宇佐美時重(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
宇佐美時重(うさみ ときしげ)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。第七師団の初期メンバーの一人で階級は上等兵。かなり腕が立ち、丸腰で武器を持った複数人の殺人犯を返り討ちにしてしまう程。鶴見中尉に心酔しており、恋愛感情にも似た忠誠心を持つ。最期は元第七師団の尾形に狙撃され、胸を撃ち抜かれて致命傷を負う。それでも尚、今際の際に鶴見中尉に刺青人皮と重要情報を伝えて息絶えた。
札幌で刺青の囚人の一人であるジャック・ザ・リッパーを探す際に披露した。ジャックは娼婦を殺してその現場で自慰をするという性癖を持っていた。宇佐美は殺人現場に残されたジャックの精子からその性質を読み取り、上官の菊田杢太郎(きくた もくたろう)が見ている前で自分も自慰を始めた。菊田は第七師団の特務曹長で宇佐美の上官であり、宇佐美と共にジャックの行方を追っていた。その正体は第一師団のスパイである。
自慰をして射精する事で宇佐美はジャックの心理を読み解き、次の殺人現場を推理しようとしていた。その後も毎晩、札幌に一人で繰り出しては徘徊し、自慰をしていた。射精の際には馬の嘶きのような声を発する。
射精で相手を攻撃する事も可能である。捜索の末、ジャックと遭遇した際に披露した。この時ジャックも射精で攻撃してきた為、宇佐美とジャックで射精の打ち合いとなる。上官の菊田がジャックの射精を目に食らった事で怯み、ジャックを取り逃している。もちろん物理的な破壊力は皆無に等しいが、精神的な嫌悪感からの牽制や目潰しとしてはそれなりに有効である。
殺人現場で殺人犯と同じように射精することで、その心理を読み解こうとする点。なんの躊躇いも無く上官の前で自慰を始める点。殺人犯と精子を掛け合う点。こういった点から宇佐美の異常性が垣間見える。
アクロバット
ジャック・ザ・リッパーに精子をかけられた際に披露。映画『マトリックス』の如く空中で一回転し、飛んでくる精子をかわした。
馬との因縁
宇佐美はその生い立ちから馬との因縁がある。幼少期、宇佐美は鶴見への嫉妬心から親友の高木を殺してしまう。鶴見は宇佐美を庇う為に「鶴見の乗ってきた馬が高木を蹴り殺してしまった」という嘘の事故をでっち上げた。鶴見の馬は激昂した高木の父親に打ち殺されてしまう。この一件以来、宇佐美は馬に殺意を向けるようになる。通りで出会った他人の馬を理由も無く撃ち殺すという異常性を見せた。
射精の際には馬の嘶きの様な声を上げる。
札幌麦酒工場では、いち早く鶴見に刺青人皮と重要情報を伝える為に乗馬する。鶴見の元に到着する寸前で尾形に狙撃されて致命傷を負ってしまう。馬と宇佐美の間には奇妙な因縁がある。
地図
札幌でジャック・ザ・リッパーを追い掛ける際に使用。新聞記者の石川啄木がジャックの殺人事件の法則性を見抜いて印をつけた地図。宇佐美は石川と遭遇し、殴りつけて強奪しようとした。その際、石川は地図を破り捨てて逃走。宇佐美はその地図を拾い集めて復元させた。これを元に宇佐美達第七師団はジャックの次の犯行現場が札幌麦酒工場である事を特定する事が出来た。
宇佐美時重の来歴・活躍
故郷の新潟県新発田にて親友を殺す
明治26年新潟県新発田。当時12歳の宇佐美は少年期を過ごしていた。父母、姉、弟、妹と仲睦まじく暮らしていた。柔道場に通い、その腕前は農家でありながらかなりのものであった。鶴見にその腕前を高く評価され、宇佐美はその事を誇りにしていた。
ある日鶴見は新発田に帰り、宇佐美と共に過ごしていた。当時の鶴見は新潟県に本拠を置く第二師団に所属していたのだ。鶴見は足踏み水車で水田の排水作業を手伝っていた。そこに宇佐美の親友の高木智晴(たかぎ ともはる)がやって来た。高木の父親は鶴見の上官であり、宇佐美とは同じ柔道場に通っていた。鶴見は高木に目をかけていた。仲良く談笑する高木と鶴見を宇佐美は微笑みながら見つめていた。
学校で高木は宇佐美と仲良く談笑をしていた。高木は宇佐美に、家に泊まるように誘う。高木は宇佐美に対して相当の親しみを覚えていた。微笑みながら高木の話を聞く宇佐美。会話の中で高木は道場に鶴見が来る事を宇佐美に伝える。それを聞いた宇佐美は急に反応し、高木を急かしながら道場へ行く。道場に着くと高木と宇佐美は鶴見を取り合うように乱取りをせがんでいた。
