ARMORED CORE LAST RAVEN(アーマード・コア ラストレイヴン)のネタバレ解説・考察まとめ
『ARMORED CORE LAST RAVEN』(アーマード・コア ラストレイヴン)とは、『アーマード・コアシリーズ』の10作目で、ロボット兵器を操る傭兵「レイヴン」となって世界の命運を懸けた24時間の闘争に挑むPlayStation 2用アクションゲーム。
『ARMORED CORE NEXUS』の物語から数か月後。特攻兵器の猛威により人類が追い詰められる中、ジャック・O率いるレイヴン部隊が反乱を起こす。総攻撃のタイムリミット迫る中、主人公もまた1人のレイヴンとして戦場に赴く。
『ARMORED CORE LAST RAVEN』の概要
『ARMORED CORE LAST RAVEN』(アーマード・コア ラストレイヴン)とは、『アーマード・コアシリーズ』の10作目で、ロボット兵器を操る傭兵「レイヴン」となって世界の命運を懸けた24時間の闘争に挑むPlayStation 2用アクションゲーム。製作はフロム・ソフトウェアで、ファンの間では「LR」もしくは「ACLR」と略されている。
ゲーム中には「24時間」というタイムリミットが存在しており、複数のミッションを取捨選択しつつクリアしながら物語が展開。どのミッションを選んだかによってストーリーが分岐し、異なる結末へと進んでいくマルチエンディング方式を採用している。登場するレイヴンたちは個々に詳細な設定が存在し、彼らが生々しい感情をぶつけ合う濃密な交流が描かれる。『アーマード・コアシリーズ』の中では、本作がPlayStation 2で発売された最後の作品となった。
“遺失技術で作られた自律飛行型特攻兵器の襲撃による人類の敗北”という衝撃的な結末を迎えた『ARMORED CORE NEXUS』(アーマード・コア ネクサス)の物語から数か月後。この事態を招いた巨大企業たちは共同して「アライアンス」という組織を作り、自社の支配をかろうじて守り続けていた。
そんなある日、かつて企業間の抗争で主力として活躍した“ロボット兵器アーマード・コア(以下AC)を駆る傭兵”レイヴンの1人であるジャック・Oが、「バーテックス」という武装組織を結成。アライアンスの打倒とレイヴンによる新たな秩序の創生を目指して行動を開始する。
バーテックスの総攻撃まで残り24時間。ジャック・Oの下に走る者、アライアンスの下でそれを迎え撃たんとする者、静観を決め込む者。特攻兵器の襲撃から生き残った主人公を含むレイヴンたちは、世界の命運を決める戦いが迫る中、それぞれに独自の判断で動いていく。
『ARMORED CORE LAST RAVEN』のあらすじ・ストーリー
特攻兵器の襲撃
大災害から逃れるために数世代に渡って地下世界レイヤードに封じられていた人類が、環境の回復した地上に再び進出して半世紀。国家の代わりとなって支配者となった巨大企業達は、新たな利潤を求めて貪欲に地上を制圧。熾烈な抗争を繰り返した末に、遺失技術によって作られた工廠を起動させてしまう。
これによりここに眠っていた何千何万という自律飛行型特攻兵器が動き出し、各企業や都市部に猛攻撃を加える。結果人類は多大なダメージを負い、なんとか生き残った企業たちは共同して「アライアンス」という組織を結成。市民の保護を担いつつ、自社の支配体制をかろうじて維持する。
そんな巨大企業の抗争で主力として活躍した、レイヴンことロボット兵器ACを駆る傭兵たちにとっても、特攻兵器の襲撃は大事件だった。
その活動を支えていたレイヴンズアークは壊滅し、レイヴン自身にも多くの犠牲が出る事態となり、生き残ったのはわずかに22人。秩序が崩壊しかける中、彼らは巨大企業の私兵となる道を選び、新たな戦いに向けてその牙を研ぎ続けていた。
バーテックスの反乱
特攻兵器の襲撃から数か月。レイヴンたちの中でも屈指の実力者として知られるジャック・Oが、突如“アライアンスの解体とレイヴンによる新秩序の創生”を目的とした組織「バーテックス」を結成。同調したレイヴンたちと共に、24時間後にアライアンスへの総攻撃を開始する旨を宣言する。特攻兵器の攻撃を招いたのは企業の際限ない抗争が原因だとして、もはや彼らは人類の未来を託すに値しないというのがその言い分だった。
