鶴見篤四郎（ゴールデンカムイ）の徹底解説・考察まとめ

鶴見篤四郎の概要

鶴見篤四郎（つるみ とくしろう）とは『ゴールデンカムイ』の登場人物で、大日本帝国陸軍の第七師団歩兵27部隊を率いている。階級は中尉。
日露戦争時には情報将校であったが最前線に駆り出され、203高地攻略作戦で上司の立てた無謀な作戦の陣頭指揮を執らされ、甚大な被害を出しながらも多大な功績を挙げた。奉天会戦にて額に砲弾の破片を受けて、頭蓋骨の前頭部および大脳前頭葉の一部を失う重症を負う。以来、欠損した頭蓋骨を補うために琺瑯（ホーロー）製の大きな額当てをしており、感情が昂ると額の傷口から時々脳漿が溢れ出す。本人はこの脳漿を「変な汁」と称している。

『ゴールデンカムイ』は、国をも興せるほどの量があるとされる「アイヌの隠し金塊」を巡る、様々な組織と人物の攻防を描いた物語である。この金塊は“のっぺら坊”という人物によってアイヌから奪われ、どこかへと隠されたとされていた。網走監獄に囚われたのっぺら坊は、金塊の在り処を記した暗号を刺青の形で囚人たちに施し、「外にいる自分の仲間と共に金塊を回収したら、その半分をやる」との言葉を彼らに伝える。やがてこれらの刺青を施された囚人たちはそろって脱獄し、北海道中に散らばっていった。
一部の囚人、そして隠し金塊の存在を知った者たちは、「刺青人皮（囚人たちに施された、金塊の手掛かりでもある刺青）を集めて、自分が金塊を手に入れよう」と画策。同様に考える者たちと熾烈な戦いを繰り広げる。鶴見率いる第七師団もこの争奪戦に加わった組織の1つである。日露戦争の英雄杉元佐一（すぎもと さいち）と、“のっぺら坊に殺されたアイヌの1人”だとされているウイルクの娘であるアシリパを中心とする杉元一派。戊辰戦争で戦死せずに生き延びた、自身も刺青を施された囚人の1人である土方歳三率いる土方一味。隠し金塊を求める強力なライバルたちとしのぎを削りながら、鶴見もまた隠し金塊とその手掛かりである刺青人皮を集めていく。

日露戦争後、多大な死者数を出した第七師団は軍内で冷遇されるようになるが、鶴見は死んでいった部下たちに報いるべく金塊を資金に自らを指導者とした軍事政権を実現させると宣言している。しかしそれが本当の目的なのかどうかは側近の月島基（つきしま はじめ）にも伝えておらず、鶴見の心の内は非常に謎が多い。

鶴見篤四郎のプロフィール・人物像

生年月日：12月25日
出身：新潟県
好きな物：和菓子
嫌いな物：酒類

CV：大塚芳忠

性格は冷酷にして激昂、酷薄にして奇矯。一方で部下には折に触れて温情を示し、民間人には手を出さないという軍人としての規範を守るという複雑怪奇な人間性の持ち主。頭脳明晰で戦略に通じ、金塊争奪戦の最大勢力として常に盤面を左右し続けた。
前頭葉を欠損したためか、頭に血が上りやすいが、冷静なまま異常な振る舞いを見せることもある。金塊争奪戦で敵対している杉元佐一を捕らえた際には杉本の頬を串刺しにしたり、造反者である部下の二階堂には「耳と鼻を削ぎ、その上で切腹させる」という極めて残虐な私刑を科そうとする、かつて日露戦争を共に戦った和田大尉の指を食いちぎる等の常軌を逸した行動がみられる。

特殊なカリスマ性を持ち、刺青人皮の偽物を作成するために剥製職人である江渡貝弥作（えどがい やさく）を訪ね、その狂気的美意識に共感することで助力させるなど、一部の部下及び協力者からは狂信的な支持を得ている。
上官である第七師団27歩兵隊隊長である淀川中佐の弱みを握って意のままに動かしており、軍内では中尉という本来の自分の職位を遥かに上回る発言力、影響力を有している。
武器を提供してもらったり、大湊司令官でもある海軍少将の鯉登平二（こいと へいじ）に雷型駆逐艦による協力を要請するなどコネクションも広い。

