耳をすませば(耳すま)のネタバレ解説・考察まとめ
「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画。原作者は柊あおいである。この映画は、ジブリ作品を作画で支えていた近藤善文の最初で最後の監督作品で脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。ストーリーは、主人公「月島雫」を中心に恋や夢、悩みなどを描いている。誰もが一度は経験したことがある甘酸っぱい青春ストーリーで未だに人気の高い作品だ。
『耳をすませば』の概要
「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画である。原作は集英社の漫画雑誌『りぼん』で1989年から連載された柊あおいの漫画。スタジオジブリ作品で作画を担当していた近藤善文の最初で最後の監督作品となった。脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。高校生の月島雫(つきしましずく)と天沢聖司(あまさわせいじ)を中心に、進路や恋に悩む甘酸っぱい青春ストーリーを描く。キャッチコピーは「好きな人が、できました。」。
『耳をすませば』のあらすじ・ストーリー
好きなひとができました――。
主人公「月島雫」は読書が大好きな中学3年生。いつものように借りた本をペラペラとめくっていた雫は、あることに気付く。それは、図書カードの「天沢聖司」という名前だった。見覚えのあるその名前は他の本の図書カードにも記入されており、雫は「どんな人なんだろう」と天沢聖司に思いを馳せるのであった。
夏休みの最中
同じクラスの親友「夕子」と学校の昇降口で待ち合わせをしている雫は、先に学校の図書室へ向かう。借りたい本を見つけた雫は、その本に「天澤」という蔵書印があることに気付く。その後、夕子と合流した雫は、二人で校庭前のベンチに座る。夕子に頼まれていたカントリーロードの訳詞を見せて、次に冗談で書いたコンクリートロードを見せる。ひとしきり笑った後、雫は「相談って何?」と切り出すのであった。その相談内容は、他のクラスの子からもらったラブレターのこと。さらに雫は、夕子が同じクラスの「杉村」に想いを寄せていることを知る。夕子との帰宅途中、雫は借りた本をベンチに忘れてしまったことに気付く。一人でベンチに戻った雫は、見知らぬ男の子が自分が借りた本を読んでいるところを目にする。「その本…」と声をかけた雫に、男の子は本を返して「コンクリートロードはやめた方がいいと思うよ」と去って行った。コンクリートロードを読まれたことと彼の捨て台詞に怒り心頭の雫は「嫌な奴」と思うのであった。
夏休みのある日。雫は、父親が忘れたお弁当を届けるために電車で市立図書館(父親の勤務先)に向かっていた。電車の窓から景色を見ていた雫は、一匹の猫がいることに気付く。偶然にも降りる駅が猫と一緒だった雫は「物語が始まるかも」という理由で猫を追うことにするのであった。猫を追っていくと、アンティーク調の素敵なお店「地球屋」にたどり着く。店内に入ってみると机の上に置いてあった猫の人形「バロン」に目がとまり、バロンを見ていると店主である「西 司郎」という優しそうな老人が現れる。店主との会話を楽しむ雫だったが、父親にお弁当を届けなくてはいけないことを思い出して急いで図書館に向かうことに。図書館に到着した頃、「月島」と呼ぶ声がしたため振り返る。その声の人物は、なんと例の「嫌な奴」だった。「これ、お前のだろ?」と「嫌なやつ」から地球屋に忘れたお弁当を渡される。実は、地球屋の店主は「嫌なやつ」の祖父だったのである。
二学期
登校中に夕子とラブレターの話をする。夕子は、まだ返事はしていないが断ろうと思うと雫に伝える。昼休み、雫はベテランの先生に図書室で見つけた本の寄贈者「天澤」について聞く。すると同じ学年に寄贈者の末っ子がいることが判明。動揺した雫は、最後まで話を聞かずに職員室から出て行ってしまうのであった。その日の夜、泣きはらした顔の夕子に呼び出される。夕子は、杉村から「友達から頼まれたからラブレターの返事をくれ」と言われたと泣きじゃくる。そして「こんな顔では学校に行けないから明日は休む」と言うのであった。
次の日の学校帰り、夕子の様子を見に行くために家に向かっていると杉村に呼び止められる。呼び止めた理由は「原田にラブレターの話をしたら急に泣き出して…何か悪いことしたのかな?」というもの。「本当に鈍い」と怒る雫は「夕子は杉村のことを好きなの」と言う。それに対して杉村は自分は雫のことが好きだから困ると答えたのだった。動揺した雫はその場を立ち去ろうとするが杉村に引き止められる。「ずっと友達だったから…」と言う雫に「これからもか?」と聞く杉村。小さくうなずいた雫を見て「そうか…」と杉村は立ち去ったのであった。
