【町山智浩】知識人たちが読み解く宮崎駿の『風立ちぬ』とは【信田さよ子】
スタジオジブリの作品『風立ちぬ』を見た知識人や著名人の感想をまとめました。映画評論家やコラムニストとして活躍する町山智浩や、臨床心理士の信田さよ子など、様々な人物の称賛の声や辛口コメントを記載しています。様々な角度で『風立ちぬ』について考えられる、興味深い感想を紹介していきます。
多くの人が「風立ちぬ」のコピーである「生きねば」という言葉の文脈でこの映画をとらえようとしないんですよね。それはやっぱりこのテーマが理解されえないからでしかない。
— 岩崎夏海 (@huckleberry2008) July 21, 2013
小林よしのり氏
出典: blogos.com
素朴な作品なのにイデオロギー的な見方をされるのがすごくイヤ!
韓国では「ゼロ戦を作った、戦争協力者を描くとは何ごとか」と批判されていますけども、日本にもいるんですよ!そういうの、評論家とか。
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堀越二郎を取り上げるときに、全然葛藤していないとか。
ゼロ戦なんかを作った堀越二郎を美しく描いていいのかと。
その感覚がすっごくイヤでしてね。
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戦後、戦争協力者として藤田嗣治を弾劾したような空気がまだ続いていてね、ゼロ「戦を描いた軍国主義に協力している」となる。
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宮崎駿の描く「日本」が好き
宮崎駿はゼロ戦を取り上げたけどこの人は護憲派ですしね、どっちかっていうとわしが左翼と言ってるような人ですよ。あの人が描く日本って言うのはね、極めて日本的なものなんですよ。精霊とかね、自然とかね。だからすごくわしとしては好きなんですよ。そんな日本的なものを描く人が近代的なゼロ戦というものに入れ込んでしまう矛盾というね、そういうものを素朴に作家は表してるだけなんで、それをイデオロギーとして捉えてはダメだとわしは言いたいんですね。
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宇野常寛氏
もしジローとナオコの間に子供が生まれていたら…
全く関係ないが「風立ちぬ」のプロットと、こないだスピリッツに載っていた「美味しんぼ」のヤング海原雄山と山岡母のエピソードが酷似していることに気づいてしまった。
— 宇野常寛(エッセイ集『水曜日は働かない』発売中) (@wakusei2nd) July 23, 2013
いや、あの二人の子供ならいま70歳くらいの60年安保世代か……。雁屋哲?
— 宇野常寛(エッセイ集『水曜日は働かない』発売中) (@wakusei2nd) July 23, 2013
宮崎駿と雁屋哲はどちらも1941年生まれ。そしてどちらも2013年に72歳で、「求道者の男に病弱な妻が献身的に仕えて若死にするけど、女はそれが本望だった。こんな美しい話はないでしょ」的な作品を発表しているわけか。笑
— 宇野常寛(エッセイ集『水曜日は働かない』発売中) (@wakusei2nd) July 23, 2013
宮崎駿と母性のユートピア3 ラピュタという墓所 http://t.co/UHgz9ua1XR
— 宇野常寛(エッセイ集『水曜日は働かない』発売中) (@wakusei2nd) July 24, 2013
小飼弾氏
金返せ
観賞後、これは黙っているしかないと思ったけど、これではそうも行かない。
よろしい。ならば申し上げよう。
金返せ。
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本作「風立ちぬ」は、「天才なら何しても許されて当然だよね」というクリエイターの増長に、「天才だから何をしても許すべき」だというプロデューサーの誤解が交わって出来た鬼子。
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「夢と技術と子供」「歴史」「女」に対する甘え
まず、夢と技術と子供に対する甘え。主人公堀越二郎は、夢の中で自分で作った飛行機を飛ばすのだが、なんだあのエンジンは?スロットルバルブがくるくる回るってどんだけ?