鶴見篤四郎の装備・能力

鶴見は高い情報分析力に加えて不可思議なカリスマ性を持ち、江渡貝や鯉登音之進（こいと おとのしん）少尉のように鶴見に心酔する信奉者も多い。
自らの協力者を増やすべく、目を付けた部下や関係者達の家族関係や過去の人間関係、隠れた欲求、トラウマまでをも巧みに調べ、それを絶妙に突くための極めて周到かつ長期間による芝居を仕組み、自身がその者にとっての掛け替えのない理解者だと演ずるという壮大な手口を多用している。時には数年掛けてそのネタをあえてバラし、相手の心を折ったうえでその隙に付け入ることもある。
こうした極めて手の込んだ“優しい嘘”を積み重ねることによって、鯉登少尉らを始めとする多くの熱狂的信奉者を獲得している。そこには自分の為に命を投げ出す忠実な手駒の入手、邪魔者の始末、有力な親族の懐柔など、極めて冷徹かつ打算的な趣旨が見え隠れしている。月島のようにそれを知った上でなお彼に忠誠を誓い続ける者も少なくないのは、彼の恐るべきカリスマ性と人心掌握術の巧妙さを窺うことが出来る。
また、軍人として様々な銃器の扱いに精通しており、自ら前線に立って部下を鼓舞する姿がたびたび描かれている。常時携帯しているのは自動拳銃のボーチャードピストルである。ボーチャードピストルはドイツ製であり、口径は7.65㎜、装弾数は8発。
ライフルなどの大型銃に使用されていたトグルアクションと呼ばれる機構を片手でギリギリ持てるサイズまで縮めたオートマチックハンドガンの元祖ともされている。重さが1310gと拳銃としては重いがそれを使いこなす筋力などを考えると鶴見の技量は非常に高いと考えられる。
更に、小樽で賭場を襲撃して刺青人皮を奪おうとした囚人の1人である坂本慶一郎（さかもと けいいちろう）から奪ったと思われるウィンチェスターM1897を使いこなす場面もある。
ウィンチェスターM1897はポンプアクション方式散弾銃であり、アメリカで製造されたものである。主にアメリカ軍が利用しており、近年ではベトナム戦争での運用史まで確認されている。比較的ポピュラーな散弾銃であるが、一度射撃した後に引き金を引いたままにしておくと、スライドハンドルを前後に動作させるだけで装填と共にハンマーが動作するので連続した射撃が行えるため使用方法を理解していなければ使いこなせないのである。日露戦争や奉天会戦などの前線での戦闘に参加している為か、鶴見が利用できる武器は多種多様であり、銃器開発者である有坂成蔵（ありさか なりぞう）より補給された三八式機関銃をも使いこなしている。
三八式機関銃は三脚架上に搭載して運用する空冷式機関銃である。銃本体の重さは28㎏、保弾板を使用し30発を連射できる。発射速度は毎分450発であり、熟練機関銃手であれば最高600発を射撃できる。鶴見はこの機関銃を馬車に装着し利用することで、武器輸送、移動、攻撃を同時に行っていたのである。この機関銃により刺青囚人の坂本を仕留めている。

鶴見篤四郎の来歴・活躍

“長谷川幸一”の絶望

鶴見はかつて長谷川幸一（はせがわ こういち）と名乗り、身分を偽ってロシアに潜入し諜報活動を行っていた。隠れ蓑として写真館を営み、ロシア人のフィーナという女性と結婚して家庭を持ち、オリガという娘にも恵まれる。これらはスパイであることを悟られないための偽装工作だったが、鶴見はやがて聡明な妻とかわいい娘のことを心から愛するようになっていった。
ある時、ウイルク、ユルバルス、ソフィア・ゴールデンハンドの3人らが写真館を来訪。彼らはロシア極東の少数民族の出身で、自分たちの民族の存続のために帝政ロシアに対抗しているパルチザンという組織の人間だった。ウイルクたちは北海道のアイヌが大量の金塊を隠し持っているとの情報を手に入れ、これを奪って自分たちの軍資金にしようと画策しており、そのために鶴見に「日本語を教えてほしい」と依頼。鶴見はウイルクたちがなんらかの思惑で動いていることを察しつつ、“写真家の長谷川幸一ならそんなことに気付くはずがないし、断る理由もない”との判断からこれを引き受ける。

