宇佐美時重(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

宇佐美時重(うさみ ときしげ)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。第七師団の初期メンバーの一人で階級は上等兵。かなり腕が立ち、丸腰で武器を持った複数人の殺人犯を返り討ちにしてしまう程。鶴見中尉に心酔しており、恋愛感情にも似た忠誠心を持つ。最期は元第七師団の尾形に狙撃され、胸を撃ち抜かれて致命傷を負う。それでも尚、今際の際に鶴見中尉に刺青人皮と重要情報を伝えて息絶えた。

尾形は第七師団長、花沢中将の妾の子である。父に捨てられ、母も彼を愛さなかった。尾形は母親を殺鼠剤で殺害し、父親も鶴見の思惑で自害したように見せかけて殺している。尾形は父親に会った際、母親を殺した事、腹違いの弟で花沢中将の愛を受けていた花沢勇作を殺した事を話し、自分のことを息子として愛しているのかどうか尋ねた。結果は花沢中将に父としての愛情を持っていないことを名言され、自身の存在意義を見失ってしまう。

花沢中将を自刃させた後、尾形は馬車へ向かう。鶴見は宇佐美が御者をする、その馬車の中で待機していた。鶴見は父親を自刃させた尾形を褒め称えた。その様子に宇佐美は嫉妬していた。鶴見が立ち去った後、宇佐美は尾形に対抗心を剥き出しに話しかける。宇佐美は尾形に何故第七師団長を殺したのか問い詰める。宇佐美は、第七師団長の息子である尾形を第七師団の面々が担ぎ上げる事を考えていた。更に宇佐美は、尾形が担ぎ上げられる事で第七師団の中での影響力を強めて、鶴見からの愛情を得ようとしていると勘繰っていた。尾形は宇佐美の考えを「ねえよ」と一蹴する。そんな尾形に対し、宇佐美は「満鉄」の事を調べるよう促す。鶴見と花沢中将は満鉄を巡って対立関係にあったのである。こうして尾形は鶴見が花沢中将を殺害した本当の理由を知る事になる。

負傷した尾形を煽り、殴られて逃げられる

尾形は金塊争奪戦初期、杉元とアシリパと交戦し敗れている。アシリパは本作『ゴールデンカムイ』のヒロインである。アイヌの少女であり、金塊を隠したのっぺら坊の娘である。刺青の暗号を解く重要情報を持っており、物語のキーマンである。

尾形は杉元とアシリパに敗れた時、冬の川に落ちて流され低体温の上顎が砕ける重症を負って入院していた。意識が朦朧とする中で尾形は譫言で「勇作殿」と呟いた。勇作とは尾形が203高地で殺害した腹違いの弟の事である。その譫言を宇佐美は尾形の間近で聞いていたのだ。その瞬間、尾形は目を覚ます。後に宇佐美は尾形の事を「ヤワな野郎ですよ」と小馬鹿にしていた。

尾形はこの時、鶴見率いる第七師団27聯隊の中で造反を企てている一派に加わっていた。宇佐美はその事を見抜いて尾形を問い詰めようとしていたのである。宇佐美は寝たきりの尾形に向かって「父親に愛されず、その父親を殺したが鶴見も愛してくれない。誰も愛してくれないから不貞腐れて鶴見を逆恨みしている」と宇佐美の主観混じりの主張をする。更に宇佐美は「わきまえろよ!僕達は鶴見中尉殿の「駒」なんだぞ」と一方的で自分勝手な主張を尾形に押し付けようとする。宇佐美は「僕には分かるんだ!!お見通しだぞ!!」と尾形を自分の物差しで勝手に測り、尾形の考えを当たり前のように断定した。その言葉に対して尾形は「陳腐な妄想」、「農民出身の宇佐美は一番安い駒」と宇佐美を煽る。この言葉にキレた宇佐美は銃剣で尾形を刺し殺そうとする。これに尾形は反撃し、手近にあったオマルで宇佐美の顔面を殴りつけて逃走した。宇佐美は鼻血を出して暫く倒れていたがムクリと起きあがり、心配して駆けつけた兵士に「僕が一番安い駒だって。そんなわけないよな」と話した。「安い駒」と言われた事が相当頭に来ている様子でこれ以降、尾形を憎悪する様になる。

網走監獄に潜入

鶴見の命令で網走監獄にスパイとして潜入する。

網走監獄には金塊を隠した張本人であるのっぺら坊が収監されている。網走監獄の監獄長である犬童はのっぺら坊が隠した金塊を狙っていたが、のっぺら坊は中々口を割らない。そこで犬童は金塊の秘密を握るのっぺら坊を独房に閉じ込めた。実はこののっぺら坊は偽物であり、別人の囚人の顔の皮を剥がして幽閉していたのである。そして侵入者がこの偽のっぺら坊に接触した時、大声で叫んで看守たちに知らせる「警報装置」として使われていたのである。本物ののっぺら坊は教誨堂の地下に幽閉されていた。犬童は土方に30年前兄を殺され、その復讐の燃えていた。土方を単独で誘き寄せ、一対一で勝負を挑む為に本物ののっぺら坊を教誨堂に幽閉したのである。そして様々な武器を買い付け、看守達に装備させて網走監獄を要塞化させた。鶴見はそんな網走監獄を襲撃し、のっぺら坊の身柄を奪取して金塊の在処を探る事を計画していた。その事前準備として部下の宇佐美を潜入させ、網走監獄の武器庫とのっぺら坊の居場所を探らせる事を画策した。武器庫の場所を特定して襲撃し、効率的に網走監獄を武装制圧してのっぺら坊を奪取するのが最大目標である。