冬になり、宇佐美と鶴見は二人で雪道を歩いていた。宇佐美はもうすぐ学校を卒業する。農家である宇佐美は卒業後、実家の野良仕事を手伝う事になっていた。宇佐美は卒業後も道場に通うかどうか迷っていた。そんな宇佐美に、鶴見は道場に通い続けるよう促す。鶴見はそれだけ宇佐美の才能を買っていたのだ。一方の鶴見は宇佐美に、道場に来るのが難しくなってきた事を伝える。朝鮮半島で問題が起きた為に、鶴見は近々軍務で行かなければならない状況であった。そんな寂しい雰囲気の最中、宇佐美達の背後から高木が二人の間に割り込んできた。
春になり、宇佐美と高木は乱取りをしていた。高木はいつも宇佐美に負けており、対抗心を燃やしていた。それでも高木は宇佐美に勝てず、今日も負けた。その日は稽古が終わっても尚、高木は宇佐美に挑む。結局、高木は宇佐美に1本も勝てなかった。道場を閉める時間になり、宇佐美は先に外で待っていた。高木は道場に残り、膝を抱えて落ち込んでいた。そこへ鶴見が話しかけ事情を聞く。そして高木は外で待つ宇佐美への思いの丈を鶴見にぶつける。高木はこの日が道場で稽古をつける最後の日であった。高木は学校を卒業後、東京の学校で将校になるべく寮生活を送ることになっていた。高木は故郷を離れる前に親友でありライバルの宇佐美に勝ちたがっていたのだ。その事を聞いた鶴見は高木を取りなして道場の外に出る。そして外で待っていた宇佐美に先程、鶴見に語った思いのを宇佐美本人にぶつけ、高木は宇佐美に乱取りを挑む。宇佐美は気が進まないながらも高木と乱取りをする事になる。道場は師範の武田先生が鍵をかけてしまったので、鶴見の審判の元、道場前の広場で乱取りをする事になる。
鶴見の掛け声で高木と宇佐美の乱取りが始まった。結果は宇佐美の勝ちで高木は地面に投げられた。それでも高木はまだまだ諦めず、宇佐美にもう一度挑もうとしていた。しかし、そこで宇佐美の様子が急変する。それまで穏やかだった宇佐美がいきなり憤怒の表情になり、高木の喉仏を思いっきり踏みつけたのであった。喉仏が凹むほど踏みつけられた高木は呼吸が出来ず、痙攣を始める。慌てて鶴見が間に入るも、宇佐美は悪びれず自分が抱えていた鶴見への怒りを鶴見にぶつける。宇佐美は高木を親友と思っていなかった。鶴見と宇佐美の二人の時間をいつも邪魔していた高木を不快に思っていた。高木が東京の陸軍幼年学校に行くことで鶴見に更に近くなる事、そしてそれを宇佐美に言わないでいた事を宇佐美は「高木に見下された」と捉えて不快に思っていた。しかし、宇佐美はその事を許していた。では何故、鶴見に対して怒り、高木を殺してしまったのか。それは先程、鶴見と高木が道場の中で二人きりでいた時にしていた会話にあった。この会話は宇佐美に全部聞こえていた。鶴見は道場の中で高木に「気持ちの強さでは宇佐美に勝っている。その気持ちがあれば高木の方が宇佐美より強くなれる」という旨を言った。宇佐美にとって、鶴見が自分の強さを一番だと認めてくれた事が何よりの誇りであり、宇佐美の全てであった。この鶴見の発言は宇佐美の全てを否定するものであり、その事が宇佐美を怒り狂わせて殺人をさせたのである。それを聞いた鶴見は宇佐美を抱き寄せて謝罪した。そして「キミはずっと私の一番らんだれ」と、宇佐美が一番である事を改めて認めた。その言葉を聞いた宇佐美は一変して穏やかに笑い安心していた。
鶴見に抱きしめられた宇佐美は「それ…死んでしもいましたけ?」と、宇佐美を親友と慕い、宇佐美が今し方殺した高木の骸を微笑みながら「それ」呼ばわりした。そして鶴見の腕の中で「共犯らいね。僕たち…」と無感情に言った。それを聞いた鶴見は宇佐美に事件隠蔽の為の嘘の筋書きを覚えさせる。それは鶴見が道場に乗ってきた馬が、高木を蹴り殺してしまったという筋書きであった。鶴見と宇佐美は口裏を合わせて事件を隠蔽した。その後、嘘の筋書きを聞かされた高木の父親は怒り狂い、鶴見の馬を射殺。そして鶴見を逆恨みし、彼を新潟県の第二師団から北海道に本拠を置く第七師団に左遷してしまった。
新潟県新発田にて日清戦争帰りの鶴見と再会
明治28年新潟県新発田。宇佐美が親友の高木を殺してから2年後である。宇佐美は14歳になっていた。そこへ日清戦争から同郷の軍人、鶴見が帰ってきた。鶴見は上官の息子である高木が鶴見の馬に蹴り殺された件で逆恨みを買い、北海道に本拠を置く第七師団に左遷されていた。
鶴見は宇佐美が親友の高木を殺した道場に顔を出し、師範と談笑後帰ろうとしていた。そこで鶴見は後ろから声をかけられる。振り返ると顔を赤らめて喜ぶ少年の宇佐美が立っていた。