レイヴンズアークが壊滅したとはいえ、個々のレイヴンたちの力は恐るべきものがあり、彼らの総攻撃を受けてはアライアンスも壊滅を免れない。恐慌に陥ったアライアンスは、バーテックスに参加しなかったレイヴンたちを雇って身を守ろうと図る。その中心戦力となったのはエヴァンジェという実力派のレイヴンで、自分がバーテックスを殲滅して名を挙げてやろうとほくそ笑む。
一方、バーテックスからもアライアンスからも距離を取り、中立の立場でこの騒動を見守るレイヴンたちもいた。その筆頭がジナイーダという凄腕の女性レイヴンで、「自分たちの戦力として取り込みたい、それができないなら敵に回られる前に排除したい」と考える両組織からの干渉を時に言葉で、時に武力で退け続ける。
さらにはパルヴァライザーと呼ばれる遺失技術で作られた自律型機動兵器が出現し、すさまじい性能を見せつけてバーテックスとアライアンスの戦線を掻き乱す。タイムリミット迫る中、主人公もまた1人のレイヴンとして、バーテックスにつくのか、アライアンスに従うのか、それとも中立を維持するのかの選択を強いられる。
6+1の分岐
本作は主人公の行動によって6+1にストーリーが分岐。ここではそれを個別に紹介していく。
アライアンス圧倒ルート
主人公はアライアンスに全力で加担し、バーテックスに与したレイヴンたちを次々と撃破。エヴァンジュが裏切ったふりをして得てきた情報によってバーテックスの拠点の位置が判明し、アライアンスはここぞとばかりに戦力を集中してここに攻勢を仕掛ける。
しかしこの時、エヴァンジュは「レイヴンズアークの重鎮でもあったジャックにしては迂闊な行動が多過ぎる、本当に本気でアライアンスを倒すつもりがあったのだろうか」との疑問に囚われ、それを主人公にのみ打ち明ける。その点については主人公もまた不思議に思ってはいたが、作戦開始の時間が来てしまったことで謎解きは後回しにされることとなる。
主人公がバーテックスの拠点の中枢に向かうと、そこにはジャックが損傷激しいACに乗り込んで待ち構えており、「目的はすでに“彼女”が果たした。あとは憎まれ役幕引きだ」との言葉を口にする。無謀ともいえる戦いの後、ジャックはどこか満足した様子で倒され、バーテックスの反乱は多くの謎を残したまま収拾する。
アライアンス優勢ルート
主人公がアライアンスに与して戦う姿を見たジナイーダから、「お前たちには失望した」とのメールが送られてくる。彼女はスパイとしてバーテックスに潜入したエヴァンジュと戦い、これを退けたらしく、争いに巻き込まれることに辟易としている様子だった。
程無くして「無限に進化する力を手に入れる」とのメッセージを最後にエヴァンジュからの連絡が途絶え、アライアンス側のレイヴンたちはやむなくバーテックスの拠点の1つと思われる地下施設に突入。先陣を切って突き進んだ主人公は、無数の特攻兵器に襲われて窮地に陥るも、大破寸前のジャックのACに助けられる。
策に溺れた者の末路と言って自嘲するジャックは、最後に「もはやお前に頼むしかない」と施設の最深部を示して崩れ落ちる。特攻兵器から逃れるためにもそこを目指すしかない主人公が最深部に向かうと、そこには新型のパルヴァライザーの姿があった。
死闘の末にこれを撃破する主人公だったが、戦いの中で「このパルヴァライザーは無人ではなく、誰かが乗って操っている」ことに気付く。大破する直前、パルヴァライザーに乗る何者かは、「ソウカ…オマエモ…ドミナント…」との謎の言葉を発する。パルヴァライザーに乗っていたのはエヴァンジュだったのか、ジャックの目的はあれを止めることだったのか、謎を残したまま物語は終わる。
バーテックス圧倒ルート
主人公はバーテックスの一員として力を振るい、アライアンス側の戦力を次々と撃破していく。これにより戦況はバーテックス優位に傾くも、ジャックは「我々に必要なのは真の強者のみ」と言って味方のレイヴンの粛清を開始。自らバーテックスの戦力を削る不可解な行動を続ける。