網走監獄に潜入した宇佐美は看守の新人として、看守部長の門倉に仕事を教わる事になる。教わりながら宇佐美は網走監獄の構造を調査し、武器庫を探った。そんな中独房で正座をするのっぺら坊の異様な姿を宇佐美は見つめていた。そんな宇佐美に門倉は「のっぺら坊には関わるな」と忠告していた。

仕事が終わり、網走監獄の外の集落に出た宇佐美は集落に潜んでいた第七師団の仲間達と合流する。そして集落にある小屋で密かに入手した網走監獄の情報を宇佐美は仲間達に伝える。宇佐美はのっぺら坊が毎日、独房を移動させられている事を伝える。宇佐美が日中にのっぺら坊の姿を見ていたのはこの事を突き止める為であった。またのっぺら坊が独房を移動する場所に一定の規則性があるかどうかを分析する為に、毎日のっぺら坊の独房の場所を確認する事を宇佐美は仲間達に伝える。規則性を見出す事で数日先ののっぺら坊の独房の場所を予測出来るようにする事を宇佐美は考えていた。

一方、網走監獄典獄の犬童は部下の門倉の報告から宇佐美が第七師団のスパイだと見抜いていた。犬童は門倉に宇佐美の殺害を指示する。その際、犬童は囚人を使う許可を門倉に出した。門倉は渋々、囚人を使って宇佐美を殺害する事を決意する。

翌日、門倉は網走監獄内の人気の無い養豚場に宇佐美を呼び出す。門倉は養豚場の奥にある木箱を運び出す仕事を宇佐美に依頼した。その際、宇佐美の持っている軍刀を置いて行くように指示する。宇佐美は軍刀を置いて養豚場に入って行った。それを見届けた門倉は宇佐美の軍刀を持ち出して身を隠した。宇佐美が養豚場の奥に入っていくとそこにはハンマーを持った強面の囚人が二人待ち構えていた。この囚人二人は門倉の放った宇佐美への刺客である。宇佐美は門倉の姿を探しながら戻るが、門倉の姿は無く、宇佐美の軍刀も無くなっていた。丸腰の宇佐美に囚人は、「苦しませるな」と言われているので大人しくしていれば一発で仕留める旨を伝える。この発言から宇佐美は自分がスパイだとバレている事を悟る。そのまま宇佐美は囚人二人に殴り殺されるかと思いきや、一人の囚人のハンマーを奪い取り、そのまま次々と囚人二人を殴りつけてしまう。動けなくなった囚人二人を宇佐美は更に何度もハンマーで殴りつけて撲殺してしまう。その後、返り血を浴びながら何事も無かったかのように網走監獄の入口に向かう。入口を警備していた門番の看守には「養豚場で転んでしまい、着替えたい」という旨を伝えて宇佐美は無事に入口を通って外に出た。こうして宇佐美は網走監獄を脱出した。その際、門番の持っていたロシア製のモシン・ナガンや奥の方にマキシマム機関銃の姿を確認し、監獄の経費だけでは到底買えない重装備の資金源に疑問を抱いていた。

脱出後、宇佐美は門番に自分がスパイだという情報がまだ伝わっていなかった事に安堵していた。また目的が達成出来なかったので鶴見に叱られてしまう事に興奮し、喜んでいた。

宇佐美の殺害に失敗した門倉は犬童に嘘の報告をした。実は門倉は旧幕府の人間で土方一派の内通者であり、網走監獄側の裏切り者であった。土方一派とは元新撰組副長土方歳三が率いる金塊を狙う一大勢力である。史実で土方は北海道の五稜郭で明治新政府軍と戦い、戦死しているが本作『ゴールデンカムイ』では生き延びている設定になっている。生き延びた土方は捕らえられ、網走監獄に収監される。そこでのっぺら坊と土方は出会い、北海道に独立国を作るという点で利害が一致。のっぺら坊は金塊の在処を示す暗号を23人の囚人に刺青として彫った。土方もその中の一人として刺青を彫られている。その後、土方の先導で23人の刺青の囚人は脱獄し土方は独立国「蝦夷共和国」を作る為に金塊を狙う。その土方に協力し、共に行動する人々を総称して土方一派と呼称している。

門倉は犬童に、宇佐美が抵抗して囚人二人を瀕死に追いやり、宇佐美自身も瀕死の重症を負ったが自分が止めを刺した旨の嘘の報告をする。こうして門倉の報告により宇佐美は網走監獄の追撃を受ける事なく無事に第七師団に戻る事が出来た。

根室にて鶴見に罰を受ける

第七師団に戻った宇佐美は鶴見に網走監獄で得た情報を伝える。ロシア製の小銃を看守全員が装備している事。典獄の犬童は鉱山会社に囚人を貸し出し、硫黄山で働かせて得た資金で武器を購入していた事。マキシマム機関銃まであり、その他にも強力な武器を隠し持っている可能性が高い事等を鶴見に報告した。報告を聞いた鶴見は宇佐美が報告した強力な武器を保管しておく武器庫を発見する前に、宇佐美がスパイだとバレてしまった事を指摘する。鶴見は宇佐美を網走監獄に潜入させる為にかなりの手間を掛けていた。それが重要情報を入手する前に、宇佐美がスパイだとバレて逃げてしまったので、その事を指摘した。鶴見は腹心の月島に宇佐美を椅子に押さえつけさせる。鶴見は万年筆で宇佐美の左右対称の両頬のホクロに落書きをする。宇佐美のホクロを頭に見立てた二人の走る棒人間の落書きである。二人のホクロは一生懸命走るが、永遠に縮まることは無いというストーリーを込めて鶴見は落書きをした。このストーリーを聞いていた第七師団の二階堂は「かわいそう」と涙ぐみ、鯉登は嫉妬し、月島は引いていた。当の宇佐美は鶴見に落書きをされた事で興奮し、恍惚に浸っていた。網走監獄でのスパイ未遂の一件はそれで片付いた。そして鶴見は宇佐美にある情報の確認をする。その情報とは、宇佐美が網走監獄から根室の第七師団拠点に逃げて来るまでの間の屈斜路湖で得た杉元一行の情報の事であった。

