ハムナプトラ/失われた砂漠の都(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』とは1999年に公開されたアメリカのアクション・アドベンチャー映画。監督はスティーブン・ソマーズ、主演はブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ。『インディ・ジョーンズ』を彷彿とさせる胸躍る冒険活劇に当時のVFXによる迫力ある映像技術が話題となった。エジプトを舞台に3000年の封印から目覚めた邪悪な高僧イムホテップに、勇敢な傭兵リックと女性考古学者エブリンが立ち向かう。

『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の概要

『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』とは1999年に公開されたアクション・アドベンチャー映画である。監督、脚本はスティーブン・ソマーズが務め、主演は主人公リック・オコーネルを演じるブレンダン・フレイザー、女性考古学のエブリン・カナハンを演じるレイチェル・ワイズ、3000年の封印から目覚めた大神官イムホテップを演じるアーノルド・ヴォスルーが務めた。
1932年公開の『ミイラ再生』(カール・フロイント監督)の二度目のリメイク作品であり、全米興行収入が1億5538万ドル、世界興行収入が4億1593万ドルと大ヒットを記録した。また第72回アカデミー賞において多数ノミネートされ、音楽賞、メイクアップ賞を受賞した。
当時における最新VFXが本作ではふんだんに使われており、イナゴの大群、イムホテップの砂を扱った魔術など大迫力の映像表現は大きな話題となった。

今から3000年前のエジプト、大神官イムホテップはセティ1世の愛人アナクスナムンと禁断の恋に落ちる。想いを成就させたい二人はその仲を疑ったセティ1世を殺害するも、異変に気付いた近衛兵に追い詰められアナクスナムンは自害してしまう。愛しい人を蘇らせたいイムホテップは遺体を盗み死者の都「ハムナプトラ」で蘇りの儀式を行う。儀式は成功と思われたが近衛兵たちが乱入しアナクスナムンの復活は失敗に終わる。イムホテップに仕える神官たちは罰として生きながらミイラに処され、イムホテップにはあまりの残虐さに一度も行われたことがないと言われる「ホムダイの刑」に処されることとなった。これは柩の中で肉食虫スカラベに肉体を貪り食らわれながら永遠に苦しみ続けるというものであり、イムホテップを入れた棺はハムナプトラの地中奥深くに埋められるのだった。
それから3000年後の現在、カイロ博物館で図書館司書として勤めるエブリンの元に、兄ジョナサンが古びた地図を収めた鍵を持ってくる。それは伝説のハムナプトラを記すものであり、二人はその鍵の元持ち主で刑務所に収容されているリック・オコーネルの元へ訪ねる。リックはハムナプトラに実際に行きその鍵を見つけたと言い、案内する代わりにここから出すようエブリンに助けを求める。間もなく縛り首の刑を執行される間近にエブリンは刑務所館長と話をつけリックの命を救う。
リックは約束通りハムナプトラへの案内役を務めると、リック、エブリン、ジョナサンの3人はギザ港から死者の都「ハムナプトラ」を目指し出港。灼熱の砂漠の先に想像を絶する邪悪なるものが潜んでいることはまだ知る由もなかった。

『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』のあらすじ・ストーリー

禁断の恋と呪い

今から3000年前のエジプト、大神官イムホテップとセティ一世の愛人アナクスナムンは許されぬ恋に落ちていた。何度かの逢瀬を重ねるうちにセティ一世は二人の関係を疑い、問い詰めたところを殺害されてしまう。近衛兵が駆けつけ追い詰められたアナクスナムンはイムホテップに逃げるよう促し自害する。逃げ延びたイムホテップはアナクスナムンの遺体を盗み、死者の都「ハムナプトラ」で蘇りの儀式を実行する。アナクスナムンの臓器は5つのカノプス壺に収められ、『死者の書』により黄泉の国からアナクスナムンの魂を呼び出すも近衛兵たちが乱入したことで儀式は失敗。アナクスナムンの復活は叶うことがなかった。その後、イムホテップに加担した神官たちは罰として生きながらにしてミイラにされた。そしてイムホテップにはその残虐さから一度も行われたことがないといわれる「ホムダイの刑」に処されることとなった。生きながらにして包帯を全身に巻かれ棺におさめらるとその上に大量の肉食虫「スカラベ」を投入される。ホムダイの刑を受けた者は呪いにより死ぬことが許されず、永遠にスカラベに食される苦しみを味わうこととなるのだ。イムホテップを入れた棺は更に石棺の中に納められ、鍵で施錠されるとハムナプトラにあるアヌビス像下の地中奥深くへと埋められた。

