Maison book girl(ブクガ)の徹底解説まとめ

Maison book girlとは、2014年11月5日に結成された日本のアイドルグループ。作曲家・音楽プロデューサーのサクライケンタとBiSのメンバーであったコショージメグミを中心として誕生。サクライケンタの「現音ポップ」と称する変拍子を多用した楽曲をバックにコショージメグミが詞の朗読を行うというパフォーマンスを発展させた形といえる。一筋縄ではいかない「現音ポップ」に合わせてパフォーミングを行う、という独自の世界を持っている。2021年5月30日、活動終了が公表される。

2016年

2016年1月

1月2日
東京・TSUTAYA O-Crestにて開催された「ヤンヤン歌うステージ 歌いぞめSP!!」に出演。

1月5日
東京・新宿ロフトにて開催された「新春アイドル対抗大喜利&歌合戦!」に出演。

1月10日
東京・新宿MARZにて開催された「Room iDOL Vol.26」に出演(10:45)。
東京・Shibuya Milkywayにて開催された「Doom Blossom Vol.1」に出演(18:00)。

1月11日
東京・AiSOTOPE LOUNGEにて開催された「第一回二丁ハロワンマン詐欺」に出演。

1月14日
東京・下北沢SHELTERにて開催された「おやすみホログラム presents Shimokita Drifter」に出演。

「ekoms presents Two Series vol.5」の一コマ。

「ekoms presents Two Series vol.5」の模様。

1月16日
東京・新宿motionにて「ekoms presents Two Series vol.5」開催。ゲストはカオティックスピードキング。シークレットゲストに大森靖子。

1月17日
東京・VUENOS TOKYOにて開催された「韻果MATSURI Vol.10」に出演。

1月23日
東京・shimokitazawa THREEにて開催された「おやホロxブクガ 深夜イベント」に出演。

1月27日
ハルカトミユキ『恋は魔法さ』(配信限定シングル)リリース。MVにコショージメグミと矢川葵が出演している。

1月30日
東京・学芸大学MAPLEHOUSEにて開催された「フィロソフイーのダンス 定期公演 「FUNKY BUT CHIC」VOL1&日向ハル聖誕祭」に出演。

2016年2月

2月2日
東京・渋谷eggmanにて開催された「COSMICBOX vol.18」に出演。

2月3日
東京・新宿ロフトにて開催された「新宿ロフト presents 乙女の事情」に出演。

東海ラジオ「TSUTAYA LIFESTYLE MISIC 929」にゲスト出演した時の一コマ。
Maison book girlにとって初めてのラジオ出演となった。

2月4日
凛として時雨のピエール中野がパーソナリティーをつとめる東海ラジオ「TSUTAYA LIFESTYLE MISIC 929」にゲストとしてサクライケンタと共に出演。Maison book girlとしてラジオに出演するのはこの番組が初めて。

2月6日
東京・GARRET udagawaにて開催された「宮沢野乃香生誕祭2016!」に出演。

2月9日
東京・shimokitazawa THREEにて開催された「$クラ!」に出演。

2月11日
東京・下北沢SHELTERにて開催された「下北沢SHELTER SHELTER presents 3×40」に出演。

2月13日
東京・渋谷Star loungeにて開催された「ハウプトハルモニー主催公演『Kindergarten』」に出演。

「Tokyo Sound Collection vol.8」の一コマ。3人体制での出演となった。

2月17日
東京・渋谷Gladにて開催された「Tokyo Sound Collection vol.8」に出演。インフルエンザのためコショージメグミは不参加。3人体制での出演となった。

2月18日
東京・吉祥寺Planet Kにて開催された「Planet K 17th Anniversary『レディース&ジェントルメン!!』」に出演。

2月20日
愛知・ell. FITSALLにて開催された「Brand-new Idle Society presents ANARCHY TOUR」に出演。

2月21日
大阪・LIVE SQUARE 2nd LINEにて開催された「Brand-new Idle Society presents ANARCHY TOUR」に出演。