杉元一行とは、金塊を狙う一大勢力の一つである。主人公の杉元佐一とアシリパ、そして彼等に協力する人々を総称して杉元一行と呼称する。元々は杉元とアシリパの利害関係の一致から出来上がった勢力である。杉元は金塊を手に入れ、戦死した親友の妻であり幼馴染の女性の目の病気を治そうと考えていた。一方、アシリパは杉元から金塊の話を聞き、杉元に協力する事になる。当初、アシリパは父のウイルクが金塊を運んでいた所、のっぺら坊に殺されて金塊を奪われたと思い、敵討ちの為に杉元に協力した。が、後にのっぺら坊はウイルクである事が分かり、ウイルクが金塊を隠した真の意味を知る事になる。ウイルクはアイヌ民族の独立国家を作る為の軍資金として金塊を隠したのであった。そしてその金塊を娘のアシリパに託し、アシリパがアイヌ民族を率いて戦う事を考えていた。父の意志を知り、アシリパはアイヌの未来を背負う形で金塊を探す事になる。そして杉元はそんなアシリパに力を貸す形で金塊争奪戦に改めて参加する。

宇佐美は鶴見に屈斜路湖の旅館に居た按摩から杉元一行らしき人物の情報を得た事を伝える。鶴見は更にアイヌの少女(アシリパの事)が居たのかを宇佐美に確認する。宇佐美は居た事を伝える。

鶴見が去った後、宇佐美は鶴見に書かれた落書きを見ようと、嬉々として鏡を探していた。

斜里にて網走監獄襲撃準備をする

鶴見の落書きを入れ墨にした宇佐美

第七師団は網走監獄から東へ40キロの港町の斜里に滞在していた。鶴見の狙いは手を組んだ土方一派と杉元一行に網走監獄に潜入させ、のっぺら坊とアシリパを引き合わさせて金塊の在り処を聞き出したところで、第七師団が襲撃しのっぺら坊とアシリパを奪い去る事であった。また土方一派と杉元一行が潜入に失敗した際に備え、第七師団が網走監獄を武力制圧し、のっぺら坊とアシリパを奪取する事も同時に画策していた。斜里では網走監獄襲撃の武装準備を行っていたのだ。

宇佐美も斜里に滞在し、武装準備をしていた。その宇佐美の顔には数日前に鶴見が落書きした、ホクロを頭に見立てた棒人間がまだ描かれていた。それを見た鯉登はその落書きを消すように怒鳴りつけた。鯉登は鶴見に落書きされた宇佐美に嫉妬していたのだ。鯉登に怒鳴りつけられた宇佐美は、棒人間の落書きを入れ墨にした事を鯉登に伝える。宇佐美の気合いの入った鶴見に対する忠誠心に鯉登は何も言い返せなかった。

網走監獄を襲撃

夜中の網走監獄の潜入に失敗し、土方一派と杉元一行は発見されてしまう。警鐘を鳴らされ、網走監獄が騒然とする中で第七師団は行動を開始する。第七師団は網走監獄のすぐ側を流れる網走川対岸の川沿いに沿って松明を掲げた。この松明の明かりで網走監獄の看守達は第七師団の襲撃に気付き、網走川を跨いで網走監獄に繋がる入り口の橋に警戒を集中させる。看守達はこの橋から第七師団が攻めてくる事を想定し訓練していたのだった。次の瞬間、看守達はその網走川の橋を爆破した。こうする事で第七師団を足止めしようとしたのである。が、鶴見はこの看守側の動きを利用する。鶴見は川岸に灯した松明で橋から第七師団が攻めてくると看守達に錯覚させ、不意をついたのだ。そのまま鶴見率いる第七師団が、網走川河口から「雷」型駆逐艦に乗って航行し、網走監獄を強襲した。鶴見は看守側が橋を爆破するのを見越していた。橋を看守側に爆破させる事で駆逐艦の航路を確保したのである。また、川沿いに50m間隔設置した囮用松明はそのまま駆逐艦の誘導灯となった。この駆逐艦に宇佐美は搭乗し、第七師団の一員として武装していた。目的は網走監獄を武装襲撃し、のっぺら坊とアシリパを確保する事である。
網走監獄内では犬童が正門の前にマキシマム機関銃を二門配置した。門を破って入ってきた第七師団を十時砲火で一気に殲滅する算段である。一方、当の第七師団は「雷」型駆逐艦に搭乗していた。そのまま駆逐艦は装備していた40口径5.7cm砲を一斉に発射する。砲弾は正門とは反対側の網走監獄を囲う頑丈で巨大な塀を破壊し、土方一派、杉元一行、網走監獄の看守達は大混乱になる。

