ボーン・レガシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ボーン・レガシー』とは『ボーンシリーズ』の4作目で、2012年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンをめぐる陰謀を描いた前3部作の裏で同時進行していたストーリーを描くスピンオフ的作品。ボーンの存在によりCIA上層部でさえ知らない国家的極秘計画が暴かれる危機が発生。計画隠蔽のために襲われた工作員アーロン・クロスの逃避行が描かれる。『ボーンシリーズ』の世界観を継承したストーリー展開に加え、前3部作後のCIAの状況もわかるファン必見の物語である。
アメリカ合衆国を中心に構築された軍事目的の通信傍受システム。アメリカ合衆国の国家安全保障局 (NSA) 主体で運営され、軍事無線、固定電話、携帯電話、電子メール、データ通信などから1分間に300万の通信を傍受できる史上最強の盗聴機関と言われる。アメリカ合衆国内だけでなく、外国のアメリカ軍通信基地や大使館・領事館、衛星、潜水艦等を使って敵性国家・団体の発信する電波を傍受したり、直接盗聴することで大量の情報を収集していると言われている。
アメリカ国防総省(DoD)
出典: www.cnn.co.jp
英語ではUnited States Department of Defenseで略称DoDとも呼ばれるアメリカ合衆国の国防省のこと。アメリカ軍の6つの軍(陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍)を傘下に収める。バージニア州アーリントン郡にある本庁舎が五角形の形をしていることから「ペンタゴン」と呼ばれている。
アメリカ国家安全保障局(NSA)
英語ではNational Security Agencyで略称NSAとも呼ばれるアメリカ国防総省の情報機関のこと。インテリジェンス・コミュニティーの中核組織の一つで、海外情報通信の収集と分析が主任務。シギント(signal intelligence)と呼ばれる電子機器を使った情報収集活動とその分析、集積、報告を担当し、膨大な量の暗号解読を行ない、各情報部と連携して活動を行っている。アメリカ政府の情報通信システムを他国の情報機関の手から守ることも重要な任務。年間予算は約1兆800億円、世界中に80ヶ所の拠点がある。メリーランド州フォート・ジョージ・G・ミード陸軍基地内に本部がある。
『ボーン・レガシー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
極寒のアラスカの川に飛び込んだり、切り立った雪山を移動するアーロン
出典: bamfstyle.com
冒頭、極寒のアラスカにある特殊作戦の訓練地で、アーロンは厳しいトレーニングを積んでいた。雪が降り積もり凍った川に裸で潜って目標物を見つけたり、山に登る装備も一切なく、切り立った雪山を移動する。山の裂け目では、一瞬考えるも躊躇せず、短い助走で反対側に飛び移る。夜は襲ってくる狼の群れを追っ払ったりしながら、アーロンは雪山を超え目的地の山小屋に近づいていく。結果、今までの訓練参加者で誰もしなかった山越えを成功させ、最短記録で到着し、待っていたNo.3を驚かせた。狼から逃げるために崖を登った時に定期的に飲む薬を落としてしまったため、急ごうと山越えをしただけで記録には興味がないというアーロンのこだわりのない性格と高い身体能力が伝わる名シーン。
バイヤー「我々は人の益になる非道徳的な人間なのだ」
訓練地の山小屋を無人機で攻撃し、「アウトカム」の作戦員の体に埋め込まれた発信機の1つは消えたが、もう1つ信号が出ていることがわかる。バイヤーはそれがアーロン・クロスの体に埋め込まれた発信機が出していることを知る。アーロンはすぐにアルミ皿で信号を遮断し、太腿に埋め込まれていた発信機を取り出し、自分の血で狼をおびき寄せ、狼を捕まえて、発信機を狼に飲み込ませる。その狼を無人機が攻撃したことで、信号も消え、アーロン・クロスは死亡したとされた。
その時、バイヤーは戦場で作戦を共にしたアーロンとの会話を思い出す。民間人がいるという情報がなかったのに、攻撃した場所に民間人がいた。そのことに対し苦しむアーロンに、「ミッションの道徳性を疑うことは誰にでもある。罪食い人を知っているか?我々も人の罪を食う。道徳から外れた汚物を食い、おかげで組織以外の者は穢れにまみれないで済む。我々は人の益になる非道徳的な人間なのだ」と言ったバイヤー。彼の罪を犯すことで人を守っているという信念が伝わる名セリフ。また、すぐに攻撃されたことがわかってすぐ自分の信号を遮断し、狼に飲み込ませるというアーロンの状況に応じた即断即決の行動力も伝わる名シーンでもある。
マニラでのアーロンの屋根を逃げる逃走と格闘シーン
フィリピンのマニラで、警察に追われるアーロン。ホテルの部屋の窓から建物の屋上に上がり、建物の屋上から屋上へと走って逃げながら、住人の悲鳴が聞こえたことからマルタの方向を判断し、マルタの元へ急ぐ。人一人通れるくらいの狭い路地に逃げ込んだマルタが警察官に前と後ろを挟まれたところに追いつき、建物の2階くらい上からその路地に滑り降り、あっという間に警察官2人を倒した。アーロンの高い身体能力や、反射神経、格闘スキルが伝わる名シーン。