2月23日
東京・新宿motionにて「ekoms presents Two Series vol.6」開催。ゲストはカフカ。

2月27日
福岡・DRUM SONにて開催された「Brand-new Idle Society presents ANARCHY TOUR」に出演。

2016年3月

3月5日
新潟・GOLDEN PIGS RED STAGEにて開催された「Catch Up Vol.4」に出演。初めての新潟公演。

3月6日
宮城・仙台MACANAにて開催された「Brand-new Idle Society presents ANARCHY TOUR」に出演。

3月8日
東京・duo MUSIC EXCHANGEにて開催された「『アイプラ IDOL Party』supported by Road Of Superarena」に出演。

「Billboard Japan」の「CHEERZ HOUSE」企画に登場した矢川葵(右)。
左は小桃音まい、中央は羽島めい。

3月10日
音楽サイト「Billboard Japan」の「CHEERZ HOUSE」企画に矢川葵が登場。
以下、Billboard Japanの「CHEERZ HOUSE」よりインタビューを引用。
ここでは、矢川葵のアイドルになるまでの生活やアイドルになるきっかけ、アイドルになった後の苦悩やぼやき、他のメンバーへの思い、といった非常に興味深いインタビューを読むことができる。
羽島めい、小桃音まいといった他の同年代アイドルと一緒ということもあり、素直に受け答えをしている様子が微笑ましくもある。
また、余談めいた話になるが、オフィシャルサイトでは明記されていない彼女の年齢に関しても、ここでは彼女の口から語られている。

グループもキャラも全く違うアイドル3人の共同インタビューハウス『CHEERZ HOUSE』。今回集まってくれた3人は、仲間と呼べるメンバーたちとの出逢いによって変われた女の子、このメンバーじゃなかったら辞めていたかもしれないと語る女の子、ソロアイドルとしての道をひたすら歩み続けてきた女の子。

ひとつ屋根の下でアイドルとしての喜びや苦しみ、そして未来への希望を語り合い、自分の生き方や歩む道を再認識していく、台本なしのアイドルドキュメンタリー。ぜひ覗いてみてください。

参加メンバー:
羽島めい(神宿)
矢川葵(Maison book girl)
小桃音まい(小桃音まい)