鶴見は中央軍部への嘘の報告のシナリオを部下の月島に話す。「北海道で蝗害が発生し、それを鎮圧すべく駆逐艦の出動を要請。その帰港中、網走監獄にて暴動が発生。囚人が看守を制圧し、立てこもっている所を第七師団が鎮圧した」という筋書きだ。鶴見がそのシナリオを通す為には看守達の証言が邪魔になる。月島は鶴見が網走監獄の看守達を皆殺しにする様に第七師団に命じている事を暗に察する。

鶴見達第七師団は上陸し、網走監獄に突入する。看守の一部の人間は、流石に陸軍には敵わないと銃を捨て投降する。それを宇佐美を初めとした第七師団は容赦なく撃ち殺した。それを皮切りに鶴見は第七師団に舎房に突入するよう命じる。

網走川の「雷」型駆逐艦は照明弾を複数発射する。夜中の網走監獄が光に照らし出される。舎房前まで突入した宇佐美達第七師団は三十八式小銃で看守達を射撃していた。対する看守達はマキシマム機関銃とモシン・ナガンで応戦。銃撃戦の最中、第七師団の月島は手投げ弾を看守達に投げ込み、マキシマム機関銃の砲撃手を爆殺する。看守達の銃撃が止み、第七師団は一気に舎房に突入する。

鶴見を先頭に舎房に突入した第七師団。看守を脅し、のっぺら坊の居場所を聞き出した。そこへ向かっていく第七師団の中に宇佐美は居た。物陰に隠れていた門倉は宇佐美の姿を確認し、驚愕していた。

のっぺら坊の居場所に向かった第七師団は、のっぺら坊を人質にした杉元の姿を発見する。実はこののっぺら坊は偽物である。杉元はハッタリで第七師団にのっぺら坊を、人質に取ったかのように見せかけていた。諦めるよう説得する鶴見に、杉元は第七師団に武器を置くように指示。その時、第七師団で、杉元に弟を殺されて憎悪していた二階堂が発砲する。杉元は弾丸をかわし、物陰に偽のっぺら坊と隠れた。が、偽のっぺら坊は頭を撃ち抜かれて即死していた。混乱が起きた第七師団の背後で、物陰に隠れていた門倉がこっそりと逃げようとしている姿を宇佐美は発見する。宇佐美は第七師団を一時離れ、再会を喜ぶような口調で門倉に声をかけながら、冷たい目で小銃を構えて門倉を追いかけた。門倉はその異様な光景と宇佐美の変なホクロに驚愕しながら逃走を始める。宇佐美は逃げる門倉の背後から首を狙って発砲した。弾丸は狙いを外して門倉の肩に被弾する。負傷しながらも門倉はある装置を起動させる。その装置とは樺戸監獄で開発された一斉開房装置であった。火災時に使用され、囚人達が閉じ込められている房の鍵を一斉に開ける装置である。門倉は網走監獄に収監されている700人の凶悪犯を解き放ったのだった。門倉によって解き放たれた700人の凶悪犯達は、一斉に第七師団に襲い掛かる。これには流石の宇佐美も冷や汗を流し、第七師団の方に後退する。これを見た鶴見は第七師団に着剣を命じ、700人の凶悪犯達と接近戦を繰り広げた。宇佐美も第七師団の面々と共に700人の凶悪犯達と血みどろの接近戦を繰り広げ、返り血を浴びていた。乱戦の最中、鶴見は三八式機関銃を持ち出し、囚人達を一斉に射殺し始める。この三八式機関銃は斜里にて、陸軍中将の有坂成蔵(ありさか なりぞう)から受け取っていた最新の武器である。有坂は大日本帝国陸軍中将で天才的な兵器開発を行い、日露戦争を勝利に導いた影の功労者と言われている人物である。後に二階堂上等兵の義手と義足を開発した。

圧倒的な火力の前に戦況は一変し、囚人達は次々と逃走を始めた。こうして第七師団と700人の凶悪犯達との戦いは終わった。

網走監獄の外では、手を組んでいた土方一派と杉元の間で裏切りが起こっていた。のっぺら坊は殺され、杉元も頭を狙撃されて倒れてしまう。杉元を助けようとした谷垣も狙撃されて負傷し、杉元たちと行動を共にしていたアイヌのインカラマッもキロランケに刺されて重傷を負う。キロランケとはウイルクの親友であり、アシリパとも面識のある人物である。その正体はウイルクと共にロシア帝国で皇帝暗殺をしたテロリストであった。キロランケはロシア革命の為に金塊を狙っていた。

アシリパはキロランケに連れ去られてしまっていた。そこへ宇佐美を含めた第七師団が網走監獄から出てくる。鶴見は彼等を収容し治療した。

杉元は頭を撃ち抜かれたにも関わらず、生還し回復した。『ゴールデンカムイ』の物語は新しい展開を迎え、連れ去られたアシリパを奪還すべく、敵対していた杉元と第七師団が手を組むことになる。

網走監獄襲撃で負傷した二階堂の様子を見る

宇佐美を含めた第七師団が網走監獄で700人の凶悪犯達と死闘を繰り広げていた時、二階堂は一人で杉元を追いかけていた。二階堂はかつて杉元に双子の兄弟を殺され、強い殺意を抱いてるという経緯を持つ。二階堂は杉元を発見し、襲い掛かるが反撃を受け、右腕を散弾で吹き飛ばされてしまう。その後、杉元に殴られて気を失っていた所を第七師団に発見され、網走近郊の病院に入院していた。そんな二階堂の様子を宇佐美は鶴見と見に来ていた。

