紅の豚(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『紅の豚』は、1992年7月18日に劇場公開された、スタジオジブリ制作・宮﨑駿監督による日本の長編アニメーション作品である。舞台は世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。自分自身に魔法をかけて豚の姿になったイタリア人・マルコが偽名「ポルコ・ロッソ」を使い、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に、賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。

『紅の豚』の概要

『紅の豚』は、1992年7月18日に劇場公開された、スタジオジブリ制作・宮﨑駿監督による日本の長編アニメーション作品である。スタジオジブリの長編映画第6作目の作品になる。

世界大恐慌時代のイタリア、アドリア海を舞台に飛行艇を乗り回す空賊と、それを相手に賞金稼ぎで生きる豚の姿をした元軍人操縦士の物語。幼い頃から空を飛ぶことに憧れていた宮崎が自分の夢として描いた作品のひとつで、宮崎が自身の演出ノートで「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」にしたいとメモしている。
原作は模型誌『モデルグラフィックス』に不定期連載された『飛行艇時代』。

日本航空での機内上映用として製作が開始されたが、長編化した為に劇場公開されることとなった。作品が完成した時も劇場公開より先に日本航空国際便機内で先行上映され、劇場公開後も機内上映は続けられた。

作品世界は宮崎自身の趣味を反映し、今までのジブリ作品に感じられた子供向けのイメージではなく、同年代に向けられた作品となっている。当時、子供たちのためにアニメ制作を行ってきた宮崎にとって、この作品は製作後も是非を悩み続ける作品となったという。一方で「イタリア人すら忘れてしまった航空機を復活させたり、存在しない空軍を出せたりしたことは道楽としては楽しかった」という。
また、『借りぐらしのアリエッティ』製作時のインタビューで「紅の豚の続編をやりたい」とも話しており、「題名は『ポルコ・ロッソ 最後の出撃』」と語ってもいて、宮崎自身の思い入れが非常に強いことが伺える。

キャッチコピーの「カッコイイとは、こういうことさ」、ポルコの台詞「飛ばねえ豚は、ただの豚だ」はあまりにも有名。

『紅の豚』のあらすじ・ストーリー

フィオ(左)に飛行艇を修理してもらうポルコ・ロッソ(右)

第一次世界大戦後のイタリア・アドリア海周域、終戦後も不安定な情勢下で、誰もが見えない明日に希望を探そうとした時代だった。
そこでは飛行艇を駆り、富裕層の客船を狙う「空賊」たちが跋扈していた。
深紅の飛行艇を駆る豚の「ポルコ・ロッソ」はかつてイタリア空軍のエースだったが、今はアドリア海の小島に隠れ住み、空賊退治を請け負う賞金稼ぎとして生きていた。
彼は無血で相手を降参させ、憎らしいほどにハードボイルドに生き、昔馴染みのマダム・ジーナの店で酒をたしなむ。その姿に多くの羨望と嫉妬の視線が寄せられていた。豚の容姿、赤い飛行艇に乗る彼は空賊の連中に「紅の豚」と呼ばれていた。

「マンマユート団」(直訳すると「ママ助けて団」)たちも含めた、空賊連合は、商売の邪魔をするポルコを目の敵にしていた。ポルコに毎回いいようにあしらわれてきた彼らは、アメリカから来た飛行艇乗り「ドナルド・カーチス」を雇い協定を結び、ポルコの打倒を計画する。
カーチス自身も自分の栄光の道の為、マダム・ジーナを手に入れる為、名誉を手に入れる為、ポルコの存在が邪魔だった。
ポルコは、豪華客船乗っ取りの一報と空賊同盟の挑発を受けるもそれを無視し、調子が悪かった飛行艇のエンジンを見てもらうためにミラノへ向かおうとする。その時に運悪く、カーチスがポルコを奇襲し、ポルコは飛行艇のエンジントラブルから全力を出し切れずに敗北してしまう。
ポルコが大破した愛艇をミラノの工房「ピッコロ社」に持ち込むと、ピッコロ本人、そしてその孫で17歳の少女フィオが彼を迎え入れる。
フィオは自分にこの飛行艇を直させて欲しいと懇願する。ポルコは驚き最初は反対するが、フィオの腕は確かで、ポルコもとうとう熱意に押され設計を任せる事になる。