出典: www.billboard-japan.com

小桃音まい

Episode 01.Story until the idle(アイドルになるまでの物語)
--今からここ『CHEERZ HOUSE』で共同インタビューを受けるということで、まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。
羽島めい:神宿の青色担当“めいりん”こと羽島めいです。特技はサッカーでして、小学2年生から中学3年生までガチなサッカーやってました。男子サッカーにも女子サッカーにも所属していたんですけど、女子サッカーではキャプテンをやってまして、それで全国大会に出たりとか、結構頑張ってました。
矢川葵:Maison book girlの矢川葵です。今、21歳で、もうすぐ22歳になります。
小桃音まい:民族大移動系アイドルです。“まいにゃ”って呼ばれてます、小桃音まいです。デビューして今年で7周年になるので、この中でアイドル歴が一番長いです。元々アイドルが好きで、ハロヲタで、ハロプロが大好きです!
--みんなそれぞれなんでアイドルになろうと思ったんでしょう?
羽島めい:中学3年生までは自分の生き甲斐がサッカーだったんですよ。でも中学のサッカー部時代は部活に女の子が私だけで、浮いているといいますか、なかなか馴染めなくて。それで男の子たちともいっぱいケンカして(笑)、すっごい仲が悪くて、ハブられたりもしていて、サッカーが楽しくないと思うようになっちゃったんですね。それで高校生になったときに神宿に出逢いまして、そこで「変わりたいな」っていう気持ちがあって、実際にアイドルになったらすごく変われました。
--男の子とケンカしていたような女の子がアイドルになって変われたと。
羽島めい:最初はアイドルになったにも関わらず男の子みたいな発言ばかりしてて、女の子らしくなくて。今もすごくサバサバしてると言われるんですけど、思ったことは言わないとスッキリしないタイプだから、メンバーともよくぶつかってました。でも同じ目標を目指している仲間だからこそ「思ったことはちゃんと言おう」ってデビューしたときから決めてて、今でも言うべきことはバンバン言ってます。
矢川葵:私は昔からアイドルが好きで、でも自分に自信がなかったらからオーディションを受けたりとかはしてなくて、普通に高校や専門学校に通ってたんです。でもいざ就職活動ってなったときに、就職できなかったんですよ(笑)。途中で心が折れて面接にも行けなくなって。それで「もう二十歳やし、記念にオーディションを受けてみよう」と思って、ミスIDのオーディションを受けてみたら受かってしまって、それでプロデューサーのサクライケンタさんから連絡が来て念願のアイドルになれました。
小桃音まい:私も元々アイドルが好きで、ずっとハロヲタをやってて、ハロプロのライブを観る為に兵庫から東京へ通っていたんですけど、そのときにTHE ポッシボー(現チャオ ベッラ チンクエッティ)さんが秋葉原の石丸電気でライブをやってたんですよ。本当に毎日ぐらいの勢いでライブしてたんですけど、そのポッシボーを追ってる中で地下アイドルの存在を知って。地下アイドルだったら事務所に入ってなくても活動できるって聞いたので「自分にも出来るんじゃないか」と思って、ライブハウスとかに連絡して「事務所にも所属してないし、曲もないんですけど、ライブさせてもらえませんか?」ってお願いしたら「良いですよ」って言ってもらえて。でも最初はアイドルを職業に出来るとは思ってなかったんです。ハロプロのライブを観に行くついでに自分もライブして、それで楽しんで帰るみたいな。
--ハロプロのライブを観に行くついでに自分もライブ(笑)。
小桃音まい:本当にそれぐらいの感覚だったんですけど(笑)、マネージャーさんに「どこにも所属してないんだったらウチに来ませんか?」って誘っていただいて、それで上京することになって、気付いたら職業がアイドルになってたんです。