ウイルクたちはこの時点でロシア皇帝の暗殺に成功しており、ロシアではお尋ね者として広く手配書が出回るような立場だった。やがて写真館は兵士に囲まれて銃撃戦となり、ウイルク、キロランケ、ソフィアはこれを返り討ちにする。しかし流れ弾がフィーナとオリガに当たってしまい、2人は死亡。鶴見はあくまで“長谷川幸一”を演じ切り、ウイルクたちに「早く逃げろ」と伝える。
この時、鶴見は「フィーナとオリガはウイルクによって意図的に射殺された」ことに気付く。ウイルクもまた“長谷川幸一”がただの写真家ではなくスパイだと気付き、自分たちが来訪したことで諜報活動を続けられなくなるだろうと予測。逃げ出すとなれば足手まといにしかならないカモフラージュ用の家族を“親切心から始末した”のだった。鶴見は涙一つ見せることなく、妻子の遺体と写真館を自らの手で燃やし、自身がそこに存在していた証拠を消して日本に帰国。だが妻子の小指の遺骨だけは回収し、これを大切に持ち続ける。

人を支配する感情

日本に戻った鶴見は、軍部での自分の地位を確立するため、地盤固めに精を出す。故郷の新潟出身の軍の高官に接触を繰り返したのもその1つである。その軍人の息子である高木智春（たかぎ ともはる）の通う柔道場にたびたび顔を出したのも自分の存在をアピールするためだったが、ある時その智春が友人の宇佐美時重（うさみ ときしげ）に殺されるところを目撃する。
宇佐美は柔道場に通って自分たちの面倒を見てくれる鶴見を敬愛し、彼に特にかわいがられる智春への嫉妬から彼を殺害したのだった。「目の前で智春が殺されるのを止められなかった」という事実が明らかになると危険だと考えた鶴見は、この1件を事故として処理する。結果として高木家の支援は諦めざるを得なくなるも、代わりに鶴見は「人間を支配するもっとも強い感情は愛である」ことを悟る。

鶴見への敬愛から生まれた嫉妬で宇佐美は智春を殺害し、妻子への愛情あればこそ自分はウイルクへの憎悪を捨てられない。愛情を御すれば他人を支配することも、自分のために命を投げ出す最強の兵士を作り出すこともできる。この結論を胸に、鶴見はこれはと見込んだ兵士を愛情で支配するようになっていく。
日清戦争で活躍するも、“結婚の約束をしていた幼馴染を殺された”恨みで父を手にかけて死刑判決を受けていた月島基（つきしま はじめ）。陸軍第七師団の師団長である花沢幸次郎（はなざわ こうじろう）の隠し子尾形百之助（おがた ひゃくのすけ）。海軍少将鯉登平二（こいと へいじ）の次男鯉登音之進（こいと おとのしん）。優秀な兵士を愛情によって篭絡していく鶴見だったが、その中には鶴見に心酔する者もいれば、猜疑に満ちた眼差しで接する者もいた。

日露戦争

日露戦争が始まると、第七師団の部隊長としてこれに従軍。無能な上層部の判断で若者が不必要に死んでいく様を見て心を痛め、「自分がもっと上の立場であれば」と悔やむ。一方、兵士たちの篭絡は戦場においても実行し、愛情を与えてはそれを疑わせ、果ては身をもって砲弾から庇うことで月島を思考停止に追い込み、“意のままに動く優秀な兵士”として完成させる。
この時頭蓋骨の額部分を損傷し、以後この箇所をホーロー性の額当てで覆うようになる。前頭葉も一部欠けてしまい、感情の制御が苦手になり、やや不安定な性格となった。