飛行艇の修理をフィオにまかせ、ポルコは久しぶりにミラノの街を回っていた。ファシスト政権に非協力的なポルコは、ミラノでも秘密警察や空軍に狙われていることを知る。かつての戦友は空軍への復帰を薦めるが、ポルコにそのつもりはなかった。
その頃、ホテル・アドリアーノではジーナに一目ぼれしたカーチスが「ポルコを倒したから俺と付き合ってくれ」とジーナに求婚するが、ジーナは「ポルコは負けていない。まだ生きている」と信じて待ち続けていた。

フィオの修理と改造によって復活した飛行艇。しかしテスト飛行をする時間もなく秘密警察達の手から逃れるため、強行的に出発をしようとする。職人としてちゃんと飛べるかどうかを見極めようと、フィオはポルコに同行することを願い出る。根負けしたポルコはフィオも連れて、ファシストの追っ手から逃げるためにミラノの川沿いを低空飛行し、強行突破を図る。元空軍時代の仲間の協力も得てポルコ達は彼らを振り切り、無事アドリア海の隠れ家へ帰還したが、そこには空賊連合がポルコを待ち受けていた。
飛行艇が直った直後だったが、大勢に囲まれてしまい大ピンチに陥るポルコ。
しかしカーチスがフィオに一目惚れしてしまい、フィオとポルコの飛行艇の修理代金を賭けて戦うことになる。

決闘当日、イタリア中の飛行艇乗りやならず者達が見物に集まる中、ジーナは空軍の大編隊がポルコと空賊を一網打尽にしようと襲撃を計画していることを察知する。
ポルコとカーチスの大接戦は全く決着がつかず、決闘は殴り合いにもつれ込む。二人ともノックアウトされていたが、空軍の大編隊がやってくる危機を知らせに来たジーナの言葉に反応したポルコが辛うじて立ち上がり勝者となる。
空軍から逃げるため、周りの見物客もマンマユート団や空軍連合も逃げ帰っていく中で、ポルコはフィオをジーナに一緒に連れて帰ってくれと指示する。
ポルコと一緒に行きたくて暴れるフィオだが、ジーナは渋々それを承認する。
別れ際、フィオはポルコにキスをする。カーチスが目を覚ますと空軍が近くまで迫っていた、ポルコはカーチスと一緒に空軍を引きつけて囮になろうと提案するのだが、カーチスはその言葉を飲む前にポルコの顔を見て驚きを見せる。

その後、フィオはピッコロ社を継ぎ、ジーナと親交を深めていった。
カーチスはアメリカに帰国後、ハリウッドスターになる。そして、ホテル・アドリアーノの上空を紅い飛行艇が飛んでゆく。

『紅の豚』の登場人物・キャラクター

ポルコ・ロッソ(Porco Rosso) / マルコ・パゴット(Marco Pagot)

CV: 森山周一郎

本作の主人公。
口ひげをたくわえた元人間、今は豚の姿をしている。36歳である。
イタリア空軍の元大尉でエースパイロットだったが、世界大戦終戦後に退役し、今は空中海賊を相手に賞金稼ぎをしている。
艶やかに赤塗りされた飛行艇「サボイアS.21試作戦闘飛行艇」(モデルはマッキ M.33)に乗る。
ポルコ・ロッソという名前は通称であり、イタリア語で「紅い豚」という意味がある。赤い飛行艇にも乗る姿から彼は紅の豚というあだ名になった。本名はマルコ・パゴットといい、ジーナや昔の彼を知っている人間のみがその本名で呼んでいる。

