ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA（アーマード・コア プロジェクトファンタズマ）のネタバレ解説・考察まとめ

『ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA』の概要

『ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA』（アーマード・コア プロジェクトファンタズマ）とは、ロボットゲームの傑作として名高い『アーマード・コアシリーズ』の2作目で、自作したロボット兵器に乗り込んで危険な実験を繰り返す組織と対決するPlayStation用アクションゲーム。製作はフロム・ソフトウェアで、ファンの間では「PP」もしくは「ACPP」と略されている。
「レイヴンと呼ばれる傭兵になり、自分で設計したロボット兵器に乗り込んで、企業間の抗争に参加していく」というのが基本的なスタイルとなる『アーマード・コアシリーズ』にあって、「非人道的な実験を繰り返す研究機関を壊滅するために戦う」というヒロイックなストーリーが特徴。前作の人気を受けてわずか5か月で開発されたゲームで、本編のボリューム不足が指摘される一方、160種に増えたパーツにより機体設計の自由度がさらに増した上に、シリーズ恒例となるNPCとの対戦モード「アリーナ」が初めて採用され高い評価を受けた。

ロボット兵器「アーマード・コア（以下AC）」を駆り、企業間の戦いに参加する傭兵“レイヴン”として活躍する主人公は、ある日「地下複合都市“アンバー・クラウン”に侵入して欲しい」という不思議な依頼を受ける。そこで主人公は女レイヴンのスミカ・ユーティライネンと出会い、危険かつ違法な人体実験を繰り返すウェンズデイ機関の存在を知る。
スミカと共にウェンズデイ機関を壊滅させるための活動を開始する主人公だったが、その前にスティンガーという名のレイヴンが立ち塞がる。スティンガーはウェンズデイ機関に雇われた立場だったが、同機関が開発した究極の兵器「ファンタズマ」の奪取を密かに目論んでいた。

ウェンズデイ機関の壊滅、ファンタズマの破壊、そしてスティンガーとの決着のため、主人公はスミカと共に戦場へと身を投じていく。

『ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA』のあらすじ・ストーリー

不思議な依頼

レイヴンとして活動していた主人公の下に、「地下複合都市“アンバー・クラウン”に侵入して欲しい」という不思議な依頼が届く。これを引き受けた主人公は、赴いた先で逃走する装甲車とそれを追う謎の機動兵器群を発見。装甲車を操縦しているのが依頼人であることに気付いた主人公はここに割って入り、無事に逃げ切ることに成功する。
依頼人の正体はスミカ・ユーティライネンという女レイヴンで、ウェンズデイ機関という研究機関に囚われていたという。ウェンズデイ機関は人間と機械を一体化させる非合法な研究「プロジェクト・ファンタズマ」を進めており、スミカもその被検体として捕まっていた。しかし彼女は機関の隙をついて外部に連絡を取り、主人公に研究所の襲撃を依頼し、その混乱に乗じてなんとか逃げ出したのである。

ウェンズデイ機関の研究が完成するまでにどれだけの犠牲が出るか、また研究が完成したらどれだけの被害を生み出すか分かったものではない。スミカは「ウェンズデイ機関を止めなければならない、力を貸してほしい」と改めて主人公に依頼し、義憤に駆られてか、報酬に釣られてか、主人公もこれを了承する。

スティンガーとの邂逅

スミカと共にウェンズデイ機関壊滅のために動き出した主人公だったが、そんな彼の前にスティンガーという名のレイヴンが立ち塞がる。スティンガーはウェンズデイ機関に護衛として雇われており、主人公と幾度となく銃火を交えることとなる。
一方、スティンガーはウェンズデイ機関の開発する究極兵器「ファンタズマ」に注目し、そのすさまじい戦闘能力に惹かれて密かにこれを強奪することを目論む。時に主人公たちと戦い、時に狡猾に利用しつつ、スティンガーは少しずつ目的に近づいていく。

狂気と幻想の結末

主人公たちの活躍により、ウェンズデイ機関は壊滅。しかしファンタズマは完成状態にあり、スティンガーにこれを奪われてしまう。ファンタズマと一体化したスティンガーは、その初陣の相手に幾度となく煮え湯を飲まされた主人公を選び、以来の形で挑戦状を送付。拒めば都市を攻撃すると脅迫された主人公はこれを承諾し、スティンガーとの最後の決闘に赴く。
ファンタズマの性能は圧倒的で、その恐るべき力に主人公は翻弄される。しかし主人公との決着に固執するあまり、スティンガーはファンタズマの性能を完全には発揮できず、最終的には敗北。その狂気と共に爆炎の中に散る。

ウェンズデイ機関を壊滅させた主人公とスミカは、再びレイヴンとしてそれぞれの道を歩み始める。「次に依頼をするときは格安でお願い」との言葉を残すと、スミカは主人公の前から軽やかに去っていくのだった。

『ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA』のゲームシステム

プレイヤーはレイヴンと呼ばれる傭兵となり、自分でパーツを選んで組み上げたロボット兵器ACを操ってウェンズデイ機関壊滅のためのミッションをクリアしていく。このミッションは大部分が“スミカからの依頼”という体裁を取っており、クリアすれば報酬をもらえる。この報酬を使って新しいパーツを購入し、ACを強化していく。
プレイヤーの分身である主人公には、外見、年齢、性格どころか性別も含めて一切の設定が存在せず、どのような理由からレイヴンを目指したか、なぜスミカと共に戦うことを決意したのかは不明。それらについてはプレイヤーが自由に想像できる形にした上で、ひたすら「ロボットアクションゲーム」を楽しむのが本作のコンセプトである。

ASSEMBLE（アセンブル）

SHOPで購入したパーツを選んでACを組み上げるモード。基本となるコアパーツに、脚部、腕部、頭部、ジェネレーター、FCS（火器管制システム）、ブースター、腕武器、肩武器を選ぶことで完成する。
パーツごとのカラーやエンブレムを変更することも可能で、ロボットアニメの主人公機のような華々しいカラーリングにすることもできる。

コアパーツ

ACの基本となる胴体パーツ。本作では3種が存在する。完成させたいACが重武装型であれば防御性能の高いもの、機動力を活かしたいなら軽量なものを選ぶのがセオリー。

脚部

2脚、逆関節、4脚、タンクの4種類が基本。このパーツの性能で積載量が決まるので、組み上げたいACに合わせて慎重に選ぶ必要がある。
強力な肩武器であるキャノンを発射する際、2脚と逆関節は発射体勢をとる必要があるが、4脚は地上にさえいれば移動しながらでも発射可能。タンクに至っては空中でも問題なくキャノン砲を発射できる。

腕部

通常の腕と武器と一体化したものがある。武器腕の中にはキャノン砲なみの威力を持つものも存在しており、脚部の形状に関わらず発射に制限が無いため攻撃性能という観点でいえば非常に強力。しかし「武器腕は防御力が0に設定されている」という大きな弱点があり、通常腕とどちらが良いかは状況と機体コンセプト次第である。

頭部

ACの基本的な制御を行う部位。高性能のものの中にはレーダー機能を搭載したものも存在し、索敵可能な範囲や防御力が個別に細かく設定されている。

ジェネレーター