宇佐美は自分が初めて人を殺した道場を「聖地」と呼び、度々用が無いのに訪れていた。そして今回、たまたま帰郷した鶴見と遭遇したのである。宇佐美は「聖地」に訪れては、自分が初めて人を殺し、その秘密を鶴見と共有した事を思い出していた。宇佐美は聖地での人殺しを「僕の童貞喪失」と表現し、その様子は恋する乙女の様であった。そんな宇佐美に対し、鶴見は敵兵を容赦なく殺せる生まれながらの兵士の素質を見出す。その素質とは「愛」であった。宇佐美は鶴見に対し、愛を抱いていた。鶴見は先の日清戦争の経験から、優秀な兵士は仲間や上官への愛の為に敵兵を殺すと理解していたのだ。そしてその愛を持った宇佐美を第七師団に勧誘するのであった。
宇佐美のこの殺人に対する異常な性癖とも言える行動は、後の凶悪殺人犯ジャック・ザ・リッパー捜索に役立つ事になる。
東京にて杉元と遭遇する
金塊争奪戦が始まる以前、主人公の杉元は結核により家族を失い故郷を追われた。東京にやって来た杉元は軍人の菊田と出会い、花沢勇作(はなざわ ゆうさく)の替え玉としてお見合いをすることになる。
花沢勇作とは帝国陸軍第七師団師団長花沢中将の息子であり、第七師団の尾形百太郎(おがた ひゃくたろう)の腹違いの弟である。花沢の父は彼を「聯隊旗手」として戦争の最前線に行かせたがっていた。だが、花沢の母は死亡率の高い聯隊旗手には反対していた。しかし、軍人の妻である以上、その事を表立っていう事は出来なかった。そこで花沢に見合いをさせて、相手の女性に花沢の童貞を奪うように仕向けた。聯隊旗手になる条件に「童貞である事」というものがあった為、花沢の童貞を奪う事で聯隊旗手になれないようにする事が花沢の母の目的である。だが、花沢中将はその妻の目論見に気づいていた。しかし事態は既に他人を巻き込んでいる状態であった。第七師団師団長の妻が愛国心を疑うような行動をしている事が表になったら一大事である。そこで花沢中将は信頼していた第一師団長に密かに相談。第一師団長は部下の菊田にこの件を一任した。菊田は当時軍属で無く、品の良い顔立ちの杉元に着目し、彼に花沢の替え玉として見合いに参加させる「花沢勇作童貞防衛作戦」を立てて実行に移したのである。
杉元は一回目の見合いを終えた。杉元は菊田から軍服を着て出歩かないよう忠告を受ける。当時の赤坂は多くの軍人が歩く、陸軍の街であった。杉元は菊田と出会う直前に陸軍候補生と揉め事を起こしている。更に赤坂には師団の兵士も多く出歩いている為、杉元の顔を赤坂の兵士達に見られるのは作戦失敗の危険があったのである。
菊田に忠告されていたにも関わらず、杉元は軍服を着て赤坂の陸軍士官学校に行った。杉元の目的は花沢に会い、話をする事であった。その内容は花沢が死亡率の高い聯隊旗手に志願した理由を問いただすことである。見合いで食べたエビフライの美味しさに感動した杉元は、「死ぬ可能性が高い旗手になるだけでなく、見合い話を受け入れて毎日エビフライを食べるような未来も、花沢にはあるのではないか」と考えたのである。しかし花沢は「日本のために、兵士たちのためにこの命が役に立つなら旗手になって構わない」と語り、それが彼の本音かどうかは判断できずに掴みかかって揉め事になってしまい、杉元は目的を果たせずに引き返すこととなる。その帰り道に杉元は軍人にぶつかり、軍帽を落としてしまう。ぶつかった相手は軍帽を拾い、杉元に手渡してくれた。その人物は、後に金塊争奪戦で死闘を繰り広げる事になる、第七師団27聯隊の鶴見中尉であった。宇佐美も尾形、月島基(つきしま はじめ)と共に鶴見に同行していた。月島は第七師団の軍曹であり、鶴見の腹心である。曲者揃いの第七師団の中で唯一の常識人である。後の杉元や鶴見、宇佐美、尾形、月島は面識が無かった為かこの時の事は覚えていない。金塊争奪戦が始まる前から彼らは出会っていたのであった。
花沢の童貞を守る為に行動する
宇佐美は鶴見のお供で花沢勇作に会いに陸軍士官学校に会いに行く。しかし、入れ違いで花沢は帝国ホテルに向かっていた為、宇佐美達も帝国ホテルへ向かう事になる。そこで宇佐美達は陸士の候補生らしき人物と女性が部屋に入っていくのを見る。実はこの陸士の候補生というのは、花沢勇作に扮した杉元であった。彼は第一師団菊田軍曹の指金で密かに花沢勇作の見合い話を潰す為に行動していたのである。事情を知らない宇佐美達はその陸士の候補生を花沢勇作と判断し、後を追う。その最中、宇佐美は腹違いの兄である尾形に「どんな男か楽しみだな?」と聞いていた。後に敵対し合う宇佐美と尾形であるが、この時は普通に会話する仲であった。
