幻想水滸伝(幻水)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『幻想水滸伝(幻水)』とは、1995年12月にコナミから発売されたロールプレイングゲーム。PlayStation用ソフトとして発売。シリーズ化されており13作品が発表されている。物語の舞台は皇帝が圧政を敷く赤月帝国。帝国将軍の息子である主人公は27の真の紋章の1つ「ソウルイーター」を継承したことにより命を狙われ帝国を離脱。やがて帝国軍と敵対する解放軍のリーダーとなり107人の仲間と共に戦いに身を投じていく。仲間集めやイベントなどやり込み要素も非常に多いゲームである。

クロン寺に到着した主人公たちは、僧侶フッケンに寺の裏にある「過去の洞窟」を案内される。洞窟の奥へ進んだ主人公たちの前に27の真の紋章の1つ「夜の紋章」の化身である「星振剣(せいしんけん)」が現れ、主人公たちは謎の村へと飛ばされてしまう。そこは300年前のテッドの故郷「隠された紋章の村」。ウィンディが「ソウルイーター」を狙って村を襲撃したところに出会し、主人公たちはテッドが「ソウルイーター」を継承した経緯を知ることになるのだった。
その後無事に元の世界へ戻った主人公たち。ビクトールは星振剣を手に入れ(仲間にして)戦士の村へと戻る。村にはネクロードからテンガアールとの結婚式の招待状が届いており、ゾラックが戦士を率いてネクロードの居城へ向かうところであった。主人公たちも後を追うと城の入り口にネクロードが現れ、夕日が落ちるまでに最上階へ来なければテンガアールは永遠にネクロードのものになる、主人公たちしか城には入れないと告げ城内に去っていく。主人公たちが城内に突入しようとすると、ヒックスが現れ自分も連れ行って欲しいと懇願する。戦士の村では見習いは戦いに出る事が認められていないが、決意のヒックスをゾラックが戦士と認め、戦いに出ることが許可された。

竜洞騎士団領への潜入

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ハンフリーは帝国の元百人隊長で剛腕ぶりは有名だった。ヴァンサンもハンフリーがいることで解放軍を信用する。

城の最上階でネクロードを倒しテンガアールを救出。ロリマー地方は解放された。ビクトールは故郷の村へネクロード討伐の報告に行きたいと主人公に申し出て、一時解放軍を離れることになった。
本拠地に戻った主人公たちは、勢力拡大のため中立の立場にある竜洞騎士団を仲間に引き入れる計画を立てる。騎士団長ヨシュアとは旧知の仲というハンフリーと共に騎士団領へと向かう主人公たち。騎士団領の入り口である竜洞に到着し、ハンフリーがヨシュアへの取り次ぎを願い出るが、門番からは「例え皇帝陛下であろうと入れるな。と言うのが騎士団長よりの命令だ」と突っぱねられてしまう。何か様子がおかしいと感じた主人公たちは近くのアンテイの町で情報を集めることにする。
アンテイの町に着くと、帝国貴族を名乗るヴァンサン・ド・ブールが飲食代を踏み倒そうと宿屋の主人と揉めていた。ヴァンサンは主人公が解放軍リーダーと知るとヨシュアを訪ねるため急ぐので代金を肩代わりして欲しいと強引に押し付け、その場から去ってしまう。ヴァンサンを追い、代金を立て替えた主人公たちも竜洞へと戻る。追いかけてきた主人公一行の中にハンフリーがいることに気づいたヴァンサンは、主人公たちに秘密の抜け道を教える。

テッドとの再会と別れ

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テッドが自ら「ソウルイーター」に魂を盗み取らせるシーン。隠された紋章の村人たち、オデッサ、テオ、グレミオの魂も「ソウルイーター」に盗み取られていた。

秘密の抜け道を抜けると、竜たちの住む竜洞へと到着。そこでかつてクレイズの任務に同行した竜騎士フッチと再会した主人公たち。副団長ミリアの案内でヨシュアに会えることになる。
ヨシュアに解放軍への力添えを依頼すると、竜たちが数ヶ月前から目を醒さなくなり、協力したくても何もできない状況なのだという。リュウカンなら治せるのではと考えていたが、行方がわからないというヨシュア。早速リュウカンに診察してもらうと何者かが飲ませた毒が原因であることがわかる。解毒剤を作るためには3つの材料が必要だが、そのうち「月下草」と「黒竜らん」の2つを用意して欲しいという。主人公たちは初めに「月下草」を求めてシークの谷へ向かうが、そこにウィンディが現れテッドを利用して「ソウルイーター」を奪い取ろうとする。しかしテッドは自らの魂を「ソウルイーター」に盗ませて主人公たちを守り、絶命するのであった。

