【ジブリ】あまり知られていない『もののけ姫』の裏設定・都市伝説集
言わずと知れたスタジオジブリの名作『もののけ姫』。今回はそんなもののけ姫のあまり知られていない裏設定・都市伝説・小ネタ・トリビアをお届けしていきます。知っていればより楽しめること間違いなしです。
アシタカせっ記
最初の頃、宮崎駿監督は「もののけ姫」のタイトルを「アシタカせっ記」にしたいと思っていました。
「せつ」の部分は宮崎駿監督の作った漢字で「耳から耳へ伝えられる」という意味を持っているそうです。
ですがプロデューサーである鈴木さんは、覚えやすくてインパクトのある「もののけ姫」の方がいいと考えていました。
そしてなんとか宮崎駿監督を説得するべく、こんな作戦に出ました。
なんと、先に「もののけ姫」とタイトルを付けた予告編をこっそり流してしまったのです。これには宮崎駿監督もうんと言わざるを得なかったようです。
一方の宮崎駿監督は、後々のインタビューでタイトルについて振り返ってこんなことを言っていました。
「お前の作品はいつも『の』がついているんだから、もののけ姫はのが二つもあって縁起がいいじゃないか」と押し切られたと言うのです。
脚本や絵コンテが存在しない
「もののけ姫」の最も特徴的なところに、正規の脚本や絵コンテが存在しないという点があります。これは、宮崎監督がアニメ作りとストーリー作りを同時進行で行ったためです。
随分無茶なことだと思うかもしれませんが、実は宮崎監督には前例があります。
それはデビュー作である「ルパン三世カリオストロの城」で、同じように脚本なしで絵コンテを仕上げたことがあるからです。
電通の本格参入
もののけ姫が大ヒットを飛ばせた理由の一つが、大手広告代理店の「電通」が本作品から本格的に参入したことが挙げられます。
元々これ以前の作品は、別の広告代理店である「博報堂」が手掛けていました。これは宮崎駿監督の実の兄が博報堂の社員だったからです。
ですが鈴木プロデューサーは、博報堂では利益が出ないと判断して、電通を参入させて「魔女の宅急便」を作り、見事ヒットさせます。
それ以降は、宮崎監督の家庭に配慮して、博報堂と電通を交互に参入させていたようです。
ですが、両者を比較しての利益の数が段違いと分かり、鈴木プロデューサーは博報堂を切って電通と手を組むのです。
コダマの進化系はトトロ
出典: dechisoku.com
「となりのトトロ」では、3匹の大きさが異なるトトロが登場します。
一番小さいトトロは白く推定年齢は109歳といわれており、続いて小さいトトロを一回り大きくしたトトロが青いトトロです。こちらのトトロも小さいながらも679歳と大分高齢です。
そして最終的には大きなトトロになり、トトロの推定年齢は1302歳だそうです。
まるで木の樹齢のようなキャラクターですが、そもそもこのトトロの前身となるのが実はコダマなのです。
宮崎監督が雑誌で「コダマに数百年後に耳が生えてトトロに進化する」と紹介していたので、都市伝説というより裏設定といった方が正しいのかもしれません。
この設定を踏まえると、109歳の白いトトロはコダマから進化したばかりのトトロなのかもしれませんね。
あえて異端なヒロインを描いた
ジブリ映画のヒロインというと、「天空の城ラピュタ」のシータや「となりのトトロ」のサツキ、などを連想される方が多いでしょう。
笑顔を絶やさず、決して恵まれていない環境でも精一杯生きているヒロイン達の姿は非常に魅力的です。
もちろん、サンも見た目は魅力的なヒロインですが、なかなか笑顔を見せようとはしません。さらにアシタカと出会う登場シーンでは、口元を真っ赤に血で染めています。
おそらく多くの人が、そんな美しくも恐ろしさをはらんだ妖怪のような少女の姿にドキリとさせられたに違いありません。
そんなサンが異端であるのには理由があります。
そもそも「もののけ姫」は、これまでのジブリ映画とは一線を画した存在であることを宮崎駿監督は伝えたかったのです。
ただのエンターテイメント作品ではなく、伝えたいものがあるということを、今までとは全く違ったヒロインを登場させることで伝えたかったといわれています。
サンの朱塗りの仮面の意味は?
出典: ameblo.jp
物語の序盤でアシタカもいるタタラへ、サンは単身で乗り込んできます。そんなサンが被っていたのは真っ赤な仮面でした。
火縄銃で撃たれてしまえば簡単に割れる土の仮面ですが、この仮面には二つのメッセージが隠されています。
まず、古代の日本では仮面には神がかり的な意味があるといわれていました。仮面を被ることで本来の人間の性質を隠し、神や妖怪たちに変身できると考えられていたのです。
そんな仮面をつけたサンは人間としてではなく、「山犬」の神として村を襲ったという意味が込められているのです。
続いて、その色にメッセージ性が存在します。
「赤」というカラーは怒りを表しており、人間の森に対する所業に対して怒りを言葉や表情ではなく仮面の色で表しているのです。
千尋ともののけ姫のサンにつながり
出典: girlschannel.net
ジブリの中でも一番の人気を誇った、「千と千尋の神隠し」にもさまざまな設定がありますよね。その中でも驚かれると思うのは、主人公千尋の裏設定です。
設定資料集にそれらしいことを書いてありましたが、千尋ともののけ姫のサンにつながりがあると言うのです。
早い話が、千尋はサンの子孫です。だから千と千尋の神隠しは、もののけ姫の後の世界で続編とのこと。神世界と分離してそれぞれの生活があったんですね。
サンも人として生きられて子孫まで残せた、そしてその子孫が神々と再会したと考えたらロマンチックでしょう。
タタラ場の病人たちはハンセン病患者
劇中に登場する全身包帯だらけの病人たちは、名前こそ出ていませんがハンセン病患者と言われています。
ちなみにタタラ場に子供の姿が一切ないのも、当時のハンセン病対策の一環として去勢が行われた歴史的事実を忠実に再現しているからです。
現在は医学の発達によってハンセン病は治療方法が確立しており、去勢が行われることもありません。
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