事情を知らない鶴見は、このままでは花沢勇作が童貞を失ってしまうと判断した。そこで宇佐美達は花沢勇作と思われる人物が入った部屋のドアを蹴破って中に突入した。部屋の中では花沢に扮した杉元が全裸で浴室に入り、見合い相手の金子花枝子(かねこ かえこ)に童貞を奪われそうになっていた。金子の策略で杉元は軍服にビーフシチューを溢された為、着替えの為浴室で全裸になった所を金子に襲われていたのである。浴室に閉じこもり、金子から身を守っていた杉元。浴室の外では鶴見が見合いを諦めようとしない金子に、花沢の名誉を守るため銃を突き付けて脅していた。鶴見の銃の弾倉に弾が入っていない事から殺意が無い事が解る。しかし浴室に籠っていた杉元はこのままでは金子が口封じで殺されると判断し、正義感から全裸で浴室から飛び出す。全裸の杉元はそのまま鶴見の銃を蹴り落とし、その銃を拾おうとした所で宇佐美の突進を喰らう。そのまま宇佐美と杉元は取っ組み合いになり、そこへ月島も加わって乱戦になる。杉元の顔を見た鶴見は彼が花沢勇作では無い事に気付く。その事を鶴見から聞いた宇佐美は「誰だお前」と言いながら杉元の顔面を殴りつけた。それでも杉元は止まらず、暴れ続けた。そこへ菊田が杉元を助けに乱入し、杉元と菊田はその場を逃げ出す。菊田の姿を見た鶴見は状況を把握し、部下である宇佐美達に追撃をしないように命じた。
戦場で尾形を誘導する
鶴見は第七師団長の花沢中将を操ろうとしていた。その為に当初息子の花沢勇作を殺す事を画策していた。花沢勇作を殺す事で花沢中将は、腹違いの息子であり第七師団で鶴見の部下である尾形に愛情を注ぐようになると考えていた。しかし余りにも第七師団の軍人達が花沢勇作を神聖視していた為、その計画を断念する。その事を宇佐美は日露戦争の旅順攻囲戦塹壕で尾形に伝える。そして花沢勇作殺害を鶴見が断念した事を宇佐美は「つまんねー」と尾形に言い、更に「みんな勇作殿を美化し過ぎてない?」と尾形の心を揺さぶる発言をする。両親からの愛情を受けて育った花沢勇作に、両親からの愛情を受けられなかった尾形は複雑な感情を抱いていたのだ。尾形は宇佐美の発言に同意し、花沢も本当は自分と同じように人を殺しても罪悪感を感じない人間であるという事を確かめようと考え始めた。そうすることにより尾形は「両親からの愛の有無で人に違いは生まれない」事を証明し、自分がマトモな人間である事を自分に納得させようとしていたのである。宇佐美は尾形の歪んだとも言える考えを聞き、「その通り」と肯定する。そして尾形は花沢に密かに捕らえたロシア兵を殺させようとして失敗してしまう。
花沢に人殺しをさせる事に失敗した尾形。そこで尾形は発想の転換をする。尾形は「実は自分は父親に愛されており、花沢と自分の間には何も違いは無いのでは?」と考えたのである。そこで尾形は父親の愛を確かめる為に花沢を殺して見るという結論に達する。その考えを尾形から聞いた宇佐美は不気味に「そうだね」と肯定する。そして尾形は当初の鶴見の予定通り、戦場で背後から花沢を狙撃して殺害し、父親の愛を確かめようとした。結果的に尾形は父親の愛を受けられず、逆に存在を否定されてしまう。後に宇佐美はこの尾形との一連の出来事を事情を知らない菊田に話す。その際、宇佐美は父親の愛を受けられなかった尾形の事を嘲笑していた。
奉天にて鶴見と話す
奉天にて宇佐美は鶴見を褒め称える。その内容は鶴見が月島を「駒」として使い、奉天での部下達の士気を盛り上げた事である。
月島は鶴見の腹心とも言える部下である。月島は過去に離別した幼馴染を愛していた。その幼馴染の事で鶴見は一芝居を打って月島を従順なコマに仕立てた。しかし、その鶴見の芝居が月島にバレてしまい、鶴見は月島に戦場の奉天にて詰め寄られる。鶴見は月島を救う為に一芝居打った事を独白。あまりの熱弁に月島の心は揺れ動く。そして他の兵隊が見ている目の前で月島を「戦友」と呼び、士気を大いに高めた。更に“理想の上官”を演出する為に、前頭葉の一部を吹き飛ばされるという大怪我を負いながらも飛んできた砲弾から月島を庇う。これによって鶴見は月島という「駒」を完全に掌握したのである。宇佐美は鶴見の思惑、策略を見抜いた上でこの事を褒め称えたのである。
尾形に嫉妬する
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関谷輪一郎(せきや わいちろう)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。24人の刺青囚人のうちの1人である。際立った戦闘力は無いが狡猾さと独自の信仰心を持ち、他人の命を「試練」と称し運任せで毒殺する異様な殺人を繰り返し投獄される。脱獄後は北海道の阿寒湖のほとりで刺青人皮を巡り土方一派を狙う。一時は土方と牛山を持ち前の狡猾さで戦うことなく倒して生き埋めにした。しかし仲間の門倉とキラウシの活躍で復活した土方に逆襲され力尽きる。
