はじめの一歩の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『はじめの一歩』とは、1989年より『週刊少年マガジン』で連載中の「森川ジョージ」作による、ボクシングを題材とした漫画である。登場人物の多くに実在選手を投影している。「登場人物全員が主人公」という作者の言葉通り、脇役やライバル達の物語も詳細に描かれている。作者自身も実際にボクシングジムのオーナーで著名なプロボクサー達と親交があり、誌上やコミックスなどでもインタビューや応援コメントの寄せている。コミックスは120巻を超えている長期連載漫画である。

山の中腹で偶然出会えた旅人の如し しかし頂上は一つ 辿り着けるのもまた一人 蹴落として ワシのボクサーが上に行く!!

「今 メキシコには60戦程戦い無敗という怪物がおる 攻守共に完璧(パーフェクト)に近い その男を見るたびに血が騒ぐ ワシの育てた日本人ボクサーでその男を倒したい ――とな」
団吉のいう怪物とは、WBA世界フェザー級チャンピオン リカルド・マルチネスのことである。

千堂とのタイトルマッチを制した一歩。初防衛戦の相手は元ジュニアフェザー級チャンピオンだった真田一機。トレーナーには鴨川や猫田とともに戦後の”拳闘家”だった浜団吉。猫田に呼ばれ、3人で酒宴を開く。団吉はメキシコから帰国して真田のトレーナーとなったのだが、そのことについて鴨川は質問する。

特攻だ!! 地雷などと甘く見ておった 幕之内(ボーヤ)はもう コーナーに戻るコトすら考えておらん 片道覚悟の玉砕戦法(バンザイアタック)!!

元ジュニアフェザー級チャンピオン真田一機との防衛戦を迎えた一歩。真田は医者を志している異色のボクサーである。4ラウンド、真田は触診するかの如く”内側”から一歩を攻撃していく。内臓を的確に打ち、”チアノーゼ”の症状を見せた一歩。5ラウンドへ試合は進むが、一歩は動けないでいた。鴨川会長に「ボクを動けるようにしてください!!」とお願いすると、鴨川も背中に張り手をし”気合注入”をする。真田、団吉の予想と違い、攻撃を仕掛けてくる一歩に団吉が言った名セリフである。

願わくは ヤツが振り返った時 小さな石につまづいたのではなく とてつもなく大きな山にぶつかったのだと 思わせてほしい

「何度もボーヤはあきらめかけていた… じゃが その度に 何かに後押しされるように猛烈な反撃をしてくる …そう 後押しじゃ 選手への叱咤激励 セコンドへの絶大な信頼感! ボーヤは最後までリングで一人になるコトはなかった 強いハズじゃ 二人で戦っているのじゃから 惜しむらくは ワシと真田にはそこまでの関係を養う時間がなかった 言い訳をさせてもらえるなら それが敗因――」

真田との初防衛戦に勝利した一歩。真田のトレーナーだった浜団吉はまたどこかへ旅立とうとしている。団吉を見送りに、鴨川、猫田も飛行場にいたのだが、かつて”拳闘家”として互いに切磋琢磨した3人である。一歩VS真田は、猫田には鴨川VS団吉を想起させたと言う。あきらめながら負けなかった一歩を認め、さらなる飛躍を願った団吉の名セリフ。

最期の最期まであきらめない そういう生きた拳こそが 奇跡を生むのだ!!

「最近になってわかったコトがある 何十年もボクシングにたずさわって気づいた 無論 現役の時には納得できなかったが…」
「ボクシングに ラッキーパンチはない!!」
「ある者は名誉のため ある者は金のため 様々な理由のためにつらい練習を耐えぬく 何千何万とサンドバッグを叩き 思いのたけ全てを両の拳にこめる」

宮田の東洋太平洋タイトルマッチ、相手はアーニー・グレゴリー。Mr.サカグチとともに現れた強敵である。宮田得意のカウンターを”ブラッディ・クロス”で無効にしてしまう。宮田のカウンターに対して、肘を曲げてその軌道を変えるのだ。それによりカウンターを封じられた宮田は、いいように打たれ始める。玉砕を考えた息子に送る、父の名セリフである。

あなたの姿を 最後まで――!!

