有罪か、無罪か。問題に向き合い学校裁判を開いた中学生「ソロモンの偽証」

ベストセラー作家・宮部みゆきが長年の歳月を経て手がけた「ソロモンの偽証」。若干14歳、中学生の藤野涼子が同級生の死体を発見してしまった。物語は事件、決意、そして裁判へと彼等は立ち上がった。その嘘は誰のためについたのか?週刊文春ミステリーベスト2位の最高傑作を紹介します。

原作

構想15年にして、連載9年!宮部みゆき作家生活25年の集大成にして最高傑作と謳われるミステリー巨編・売上累計300万冊超えの大ベストセラー

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第I部 事件・第II部 決意・第III部 法廷の3構成になっています。

作者・宮部みゆき

1987年、「我らが隣人の犯罪」でデビューする。以後、『龍は眠る』(日本推理作家協会賞受賞)『火車』(山本周五郎賞受賞)『理由』(直木賞受賞)『模倣犯』(毎日出版文化賞特別賞受賞)などのミステリーや、『本所深川ふしぎ草紙』(吉川英治文学新人賞受賞)『ぼんくら』などの時代小説で人気作家となる。ほかに、ファンタジーやジュブナイルものの作品がある。

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あらすじ・ストーリー

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった――。拡大する事件を前に、為す術なく屈していく大人達に対し、捜査一課の刑事を父に持つ藤野涼子は、級友の死の真相を知るため、ある決断を下す。それは「学校内裁判」という伝説の始まりだった。

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二人の同級生の死。マスコミによる偏向報道。当事者の生徒達を差し置いて、ただ事態の収束だけを目指す大人。結局、クラスメイトはなぜ死んだのか。なにもわからないままでは、あたし達は前に進めない。だったら、自分達で真相をつかもう――。そんな藤野涼子の思いが、周囲に仲間を生み出し、「学校内裁判」の開廷が決まる。次第に明らかになる柏木卓也の素顔。繰り広げられる検事と弁護人の熱戦。そして、告発状を書いた少女が遂に……。夏、開廷の日は近い。

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空想です――。弁護人・神原和彦は高らかに宣言する。大出俊次が柏木卓也を殺害した根拠は何もない、と。城東第三中学校は“問題児”というレッテルから空想を作り出し、彼をスケープゴートにしたのだ、と。対する検事・藤野涼子は事件の目撃者にして告発状の差出人、三宅樹理を証人出廷させる。あの日、クリスマスイヴの夜、屋上で何があったのか。作家生活25年の集大成にして、現代ミステリーの最高峰、堂々の完結。

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文庫版最終巻には、特別書下ろしで涼子の20年後を描いた「負の方程式」が収録されていいて、映画版ではその様子も描かれています。

映画化 ”嘘つきは、大人のはじまり。”

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2015年3月「前篇・事件」公開、4月「後篇・裁判」公開の2部作。映画制作にあたり生徒役の主要出演者をオーディション募集し、主演の藤野涼子は本作がデビュー作であり、かつ役名を芸名とするアイディアが監督・プロデューサーからあがり、作者の宮部からも二つ返事で承認され芸名とした。

主な登場人物・キャラクター

名言・名セリフ

「どうして助けないの? 藤野さんホームルームで言ってたよね? いじめはよくないって。どうして助けないの?」
「そういうのを『口先だけの偽善者』っていうんだ。そういうのが一番タチが悪いんだ」

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みどころ

◆雪の降り積もる学校で発見された死体。その映像がトラウマになりそうなほど身震いする。
◆死体となって発見された”柏木くん”のクラスでの存在感。彼はどんな存在だったのか。
◆三宅樹里と浅井松子がいじめられる場面。松子の大事にしている楽器が壊された時が特に辛い。
◆幾度の事故の責任を取って辞職した校長先生の生徒への愛情を知った瞬間。
◆警察官である父を頼りたい娘と、支えたい父の葛藤する場面。
◆学校裁判の賛同者を呼びかけている藤野涼子に、そんなことはやめて学校生活の作文を書くよう勧め対立する場面。

塚地さん、もはや芸人じゃない

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