宇佐美は鶴見に二階堂の今の状態を説明する。二階堂は鶴見から杉元が死んだと、嘘を伝えられてから抜け殻の様に無気力になっていた。布団を被り、食事を全然摂っていない状態である。

鶴見は布団を被ったまま出てこない二階堂に、「食事をちゃんと食べたらご褒美にモルヒネをやる」と子供を諭すかのように話しかける。鶴見のモルヒネの入った小瓶を叩く音に反応して二階堂は布団から顔を出す。まるで様子を伺う子供のようにチラチラと鶴見を覗いていた。鶴見は二階堂に箸を持ってご飯を食べるように促す。が、二階堂は先の戦いで右手を吹き飛ばされている事を宇佐美が鶴見に説明する。右手を失った事に改めて気付いた二階堂は不貞腐れた子供のようにまた布団を被ってしまった。鶴見は溜息をつき、宇佐美にフォークを持ってくるように伝える。

宇佐美は鶴見にフォークを渡した。鶴見はフォークでモルヒネの小瓶を叩き、フォークを持ってきた事をアピールし、改めてちゃんと食事を食べればモルヒネを与える旨を伝える。それに反応して再び布団から顔を覗かせる二階堂。子供のように様子を伺いながらゆっくりと布団から出始めた。その時、陸軍中将の有坂が快活な大声を出しながら病室に入ってきた。有坂は長年の兵器開発で難聴になっている為、話し声がかなり大きい。その声にビックリしてまた二階堂は布団に引きこもってしまった。有坂は二階堂の為に新しい義手を作ってきた。鶴見は二階堂に聞こえるように大声で義手を誉めた。それに反応した二階堂は再び布団から顔を覗かせる。二階堂の興味を引くように、鶴見は義手に何か仕掛けがあるのかを有坂に尋ねる。有坂は快活に仕掛けがあると答えた。二階堂は興味津々に布団から身を乗り出し、チラチラと義手を見つめていた。そんな二階堂に有坂は義手の仕掛けを説明する。義手は中指の関節が開く仕組みになっていた。二階堂はいよいよ布団から飛び出しかねないばかりに、身を乗り出して義手を見つめる。そして有坂は義手の中指がお箸入れになっている事を発表する。それにガッカリしたのか二階堂は一気に布団に潜り込んでしまった。

登別温泉に滞在

北海道の登別温泉に宇佐美と二階堂は滞在していた。登別温泉は第七師団の療養地として指定され、多くの傷病軍人が居た。

宇佐美と二階堂は滝風呂に入っていた。これは温泉を高い所から流れ落ちさせて体を温泉の滝に打たせるという「打たせ湯」である。二階堂が打たせ湯で体を癒している横で、宇佐美は自分の股間に打たせ湯を当てて快感を楽しんでいた。そんな宇佐美と二階堂に、一人の軍人が話しかける。彼の名前は菊田杢太郎(きくた もくたろう)。共に第七師団で日露戦争で負傷し、登別温泉で長期療養していた。第七師団の招集に応じて刺青人皮捜索に途中参加する事になったのだ。宇佐美は鶴見の指示で菊田ともう一人の軍人、有古力松(ありこ りきまつ)の様子を見る為に登別温泉に滞在していた。
菊田の姿を見た宇佐美は慌てて起き上がり、挨拶をした。だが、すぐに再び股間に温泉の滝を当てて快感を楽しみ始めた。そんな宇佐美をよそに、菊田は共に登別温泉に滞在している有古から聞いた変な話を二階堂にする。その話とは、昨夜有古が山奥の温泉で妙な男にあったと言う話である。その男は真っ暗な雪山を明かりもつけずに下駄で逃げていった、とのことであった。下駄は地面との設置面積が小さい為、雪の上を歩くと沈みやすく滑りやすい。その下駄を雪深い山奥で履いて逃げていくのはとても奇妙な話なのである。菊田が話を終えると宇佐美はいつの間にか立ち上がりその話を聞いていた。そして菊田の話を宇佐美は雪下駄と言うものがあるので何の事はないと一笑する。そしていきなり、「僕は忙しいんだッ」と菊田を怒鳴りつけて再び温泉の滝に股間を打たせ始めた。菊田は近くにいた当の有古を呼び付けてその話をさせる。有古は、下駄の音がしたが雪跡に残されたものは下駄ではなく藁長靴の足跡だったこと、着ていた服が妙な柄だったことを二階堂と宇佐美に話す。二階堂はその話を一笑する。宇佐美はそんな二階堂を口では諫めるが、その表情は半笑いであった。
話は一旦終わり、場面は風呂から旅館の客室へ移る。二階堂は有古に何故、山奥の温泉に入っていたのかを聞いた。有古はそこはアイヌにしか知らない秘湯で、自分がアイヌであることを伝える。宇佐美はその謎の男はアイヌではないかと指摘。これに対し、有古はアイヌの服ならば見れば分かると答えた。菊田は有古の話がどうしても気になると言い、自分をマッサージしていた盲目の按摩にもこの話について聞いてみた。その按摩は、刺青の囚人の1人である都丹庵士(とに あんじ)であった。盲目の都丹は「今度見かけたら教えます」と冗談で返した。宇佐美はその冗談に受けていた。
翌日、菊田と有古はその謎の男を探すべく、二階堂と宇佐美達と別行動をとった。菊田は鶴見の側で金塊争奪戦に参加すべく二階堂、宇佐美に闘志を燃やしていた。鶴見への手土産として、菊田達はその謎の男について調べていた。菊田は謎の男が刺青の囚人ではないかと疑っていた。一方で二階堂と宇佐美は旅館にいた。宇佐美は客室で按摩にマッサージをしてもらいながら二階堂と雑談をしていた。この按摩は都丹の手下である。その雑談の中で宇佐美は、菊田と有古を連れて鶴見達と合流するつもりはないこと、鶴見が網走を離れるので自分たちはどこかで鶴見と合流することを話す。そして宇佐美はいきなり按摩を叱りつけた。按摩の力が急に強くなったことが気に入らなかったのだ。「下手くそだなぁ」と宇佐美は露骨に不快感をあらわにした。