--それぞれに「憧れのアイドルとかいたんですか?」という質問をしたいんですけど、まいにゃはハロプロですよね。なんで好きになったんですか?
小桃音まい:ハロプロにはずっと入りたくて、今でも入れるんであれば本当に入りたいぐらい、すっごい大好きで。つんく♂さんが作る楽曲も好きですし、女子だけが集まってる秘密の花園みたいな雰囲気も好きだし、ザ・正統派っていう感じなので、やっぱり私にとっては「アイドルと言えば?」と聞かれたらハロプロで、その中でもモーニング娘。さんが一番の憧れです。
--矢川さんの憧れのアイドルは?
矢川葵:お母さんの影響で松田聖子さんが好きなんですけど、私もハロプロが好きで、松浦亜弥さんに憧れていました。小学生の頃、お父さんが「桃色片想い」のPVを見せてくれて「なんて可愛い人なんだ!」って思った日からずっと好きです。ミニモニ。も好きで、私、背が低いからいつかミニモニ。に入れると思い込んでたんですよ。ちっちゃい女の子は入れるもんだと信じていたというか、「入らなアカンねんな」みたいな。でも中学生になったあたりで「あ、入られへんわ」って気付きました。
--羽島さんは?
羽島めい:私は最近の話になるんですけど、ベイビーレイズJAPANさんがすごく大好きなんですよ。2014年の日本武道館のライブをメンバーと観に行ったんですけど、そのときの鳥肌とかがスゴくて! ベイビーレイズJAPANさんの良いところってすごく真っ直ぐなところだと思うんですけど、気持ちがライブで伝わってくるのがすごく素敵だなと思って。とっても励まされるんです。「こういうライブを神宿でもやっていきたいな」ってすごく憧れてます。
--羽島さんはアイドルに目覚めるまではサッカー少女だった訳ですが、そもそもなんでサッカーをやろうと思ったんですか?
羽島めい:サッカーの前にクラシックバレエを習っていたんですけど、クラシックを聴くと眠くなっちゃうタイプで、レッスン中に寝てしまうっていう現象が多々あって「向いてないね」と言われまして(笑)。それで何をするか探してたら、小学1年生の終わりぐらいに女の子から手紙を渡されまして、そこに「一緒にサッカーやらない?」って書いてあったんです。で、見学に行ったらすごく楽しくって「女の子なのに才能あるね」って言われたのがめちゃくちゃ嬉しくって始めました。その時期はサッカーに夢中でしたね。女の子なのにディエンスやってました。
--矢川さんは元々どんな女の子だったんでしょう?
矢川葵:普通の、地味な、教室のはじっこでボーっとしているような女の子です。ひとりで遊ぶのが好きで、お休みの日とかあんまり外に出たくないので、自然と休日はひとりで過ごす事が多くなる。今もそれは変わらないです。去年、大阪から東京に引っ越してきたんですけど、東京に友達がひとりもいなくて、メンバーとしか一緒にいない。で、このあいだ、メンバーに「友達と思ってもいい?」って聞いたら、コショ(コショージメグミ)が「ダメ」って。
一同:(笑)
矢川葵:「そ、そっかぁ」っていう会話を先日しました。
--では、現状、友達ゼロという。
矢川葵:そうなんです。
--でもそんなボーっとしていたい女の子がステージに立つのは大丈夫なんですか?
矢川葵:ステージに立ったりするのは、アイドルが好きなのもあって一人でテレビ観ながらマネしたりもしていたので、あんまり緊張しないんです。ただ、チェキ会でファンの人と話すときは、慣れてきちゃえば全然話せるんですけど、初対面の「今日初めて来ました」みたいな人と話すときは楽しくできないので、でも「これでもう来るのやめようって思われたらイヤやな」と思って頑張って喋ってます(笑)。無言の時間を作らないように「今日はチェキ会で何喋ろうかな?」って思いながらライブしてます。