そして3000年が経過した1923年、ハムナプトラで駐屯していたフランス外国人部隊はトゥアレグ族に襲撃を受けようとしていた。圧倒的数の前に部隊長は逃走し、急遽アメリカ人の傭兵リック・オコーネルが指揮を執る。相棒であるベニーも逃走する中、リックはトゥアレグ族をギリギリまで引き寄せ撃つタイミングを見計らう。そしてリックの号令と共に銃を発砲し戦いの火蓋が切って落とされた。リックの指揮のもと善戦を繰り広げるが、数で圧倒的に勝るトゥアレグ族は次第にリックら外国人部隊を追い詰める。一人また一人と倒されリックは孤軍奮闘を続ける中、先程逃走したベニーが遺跡に逃げ込み石扉を閉めようとしていた。必死の呼びかけも虚しくあっさりリックを裏切るベニー。武器も使い切りトゥアレグ族から逃げるリックは、遺跡の奥地まで走り抜くがとうとうアヌビス像の前で追い詰められてしまう。もはやここまでと観念するリックだったが、トゥアレグ族の馬が突然嘶き暴れだすと何かに怯えたようにトゥアレグ族を乗せリックのもとを去っていった。状況を理解できないリックはふとアヌビス像からの不穏な気配を察知すると、突然地面の砂が動き出し人の顔を作り出した。不気味な超常現象に恐怖を感じたリックは一目散にハムナプトラから抜け出す。かろうじて生き残る事は出来たリックだが、今度は広大な砂漠をさまよう羽目となるのだった。