3つ目の材料

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リュウカンから「黒竜らん」がグレッグミンスターの空中庭園にしか咲かないと聞き、忍び込んだフッチ。バルバロッサに見つかってしまうが、見逃される。

主人公たちがシークの谷へ出かけている間、フッチは1人「黒竜らん」を手に入れるため帝都グレッグミンスターの空中庭園へ向かっていた。空中庭園に忍び込んだフッチはバルバロッサに見つかってしまうが、竜に毒を飲ませた犯人がウィンディだと気づいたバルバロッサはフッチを見逃し助ける。急いで逃げようとするフッチだが、シークの谷から戻ってきたウィンディに見つかり相棒の騎竜ブラックと共に攻撃を受けてしまう。
その後フッチはミリアらに発見され手当を受け、騎士団領で目覚める。そしてリュウカンから3つの材料が揃い、竜たちが目を覚ました事を告げられる。安心するフッチだったが3つ目の材料の正体を聞き愕然とする。3つ目の材料とは「竜の肝」でブラックのものが使われたのだ。ミリアらに発見された時にはブラックはすでに息絶えており、ヨシュアが解毒剤に使う事が最善と判断した。
竜たちが目覚めたことによりヨシュアと竜洞騎士団は解放軍と盟約を結ぶ。そして相棒の竜を失ったフッチは掟に従い、竜洞を出ることになる。ヨシュアはハンフリーと解放軍にフッチを託すのだった。

モラビア城陥落

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自軍が敗北し、ミルイヒに解放軍入りを説得されるカシム・ハジル。皇帝に忠誠を誓った将軍らも、変わり果てた皇帝と帝国に仕え続けることに悩んでいた。

主人公たちが本拠地に戻ると、北方の大富豪ウォーレンの部下であるタガートが待っていた。ウォーレンは帝国からも一目置かれ、義理堅い男であったため彼の屋敷は帝国を追われる者の避難所となっていた。しかしカシム軍がテオが倒れた後の北方の巻き返しを図ったことにより、屋敷に立ち寄っていたビクトール共々捕えられてしまったのだ。彼らを救出するためにはカシム軍と戦わなければならないが、マッシュは寄せ集めの解放軍は統率力が弱いと指摘。戦いの前に軍としての訓練が必要だと説き、翌日訓練が行われることになる。そして主人公の部屋を訪れたマッシュは解放軍にスパイが紛れ込んでいる事を伝え、スパイを洗い出す為、訓練の指揮は自分に取らせて欲しいと伝える。
翌日訓練と見せかけ北の関所を襲撃する解放軍。隙を突かれた将軍グリフィスは兵の命を守ってくれるならと解放軍に参加し関所を明け渡す。
主人公たちは関所を抜け、ウォーレンとビクトールが囚われたモラビア城へ。グリフィスがマッシュを捕えたと見せかけ、カシムの気を引くうちに2人を救出する。そしてマッシュの作戦によりジョウストン都市同盟(赤月帝国領を狙う4都市1騎士団の同盟国家。解放軍にとっても敵である)に攻撃されたカシム軍は敗北。ミルイヒの説得によりカシムも解放軍入りをする。こうして解放軍は帝国首都部を除いた帝国領の解放を達成する。

決戦と裏切り

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戦いの前夜、解放軍の年長者フッケンとリュウカンの2人が戦いで若い命が失われる事を憂う。