多くの兵士たちが散っていく中、恐るべき勇猛さを発揮して戦う杉元佐一（すぎもと さいち）という兵士を目撃する。杉元はその強さと常識外れのタフネスで“不死身の杉元”と呼ばれ敵味方に畏怖されており、「とんでもない男がいたものだ」とその雄姿を記憶に残す。
日露戦争は表向き日本の勝利で終わるが、実際はほとんど痛み分けに近い形に終わる。鶴見は「ロシアは日本への侵略の意志を捨てていない、いずれまた戦争が起きる」と判断し日本を守るための策を独自に考え始める。

ウイルクとの再会

日露戦争後、鶴見は「北海道を独立させて軍事国家を作り、ロシアへの防波堤とする」という方法で日本をロシアの脅威から守ることを決意。これはただ日本を守るだけでなく、日露戦争で報われないまま心身に傷を負った部下たちに新たな仕事と居場所を与えるためのものでもあった。
そのための資金源として鶴見が目を付けたのが、かつてウイルクたちが探していたアイヌの隠し金塊だった。情報将校として様々な資料に目を通す内、これがただの噂ではなく実在するものであるという確信を得た鶴見は、日本のために隠し金塊を我が物とするべく動き出す。

鶴見よりも早く隠し金塊確保のために動いていたウイルクは、アイヌの女性と結婚して娘を儲け、身も心もアイヌとなっていた。和人への反抗を目論む数人のアイヌと協力して隠し金塊の在り処も突き止めていたが、ウイルクは「ロシア極東の少数民族の独立を守るのは難しい、この金で北海道を少数民族の楽園にしよう」と方針転換。同じくアイヌに溶け込むためにキロランケと名を変えたユルバルスは「ロシア極東の少数民族に代々守ってきた土地を捨てろというのか、ロシアに残してきたソフィアがそれで納得すると思うのか」と反発したが、ウイルクは「これが一番効率が良く成功率も高い」と彼らと決別して独自の路線を歩み始める。
鶴見もまた「ウイルクたちが隠し金塊を手に入れた」ことを突き止め、彼らに接触。自分の妻子を殺したウイルクが、金塊ばかりか家族をも手に入れたことに静かな怒りと憎悪を燃やす。この時点でウイルクたちは金塊を五稜郭の埋め立てられた井戸の底に移していたが、鶴見はそこが隠し場所であることまでは分からず、彼らに不和の種を仕込んだ上で泳がせる。これはウイルク以外のアイヌたちが殺し合って全滅する結果となり、改めて鶴見の恐ろしさと執念深さ、自分への憎悪を察したウイルクは自らの顔を剥いで死体に被せることで己の死を偽装。これをも見破って追跡する鶴見から逃れるため、網走監獄に出頭する。

金塊争奪戦の始まり

網走監獄の中で、ウイルクは24人の囚人たちの体に“金塊の隠し場所の手掛かり”と称する刺青を施し、「外にいる自分の仲間に接触して金塊を回収したら、その半分をやる」と持ち掛ける。後に脱獄したこの囚人たちは、ある者は独自に隠し金塊の謎を解こうとし、ある者は勝手気ままに振る舞い、またある者は「自分の刺青を狙って追手が来る」と怯えてあちこちを逃げ回った。
隠し金塊を手に入れるため、鶴見は第七師団を率いて刺青の囚人たちを追う。装備に恵まれ、人員も多い第七師団は同様の目的で動き出した勢力の中ではもっとも強大な組織ではあったが、それだけに小回りが利かず“刺青人皮”こと隠し金塊の手掛かりとなる刺青の回収は難航する。隠し金塊を求める中では第七師団に次ぐ勢力で、戊辰戦争を密かに生き延びていた土方歳三（ひじかた としぞう）率いる一味も同様の有り様で、両者は互いに警戒しつつ刺青人皮を求めて東奔西走する。