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奥山夏太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
奥山夏太郎(おくやま かんたろう)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している「土方一派」と呼ばれる組織の一員。 北海道のヤクザの若衆だったが、ある時土方歳三と出会い、その覇気溢れる様に魅了される。同じ若衆だった亀蔵と共に出奔し、土方を追いかけてその一派に加わり、部下として金塊争奪戦に関与する。一方で「土方に認めてもらいたい」との思いからたびたび無茶なスタンドプレイに走る“血気盛んな若者”としての側面を持ち、その都度幸運によって生き延びている。
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辺見和雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
辺見和雄(へんみ かずお)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、体に刺青を掘られた24人の囚人のうちの1人。この刺青は埋蔵金の手掛かりとなっていて、多くの人や組織に狙われている。表向きでは人当たりがいいが、その正体は日本各地で100人以上を殺してきた殺人鬼。幼少期にイノシシに無残に食い殺された弟の死に方に憧れ、自分を残酷に殺してくれる人を求めている。辺見の刺青を狙う主人公・杉元佐一と死闘を繰り広げた後、シャチに海に引き摺り込まれた。想像を超える死に方ができて満足気だった。
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花沢勇作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
花沢勇作(はなざわ ゆうさく)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、尾形百之助の異母兄弟。清廉潔白な人格で周囲の人々に愛された美男子だ。日露戦争の二〇三高地で味方を鼓舞する旗手を務めていたが戦死し、物語の開始時点では既に故人となっている。敵に殺されたのではなく、後方にいた尾形が狙撃した。将校である父が芸者に産ませた子どもである尾形を、階級が下であるにも関わらず「兄様」と呼んで慕っていた。金塊争奪戦を引っ掻き回す尾形の前に、たびたび幻覚として現れる。
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いご草ちゃん(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
いご草(いごぐさ)ちゃんとは漫画『ゴールデンカムイ』に登場する人物である。第七師団で鶴見篤四郎の腹心である月島基の幼馴染で元恋人である。将来を誓い合う仲だったが、両親に騙され、三菱財閥幹部の息子と結婚。東京へ移住し、幸せな家庭生活を送る。だが真実を知らない月島は、実の父親が「彼女を殺した」と誤解し、父親を殺害して死刑囚となってしまう。いご草ちゃんは月島にとってかけがえのない存在だった。それに目を付けた鶴見は彼女の存在を利用し、月島を忠実な部下に育て上げ、共に金塊争奪戦に身を投じていく。
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牛山辰馬(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
牛山辰馬(うしやま たつうま)とは、『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、アイヌの隠し金塊の在処を示す刺青を施された囚人の1人にして柔道の達人である。大柄で屈強な肉体に石頭、独特な耳の形状が特徴的な人物である。金塊を狙う土方歳三に協力し活動する。「不敗の牛山」の異名を持ち、様々な強敵をその卓越した柔術と怪力で組み伏せる。白兵戦では作中最強の男である。普段は紳士的だが極度の女好きでもあり、一定期間女を抱かないと男だろうと老人だろうと見境なく襲い掛かる一面を持つ。物語序盤から終盤にかけて活躍した。
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土方歳三(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