残すは帝国首都部のみとなった解放軍。首都部に攻め入るにはまずクワバ城塞もしくは水上砦シャサラザードを攻めなければならない。シャサラザードを攻めるには大量の船が必要なため、クワバ城塞から攻め入ってくると帝国軍は考えるであろう。そこでマッシュは帝国軍の裏をかきシャサラザードから攻め入ることを提案。翌朝までに500隻の船を用意する策があるという。
その日の夜、決戦を前にそれぞれの想いを胸に過ごす解放軍のメンバーたち。ビクトールは主人公の部屋を訪れ、主人公にグレミオの形見の斧を渡し「明日の戦い、俺も命を落とすかもしれない。だから今夜のうちに渡しておこうと思ってな」と話す。多くの犠牲が出る戦いになるが、主人公はリーダーとして犠牲になった者のためにも進まなければならないのだった。
翌朝、城の周りには約束通り500隻の船が用意されていた。ミリアの騎竜スラッシュのブレスで湖水を凍らせ作らせるというマッシュの奇策だった。船でシャサラザードに攻め入った解放軍は砦を陥落させ、主人公たちは砦を焼き払うため水門を閉じに砦の奥に向かった。そこにシャサラザードを守る帝国五大将軍最後の1人ソニア・シューレンが現れる。更に主人公たちがまだ内部にいるにも関わらず砦に火がまわる。ソニアは慕っていたテオを殺し、全てを焼き尽くすその炎こそが主人公の目的と思い込み、負けると知りながらも戦いを挑んでくる。その後、ソニアに勝利した主人公らが砦から逃げ出すと、そこにはサンチェスの刃に倒れたマッシュの姿が。サンチェスは自分がスパイであること、変わり果てた皇帝に仕えることに悩み続けていたことを告白。アジトへの襲撃もサンチェスの密告だったことを知ったフリックは処刑しようとするが、解放軍初期メンバーの裏切りが表沙汰になれば解放軍全体の士気に関わるとマッシュが引き止め、主人公らは一度本拠地へと撤退をすることになった。

最後の戦い

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帝都グレッグミンスターの入り口で主人公たちの前に立ち塞がったアイン・ジード。部下に裏切られる皇帝を哀れに思い、命を捧げた。フリックは「こんなことは間違っている」と言うがそれに対しビクトールはこのように答える。

シャサラザードが陥落し、ついに帝都グレッグミンスターへ攻め入る道が開かれた。マッシュは今こそ全軍を上げ攻め入る時だと主人公に進言。戦いを前に士気を高める解放軍メンバーたち。そこにレックナートが現れ「108星が集まった今、主人公は必ず勝利を得ることができる」と告げるが、ビクトールはグレミオが足りない事を指摘する。するとレックナートが「門の紋章」の力を使いグレミオを復活させ、最後の戦いの前に108星が集うのであった。
戦いに臨む両軍。黒騎士ユーバーの軍はウィンディが呼び出した怪物を加え、10万の軍勢に膨れ上がっていた。解放軍はレックナートの「門の紋章」とヨシュアの「竜の紋章」により怪物が消えたところを攻め上げ、ユーバー軍に勝利。そこへドワーフの長老やロッカクの村の首領ハンゾウ、戦士の村のゾラックも駆けつける。
グレッグミンスターに乗り込んだ主人公たちの前に、将軍アイン・ジードが立ち塞がる。かつて帝国を離脱した際に主人公はアインに助けられており、その恩からも戦いは避けたいと説得を試みるも、これ以上皇帝を裏切ることはしないと誓ったアインは戦うことを辞めなかった。

赤月帝国の終焉

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戦いの後、空中庭園でウィンディに語りかけるバルバロッサ。周りからは亡き妻クラウディアの面影を見ている(ウィンディ本人もそう思っていた)と言われていたが、そうではなかった。

城内に攻め入った主人公たちは空中庭園でバルバロッサとの決戦に臨む。27の真の紋章の1つ「覇王の紋章」を宿した「竜王剣」により黄金の竜に姿を変え、襲いかかるバルバロッサ。しかし主人公たちについに倒される。そこへウィンディが現れ「ソウルイーター」を強奪しようとする。倒されたバルバロッサに見切りをつけたのだ。「ソウルイーター」の宿主には呪自分こそが相応しいと考え、目的を果たすための最後の機会だったが「ソウルイーター」そのものに拒まれ、取り乱してしまう。
哀れなウィンディを見て「もうやめるんだ」と諭すバルバロッサ。ブラックルーンで意志を奪われていたと思われたバルバロッサは「覇王の紋章」の力により、他のいかなる力も受け付けていなかったのだ。妻の面影ではなくウィンディ本人を愛したバルバロッサは、その深い憎しみと悲しみを消したいと願い彼女の望むままにしていたが、結局その傷を癒すことはできず、帝国をも滅ぼす事となってしまった。バルバロッサは罪を償うため、全てを終わりにするためウィンディと共に庭園から身を投げる。帝国は終焉を迎えようとしていた。

エピローグ

長く辛い戦いの日々にようやく終止符が打たれる。2人はひっそりと解放軍を離れ、物語は終わりを告げる。

milemon35644
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@milemon35644

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