豚の姿になってしまった理由は作中では明らかにされない。自らに魔法をかけたとも言うが、本編中の内容で考えると、戦争で友を失った悲しみや国家への幻滅が示唆されている。
賞金稼ぎとして空賊を倒し続けているが、「戦争ではないから殺しはしない」というポリシーのもと、機体だけを破壊するような戦法をとる。
頭も非常に切れ、敵の行動を先読みしながら機動性に優れる戦闘艇どうしの空戦で「捻り込み」と呼ばれる動きで敵機の背後を取るのを得意とし、マンマユート・ボスからは「この技でアドリア海のエースになった」と評されている。

ジーナとは幼馴染みでお互いに思い合っている描写があるが、親友がジーナの事が好きだったためその遠慮からジーナとの関係に踏み込めず、両者の我慢比べが今でも延々と続いている。
クライマックスのシーンでカーチスと二人きりになった時に「おめぇ、その顔!?」と驚かれるシーンがあり、人間の外見に戻った様子だが、その時の顔は意図的に写されていない。
宮崎監督は「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」のだという。

フィオ・ピッコロ(Fio Piccolo)

CV:岡村明美

本作のヒロイン。17歳。
ポルコの馴染みのピッコロ社で働く飛行機設計技師でピッコロのおやじの孫娘にあたる。
アメリカでの修行経験があって、サバサバした性格だが容姿は可愛いと評されいる。社長である祖父やポルコはその腕を買い、持ち込まれたポルコのサボイアの再設計を一任される。
ポルコが秘密警察に追われ、復活したサボイアの飛行テストもままならずにミラノを去ろうとする時に「自分の仕事に最後まで責任を持ちたい」という理由で同行する。隠れ家で待ち受けていたマンマユート団の前で啖呵を切り、自身を掛け札にしてカーチスと再戦させる。
終盤でポルコを好きになるが、空軍をまくために別々に行動して以来は会っていないらしい。
ジーナと親しくなり、ピッコロ社を継ぐ。

マダム・ジーナ(Gina)

CV:加藤登紀子

ポルコの昔からの友人で、ホテル・アドリアーノを経営する美女であり歌姫。
訪れた客を美しい歌声で魅了し、ホテル近辺の半径50km以内はだれも悪さをしない事実上の中立地帯となっている。
これまでに三回飛行艇乗りと結婚し、全員と死別している、一人は戦争で、一人は大西洋で、最後の一人はアジアで死んだと言っていた。
空賊連中を含め近隣の飛行艇乗りたちのマドンナで「アドリア海の飛行艇乗りはみんなジーナに一度は恋をする」と言われ、どんな者も彼女と話すときは照れるなど、頭が上がらない。

ポルコを「マルコ」と本名で呼ぶ数少ない人物で、長く密かに彼を愛している。
回想シーンではポルコが操縦する飛行艇に乗り、履いていたスカートがめくれてポルコが赤面するシーンや、ポルコや仲間たちと飛行艇と共に撮影した写真もある。
現在は、昼間にポルコがホテルを訪ねて来たら、今度こそ彼を愛するという賭けをしている。
空軍内部をはじめ幅広い情報網を持っているようであり、ポルコが死んだと聞かされた時には、彼の生存確認を得ようと画策していた。ポルコとの縁で後にフィオと親しくなる。

ドナルド・カーチス(Donald Curtis)

CV:大塚明夫

イタリア系移民の祖母を持つアメリカ人の飛行艇乗り。空賊連合が仕事のために雇った用心棒で、「アメリカ野郎」などと呼ばれて評判は良くないものの、カーチスR3C-0を操る腕利きのパイロット。
美女に目がなく、ジーナにプロポーズしてうまくあしらわれ、さらにはフィオにも惚れ込んで結婚を申し込む始末。用心棒役を名声を得るためのステップと捉えており、最終目標は母国アメリカの大統領になること。
ポルコを倒すことに執念を燃やしている。
ポルコを撃墜した(と思っていた)が証拠がなければ周りに信用してもらえないと考えるなど、したたかな一面もある。
後日、アメリカに帰国し西部劇の主演俳優となる。

マンマユート・ボス(Mamma Aiuto Boss)