手がかり

エブリン・カナハンはカイロ博物館に勤める女性考古学者だ。古代エジプトの言語や歴史に精通しており、博物館にとって重宝される存在だが何かとトラブルをおこす性分故に、その日も故意ではないとはいえ図書館を半壊にしてしまう。そんな意気消沈の彼女の元に兄ジョナサン・カナハンがあるモノを持って訪れる。八角形型の箱であり、その中には伝説の「ハムナプトラ」を記した地図が入っていた。元々の所有者が刑務所に投獄されていることからハムナプトラへの情報を聞くため二人は刑務所へ赴く。面会の許可が出て現れたのは看守に抑えられながら激しく暴れまわるリック・オコーネルであった。砂漠を彷徨っているところを不審人物とみられ投獄されてしまったのだ。エブリンは地図について尋ねるとリックは耳を貸すようにジェスチャーする。エブリンが顔を近づけると不意にキスをし、「教えてほしかったらここから出してくれ」と助けを求めた。しかしこの行為が仇となりリックは看守に連れられ絞首刑に処されることとなった。エブリンは刑務所長ガド・ハッサンにリックがハムナプトラへの行き先を知っており、解放してくれれば見つけた財宝の何割かを渡すと交渉する。無法者のリックを信用しないガド所長はエブリンの話を聞かず刑を執行させる。リックは絞首台から落とされ吊るされるが、驚異の首の強さで即死は免れる。しかし、リックが命を削っているのは明らかであった。エブリンは必死の交渉をすすめ、やがて取り分の割合とエブリンの圧に負けたガド所長は観念しリックを解放するのだった。
後日カイロ・ギザ港にて、リックは約束通りハムナプトラへの案内役としてエブリンたちの前に現れる。リック、エブリン、ジョナサン、そして自分の分け前を頂戴するため同行にきたガド刑務所長を乗せ船は出港する。船にはアメリカ人グループのアレン・チェンバレン博士、金髪が特徴のアイザック・ヘンダーソン、リーダー格のデヴィッド・ダニエルズ、丸渕眼鏡が特徴のバーナード・バーンズがリックたちと同じくハムナプトラを目指していた。そしてアメリカ人グループの案内役を務めていたのは戦場でリックを見捨てたベニーであった。リックは早速ベニーに詰めよりまた誰かを置き去りにするのかと言い放つ。アメリカ人グループに騙され強制的に案内役を任されたのだと説明するベニーは、逆にリックに何故もう一度ハムナプトラへ行くのかを尋ねる。エブリンに命を救われたこと、その恩を返しているだけだとエブリンを見つめ語るリックにベニーは「あんた頭はないけど度胸はあるよね」と嘲笑う。当然リックはベニーを掴み船の外に投げ出すのであった。一方エブリンは自室で勉強に勤しんでいると黒装束の男が現れ、刀をつきつけ「鍵はどこだ」とエブリンを脅す。その時リックが異変に駆けつけ黒装束の男と対峙し激しい銃撃戦がはじまった。敵は一人ではなく小舟から大人数で侵入しており、アメリカ人グループらも巻き込んでの乱戦となった。やがて火が引火し船は炎上。リックたちは必要な荷物だけを持ち川に飛び込んだ。他の乗客たちも川に逃げ込みそれぞれが近場の陸地まで泳いで避難するのだった。

伝説のハムナプトラ

乱戦から一夜明けて、リックたちはラクダを購入しハムナプトラへ向けて灼熱の砂漠を進む。やがて過酷な旅の数日経ったある日の明け方、別ルートから横断してきたベニーらアメリカ人グループと現地で雇われた発掘隊と合流する。行き先を知るリックはある地点まで進むと立ち止まって日が昇るのを待つ。そして日が昇った瞬間、地平線の先より何もなかった場所に突如ハムナプトラが現れるのだった。魔法のような現象に息を呑む一同はラクダを駆り立て我先にとハムナプトラへと向かった。アメリカ人グループは現地発掘隊に指示を出し、ハムナプトラ内部への調査、発掘を開始し、リックたちは彼らと別行動で内部の探索をはじめる。時間が止まったかのような静寂と、まとわりつく不穏な空気を感じながらリックたちは慎重に奥地へと進む。一方アメリカ人グループはとあるポイントを見つけ出し現地発掘隊に掘り出すよう指示を出す。塩酸による罠と呪いを示唆する警告文からベニーと発掘隊は逃げ出すも、重厚な黒で拵えた書物『死者の書』と5つのカノプス壺を手に入れるのだった。
リックたちはアメリカ人グループらとは別の調査ポイントを見つけ、ちょうどアヌビス像真下に位置する天井から石棺を掘り当てた。相当の高貴な人物か、もしくは極悪人が納められたものと推測するエブリンはその厳重に施錠された石棺に息を呑む。石棺の鍵口を見てふと船上で襲ってきた黒装束の男の発言を思い出したエブリン。ハムナプトラの地図を収めた小箱を取り出し、仕掛けを作動させると蓋が開いたその形が鍵口の型とピッタリはまったのだった。解錠し石棺に納められた棺をリックとジョナサンで持ち上げ蓋をこじ開けにかかる。蓋が開くと中には凄まじい形相のミイラが納められていた。何千年前のミイラと思えない程その遺体はまだ干からび切っておらず、棺の蓋裏には爪で引っ掻いた跡と「死ははじまりに過ぎない」というメッセージが残されていた。ミイラと一緒に無数の肉食虫スカラベの死骸もあることから、この人物が生きながらにしてミイラにされ途方もない年月をスカラベに貪り食われた「大罪人」であるとリックたちは察するのだった。