土方歳三(ひじかたとしぞう)とは、漫画『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、刺青の囚人の頭目にして「新撰組鬼の副長」と恐れられた男。函館戦争で死亡したと思われていたが、極秘で監獄に収監されていた。蝦夷共和国樹立を叶えるため、アイヌの隠し金塊を狙う。同じく金塊を狙う大日本帝国陸軍第七師団を最大の障害と見なし、主人公・杉元佐一や彼の仲間たちとも一時共闘する。普段は穏やかな老人だが、戦闘時には鬼のような気迫を見せて敵と戦う。利害が一致すればどんな人物とも手を組むが、敵と見なす者には一切容赦しない。
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ウイルク(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
ウイルクとは『ゴールデンカムイ』に登場するアイヌ民族の男性である。アイヌの隠し金塊の所在を唯一知る人物であり、金塊争奪戦の原因となった。メインヒロインであるアイヌの少女アシリパの父親であり、娘と同じ独特な青い目をしている。作中では網走監獄に幽閉され、顔の皮が無い「のっぺら坊」として登場。アイヌの金塊を隠し、その場所を示した暗号を24人の凶悪な囚人達に刺青として彫った。金塊を巡る様々な勢力が網走監獄を襲撃した際にかつての仲間のキロランケの差金で暗殺された。
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フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。 アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人で、作中で繰り広げられる熾烈な金塊争奪戦とは無縁の立場にある。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。中でも陸軍兵士の谷垣源次郎とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄。主人公・杉元佐一を気に入り、アシリパを嫁にもらってほしいと考えている。
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鯉登音之進(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
鯉登音之進とは野田サトル原作の漫画・アニメ『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、大日本帝国陸軍第七師団歩兵第27聯隊に所属する陸軍少尉である。鶴見篤四郎中尉を崇拝しており、彼からも「お気に入り」とされている。銃器が多く登場する本作において、薩摩に伝わる日本剣術・自顕流を実践で通用するレベルにまで鍛え上げた一流の使い手。海軍少将の鯉登平二を父に持ち、裕福な家庭で育ったいわゆる「ボンボン」。様々な場面で月島基軍曹の補佐を必要としたが、最終的には一人前の将校へと立派に成長した。
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門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
門倉利運(かどくら としゆき)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、のっぺらぼうを収監していた網走監獄の看守部長。冴えない中年男だが、実は土方歳三の内通者として情報を流していた。網走の攻囲戦の後は土方と行動を共にする。のっぺらぼうが隔離される前に最後に刺青を入れた男だが、刺青はすべてが揃わなくても解けるため、門倉の刺青はさほど重要ではないと思われていた。しかし最終局面で、思わぬ鍵が隠されていたことが判明する。
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岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
岩息舞治(がんそくまいはる)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、屈強な肉体と暴力への飽くなき欲求を併せ持つ男だ。樺太にあるロシア人の村で、男たちが集団で殴り合う競技「スチェンカ」に参加していた。キロランケやアシリパを追跡する杉元と出会い、拳を通して心を通わせる。刺青は剥がずに書き写された後、強者との出会いを求めてロシアへ渡っていった。