やがてアライアンスを裏切ってバーテックスに加担したエヴァンジュが実際はスパイ行為を目的としていたことが明らかとなり、主人公はこの排除を依頼される。「私こそが本物であると教えてやる」と妙なことを言いながら襲い掛かるエヴァンジュだったが、主人公はこれを撃破。アライアンス側の戦力はほぼ壊滅状態となる。
次いでアライアンス側が切り札として用意していた大型機動兵器レビヤタンをも撃破し、バーテックスは完全な勝利を手にする。しかし「レイヴンによる新たな秩序」とはなんなのか、ジャックに何かプランはあるのか、それはどのようなものなのか、主人公は不穏なものを感じずにはいられずにいた。
バーテックス優勢ルート
主人公の活躍に加えて、アライアンスの中心戦力であるエヴァンジュが寝返ったことで、バーテックスは物資と兵力の差を覆して優位に立ち回る。しかしここに来てジャックは突如バーテックスに属するレイヴンの粛清を開始。特に理由もなく、味方のレイヴンが何人も命を落とす。
そんな中、エヴァンジュがバーテックスの拠点の1つを襲撃。彼はもともとアライアンス側の潜入工作員だったのだと判断したジャックは、主人公にその迎撃を命じる。かくして戦場で相対することとなった主人公とエヴァンジュだったが、彼は「戦いの天才、先天的な戦闘好適者ドミナントは私だ」と謎の主張を繰り返す。
戦いは主人公に軍配が上がり、負けを悟ったエヴァンジュは「偽者は私の方だったか」と呻く。そんなところにパルヴァライザーが乱入し、エヴァンジュは傷ついた機体を押してこれを迎撃。彼に「奥の施設を破壊してくれ」と頼まれた主人公は、事情も分からぬまま拠点の奥地へと向かう。
強力な防衛システムを突破し、なんとか最深部に位置していた巨大コンピューターを破壊すると、稼働中だった施設の動力炉が暴走し全体が崩壊。なんとか脱出した主人公だったが、たった今壊した施設がなんだったのか、エヴァンジュがなんのためにここに現れたのかは謎のまま物語は終わる。
中立共闘ルート
アライアンスとバーテックスの抗争が激化する中、主人公は中立派の一員としてどちらの組織からも距離を取る。戦況は総戦力で勝るアライアンス側に優位に傾くが、その強引な手法に反発した中立派が次第にバーテックスを支援するようになったため、結果として互角のまま推移。エヴァンジュを始めとするレイヴンたちが次々と命を落とし、やがて生き残ったのは主人公、ジャック、ジナイーダの3名のみとなる。
ここに来て、ついにジャックはその真意を明かす。彼はサークシティと呼ばれる場所の地下で遺失技術による施設を発見し、これが特攻兵器を統括する制御コンピュータであること、破壊されるたびに強化された状態で再生産される自律型機動兵器パルヴァライザーによって守護されていることを知る。ジャックはインターネサインと名付けたこの施設の破壊を試みるも、自分の実力ではパルヴァライザーに勝てないと判断。戦いの天才にして先天的な戦闘好適者たる「ドミナント」という存在を探すため、バーテックスvsアライアンスという“全てのレイヴンを巻き込む闘争の場”を用意したのだった。
主人公とジナイーダなら世界の命運を託せると考えたジャックは、前者にパルヴァライザーの打倒を、後者にインターネサインの破壊を依頼。これを引き受けた主人公は、サークシティの深部に出撃し、先んじてパルヴァライザーと戦っていたジャックの最後を見届けた上でこれを撃破する。
ほぼ同時にジナイーダもインターネサインの破壊に成功するも、わずかな時間差を利用して再生産されたパルヴァライザーによって機体を大破させられる。地上に残ったただ1人のレイヴンにして、パルヴァライザーに対抗できる人類最後の戦力となった主人公は、さらなる力を得たパルヴァライザーを相手に奮闘。激烈極まる戦いの末に、ついにこれを打ち破る。
中立決戦ルート
中立派として淡々と任務をこなし、その実力を見せつけていく主人公。ある時、彼は任務中にパルヴァライザーと遭遇し、たまたま居合わせたジャックに止められるもこれを倒してしまう。パルヴァライザーが無限に進化する自律兵器であることを知るジャックは頭を抱えるも、主人公の力を確かめた上で、「お前ならば世界の命運を託せるかもしれない」とインターネサインの破壊を依頼する。