出典: www.billboard-japan.com

左から小桃音まい、羽島めい、矢川葵。

--まいにゃはアイドルに出逢うまではどんな女の子だったんですか?
小桃音まい:幼稚園の頃は人生最大のブリッコ期で、「自分、スゴい可愛いな」って思っていたみたいで、当時の写真とか見ると全部首かしげてるんですよ(笑)。
--その頃からアイドルやってたんですね(笑)。
小桃音まい:でも小学生でアイドルを見るようになってから「あ、自分は可愛くないんだ」って気付いて、だから「私、アイドルになりたいんだ」って堂々と言ったりできなくて。なりたいけど、目立ちたいけど、それを全面に出せないような子でしたね。ただ、モーニング娘。さんのことは大好きで、周りの友達もみんなモーニング娘。さんが好きだったんですよ。だからすごく楽しく会話も出来ていたんですけど、中学生ぐらいになると友達がみんなサーッとモーニング娘。さんのファンじゃなくなり始めて、残ったのが私しかいなくて。モーニング娘。さんの話がしたくても出来ないし、それに伴ってだんだんオタクになっていって、周りと会話も合わなくなって、友達が減っていきました(笑)。
--アイドルになるぐらいですからみんな学校ではモテたりしたんでしょうか?
小桃音まい:幼稚園のときは自信があったので、クラスで一番モテてた男の子とかにも好かれてると思い込んでいたんですけど、それ以降はだんだん暗くなっていったので……
矢川葵:私も全然です。多分、学生のときとかにモテなかった分を取り返したいからアイドルになってる人は多いと思う。「可愛い」って言われたいとか。だから私もアイドルになるまでは、おじいちゃんぐらいしか溺愛してくれてなかった。「葵ちゃんは世界で一番べっぴんさん」って言ってくれてました(笑)。
羽島めい:私も全然モテなかったです。サッカーやってて女の子らしくなかったからかもしれないんですけど、女として見られてなかった。「おまえが男だ」「え、男じゃないの?」って凄い言われて。
--そう言われるのはショックじゃなかったの?
羽島めい:私、一時期「男になりたい」と思っていたので(笑)。サッカーが好きすぎて、男になりたいって。
--今、自分がアイドルをやっていることを友達は知っていたりするの?
羽島めい:仲の良い子は知ってます。応援してくれてます。あと、当時の友達に久々に会ったりすると「変わった」「可愛くなった」って言ってくれるので、「あ、私、変われたんだ?」って嬉しくなる。
矢川葵:私も仲の良い子しか知らないと思っていたんですけど、地元が凄い田舎で人口が少ないのもあって、街中に広まっていたみたいで。だから全然喋った事もない高校時代の同級生からツイッターをフォローされたりしてて、手が震えます。「あんな教室のすみっこでボーっとしてた地味な奴がアイドルやってるぞ」とか思われたらイヤだなって(笑)。恥ずかしい。でも仲の良い友達はライブにも来てくれたりしてて、私のファンの人たちが「あおいぃ!」って叫んだりしているところをを観て「泣きそうになった」って言ってました。親心みたいな感じで。
小桃音まい:私も地元の友達には一番仲が良い2人ぐらいにしか言ってなくて、他は多分みんな知らない。
--いや、でも7年もやってたらさすがに気付かれません?
小桃音まい:年賀状が一回届いたことがあって「今度遊ぼうよ」って書いてあったんですけど、「もし私がアイドルやってることを知ってたらどうしよう?」と思って、怖くて返事は書きませんでした(笑)。仲良い友達もライブには一回も誘った事がない。単純に恥ずかしいんですよね。もうちょっと歌とか踊りが上手になったり、もっと有名になったら観てもらいたいなと思うんですけど、今はまだ積極的に「遊びに来て」とは誘えない。
--ちなみに、アイドルになると決めたとき、もしくは決まったときって家族にどんな風に報告したんですか?
羽島めい:私がスカウトされたときはお母さんもいて、一緒に話を聞いてくれたりしていたので理解が早かったんです。それで「やりたいことはやったほうがいい。やりたいなら頑張ってみなさい」って言ってくれたので、「やりたいから頑張る!」みたいな。だから応援してくれてます。私のお母さんが一番ライブを観に来てくれてるんですよね(笑)。他のメンバーのご家族よりも。だからお母さん「お母さんってバレないか心配」って言ってます。
--まだファンにはバレてないんですか?
羽島めい:ライブ会場出たときに、いろんな人にお辞儀されたって……
--完全にバレてますね。
一同:(笑)
--矢川さんは?
矢川葵:ミスIDになるまでに3回ぐらい審査があったんですけど、最後に残るまで何も言ってなくて、ファイナリストになってやっと報告したんですよ。それまで審査で東京に行くときは「友達の家に泊まりに行く」って言っていたので、「なんで言わへんの!?」って驚いてました。でも、お母さん曰く、子供の頃から思いついたことを急にする性格らしくって「いつか急にやりそうやなとは思ってた」って。だからデビューが決まったときも「がんばれ」って感じだったし、今も活動自体は応援してくれてます。ただ、東京に引っ越してなかなか実家に帰らないのが寂しいらしくて、年末年始も「お正月なのに帰ってこられへんの?」ってLINEが来て「帰れないよ」って返したら、「お母さんのお雑煮が食べたくないのか!」って怒られました(笑)。
--まいにゃはどんな風に報告したんですか?
小桃音まい:私、3年ぐらいちゃんと話さないままだったんです。上京するときも恥ずかしくて「ちょっとバイトするから東京出るわ」って言って出てきたので、ちゃんと正式に「アイドルやるね」とは言ってなくて。ただ、デビューしてから3年ぐらい経って『ラグランジュ ポイント』を発売したときに「どうなってんの?」って心配され始めたんで、そのときに初めて「CDとかも出してるんだよ」ってちゃんと報告しました。そしたらジャケット写真を老眼鏡で見ながら「え、これ、本当にまいちゃん?」って。頭から羽根が生えてるような、あまりにも別人になってる写真だったんで(笑)。