CV:上條恒彦

大きな鼻にゴーグルが特徴的な空賊「マンマユート団」のボス。
空賊連合とは一定の距離を置いていたが、マンマユート団ではポルコに対抗できないので不本意ながら連合と仕事を共にする。
直情的ではあるが人情に厚く部下にも慕われる。
ポルコの過去を知る人間の一人で、実は人格を認めている理解者でもある。
金品の強奪は行うが、子供には優しい。

ピッコロのおやじ(Master Piccolo)

CV:桂三枝

ミラノの飛行艇製造会社「ピッコロ社」の経営者で、フィオの祖父、ポルコの昔馴染みである。
金払いにはシビアな人間で、3人の息子と1人の娘(フィオ)がいる。普段はその息子たちが設計を担当するのだが、本編時は出稼ぎで3人とも不在になり、男手が足りないことから仕事が入ると多くの親戚(全員が女性)を従業員として工場を運営する。
ポルコの愛機サボイアの改修に関しては機体改修はフィオに任せ、自らは最も得意とするエンジンチューニングに専念する。

edamame
edamame
@edamame

Related Articles関連記事

紅の豚の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

紅の豚の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『紅の豚』とは、1992年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。監督は宮﨑駿。1990年に『月刊モデルグラフィックス』で連載された『宮崎駿の雑想ノート』の『飛行艇時代』を原作としている。 世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。豚の姿になった「ポルコ・ロッソ」が、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。中年男性向けを意識して制作されたため、「飛行機」や「空軍」などロマンがあり、渋い名言も多い。

Read Article

スタジオジブリ作品のキャッチコピーまとめ

スタジオジブリ作品のキャッチコピーまとめ

スタジオジブリ作品のキャッチコピーは、コピーライターの糸井重里、スタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫、メイジャーの宣伝プロデューサー徳山雅也などが担当している。ジブリ作品のキャッチコピーは、『魔女の宅急便』の「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」や、『風立ちぬ』の「生きねば。」など、どれも秀逸なものばかり。ここでは、彼らの簡単な経歴や名キャッチコピー、作品を紹介していく。

Read Article

ジブリの歴代ヒロインまとめ

ジブリの歴代ヒロインまとめ

ジブリの歴代ヒロインとは、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』といったジブリ作品に登場する女性キャラクターたちのことである。ジブリのヒロインは主人公として登場することも多く、その存在はファンたちから憧れを抱かれることも多い。主に10代の女子が活躍しているが、その他にもポニョやメイのような幼い女の子やマダム・ジーナのような大人の女性も作品を盛り上げている。

Read Article

マニアックなスタジオジブリ作品の裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

マニアックなスタジオジブリ作品の裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

スタジオジブリとは、主に長編アニメーション映画の制作を主力事業として展開しているアニメーション制作会社である。スタジオジブリは数々の名作を生み出してきた。宮崎駿や高畑勲を筆頭に、生み出される作品の造詣は非常に深い。それ故に、一度見ただけでは理解できない描写や、そもそも何を意味しているのかが説明されていないシーンが多数存在する。ここでは、ジブリにまつわる裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話を一挙紹介していく。

Read Article

天空の城ラピュタ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

天空の城ラピュタ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『天空の城ラピュタ』とは、1986年に公開されたスタジオジブリ作品。宮崎駿氏が監督、脚本、原作を手掛けた長編アニメです。飛行石という不思議な石を持つシータと、彼女を助けた少年パズー。空に浮かぶとされる島ラピュタ発見を夢見て、飛行機を作っていたパズーはシータと共にラピュタ探しを提案します。そこに空中海賊、政府軍などが飛行石、そしてラピュタを狙い介入。ただの冒険活劇でないところが、数十年経っても衰えない人気を誇っています。

Read Article

となりのトトロ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

となりのトトロ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『となりのトトロ』とは、1988年に公開したスタジオジブリ制作のアニメ映画。昭和30年代、緑豊かな農村に引っ越してきた草壁さつき、メイの姉妹は奇妙な生き物トトロと出会う。ネコバスも含め、子供の時にしか会えない彼らとの交流、そして少しの成長を描いたもの。爽やかな自然の描写と、それに相反する多くの暗い都市伝説を持つ作品でもある。原作、脚本、監督は宮崎駿。