ジャックはもう1人、ジナイーダのことも「世界の命運を託すに足る猛者」と見込んでいた。彼ら以外のレイヴンが全て倒れた後、ジャックと彼女がパルヴァライザーを撃破し、同じタイミングで主人公がインターネサインを破壊するという作戦が決行され、ジャックの死という犠牲を払いつつもこれは成功する。
しかしその直後、パルヴァライザーを撃破したジナイーダは、「お前を倒して最後のレイヴンとなった時に、強さを求め続けた自分の存在への答えが得られる気がする」と言って主人公に襲い掛かる。ジャックが認めたその強さは圧倒的だったが、主人公もまた一歩も譲らず彼女を迎え撃ち、ついにこれを打ち倒す。
「レイヴン、その称号はお前にこそ相応しい」
そう言い残し、ジナイーダは愛機と共に散る。激動の24時間が経過し、世界を救って最強の称号を手にした“最後のレイヴン”たる主人公を、朝日が神々しく照らしていた。
追加ルート
最後のレイヴンとなり、インターネサインを破壊して帰還した主人公の下に、一通の依頼メールが届く。インターネサインの跡地に新たなパルヴァライザーが出現し、これを撃破してほしいというものだった。
出撃した主人公の前に、果たして新型のパルヴァライザーが現れる。壮絶な死闘の末にこれを撃破し、主人公は自らが最強であることを証明する。
『ARMORED CORE LAST RAVEN』のゲームシステム
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目次 - Contents
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』の概要
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』のあらすじ・ストーリー
- 特攻兵器の襲撃
- バーテックスの反乱
- 6+1の分岐
- アライアンス圧倒ルート
- アライアンス優勢ルート
- バーテックス圧倒ルート
- バーテックス優勢ルート
- 中立共闘ルート
- 中立決戦ルート
- 追加ルート
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』のゲームシステム
- GARAGE(ガレージ)
- コアパーツ
- 脚部
- 腕部
- 頭部
- ジェネレーター
- ラジエーター
- FCS(Fire Control System/火器管制)
- ブースター
- 腕武器
- 肩武器
- エクステンション
- インサイド
- MISSION(ミッション)
- VR ARENA(ブイアール アリーナ)
- MAIL(メール)
- SHOP(ショップ)
- SYSTEM(システム)
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 主人公
- シーラ・コードウェル
- エド・ワイズ
- バーテックス
- ジャック・O
- 烏大老(ウーターロン)
- アライアンス
- エヴァンジェ
- モリ・カドル
- 中立派
- ジナイーダ
- リム・ファイアー
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』の用語
- アライアンス
- バーテックス
- 特攻兵器
- インターネサイン
- パルヴァライザー
- ドミナント
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ジナイーダ「レイヴン、その称号はお前にこそ相応しい」
- 『ARMORED CORE LAST RAVEN』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ネットミームとなった「ドミナント」
- リム・ファイアーの声優武村大は本作のディレクター