帰宅後、複雑な気持ちを抱えた雫は地球屋に向かう。お店が閉まっていたため、店先にいた猫(電車の中で出会った猫)の隣に座る。するとそこに「嫌な奴」が現れるのであった。お店の中に入れてもらえることになった雫は、そこで「嫌な奴」がバイオリン作りをしているところを目にする。その後「バイオリンを弾いて」とお願いする雫に対して彼は「弾くからお前は歌え」と言うのであった。曲は「カントリーロード」。彼がバイオリンを弾き、雫が歌っているところに地球屋の店主とその音楽仲間が現れて5人の演奏会となる。終了後、店主の音楽仲間の一人が「聖司くんにこんな可愛い友達がいるなんて」と口にする。聖司という名前にハッとした雫は「あなた、まさか天沢聖司なの!?」と聖司に聞くのであった。嫌な奴だと思っていた人物こそ、思いを馳せていた天沢聖司だったのである。
地球屋からの帰り道、雫を送る聖司は「バイオリン作りの職人になりたい」「中学を卒業したらイタリアのバイオリン製作学校に行きたいが両親に反対をされている。」と雫に話すのであった。
次の日。「月島はいるか?」と雫のクラスに聖司が来る。周囲の冷やかしを避けるために屋上に聖司を連れて行く雫。そこで聞かされた話は「パスポートが取れ次第、イタリアのアトリエで2ヶ月見習いをやる。バイオリン作りの職人として見込みがあるかを見てもらう。」というものだった。そして、聖司は照れながら、ずっと前から図書カードで雫に気付いており、雫よりも先に図書カードに名前を書くために本をたくさん読んだと告白する。続けて、イタリアで雫の歌を歌って頑張るからなと伝えるのであった。
夢に向かって進んでいる聖司に、目標がない雫は置いて行かれるような気持ちになる。しかし「聖司がやるなら自分もやればいいんだ」と自分の才能を確かめるために物語を書くことを決意するのであった。物語の主人公をバロンにしようと思い、聖司の祖父に許しをもらいに地球屋に訪れた雫。聖司の祖父は、快諾して最初の読者にしてほしいと笑顔で言うのであった。
物語を書き始めた雫は学業に支障が出はじめる。ついには、テストの順位を100番も落としてしまい母親が学校に呼び出されてしまうことになる。両親に「部屋で何をしているのか」「今やらなくてはいけないのか」と聞かれた雫は「今は言えない。自分を試すと決めたからあと3週間でやらなくちゃいけない」と両親に伝えるのであった。そんな雫に対して理解を示した両親は「自分の信じる通りにやってみろ」と言うのであった。
物語が完成したため、聖司の祖父のもとを訪れた雫は「何時間でも待っているから今すぐ読んでほしい」と言う。その後、読み終えた聖司の祖父がとても良かったというが、雫は自分の作品がよくないことを分かっていたため否定する。そして、聖司に追いつくために物語を書いたが、書きたいという気持ちだけでは書けないことに気付いたのであった。
帰宅した雫は、すっきりした顔で母親にとりあえず受験生に戻ると宣言したのであった。まだ空が薄暗い朝、窓を開けて見下ろすと、なんとそこに聖司がいた。驚く雫は急いで家を飛び出し聖司のもとに。そして、聖司の自転車の後ろに乗った雫は、聖司と共に高台(聖司の秘密の場所)で朝日を見ながら結婚の約束をするのであった。
『耳をすませば』の登場人物・キャラクター
月島 雫(つきしましずく)
本作の主人公で中学3年生。受験生の身でありながら夏休みに本を20冊読むという目標を掲げていたほどの読書好き。聖司とは夏休みに出会う。最初こそ嫌な奴だと思うが次第に惹かれていき、ラストでは結婚の約束をする。なお、ジブリ作品の「猫の恩返し」は雫の作品という設定。
天沢 聖司(あまさわせいじ)
雫と同じ学校に通う中学3年生。ずっと前から図書カードで雫のことに気付いており、雫よりも早く図書カードに名前を書くためにたくさんの本を読んだと明言している。将来の夢はバイオリンを作る職人で、中学卒業後にイタリアのバイオリン製作学校に行きたいと思っている。本作の終盤では、反対していた父親の許しを得て、自分を試すためにイタリアのアトリエに2ヶ月間の見習いに行く。
原田 夕子(はらだゆうこ)
雫のクラスメイトで親友。同じクラスの杉村に想いを寄せている。エンドロールでは杉村と待ち合わせをしている描写があり、恋人同士かは定かではないものの、友達よりも進展している模様。
杉村(すぎむら)
雫と同じクラス。ずっと前から雫のことが好きだったが、今もこれからも友達だと言われてしまう。聖司が雫を訪ねてクラスに来た際は、複雑そうな表情をしていた。
西 司郎(にししろう)
聖司の祖父で地球屋の店主。ドイツに留学した際に「バロン」を見つける。店主に譲ってほしいとお願いするも、バロンには恋人がおり引き離すわけにはいかないと断られてしまう。(バロンの恋人は修理に出されていた為、その時はいなかった。)帰国の日がせまっていたため、諦めようとしたところ、一緒にいたルイーゼが自分が恋人の猫を預かって、必ず二人を一緒にするからと申し出る。そして、ようやく折れた店主からバロンを譲り受けることになるのであった。バロンと恋人を引き合わせる時がルイーゼとの再会の日でもあったが、帰国後すぐに戦争が起きてしまう。終戦後、必死でルイ―ゼとバロンの恋人を探すものの、とうとう見つからなかった。バロンは、聖司の祖父にとって大切な思い出及び約束の品で、今も手元に置いているのである。
バロン
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵という名の人形。作中では、バロンや男爵と呼ばれている。
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