Read Article

崖の上のポニョ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

崖の上のポニョ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

「崖の上のポニョ」とは、宮崎駿監督によるスタジオジブリ製作の長編アニメーション映画作品。2008年に公開された。藤岡藤巻と大橋のぞみが歌うエンディング主題歌「崖の上のポニョ」は、オリコン週間3位になり話題になった。崖の上の一軒家に住んでいた5歳児の少年「宗介」は、海で魚の女の子「ポニョ」に出会う。ポニョは宗介に恋をし、人間になろうとするのであった。

Read Article

風の谷のナウシカ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

風の谷のナウシカ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『風の谷のナウシカ』とは、1984年トップクラフト制作の日本アニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作である。原作は「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画『風の谷のナウシカ』。遥か遠い未来、近代文明が崩壊し「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。その辺境にある「風の谷」で生き抜く少女の生き様を描く。

Read Article

風立ちぬ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

風立ちぬ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『風立ちぬ』とは、2013年にスタジオジブリが公開したアニメーション映画で、監督は宮崎駿。キャッチコピーは「生きねば。」。主人公の堀越二郎は、幼い頃から飛行機が大好きで飛行機乗りになりたかった。しかし近眼という決定的な欠陥から飛行機乗りの道を諦め、設計者を志すこととなる。そして大学生のころ関東大震災にあい、その時に出会った結核の少女、里見菜穂子と恋に落ちる。大正から昭和へと流れゆく時代に、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作となっている。

Read Article

おもひでぽろぽろ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

おもひでぽろぽろ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『おもひでぽろぽろ』とは、1991年公開のスタジオジブリ作品である。監督・脚本は高畑勲。制作プロデューサーとして宮崎駿も参加している。ひとり旅に出た27歳の私が“小学5年生のワタシ”と一緒に、それまでの歩みを振り返るストーリー。 声優として今井美樹や柳葉敏郎が参加していることも上映当時には話題となった。 キャッチコピーは「私はワタシと旅に出る」。

Read Article

コクリコ坂から(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

コクリコ坂から(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『コクリコ坂から』とは、2011年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画。監督は宮崎吾朗で、キャッチコピーは『上を向いて歩こう。』。 港南学園高校2年生のメルこと松崎海は、毎朝庭で旗を揚げていた。それは戦争に行ったきり、帰ってこない父親へ向けた信号旗だった。ある日、学校新聞「週刊カルチェラタン」で、自分が旗を揚げる少女として取り上げられていることに気が付く。それは同じ高校の3年生、風間俊が書いた記事だった。メルはこの記事をきっかけに俊を気にするようになり、だんだんと彼に惹かれていく。

Read Article

君たちはどう生きるか(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

君たちはどう生きるか(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『君たちはどう生きるか』とは、義母を救うために不可思議な世界を旅する少年の姿を描いた、宮崎駿によるアニメ映画。宮崎が「これで本当に最後」と明言して制作した作品で、宣伝も無く、公式HPも無く、一切情報を隠したまま公開されるという独特の手法で話題となった。 太平洋戦争が激化する最中、牧眞人は父と共に郊外へ引っ越し、そこで叔母で新たに自身の義母となるナツコと再会。どう接すればいいのか互いに戸惑う中、ナツコはいずこかへと姿を消し、眞人は彼女を連れ戻すために謎のアオサギに導かれて異界へと旅立っていく。

Read Article

千と千尋の神隠し(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

千と千尋の神隠し(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『千と千尋の神隠し』とは、2001年の夏に劇場公開されたジブリの長編アニメーション映画。この映画は千尋という10歳の少女が神々の世界に迷い込んでしまう物語である。興行収入は300億円を超える業績を生み出し、2003年にはアカデミー賞を受賞した。まさに大作中の大作である。その名作ぶりは2016年のイギリスBBCの投票で、「21世紀の偉大な映画ベスト100」の4位に選ばれたほどとなっている。