解かれた封印

ハムナプトラ探索1日目は収穫はあったもののそれ相応の犠牲が払われた。アメリカ人グループ側でも死傷者数人、リック側でもガド・ハッサン刑務所長がスカラベにより命を落とした。そして皆が寝静まった頃、エブリンはこっそりチェンバレン博士から『死者の書』を拝借。勝手に持ち出したことを茶化すリックをよそに、エブリンは好奇心から『死者の書』を解錠し綴られている一文を唱えてしまう。一瞬でハムナプトラ中に邪悪な気配が漂い、空の彼方からイナゴの大群が襲いかかってきた。騒然とするリックたちはそれぞれハムナプトラ内部へ避難するも、突如肉食虫スカラベが地面から大量に現れリックたちを襲う。なんとか足場を見つけ難を逃れるも、エブリンは隠し扉に引き込まれ皆と逸れてしまう。隠し扉を抜け出した先は廃れた間であり、そこにアメリカ人グループのバーンズが佇んでおり安堵したエブリンは声を掛けるもその姿に絶句。舌と目を奪われており、その姿に驚いたエブリンは逃げ出すも何者かが前に立ち塞がる。なんと棺に納められていたミイラが蘇ったのだ。「アナクスナムン?」とミイラは尋ねると徐々にエブリンと距離を詰めていく。寸でのところでリックたちが駆けつけミイラと対峙すると、驚きながらも銃で吹き飛ばしその隙にエブリンを救出した。内部から脱出するとメジャイの戦士たちが重傷のバーンズを抱えリックたちを囲んでいた。ミイラの封印を解いたことを責め立てるアーデス・ベイは、やがて蘇ったミイラはエジプト中に十の災いを引き起こし、飢えも乾きもせずただ獲物を追い続けると語る。
カイロに戻ったリックたちはエジプトを出る準備はしていたが、ミイラを蘇らせたことに責任を感じたエブリンは一人でも残り対抗策を練ると言って聞かなかった。意固地なエブリンに呆れ外出するリックだったが、エジプト中の水が血に変わり、上空から飛来物が降り注ぎ街を火の海にする異常事態にあのミイラが追いかけてきた事を察知する。ミイラは『死者の書』を開けカノプス壺を持ったアメリカ人グループを狙っており、彼らの生気により肉体の復活を目論んでいた。それを阻止するためリックたちはアメリカ人グループと合流を図るも、一足早くミイラはバーンズ、チェンバレン博士、ヘンダーソンを襲い、加えてチェンバレン博士が抱えていた『死者の書』を手に入れていた。力を増し続けるミイラへの対抗策を練るためカイロ博物館館長のテレンス・ベイ博士を訪ねるリックたち。そこにはアーデス・ベイがおり、テレンス・ベイ博士もまたメジャイの一員であった。ミイラことイムホテップはアナクスナムンを今も想っており、彼女を蘇らせるためエブリンを生贄に選んだのだった。間もなくイムホテップは民衆を操りカイロ博物館への襲撃をはじめる。不死身のパワーを持つイムホテップに唯一対抗できる武器が『アメン・ラーの書』であると石碑から導いたリックたちは、急いで博物館の裏口から車で脱出する。しかしイムホテップに懐柔され下僕と成り下がったベニーに見つかってしまい、瞬く間に民衆により囲まれてしまう。車を前進させ襲いかかる民衆を蹴散らし突き進むが、途中ダニエルズが振り落とされ、イムホテップに捕まりアメリカ人グループ最後の犠牲者となってしまった。やがて袋小路に合い完全に囲まれてしまったリックたち。そこに肉体を取り戻したイムホテップが現れ、エブリンを差し出せば全員を見逃すと条件を出す。リックは断固拒否するも皆を助けるためイムホテップの元に向かうエブリン。状況を立て直すためとアーデス・ベイに悟られ、必ず助けることを約束しリックは感情を押し殺す。イムホテップは去り際条件を破り、「全員殺せ」と民衆に命令を下す。徐々に詰め寄る民衆たちを威嚇し、下のマンホールをこじ開けるとリックは皆を避難させる。テレンス・ベイ博士は時間稼ぎのため剣を抜き、襲いかかる民衆に立ち向かっていく。やがてリックが避難を終えると民衆たちに押し込まれ壮絶な最期を遂げるのだった。