伊達の二度目の世界タイトルマッチ、相手は怪物チャンピオンとなったリカルド・マルチネス。前回は、何もできず2ラウンドで負けたが、今回はそこを乗り越えた。しかし、”暴力的”にパンチを振るいだしたリカルドにいいように殴られる伊達。9ラウンド、伊達は”ハートブレイクショット”で逆転を狙うが、エルボーブロックされてしまい、拳を痛めてしまうのだった。仲代ジムの会長も「試合を止めてもらおう」と提案し、伊達も同じことを考えるのだが、妻・愛子はマウスピースを拾い「洗って下さい」と言うのだった。

初めて自分を認めてくれて 唯一自分を表現できる場所 こんなに楽しい仲間達 やっと見つけたのね 自分の居場所を!

初めての世界戦を控えた鷹村。鷹村がボクシングを始めたキッカケを聞くためにアパートを訪ねることになった一歩たち。そこには姉・京子と弟・渡がいたのだった。その頃、鷹村は兄・卓と会っていたのだった。鷹村が中学から家を追い出されたことなどを聞いた一同、しかし兄・守から「青木には近づくな」と言われていた渡は「青木はいないですよね?」と言ってしまったばっかりに、自己紹介のときに青木は「幕之内です」と一歩の名を騙り、一歩は「板垣です」と名乗ってしまう。それがバレて、もみくちゃになる3人を見た、姉・京子の名セリフである。

ワシは涙が出る 鷹村の あの 誇り高い姿を見ると 本当に涙が出るだニ!

「減量中 一言でもあの男が苦しいと言っただニか!? きっと… 鷹村にはわかってただニ 自分の体は5Rが限界だというコトを だからこそ両手を上げ自分を奮い立たせて出ていった 自分がどれだけ期待されているかも知っている 誇り(プライト゛)さ傷つけられても 感情を押し殺し アイツは一言も愚痴らず ただ黙々と 限られた時間しか戦えないならそれに懸け 5Rを全力で戦える体に仕上げたんだニ 同じボクサーとして… いんや 同じ男として お前達にそれができるだニか!?」

ミドル級世界チャンピオン、ブライアン・ホークと鷹村のタイトルマッチ。減量中から鷹村は”5ラウンドが限界”と考え、5ラウンドで勝とう、と全力で挑むのだが、ホークたちはそれに気付いてしまう。旗色悪い鷹村、青木は「減量さえなかったら勝ってたんだ」と言うのだが、”拳闘家”猫田の言葉が名セリフとなる。

All or Nothing! それがリングの掟だ

鷹村の世界タイトルマッチ、対戦相手ブライアン・ホークのトレーナーであるミゲル・ゼールの名セリフ。減量中から5ラウンドが限界と考え、全力で戦った鷹村だが5ラウンドでは倒しきれず、そのことをホーク陣営に気付かれてしまう。6ラウンド、旗色悪い鷹村はホークにいいように殴られ、あわやダウンというとき、「背中に何かつっかえたぜ」と鷹村は”自分を支えるモノ”に気付く。それは鴨川会長であり、一歩たちジムメイトであった。7ラウンドもいいように殴られる鷹村だが。突然キレた。鷹村は攻勢に転じ、ホークをダウンさせる。鷹村も正気を取り戻すが、そこでゴング。ホークが怯えているのをミゲルは自らを悔いる。鷹村の重厚なバックボーンに比べ、ホークが薄っぺらく見える。しかしホークは「負けるのはイヤだ!」と執念を見せ、そこに望みを見出したミゲルは”リングの掟”を話すのだ。

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