Read Article

もののけ姫(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

もののけ姫(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『もののけ姫』とは、宮崎駿、スタジオジブリ原作の長編アニメーション映画作品である。 1997年7月12日全国公開され、1998年の春先までロングラン上映を実施した映画館もあったことで、興行収入193億円を記録し、20世紀日本映画歴代興行収入第1位となった。 アシタカという人間ともののけに育てられたサンが出会い、人間と自然の対立を描いた壮大な作品になっている。

Read Article

ハウルの動く城(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ハウルの動く城(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハウルの動く城』とは宮崎駿監督、スタジオジブリ製作の日本の長編アニメーション映画作品である。2004年11月20日に全国公開され、興行収入は196億円。スタジオジブリ製作アニメでは「もののけ姫」を抜き、「千と千尋の神隠し」に次ぐ第2位の記録を樹立した。 物語は魔法と機械が混在する架空の世界が舞台。呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの戦火の恋を描く。

Read Article

魔女の宅急便(魔女宅)のネタバレ解説・考察まとめ

魔女の宅急便(魔女宅)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔女の宅急便』は、1989年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション映画。キャッチコピーは「おちこんだりもしたけれど、私は元気です」。13歳の魔女キキは満月の夜に自分の住む街を出て、海の向こうの街コリコにたどり着く。そこで「魔女の宅急便」を開業し、挫折を味わい、成長していく。角野栄子の『魔女の宅急便』が原作で、映画では原作よりファンタジー性が抑えられているのが特徴。

Read Article

ゲド戦記(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ゲド戦記(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

2006年公開、スタジオジブリ作品であり、宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏が初監督を務めた長編アニメーション映画。国を捨て旅に出た王子アレンと、その旅の途中で出会った顔にやけどを負った少女テルー。二人は旅をするにつれ、自身が抱える辛い過去と向き合いながらお互いの理解を深めていく。互いの心に歩み成長していく姿や、メッセージ性に様々な考え方をもたらす作品。

Read Article

耳をすませば(耳すま)のネタバレ解説・考察まとめ

耳をすませば(耳すま)のネタバレ解説・考察まとめ

「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画。原作者は柊あおいである。この映画は、ジブリ作品を作画で支えていた近藤善文の最初で最後の監督作品で脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。ストーリーは、主人公「月島雫」を中心に恋や夢、悩みなどを描いている。誰もが一度は経験したことがある甘酸っぱい青春ストーリーで未だに人気の高い作品だ。

Read Article

借りぐらしのアリエッティ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

借りぐらしのアリエッティ(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『借りぐらしのアリエッティ』とはメアリー・ノートン著書の『床下の小人たち』を原作として、米林宏昌が監督のスタジオジブリ制作アニメーション映画である。最終興行収入は92億5000万円で2011年に日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。とても美しい映像は劇中の音楽とよく合い、見ている人を夢中にさせた。人間に見られてはいけない小人が、人間の家で物を借りながらどのように隠れて暮らすのか、そして短い間に築かれていく小人であるアリエッティと少年の翔との友情と絆を描く。

Read Article

ナウシカが招いた死の未来【漫画版 風の谷のナウシカ(ネタバレあり)】

ナウシカが招いた死の未来【漫画版 風の谷のナウシカ(ネタバレあり)】

初めてのジブリ作品で、代表作の一つである『風の谷のナウシカ』。ナウシカには映画版と漫画版があり、映画版の内容は漫画版全7卷の中で第1巻のストーリーです。 漫画版では、王蟲や腐海の蟲はなぜ生まれたのか、巨神兵は何のために生まれたのか、ナウシカたちは何者なのか、など映画では描かれなかった衝撃の事実が明らかになります。それを知ったナウシカはある行動に出ます。それは逃れられない滅びの道です。 この記事では、漫画版で描かれた衝撃の結末・ナウシカの決断を解説します。

Read Article

もののけ姫のシシ神の謎についてネタバレ解説・考察まとめ

もののけ姫のシシ神の謎についてネタバレ解説・考察まとめ

スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画「もののけ姫」。人間と森に住まう神々「もののけ」との対立を描く。劇中の神々の頂点としてシシ神という存在が登場する。シシ神は多くの謎を覗かせつつも最後までその存在がどういうものかを劇中で語りつくされることなく、物語は終了する。人にとって、また神々にとってどういう存在なのかについて掘り下げていく。