砂漠の大決戦

カイロから脱出したリックたちは知人である英国人パイロット、ウィンストン・ハブロックを訪ねていた。第一次世界大戦後から自堕落な生活を続けていたウィンストンにリックは事の顛末を話し助力を求める。名誉ある死を望むウィンストンは喜んで快諾し、イムホテップを追ってハムナプトラへと飛び立った。一方イムホテップは砂嵐と化してエブリン、ベニーを連れてハムナプトラにたどり着く。そこに上空からリックたちを乗せた飛行機が現れ、エブリンは安堵の表情を見せるがイムホテップは魔術を使い巨大な砂嵐を巻き起こす。砂嵐はイムホテップの顔の形に形成され飛行機を飲み込むかのように襲いかかった。エブリンはリックたちを助けるために意を決してイムホテップに口づけをし魔術を妨害すると飛行機は砂嵐を抜け出すことが出来たが、機体が破損し彼方の方へ墜落してしまった。リック、ジョナサン、アーデス・ベイは何とか無事であったものの、ウィンストンは打ちどころが悪く命を落としてしまう。ハムナプトラへ潜入した3人を待ち受けていたのは、イムホテップの魔術で操られたミイラたちであった。無数に現れるミイラをアーデス・ベイが引き受け、リックとジョナサンは『アメン・ラーの書』が保管されているホルス像の下へ向かう。
エブリンを拘束し神官たちを揃えると、イムホテップは『死者の書』により黄泉の国からアナクスナムンの魂を呼び起こす。イムホテップはエブリンの死がアナクスナムンを完全なものにすると宣言し、今まさに剣を振り下ろそうとする瞬間、ジョナサンが現れ『アメン・ラーの書』を見つけたと叫び中断させる。ジョナサンに注目したイムホテップの隙をつき、剣を片手にリックは神官たちを蹴散らしエブリンの拘束を解く。『アメン・ラーの書』の解読を急ぐジョナサンだが、『死者の書』同様に解錠が必要であり、その鍵はイムホテップが所有していた。ジョナサンは表紙の一文を試しに唱えてみると、扉から数体の衛生兵ミイラが現れリックに襲いかかってきた。衛生兵の活動を止めるためエブリンはジョナサンの元に駆け寄るが、アナクスナムンのミイラがエブリンを襲撃する。ジョナサンは自力で解読を急ぐも、最後のコウノトリの象形文字が読み解けずにいた。次第に追い詰められていくリックはとうとう剣を弾かれ、地面に倒れ込みトドメを刺されそうになる。エブリンはアナクスナムンに羽交い締めにされながら声を絞り出し、コウノトリの意味「アメノファス」を伝え、ジョナサンは急ぎ表紙の言葉を唱える。剣の切先がまさにリックを貫こうとする瞬間に衛生兵は動きを止め、ジョナサンは攻撃の対象をアナクスナムンに向けるよう命令する。衛生兵たちはアナクスナムンに刃を向け、イムホテップの呼びかけ虚しく彼女を滅多刺しにするのだった。怒りに震えるイムホテップはジョナサンの首を締め上げる。リックは剣でイムホテップの腕を切り落とすが瞬く間に結合しリックを投げ飛ばす。ジョナサンは締め上げられた瞬間にイムホテップの懐から鍵を盗み出しており、急ぎエブリンと合流し『アメン・ラーの書』を解錠する。リックは時間稼ぎのためイムホテップに立ち向かうが、その圧倒的パワーの前に絶体絶命に陥る。やがてリックを締め上げイムホテップが生気を吸わんとする瞬間、『アメン・ラーの書』を解読したエブリンは呪文を唱え冥界の扉を開くと、冥界の使いが現れイムホテップのパワーを奪っていた。それは不死身でなくなったことを示唆し、イムホテップは再びリックに襲いかかるもその身体を剣で貫かれてしまう。苦痛に顔を歪めるイムホテップは、やがて身体が朽ち果て再び闇の底に連れ戻されるのであった。「死は始まりに過ぎない」と棺に刻まれていた言葉をエブリンは呟いた。一方ベニーはハムナプトラに眠る歴代の王たちの財宝を見つけ、それらを持ち出してはラクダに載せる作業をしていた。尽きない欲に忠実に従ううちに、侵入者を全て排除させる仕掛けを作動させてしまいハムナプトラが崩壊をはじめる。突然の崩壊にリックたちは急ぎ脱出を試みる。財宝の間にて出入り口が閉まりかけており、3人は走り抜けて無事通ることが出来たが、ベニーは間に合わず財宝の間に閉じ込められてしまう。松明も燻り、大量のスカラベが辺り一面に現れベニーを囲うと、散々人を裏切り陥れた因果応報の最期を迎えるのだった。ハムナプトラは巨大な砂煙をあげ、建物は崩壊して砂の下へと消えていった。後ろから驚かすように無事生き延びたアーデス・ベイが現れ、無事皆が生還できたことを喜び、そして世界を救ってくれたことに感謝を告げる。生き延びれたのは良いが手ぶらで帰るのに落胆するジョナサン。リックはエブリンにキスをすると「そうでもないさ」と呟く。お互い財宝以上のものを見つけたのであった。こうして砂漠の壮大な冒険は幕を閉じ、リックたちは美しく輝く太陽に照らされながら帰路に着いていった。