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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。
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二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。
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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。
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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。
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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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目次 - Contents
- 宇佐美時重のプロフィール・人物像
- 強い忠誠心
- 苛烈な嫉妬心
- 宇佐美時重の装備・能力
- ハンマー
- 特徴的なホクロ
- 「雷」型駆逐艦
- 三十年式歩兵銃
- 銃剣
- 柔道
- 射精
- アクロバット
- 馬との因縁
- 地図
- 宇佐美時重の来歴・活躍
- 故郷の新潟県新発田にて親友を殺す
- 新潟県新発田にて日清戦争帰りの鶴見と再会
- 東京にて杉元と遭遇する
- 花沢の童貞を守る為に行動する
- 戦場で尾形を誘導する
- 奉天にて鶴見と話す
- 尾形に嫉妬する
- 負傷した尾形を煽り、殴られて逃げられる
- 網走監獄に潜入
- 根室にて鶴見に罰を受ける
- 斜里にて網走監獄襲撃準備をする
- 網走監獄を襲撃
- 網走監獄襲撃で負傷した二階堂の様子を見る
- 登別温泉に滞在
- 都丹庵士(とに あんじ)と交戦
- 登別にて鶴見と合流
- 大泊港にてアシリパを迎える
- 大泊港近くの町で杉元と交戦
- 樺太連絡船で逃げた杉元一行を追跡する
- 流氷に逃げた杉元一行を捕えるべく作戦を考える
- オホーツク海沿岸の集落に滞在
- 斥候として札幌に派遣される
- 菊田に尾形が花沢を殺した事を話す
- 石川啄木からジャック・ザ・リッパーの手掛かりを得る
- 菊田の裏切りの証拠を掴む
- 札幌麦酒工場でジャック・ザ・リッパーを追う
- 札幌麦酒工場にて牛山と交戦する
- 札幌麦酒工場にてアシリパを捉えようとするも阻止される
- 門倉を追い詰め、刺青を奪う。
- 元第七師団尾形と交戦
- 尾形に狙撃され、致命傷を負う
- 鶴見に看取られる
- 宇佐美時重の関連人物・キャラクター
- 杉元佐一(すぎもと さいち)
- アシリパ
- 鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)
- 月見基(つきしま はじめ)
- 二階堂浩平(にかいどう こうへい)
- 門倉利運(かどくら としゆき)
- 尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
- 鯉登音之進(こいと おとのしん)
- 牛山辰馬(うしやま たつま)
- 菊田杢太郎(きくた もくたろう)
- 有古力松(ありこ りきまつ)
- ジャック・ザ・リッパー
- 都丹庵士(とに あんじ)
- 石川啄木(いしかわ たくぼく)
- 父親
- 母親
- 姉
- 弟
- 妹
- 高木智春
- 宇佐美時重の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「うわあッ入れ替わる!!」
- 「もう戻れないぞ。お前は最悪の道を選んだ」
- 「いいえ。犯人の精子です!!」
- 「わきまえろよ!僕たちは鶴見中尉殿の「駒」なんだぞ」
- 「嬉しくて…イっちゃい…ますがね」
- 宇佐美時重の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アイヌ犬