Read Article

ハウルの動く城の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

ハウルの動く城の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ハウルの動く城』とは、2004年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。脚本・監督は宮崎駿。 帽子屋の少女・ソフィーは兵隊に絡まれていたところを魔法使いのハウルに助けられるが、魔女の呪いによって90歳の老婆に姿を変えられてしまう。店にいられなくなったソフィーは旅に出、その途中でハウルの動く城に出会うのだった。ファンタジックな世界観や美術、個性的なキャラクターが魅力の作品。ハウルとソフィーの戦火の恋がストーリーの軸となっているため、本作にはロマンチックな名言も数多く登場する。

Read Article

もののけ姫の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

もののけ姫の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『もののけ姫』とは、1997年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画である。原作・脚本・監督は宮崎駿。 中世の日本を舞台に、エミシの村で暮らす少年アシタカが村を襲ってきたタタリ神から村を守ったことで、死の呪いを受けてしまう。呪いを絶つために旅立ったアシタカは、山犬に育てられた少女・サンと出会う。人間と自然の対立を描いた壮大な作品である。本作には、人やもののけそれぞれの立場や考え方を表したセリフも多く、考えさせられるような印象的な名言が数多く登場する。

Read Article

風の谷のナウシカの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

風の谷のナウシカの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『風の谷のナウシカ』とは、1984年公開のトップクラフト制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。1982年に『アニメージュ』で連載していた宮崎の同名漫画を原作としている。宮崎駿の長編アニメーション映画としては第2作である。 「火の七日間」という最終戦争から1000年後の世界。近代文明が崩壊し、「腐海」と呼ばれる異形の菌類の森に世界は覆われていた。本作には、この世界の過酷な現状やナウシカの生き様を表した印象的なセリフが数多く登場する。

Read Article

天空の城ラピュタの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

天空の城ラピュタの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『天空の城ラピュタ』とは、1986年公開のスタジオジブリ初制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。鉱山で働く少年パズーは、ある時、空から降ってきた不思議な女の子・シータを助ける。追われている彼女を助けようとするパズーだが、自分の古い名前がラピュタであることを打ち明けたシータは、敵に捕まってしまったパズーの身代わりとして連れ去られてしまったのだった。本作には、「バルス!」や「見ろ!人がゴミのようだ!」など有名でキャッチーな名言が多く登場している。

Read Article

千と千尋の神隠しの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

千と千尋の神隠しの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『千と千尋の神隠し』とは、2001年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。 10歳の少女・荻野千尋は、両親と共に引っ越し先に向かう途中で不思議な世界に迷い込んでしまう。両親を豚にされ、パニックになる千尋だったが、ハクという不思議な少年に助けられる。そして神々が客として集う湯屋で働くことになった千尋は、だんだんと成長していく。10歳の少女千尋が主人公であるため、わかりやすく、ストレートに心に響く名言が多数登場している。

Read Article

マニアックなとなりのトトロの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

マニアックなとなりのトトロの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

『となりのトトロ』とは、1988年に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。宮崎駿による長編アニメーション映画第4作である。この『となりのトトロ』には、実際に起きた事件が物語のベースになっているという噂や、トトロは死神でサツキとメイは実は生きていなかった説など、さまざまなトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などが存在する。ここでは、ジブリファンなら知っておきたいトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などをまとめて紹介していく。

Read Article

マニアックな千と千尋の神隠しの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

マニアックな千と千尋の神隠しの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

『千と千尋の神隠し』とは、2001年に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。原作・脚本・監督は宮崎駿。10歳の少女・千尋が不思議な世界へ迷い込むという物語だが、この『千と千尋の神隠し』には、「湯屋は性風俗産業の場である」、「リンやカオナシにはモデルがいる」など、さまざまなトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などが存在する。ここでは、ジブリファンなら知っておきたいトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などをまとめて紹介していく。

