はじめの一歩の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『はじめの一歩』とは、1989年より『週刊少年マガジン』で連載中の「森川ジョージ」作による、ボクシングを題材とした漫画である。登場人物の多くに実在選手を投影している。「登場人物全員が主人公」という作者の言葉通り、脇役やライバル達の物語も詳細に描かれている。作者自身も実際にボクシングジムのオーナーで著名なプロボクサー達と親交があり、誌上やコミックスなどでもインタビューや応援コメントの寄せている。コミックスは120巻を超えている長期連載漫画である。

なんど踏まれても耐える 踏まれるたびに強くなる

板垣がデビュー戦で負けた、佐山ジム所属の牧野文人。東日本新人王準決勝で対戦することになる。牧野は、手術を控えた少年を励ますために「絶対勝つよ だからお前も頑張れ!」と板垣戦の勝利を約束する。そしてロードワークを再開した牧野を、今度は記者の飯村が取材をする。牧野は「物好きだな 引き立て役の取材なんて」と皮肉を言うが、「気になって」と返す飯村。そんな飯村に牧野は名セリフで返すのだった。

劣っているモノがあるのは認めます だけど 絶対 ここだけは負けませんよ!!

一歩の6度目の防衛戦の相手は、木下ジム所属のフェザー級7位・唐沢拓三。木下ジムといえば、かつて防衛戦の相手となった真田が所属していたジムである。この試合は唐沢から指名があり、一歩は「一から作り直しているから やっておきたいことがある」と受けるのだった。唐沢もまた”デンプシー対策”をしているのだが、それは腹を鍛えることだった。一歩もまたデンプシー強化のために、土手に丸太を打ち込んでいた。それを聞いた鴨川は「まさか拳で打ち込んどるワケじゃあるまいな!?」と驚くのだが、板垣は「拳壊しちゃいますよ そんな無謀でバカな人間いやしませんよ」と言う。鴨川は拳闘家時代に拳で丸太を埋めた経験を持つのだ。そして計量を迎え、唐沢の横にいた真田を気にした一歩。セコンドについた真田は「隙があるにせよ 幕之内くんは強い!」と助言する。それに答えた唐沢の名セリフが生まれた。

見ているモノが違うんだよ その差がそのまま試合に出る!!

「オレは自分の力を試したい 強い王者(チャンピオン)と戦いたい だから幕之内一歩と違うジムを選んだ」
「お前は 幕之内さんの下に就くコトを選んだんだ 戦うコトを拒否したんだ」

一歩の6度目の防衛戦を観戦してたジムメイトたち。アウトボクサーである唐沢相手に、一歩はデンプシーを封印し、”パンチの基本性能を上げる”ことに取り組んでいた。2ラウンドでKO勝利する一歩なのだが、唐沢はロープにつかまり2回転ダウンという、アウトボクサーのゾッとする光景で幕を閉じた。当然、木村、板垣の二人は驚愕するが、鷹村は「なる必要性があるんだよ その(アウトボクサー)のスペシャリストってヤツに!!」と宮田を見据えていることを見透かしていた。青木を迎えに行かされた板垣は、階段で因縁のライバルである今井と出くわす。「今日の試合内容を観ただろ? お前との試合の参考にさせてもらうよ」と今井は自信をのぞかせる。板垣は「こっちの参考にだってなったさ マットに這うのはキサマの方だぜ」と返す。そして今井の名セリフは生まれる。

――プロだ! コイツすっかり プロのボクサーになってやがる!!

板垣が高校時代3戦3敗をしている因縁のライバル、音羽ジム所属の今井京介との東日本新人王決勝。試合前に板垣とスパーリングをする一歩だが、セオリー通りの動きをする板垣の先を読めてしまう。それに不安を抱きながらも助言できない一歩に、鷹村は「言ってやれよ お前じゃ今井に勝てねえ」と死刑宣告をさせようとする。それを立ち聞きしていた鴨川は、屋上に板垣を行かせるのだった。そこで一歩の代弁をする鷹村は「お前には決定的に欠けているモノがある 意外性だ」と板垣は困惑する。試合が始まり、板垣は自分の武器を使うコトを選択する。「これも正解」と観戦に来ていた宮田も認めるのだが、「打ち合うことも要求される」ことについても言及するのだった。しかし板垣の選択は”足を使う”だけではなく、”超接近戦で短距離を高速移動するコト”を選択していたのだった。1ラウンドから板垣が主導権を握り試合は進み、3ラウンドで気迫に押された今井はロープを背負うのだった。そんなライバル板垣を認める名セリフである。