出典: www.billboard-japan.com

羽島めい

Episode 02.Become a longing of idle(憧れのアイドルになってみて)
--実際にアイドルになってみてどうですか?
羽島めい:本当に人生が変わりました。私自身もすごく垢抜けましたし、やっと自分の居場所を見つけたっいう感じですかね。こんなにも全力になれるものと出逢えたことに幸せを感じてます。しかもひとりじゃない。一緒に頑張れる仲間が4人もいて、その娘たちとたくさんの大きな夢を見ていきたいし、叶えていきたい気持ちが強いので、毎日が楽しいです。
--神宿は、元々は引き篭もりがちだったり自信がない女の子たちの集まりだった訳ですけど、その全員がアイドルになって一緒に変わっていってる印象を受けます。
羽島めい:みんな「めいがいなきゃダメ」とか言ってくれるんです。それがすごく嬉しいんですけど、自分は最初は「別にいなくてもいいのかな」って、ここに居なくてもいい存在だと思ってたんですよ。でもみんなが必要としてくれたことで「私はこれで頑張っていきたい」って思えるようになった。そういう化学反応がそれぞれに起きてるんだと思います。
--では、アイドルになってなかったらどうなっていたと思います?
羽島めい:多分、ダメな子だったと思います。サッカーも辞めてしまったし、何の取り柄もない子になっていたんじゃないかなって。アイドルになれたおかげで性格も変わりましたし、だからこのグループに入れてよかったです。何の経験もない5人が集まって、神宿に入る前はいろいろ苦労してきた子たちが一緒になって頑張ってる。そこには親近感もあるし、年齢も近いし、ここまでの活動でそれぞれどんな娘なのか見てきましたけど、この5人じゃなきゃ今の神宿もないし、今の私もなかったなってすごく思います。
--矢川さんはアイドルになってみて、Maison book girlに入ってみてどうですか?
矢川葵:「物事はいろいろ考えて動かしていかないといけないんだな」ってことがやっと分かりました(笑)。
--具体的に言うと?
矢川葵:うーん……ダンスもただ踊るんじゃなくて、立ち位置も気にして、お客さんの顔も見て、ひとつひとつの振りをちゃんと出来るように練習しなくちゃいけなくて……みたいな。今まではただテレビでアイドルを「可愛い」と思って観ていただけだったんですけど、いざアイドルを仕事にするってなったらやらなきゃいけないことがたくさんあるし、自分が思っていた以上に不器用だったことにも気付かされたし、想像以上になんにも出来ない自分がいて……。今はまぁまぁやれることが増えてきて、ライブ中もそんなにバテなくなったんですけど、最初はどうにもならなかったですね。
--では、まいにゃ。7年間、アイドルをやってきてみてどう?
小桃音まい:アイドルに憧れていたので、最初は「アイドルの世界に入れた!」って嬉しくて、ただ楽しいだけの時期があって。その時期を終えると「お仕事としてちゃんと頑張らなくちゃ」みたいな感じになって張り切るんですけど、でも張り切り過ぎちゃダメなんだって分かって、ちゃんと力を抜くときは抜く、ちゃんと落ち着いてステージに立つようになりました(笑)。
--完全にベテランの話ですね(笑)。
小桃音まい:でも落ち着いたら落ち着いたで「正統派」って言われるようになって、自分では全然正統派をやってるつもりはなくて、どっちかと言えば頭がヘンなほうだと思うんですよ。正統派だったらオーディションを受けると思うんですけど、自分からライブハウスに売り込んじゃうような人だし。でも「正統派」って言われると「ちゃんとしなきゃ」って思って、それで正統派ぶってたら「あれ? 私ってどんな感じだったっけ?」って分からなくなっちゃって! だから今は普通にやってます。
--今のまいにゃ先輩の話を聞いてどんなことを感じました?
羽島めい:自分でチャンスを掴みに行くところが素敵だなって思いました。