都丹庵士(とに あんじ)と交戦

菊田と有古は登別温泉よりも更に山奥、アイヌの秘湯で現在の「カルルス温泉」近くに居た。目的は有古が見た謎の男の捜索である。菊田と有古は謎の男が刺青の囚人であると考え、鶴見中尉への手土産にする事で鶴見の傍で金塊を探そうとしていた。有古は近くのアイヌ集落で聞き込みを行い、菊田はカルルス温泉近くで張り込みをしていた。夜になり菊田は謎の男の正体である、刺青の囚人の一人である都丹庵士を発見。都丹とその手下二人と登別地獄谷で交戦することになる。登別地獄谷は火山ガスの霧が立ち込め、硫黄の匂いが充満する視界の悪い場所である。盲目の都丹達は聴覚が発達しており、耳で地形や人の場所を察知する事ができる。口の中で舌を鳴らす事で蝙蝠の超音波のように跳ね返ってきた音で物や人の位置を把握するのである。視界に頼らない都丹達の戦術に苦戦する菊田であったが、油断をついて手下の一人を射殺する。その菊田の背後からもう一人の手下が忍び寄っていた。菊田が振り向くと、その手下の胸を背後から銃剣で貫いた宇佐美の姿があった。宇佐美に串刺し状態にされた手下は、血を吐きながら他にも宇佐美の仲間が来ていることを叫び、都丹に伝える。菊田は宇佐美が串刺しにしている手下を、宇佐美に当たらないように射殺した。宇佐美は「わッ!!」とわざとらしく驚いていた。一方、都丹は岩場に隠れていた二階堂に狙撃され、山の方に撤退していった。そこへ銃声を聞きつけた有古が駆け付ける。そして菊田と宇佐美にアイヌの集落で得た情報を伝える。その情報とは、有古が見た謎の男の紋様は刺青であるというものであった。謎の男の正体は都丹であった。

こうして菊田、宇佐美は、謎の男が刺青の囚人の一人である事を確信した。菊田、有古、宇佐美の三人は二階堂を登別地獄谷に残し、逃げていった都丹の後を追った。

都丹を追う道中、菊田は宇佐美が助太刀に来るタイミングが良すぎた事を不審に思っていた。菊田は、有古の話に宇佐美と二階堂が心当たりがあったものの、知らない振りをして抜け駆けするつもりだった事を洞察し、憤慨しながら宇佐美を問い詰めた。宇佐美は悪びれずに「いやあーバレました?」と笑いながら答えた。その様子に菊田は宇佐美に不信感を強めていった。

山道に詳しい有古は菊田と宇佐美を先導して歩いていた。追跡の末、第七師団一行は古い坑道に辿り着いた。有古が先頭に入り、菊田、宇佐美の順に中に入っていった。中は真っ暗で何も見えない状態であった。相手が盲目の都丹である事を知らない一行は、相手に場所を伝えない為にマッチを点けず、暗闇の中を進んでいった。その時、宇佐美は地面から生えた氷柱「氷筍」を足で折ってしまい、音を立ててしまった。その音に反応した都丹は宇佐美に発砲した。弾丸は宇佐美の足に当たり、宇佐美は動けなくなってしまった。第七師団一行は都丹が恐ろしく耳が良い事、氷筍の折れる音で都丹が狙撃してくる事に気付く。ただ都丹が盲目である事には気付いておらず、その為に都丹の居場所を特定できず第七師団一行は苦戦していた。宇佐美も都丹が狙撃してきた方向に発砲する程度の応戦しか出来なかった。しかし、菊田は都丹が素早く暗闇の中で動いているのに氷筍を折る音一つしない点に気付いた。更に火山ガスが立ち込める状況下でも都丹が素早く動いていた事にも気付く。以上の点から菊田は都丹が盲目である事を見抜き、銃剣に布を巻きつけて火を点け、松明にした。明かりは都丹を照らし出し、菊田はすかさず都丹に発砲した。銃弾は都丹の肩に当たり、形勢不利と判断した都丹は坑道の外に逃げ出した。有古、菊田はその後を追い坑道を出た。そこで「置いてかないでください。暗いですー」とマイペースな宇佐美に呼び止められる。その様子に菊田をイラつきつつも宇佐美を助けに坑道に戻る事になり、有古は一人で都丹の後を追う事になる。

宇佐美は菊田に肩を貸されながら坑道を脱出した。一人で都丹の後を追った有古の事を宇佐美は「大丈夫なんですか?」と、有古を一人で追跡させる状況を作った張本人が菊田に尋ねた。菊田は「お前が言うな」と至極真っ当なツッコミを入れつつも有古の事を話し始める。有古は北海道から招聘されたアイヌの八甲田山捜索隊の一人であった。その事を聞いた宇佐美は驚いていた。