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次に、歴史に対する甘え。堀越は実在の人物で、つい30年前まで存命だった。まだ著作権が消滅しないほど最近だ。私自身は、史物はどうネタにしてもよいと考えているたちで、戦国武将を萌え少女にしようが真田幸村を阿闍羅王にしようが、面白ければいいと考える一方、「素材」として用いるには「生気」が「枯れて」歴史化が完了しているまで待つべきとも考えている。はたして堀越はそのような人物であったのだろうか。
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風の谷のナウシカの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『風の谷のナウシカ』とは、1984年公開のトップクラフト制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。1982年に『アニメージュ』で連載していた宮崎の同名漫画を原作としている。宮崎駿の長編アニメーション映画としては第2作である。 「火の七日間」という最終戦争から1000年後の世界。近代文明が崩壊し、「腐海」と呼ばれる異形の菌類の森に世界は覆われていた。本作には、この世界の過酷な現状やナウシカの生き様を表した印象的なセリフが数多く登場する。
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『紅の豚』とは、1992年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。監督は宮﨑駿。1990年に『月刊モデルグラフィックス』で連載された『宮崎駿の雑想ノート』の『飛行艇時代』を原作としている。 世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。豚の姿になった「ポルコ・ロッソ」が、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。中年男性向けを意識して制作されたため、「飛行機」や「空軍」などロマンがあり、渋い名言も多い。
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目次 - Contents
- 町山智浩氏
- 常に妄想する主人公。それは宮崎駿自身。
- 「ものを作る人たち」の業
- 反戦のはずなのに戦闘機や戦車を愛してしまう矛盾
- 庵野監督の声優起用
- 信田さよ子氏
- 樋口真嗣氏
- あの日々の日本を、美しい航空機を、健気な女の子を愛し抜く映画。
- 宮台真司氏
- つまらんかった
- 薄っぺらかった菜穂子
- 力と美は一体
- モノと人間の関わり
- 東浩紀氏
- アニメとしては神がかっているが、物語は謎ばかり
- 岩崎夏海氏
- 童貞には全く楽しめない映画ですね。槍賃はニヤリとする映画かもしれない。
- 「宮崎駿は終わった」と言いたがる人の多いこと。「終わった」って言いたいだけなんだよね。
- テーマ「生きていくことに矛盾を感じながらも生きなければいけない」に共感する人は少ない
- 日本の近現代史を知ってるか知らないかで120度くらい評価が違う
- 「風立ちぬ」はクリエイター論
- 小林よしのり氏
- 素朴な作品なのにイデオロギー的な見方をされるのがすごくイヤ!
- 宮崎駿の描く「日本」が好き
- 宇野常寛氏
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- 小飼弾氏
- 金返せ
- 「夢と技術と子供」「歴史」「女」に対する甘え
- 庵野監督の声優起用について
- 作品と「ひこうき雲」とはなんの接点もない
- 虚構を避け、現実に逃避したという甘え
- ドクター中松氏
- 航空機のプロから見た、合格点と不合格点。
- 内田樹氏
- 宮崎が描きたかったのは、あのゆったりとした「時間の流れ」そのものではなかったのか
- 岡田斗司夫氏
- 美しいモノだけが好きな男の話。美しくないモノには徹底的に冷たい
- 貧乏人が搾取され豊かな者がより豊かになる社会だからこそ「美しいモノ」が存在する
- 宮崎駿の矛盾と願望
- 菜穂子の「あなたは生きて」は菜穂子が言ったんじゃない
- モノを作る人間の性(さが)
- 悪魔のささやき
- 二郎の妹
- 「生きねば」というコピーとユーミンの主題歌。たぶん両方とも鈴木敏夫
- 宮崎駿の本音
- アニメーションは、画面の全てに意味がある
- 「風立ちぬ」の感動は、罪悪感
- 宮崎駿が大人向けアニメを作ると「大人なら当然ダンテの神曲ぐらいわかるよね?」となる。
- 僕らふつうの日本人は、二郎からシベリアを渡される庶民