『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の登場人物・キャラクター

主人公

リック・オコーネル(演:ブレンダン・フレイザー)

吹き替え:森川智之(ソフト版)/堀内賢雄(日本テレビ版)

本作の主人公。元フランス外国人部隊の傭兵であり、屈強な肉体に見合った腕っぷしの強さと、いかなる状況でも臨機応変に対応できる柔軟さで数多の修羅場をくぐり抜けてきた。人望が厚く統率力もあり、トゥアレグ族との戦いで逃走した部隊長の代理の指揮を執ったり、イムホテップ襲撃の際はリーダーシップを発揮した。トゥアレグ族との戦いで敗れ、放浪の末投獄され死刑にされかかるもエヴリンに助けられたことからハムナプトラへの案内、護衛を引き受ける。エブリンとは最初は反発し合うも壮大な冒険を共有するうちに愛情が芽生えていく。性格は豪快ですぐに手が出る荒くれ者だが、根は正義感が強く仲間想いである。慈愛の心も持ち合わせており、悪党であるベニーがハムナプトラ崩壊の際に閉じ込められた時は最後まで救おうとした。

リックの仲間達

エブリン・カナハン(演: レイチェル・ワイズ)

吹き替え:石塚理恵(ソフト版)/田中敦子(日本テレビ版)

本作のヒロイン。普段はカイロ博物館で図書館司書として勤務するイギリス人女性。好奇心旺盛で気が強く、そそっかしい性格をしている事から何かとトラブルを引き起しやすい。本作では『死者の書』を読み上げイムホテップ復活のきっかけを作ってしまう。責任感が強く、自身が元凶となってしまった負い目から古代エジプトに関する豊富な知識量を駆使してイムホテップ打倒の為尽力する。リックとは最初は野蛮人と嫌がっていたものの、危機的状況を何度も救われ壮大な冒険を共有するうちに愛情を抱いていく。

ジョナサン・カナハン(演:ジョン・ハナー)

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