言葉は心に刺さりよるけん 殴られるより痛かね

宮田との試合が内定した一歩。最後の防衛戦の相手は鮫一ジム所属の武恵一。一歩は宮田戦が嬉しくて待ち遠しい様子である。療養中の板垣とともに全日本新人王を観戦していた一歩は、ジムの会長となった伊達を訪ねる。そこで伊達に「上を見るのは悪くねえが 足元は しっかり見えているのか?」と苦言を呈する。伊達は思い出話を始めた。「オレが一度目の日本王座に就いた時 どうしても戦りたくない奴がいてなあ」と伊達の話を聞き、一歩は予想しながらも選手の名を訊ねると、「当時の日本ランキング1位 武恵一」と伊達は答えた。伊達と武のタイトルマッチは、武の挑戦状取り下げにより実現はしなかったのだが、その理由が名セリフを生んだ。息子が病気で入院し、引退も考えた武だが退院後、息子はひきこもりになってしまった。息子は武に「父ちゃん 強い王者から逃げたと? みんなそう言うとるバイ 父ちゃん 逃げたと?」とイジメに遭っていたことを知るのだった。一歩のパンチに10ラウンド耐えるという武に「危険ですよ」、記者の飯村は言うのだ。

観とって英坊 父ちゃん…ね その強い王者(チャンピオン)と立派に戦ってくるけん!!

一歩7度目の防衛戦の相手は鮫一ジム所属・武恵一。伊達が初めての日本チャンピオンになったころにもタイトルマッチに挑むも、息子の入院により挑戦状を取り下げたのだが、時を経て一歩の持つベルトに挑む。前回のタイトルマッチが実現しなかったとき、息子はイジメに遭っていた。「父ちゃん 強いチャンピオンから逃げたと?」。そんな息子に刺さった言葉に比べたらパンチには耐えられる、と試合に臨む武だった。試合当日、福岡から上京してきた息子に「観とき英坊! 今夜父ちゃん 王者(チャンピオン)になるけん!!」と、かつて息子に見せられなかった背中を見せようとする父親の想いこもった名セリフである。

見ときヒデ坊! 父ちゃんの背中を!!

福岡の鮫一ジム所属・武恵一31歳、戦績は33戦22勝10敗1分15KO。伊達が一度目の日本チャンピオンとなった時、伊達に挑戦状を出したのだが、息子の入院と重なりやむなく挑戦状を取り下げ、引退も考えた武だが、息子から「父ちゃん 強いチャンピオンから逃げたと?」と訊かれるのだった。そこでイジメられてることを知った武の、強いチャンピオンへの再挑戦である。31歳とベテランだが、息子に”父の背中”を見せる最後のチャンスであろう。そんな思いを胸に挑んだタイトルマッチである。一歩のパンチにダウンした武だが、ベテランであるがゆえに、その経験がモノをいう。一歩よりも低く懐へ入り、一歩の”回転”を殺し、パンチ力を半減させ、デンプシー・ロールも防いでしまったのだ。鴨川は「練習通り いつも通り 武に学べ」と指示を出す。武より低く入る一歩は、アッパーを”いつも通り”に打てるようになった。クリンチでしのぐ武は「息子と女房にベルトば巻いた姿を」と考え、一歩の傷口をこすり”ドクターストップ”を狙おうとするのだが、息子の声で我に返り、クリンチをほどくのだった。これは”強いチャンピオンから逃げない”という武の”断固たる決意”を表した名セリフだ。

この出会いは運命さ イチロー・ミヤタ!

東洋太平洋チャンピオン宮田、日本チャンピオン一歩の”約束のリング”が内定した。一歩は先に防衛戦を勝利し、東日本新人王決勝と同じく宮田の勝利を待つ。
様子見を終え、セコンドである父からそろそろ決着を、と4ラウンド前に言われるが上の空の宮田。「会場に知った顔を見つけてね」と、あのMr.サカグチがいるのであった。しかし宮田は「横の男に見覚えないかい 父さん」と問うが、父は見覚えが無いと言う。ここまで優勢に試合を進めていた宮田だが、この”横の男”に気を取られたためにピンチを迎えてしまう。しかし宮田はムキになり、相手の顔を何度も叩き拳を骨折してしまう。辛くも勝利した宮田だが、「最低の試合だぜ」と本人も自覚しているようである。「幕之内との試合は延期しよう」という父の提案を素直に聞き入れ、医務室へ向かう廊下で”横の男”が待ち伏せていた。”横の男”の名はランディー・ボーイJr、この時点では気付かないのだが、父を引退に追いやったボクサーの息子である。初めて交わす言葉が名セリフとなった。

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