽閉されていた魔界王のもとへたどりつく事が出来たレッドアリーマー。

魔界王もまた魔王バアルと同じように破壊王の封印を受けてしまい、身体の自由と本来は強大無比であるはずの魔力をも封じられてしまっていたのであった。
イマウス山の山頂で手に入れた「鮮血のローソク」を魔界王の前で使うレッドアリーマー。
すると魔界王にわずかながら魔力が戻る。
魔界王は破壊王に不意を突かれた事、破壊王の正体が不明である事、そして魔鏡の館に住むレーテであれば破壊王の正体を知っているかもしれない事を語る。

魔界王は魔界全体の危機である事を強調し、自分の事よりもまずはレーテを訪ねる事をレッドアリーマーに命ずる。
そうしてレッドアリーマーはレーテの元を目指す事になる。