有古は激闘の末、雪崩を引き起こして都丹を倒した。その後、有古は四日間戻らなかった。その間宇佐美、二階堂は登別の旅館に滞在し、菊田は有古を探しに毎日山に入っていた。宇佐美は有古が死んだと判断していた。そして鶴見に電報を送った。鶴見からの返信で、鶴見本人が登別に来る事が宇佐美に伝えられる。有古が死に、宇佐美自身足を負傷して刺青の囚人に逃げられてしまった事で、鶴見にまた叱られてしまうと宇佐美は興奮して喜んでいた。

登別にて鶴見と合流

有古は都丹を雪崩で倒したが、都丹はまだ生きていた。有古が都丹から他の刺青の囚人の情報を聞き出そうとした時、土方一派に囲まれた。そこで有古は土方から勧誘を受ける。土方は金塊を手に入れ、「蝦夷共和国の建国」の目的の為に行動している。これは北海道を独立させてロシアから日本の侵略を防ぐ緩衝国にする為のものである。本来、金塊はこの建国のために集められた物であった。そして実は有古は金塊を隠し、のっぺら坊に殺された七人のアイヌの内の一人の息子であった。土方は有古に父の意志を受け継ぐように促す。有古はその話に乗り、土方側に付いた。第七師団へは土方の指金でスパイとして潜入することになる。その際、都丹の刺青の代わりとして同じ刺青の囚人の関谷輪一郎(せきや わいちろう)の刺青を持たされた。この事は有古には知らされず、有古は関谷輪一郎の刺青を鶴見達の元へ持って行く事になる。

登別では鶴見が到着し、宇佐美達と合流した。鶴見は宇佐美、二階堂、菊田、有古の第七師団の面々と有古の回収した刺青を確認する。鶴見は自分が今まで集めた刺青を床に広げ、有古の刺青を確認した。鶴見は有古の手柄を褒めた。

深夜、有古は鶴見が今まで集めた刺青を盗もうとしていた。鶴見は箱の中に刺青を入れていた。有古が箱を開けると中身は刺青では無く、有古の父が持っていたマキリ(アイヌの小刀)であった。そこへ有古の背後から菊田が銃を突きつけ、何故箱の中に遺品のマキリがあるかを説明する。苫小牧で殺された七人のアイヌの遺品は鶴見が回収した。そしてその中のマキリを箱の中に入れた、との事であった。ここで襖の影から潜んでいた鶴見が姿を表し、有古の裏切りを暴いた種明かしをする。都丹の刺青は有古達が交戦する前に杉元が写しを取っていた。そして杉元が第七師団と手を組んだ事で、鶴見は都丹の刺青の写しを把握していた。有古が都丹の刺青だと、鶴見に渡した刺青は別の刺青の囚人関谷輪一郎(せきや わいちろう)のものであった。狼狽する有古は不意に手に鋭い痛みを覚える。手を見ると、犬の様に宇佐美が有古の手に噛みついていた。次の瞬間、宇佐美は有古の顔面を一発殴りつけた。宇佐美は「もう戻れないぞ。お前は最悪の道を選んだ」と興奮に身を震わせながら言った。

第七師団を裏切った有古。そして、その裏切りを察知し有古を取り囲む宇佐美達、第七師団。鶴見は有古を脅迫し、ある要求をする。それは土方一派の元へ合流し二重スパイとして活動する事であった。家族を人質に取られ、追い詰められた有古は要求を飲む。そして鶴見は有古に五枚の刺青人皮を渡す。この五枚の刺青人皮は精巧な偽物の刺青人皮であった。鶴見の目的は有古を二重スパイとして潜らせつつ、土方一派に偽の刺青人皮を渡す事で暗号解読を妨害しようというものであった。

二重スパイとして土方一派に潜る事になった有古。鶴見は土方一派に「有古が必死に刺青人皮を奪ってきた」という感じを出させる為に宇佐美に有古を殴るように命令した。宇佐美は嬉々としてファイティングポーズを取る。額に青筋を浮かび上がらせ、顔を赤らめてかなり興奮していた。そして有古に頭突きを喰らわせる。思いっきり頭突きをしたので、宇佐美の額も破けて血が出てしまう。それでも興奮した宇佐美は狂った様に涎を流しながら首をブルブルと振り、有古を尚も殴りつける。かつての仲間であろうと一切の容赦は無く、ボコボコに殴りつけた。有古は血塗れになり、窓ガラスを突き破って外に放り出された。

大泊港にてアシリパを迎える

アシリパを連れ去られた杉元は第七師団と手を組み、激闘の末アシリパを取り返した。第七師団アシリパ捜索隊として派遣されていた月島、鯉登と杉元、アシリパ、白石、谷垣は大泊にて、鶴見率いる第七師団本隊と合流する事になった。駆逐艦で大泊港にたどり着く第七師団。その中に宇佐美の姿もあった。

鶴見という人物は冷酷であり、カリスマ性を持った人物である。そのカリスマの正体は、自分が駒として欲しいと思った人間の弱さや欲求、過去を調べて分析し、「鶴見によって救われた」と思えるような状況を演出してその人物を取り込むというものである。月島はこれを「優しい嘘」と呼んでいる。更に演出の為ならば部下の第七師団を使った犯罪にすら手を染め、自分の命すらも利用する異常性を持っている。宇佐美はこの鶴見の人柄を良く理解し、自らを「鶴見中尉殿の駒」と豪語する程である。