Read Article

マニアックな崖の上のポニョの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

マニアックな崖の上のポニョの裏設定・都市伝説・トリビアまとめ

『崖の上のポニョ』とは、200年に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。監督は宮崎駿。本作は作画方法の見直しがされ、宮崎駿監督の「鉛筆で描く」という意向のもと、手描きで製作されている。この『崖の上のポニョ』にはさまざまなトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などが存在する。ここでは、ジブリファンなら知っておきたいトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などをまとめて紹介していく。

Read Article

マニアックな魔女の宅急便の裏設定・都市伝説・トリビアまとめ【魔女宅】

マニアックな魔女の宅急便の裏設定・都市伝説・トリビアまとめ【魔女宅】

『魔女の宅急便』とは、1989年に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。監督は宮崎駿。角野栄子の児童文学『魔女の宅急便』を原作としている。主人公のキキが一人前の魔女になるために奮闘する物語だが、この『魔女の宅急便』にはさまざまなトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などが存在する。ここでは、ジブリファンなら知っておきたいトリビアや小ネタ、裏設定・都市伝説などをまとめて紹介していく。

Read Article

未来少年コナン(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

未来少年コナン(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『未来少年コナン』とは、宮崎駿監督が初監督をした作品で、小説家アレグザンダー・ケイの「残された人々」を原作にしています。NHKによって1978年4月から10月まで放送された作品。この作品は核兵器を上回る超磁力兵器によって文明が崩壊して20年が経った後の世界で、野生児コナンとその仲間たちによる冒険アクションアニメです。

Read Article

火垂るの墓(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

火垂るの墓(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『火垂るの墓』とは、自身の戦争体験を題材にした野坂昭如の短編小説を元に、監督と脚本を高畑勲、新潮社とスタジオジブリが製作した劇場用長編アニメーション映画。1988年4月16日から東宝系で公開された。第二次大戦下の兵庫県神戸市と西宮市近郊を舞台に、父の出征中に母が亡くなってしまった14歳の兄・清太と4歳の妹・節子が、終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとする姿を描いた物語。

Read Article

かぐや姫の物語(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

かぐや姫の物語(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『かぐや姫の物語』とは、日本最古の物語と言われている『竹取物語』を題材に、高畑勲が14年ぶりに監督を務めたスタジオジブリ制作のアニメーション映画。2013年11月公開。キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。竹から出てきた娘・かぐや姫が美しく成長し、男性たちからの求婚をかわし、やがて月に帰って行くという『竹取物語』の筋書きはそのままに、何のために地球に来てなぜ月に帰ることになったのか、誰も知ることのなかったかぐや姫の「心」と、物語に隠された真実を描き出す。

Read Article

猫の恩返し(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

猫の恩返し(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『猫の恩返し』とは、2002年に上映されたスタジオジブリのアニメーション映画作品。監督は森田宏幸。本作は、同じくジブリ作品である「耳をすませば」の主人公「月島雫」が書いた物語という、ジブリでは珍しいスピンオフ作品。主人公「住吉ハル」は車に轢かれそうになった猫を助けた事が原因で、猫の国へ連れて行かれる事になってしまう。ハルが助けを求めたのは猫の事務所の主「バロン」であった。

Read Article

ルパン三世 カリオストロの城(Lupin III: The Castle of Cagliostro)のネタバレ解説・考察まとめ

ルパン三世 カリオストロの城(Lupin III: The Castle of Cagliostro)のネタバレ解説・考察まとめ

『ルパン三世 カリオストロの城』とは、モンキー・パンチ原作の漫画「ルパン三世」の劇場用アニメーション映画化第2作。1979年12月東宝系公開。 宮崎駿が初めて劇場用作品の監督を手掛け、映画史上に残る不滅のアニメーションとして世界的に親しまれている名作。ゴート札なる偽札を製造し、世界経済の裏側で暗躍していると伝えられるカリオストロ公国で、カリオストロ伯爵の妻にさせられようとしている公女クラリスを救うため、そして国の秘密を暴くため、ルパン三世とその仲間たちの活躍を描く。

Read Article

目次 - Contents