そんな折、鶴見はかつて日露戦争の戦場で見掛けた杉元と再会する。杉元は「自分を庇って戦死した幼馴染の遺言で、眼病を患った彼の妻をアメリカの医者に診せる」ために金を欲しており、金塊争奪戦にも参加していた。ウイルクの娘であり、刺青人皮の暗号を解ける唯一の人間と目されるアシリパも、彼と行動を共にしていた。
鶴見は杉元を仲間に誘い、それを断られると始末しようとするが、ここでも恐るべき底力を見せつけられて失敗。アシリパや少数の仲間たちと協力して刺青人皮の回収を進めていく杉元を眺め、「少数の彼らの方が効率的に立ち回れる。見張りだけつけてしばらく泳がせておこう」と結論する。

網走監獄襲撃

アイヌのインカラマッという女性と協力関係を結んだ鶴見は、彼女を杉元一派に潜伏させてその動向を見張りつつ、「ウイルクから直接隠し金塊の在り処を聞き出す」ために網走監獄の襲撃を計画する。
やがて杉元一派は土方一味と手を組み、鶴見同様にウイルクへの接触を画策。彼らが網走監獄に潜入したタイミングで、鶴見は鯉登平二の軍艦で出撃。圧倒的な火力で網走監獄を制圧し、ウイルクを手中に収めんとする。「なんとしても隠し金塊を我が物にする」という強い決意に裏打ちされた作戦だったが、「混乱の中でウイルクが死んだとしてもそれはそれで仕方がない」という形で鶴見のウイルクへの復讐の念を含んでもいた。

結果的にこの作戦は失敗し、ウイルクは「我らパルチザンを裏切った、ロシア極東の少数民族を見捨てた」と判断したキロランケと、鶴見の下を離れて独自の動きを見せる尾形によって射殺される。その後キロランケは隠し金塊につながる唯一の情報を持つアシリパを連れ出し、自らのホームグラウンドであるロシア極東部へと去っていく。
この戦いの中、杉元も重傷を負って倒れるが、彼とアシリパに命を救われて「恩を返したい」と考え第七師団から離れた元兵士の谷垣源次郎（たにがき げんじろう）によって救出される。鶴見は谷垣と杉元を保護し、彼らがこれまでに集めた刺青人皮を奪う一方、「アシリパを奪回するのであれば、彼女から信頼されている杉元は必要不可欠の人材」との判断から彼に治療を施す。

ロシア先遣隊

回復した杉元はこれまでに集めた刺青人皮の譲渡と、鶴見と手を組んでアシリパ奪還のためロシア極東部に赴くことを承諾する。彼に加えて谷垣、月島、鯉登の4人が先遣隊としてロシア極東部に向かい、見事にアシリパを奪還。キロランケは死亡するも、尾形には逃げられてしまう。この旅の中で鯉登は大きく成長し、「鶴見の月島や宇佐美への態度は歪なものなのではないか、彼を信じ続けることは果たして正義なのか」との疑念を抱くようになる。
ウイルクを殺したのがキロランケと尾形であるとは知らないアシリパは、父の生まれた土地を旅する中で、刺青人皮の暗号を解くカギが“ウイルクのアイヌとしての名前”にあることを感づく。しかし鶴見の中に自分（正確には、アシリパの父であるウイルク）に対する深い憎悪があること、鶴見がその本心を隠したまま愛情によって人を支配していることを見抜き、「本心を明かさず、人を利用することしか考えていないお前は信用できない」として決別。鶴見たちの追跡を振り切り、杉元や仲間たちと共に日本へと帰還する。

一方、ソフィアもまた部下を率いて北海道に乗り込んでくる。それは志半ばに散ったウイルクや数十年ぶりに再会するも目の前で殺されるのを見ていることしかできなかったキロランケの遺志を継ぐためであり、彼らが生きた異郷の地を己の目で確かめるためでもあった。
尾形もまた密かに日本に向かい、隠し金塊を巡る戦いはいよいよ大詰めを迎える。

五稜郭の戦い