大泊港にて鶴見達第七師団と杉元一行は合流した。月島は金塊争奪戦の鍵であるアシリパに対し、鶴見お得意の優しい嘘で付け入るものと思い込んでいた。しかし、鶴見のアシリパへ対する態度は冷淡であった。そんな鶴見にアシリパは、鶴見が金塊を使って実現させたい未来にアイヌは居るのかを尋ねる。それに対し、鶴見は「みんなが幸福になる未来を目指す」と臭いセリフを語っていた。このセリフに白石は不快感を示し、宇佐美は白石を睨んでいた。しかし、いつもの鶴見ならばもっと深く感情に抉り込んでくる様なセリフで相手を感動させるのだが、ここでは如何にも鶴見は心にも無い事を語っているように描かれている。その気の無い鶴見にアシリパは「アイヌのために使われないのなら協力しない。そもそも金塊はアイヌのものだ」と憤慨する。それに対して鶴見は「そもそも和人を殺すための軍資金だろうが」と不快感を露わにする。いつもの「優しい嘘」で人をたらし込まず、露骨な態度の鶴見の異常さに宇佐美を始めとする部下達は戸惑い始める。鶴見は無機質に笑い始め、その頭から夥しい量の脳汁が流れ落ちる。いつもとは異なる鶴見の様子に宇佐美達は冷や汗を流しながら戸惑っていた。実は鶴見は、のっぺら坊ことアシリパの父・ウイルクと以前に会っていた。ウイルクは当時、キロランケと共にロシア帝国打倒の為のレジスタンスに入っていた。同じ時に鶴見はロシアへ日本軍のスパイとして潜入し、写真家としてロシア人女性との間に子供を作り幸せな家庭を設けていた。しかし鶴見の仲間が捕まり、鶴見を捕えに来たロシア当局と、それを自分たちを逮捕しに来たと勘違いしたウイルク達の銃撃戦に巻き込まれて、鶴見は妻と子を失う。直前にウイルク達がレジスタンスの一員である事に気付いた鶴見は妻子を逃がそうとした点、殺された妻子の小指の骨を大切に持ち続けている点から、心の底から愛していた様子である。自分の愛した妻と子を殺す原因を作ったウイルクの娘のアシリパに憎悪のような感情を鶴見は抱いていたのだ。

鶴見の態度に不信感を募らせたアシリパは空に向かって毒矢を放つ。このトリカブト毒の塗られた毒矢は当たっただけで即死する。杉元が一同にアシリパが毒矢を放った事を叫び、宇佐美は鶴見を守る為に、鶴見を押し倒す。場は混乱し、その隙にアシリパは逃げ出した。実は矢には毒は塗っておらず、アシリパはブラフでその場から逃げる事に成功したのだった。この時ばかりは鶴見の命が危なかったので、流石の宇佐美も冷や汗をかいていた。

大泊港近くの町で杉元と交戦

鶴見率いる第七師団から逃げ出したアシリパと杉元。彼らを追って宇佐美は大泊港の町を駆け回る。宇佐美は米俵の積まれた倉庫で杉元達と遭遇する。宇佐美は至近距離から杉元に、一切の躊躇無く歩兵銃を向け、発砲する。だが杉元はその銃身を掴み、狙いを逸らして回避する。宇佐美はすぐに白兵戦に移行し、杉元の顔面に肘打ちをした。杉元は怯まず、宇佐美の体を掴んでジャーマンを喰らわせた。宇佐美は頭を床に打ち付けられ、地面に倒れる。杉元は追撃で宇佐美の頭を踏み付けた。もう一度踏み付けようとした所で宇佐美はその足を掴み、銃剣を抜いて杉元を刺そうとする。その時、積み上げられた米俵の上に上っていたアシリパが米俵を宇佐美に落下させた。米俵は宇佐美を直撃し、宇佐美は動けなくなってしまう。その隙に杉元とアシリパに逃げられてしまった。

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フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。 アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人で、作中で繰り広げられる熾烈な金塊争奪戦とは無縁の立場にある。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。中でも陸軍兵士の谷垣源次郎とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄。主人公・杉元佐一を気に入り、アシリパを嫁にもらってほしいと考えている。

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鯉登音之進(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

鯉登音之進(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

鯉登音之進とは野田サトル原作の漫画・アニメ『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、大日本帝国陸軍第七師団歩兵第27聯隊に所属する陸軍少尉である。鶴見篤四郎中尉を崇拝しており、彼からも「お気に入り」とされている。銃器が多く登場する本作において、薩摩に伝わる日本剣術・自顕流を実践で通用するレベルにまで鍛え上げた一流の使い手。海軍少将の鯉登平二を父に持ち、裕福な家庭で育ったいわゆる「ボンボン」。様々な場面で月島基軍曹の補佐を必要としたが、最終的には一人前の将校へと立派に成長した。

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門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

門倉利運(かどくら としゆき)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、のっぺらぼうを収監していた網走監獄の看守部長。冴えない中年男だが、実は土方歳三の内通者として情報を流していた。網走の攻囲戦の後は土方と行動を共にする。のっぺらぼうが隔離される前に最後に刺青を入れた男だが、刺青はすべてが揃わなくても解けるため、門倉の刺青はさほど重要ではないと思われていた。しかし最終局面で、思わぬ鍵が隠されていたことが判明する。

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岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

岩息舞治(がんそくまいはる)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、屈強な肉体と暴力への飽くなき欲求を併せ持つ男だ。樺太にあるロシア人の村で、男たちが集団で殴り合う競技「スチェンカ」に参加していた。キロランケやアシリパを追跡する杉元と出会い、拳を通して心を通わせる。刺青は剥がずに書き写された後、強者との出会いを求めてロシアへ渡っていった。

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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。

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二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。

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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。

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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。

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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。

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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。

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