マニラの逃走劇でのアーロンのバイクテクニック
追いかけて来たNo.3に気づいたアーロンは、停めてあったバイクを盗んでマルタを後ろに乗せて逃げる。警察のパトカーと白バイ、停めてあったパトカーを盗んで乗ったNo.3に追われるアーロンたち。道路には多くの車が走っており、車間も狭いが、アーロンの卓越したバイクテクニックでスピードを落とすことなく、車をすり抜け逃げ続ける。また、パトカーに囲まれたアーロンは、階段に人が多くいるのを見て、階段をそのまま降りるのではなく、バイクで階段の手すりに乗り上げ、そのまま滑り降りて逃げる。アーロンの優れたバイクテクニックがわかる名シーン。
マルタ「迷ったままでいたいわ」
「ラークス」No.3を倒し、警察からも逃れたアーロンとマルタは漁師の船に乗せてもらっていた。子供に地図を持ってきてもらったアーロンに「方向を迷った?」と訊くマルタ。「いいや。計画を考える」と答えるアーロンに、マルタは笑顔で「迷ったままでいたいわ」と言う。それを聞いたアーロンはマルタを見つめて微笑み、地図を畳むのだ。迷ったままずっと一緒にいたいというマルタの思いと逃走を通じて2人の距離が縮まっていることが伝わる名セリフ。
『ボーン・レガシー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『ボーンシリーズ』4作目の主人公がアーロン・クロスになった理由
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目次 - Contents
- 『ボーン・レガシー』の概要
- 『ボーン・レガシー』のあらすじ・ストーリー
- アラスカで訓練を積むアーロン
- 山小屋に到着したアーロンと「アウトカム」作戦中止による作戦員の抹殺
- 山小屋で攻撃されるアーロンたち
- アーロンへのミサイル攻撃で過去を思い出すバイヤー
- 研究所乱射事件
- 薬を求めるアーロンに活性ウイルスで代用可能なことを伝えるマルタ
- マルタの行方を調べるバイヤーたち
- フィリピンに到着した2人とマルタの同伴者がアーロンだと突き止めたバイヤーたち
- 活性ウイルスを注射されたアーロンと彼らを追うバイヤーたち
- 発見された2人は警察や暗殺者から逃走する
- その後と2人の逃走後
- 『ボーン・レガシー』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- アーロン・クロス(演:ジェレミー・レナー)
- ステリシン・モルランタ社関係
- マルタ・シェアリング博士(演:レイチェル・ワイズ)
- テレンス・ワード(演:ニス・ボウトシカリス)
- ドナルド・フォイト博士(演:ジェリコ・イヴァネク)
- ダン・ヒルコット博士(演:ニール・ブルックス・カニンガム)
- 国家調査研究所関係
- リック・バイヤー(演:エドワード・ノートン)
- ディタ・マンディー(演:ドナ・マーフィ)
- ゼヴ・ヴェンデル(演:コリー・ストール)
- アーサー・イングラム(演:マイケル・チャーナス)
- マーク・ターソ(演:ステイシー・キーチ)
- コニー・ダウド博士(演:エリザベス・マーベル)
- 「アウトカム」No.3(演:オスカー・アイザック)
- 「ラークス」No.3(演:ルイ・オザワ)
- CIA関係
- パメラ・ランディ(演:ジョアン・アレン)
- ノア・ヴォーゼン(演:デヴィッド・ストラザーン)
- エズラ・クレイマー(演:スコット・グレン)
- ウィリス(演:コリー・ジョンソン)
- アルバート・ハーシュ博士(演:アルバート・フィニー)
- その他
- サイモン・ロス(演:パディ・コンシダイン)
- ジェイソン・ボーン(演:マット・デイモン)
- ポールセン将軍(演:ジョン・ダグラス・トンプソン)
- 『ボーン・レガシー』の用語
- 国家調査研究所(NRAG)
- CIA(中央情報局)
- 工作員
- ステリシン・モルランタ社
- トレッドストーン(踏み石作戦)
- ブラックブライアー(黒バラ作戦)
- アウトカム
- 活性ウイルス
- 青の薬
- 緑の薬
- ラークス
- エシュロン
- アメリカ国防総省(DoD)
- アメリカ国家安全保障局(NSA)
- 『ボーン・レガシー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 極寒のアラスカの川に飛び込んだり、切り立った雪山を移動するアーロン
- バイヤー「我々は人の益になる非道徳的な人間なのだ」
- マニラでのアーロンの屋根を逃げる逃走と格闘シーン
- マニラの逃走劇でのアーロンのバイクテクニック
- マルタ「迷ったままでいたいわ」
- 『ボーン・レガシー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『ボーンシリーズ』4作目の主人公がアーロン・クロスになった理由
- 映画『アベンジャーズ』の撮影中に『ボーン・レガシー』の脚本を受け取り、出演を即決したジェレミー・レナー
- 『ボーン・レガシー』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:モービー『エクストリーム・ウェイズ』