小桃音まい:でもそれをしないと……私、スイミングスクールも半年ぐらいで辞めたし、塾も通い出して1週間で辞めたし、書道も3,4ヶ月ぐらいで辞めたし、何も続けられなくて! 勉強もできないし、学校もちゃんと行ってなかったし、もう何もかも頑張れなかったんです。その中で自分が何になりたいか考えたとき、アイドルしかなかったんですよね。だからこれだけはどうしても頑張らないといけない。だから頑張れてるだけで、本当はすごくダメな人なんですよ(笑)。
--今までアイドルとして活動してきて一番大変だったこと、もしくはキツかったことって何ですか?
羽島めい:ひとつひとつのライブで「このタイミングでコメント言う」とか「このタイミングでこう動く」とか、そういうのを考えるのが難しいなって。全部を最高にするのって結構難しいことで、「昨日は最高だったけど、今日はあんまりよくなかった」みたいなことってよくあるんですよね。でもライブはアイドルにとって重要なものだし、パフォーマンスひとつとっても悩むことがたくさんある。でもそれは「最高のライブにしたいな」って思うからなんですけどね。あと、大変なことと言えば、お姉ちゃんとよくケンカしますね(笑)。メンバーの羽島みきは本当の姉妹なんですよ。
--他のグループにはない悩みですね。
羽島めい:お姉ちゃんとは結構タイプが違うので、よくケンカするんですよ。それでグループ内の雰囲気を壊してしまったりとかするんですけど、最初の頃は仲悪くなり過ぎちゃって、結構悩んでましたね。姉妹だけどメンバーだし、メンバーとして見なきゃいけないから、どう接すればいいのか分からなくなっちゃって。でも最近はお姉ちゃんが私に対して嫌味を言うのがファンの人にはウケるらしくて、姉妹ゲンカがコントになってます。
--姉妹ゲンカにニーズがあったんですね(笑)。
羽島めい:魅力のひとつになってる(笑)。
--どうですか? もし自分のグループに姉妹がいたら。
矢川葵:うーん……負けたくない。昔から妹のほうが可愛がられていたんですよ。私と5歳ぐらい離れてるんで、生まれた瞬間から両親が妹の面倒ばかり見るようになっちゃって、私を可愛がってくれるのがおじいちゃんしかいなかったんです。それがコンプレックスというか……妹のほうが活発で、明るくて、可愛くて、自分でも「私のほうが可愛い」って言ってくるんですよ! そんな子とグループが一緒やったら、毎日「うーん……」ってなっちゃうかもしれない。
--そんな矢川葵がアイドルとして活動してきて一番キツかったことは?
矢川葵:去年の夏ぐらい、ずっと体調が悪い時期があって、声が出なかったんですよ。でもそんなこと関係なくライブは入ってくるし、それを観に来てくれる人たちもいて、そのあいだは口パクでしかパフォーマンスできなくて、チェキのときも喋れず筆談したりしてて。自分が体調崩したせいでメンバーにも迷惑かけるし、申し訳ないし、その時期が精神的にも一番ツラかったです。以前は具合悪くなったら学校休めばいいし、それで誰にも迷惑かけなくてよかったけど、「今は違うんだな」「早く元気になりたいな」って思いました。
--まいにゃは?
小桃音まい:オタクと大戦争したことがあります。
一同:(笑)
小桃音まい:きっかけは、ライブハウスで普通にライブをしてたんですけど、対バンイベントなので他のグループさんやファンの方たちもいたんです。その中でウチのライブが盛り上がり過ぎちゃって、迷惑そうな感じで見ている人たちの姿が見えちゃったので、握手会のときに「今日の盛り上がり、悪ふざけに見えちゃったんですけど」って言っちゃったら、それからこじれ出しちゃって。次のライブから「MIX禁止になったよ」みたいな感じで勝手に広められちゃったんです。それで「禁止とか言ってないですよね?」って言ったら更にゴチャゴチャしちゃって、結果、オタクも泣くし、私も泣くし、みたいな状態になったことがあって……もう雰囲気最悪でした(笑)。

出典: www.billboard-japan.com

左から小桃音まい、羽島めい、矢川葵。

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