はじめの一歩の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『はじめの一歩』とは、1989年より『週刊少年マガジン』で連載中の「森川ジョージ」作による、ボクシングを題材とした漫画である。登場人物の多くに実在選手を投影している。「登場人物全員が主人公」という作者の言葉通り、脇役やライバル達の物語も詳細に描かれている。作者自身も実際にボクシングジムのオーナーで著名なプロボクサー達と親交があり、誌上やコミックスなどでもインタビューや応援コメントの寄せている。コミックスは120巻を超えている長期連載漫画である。

WBA世界フェザー級チャンピオン、リカルド・マルチネスのタイトルマッチ。7年前にも挑戦し、2ラウンドでKO敗けを喫した伊達。今回は”運命の2ラウンド”を越えたが、3ラウンドからリカルドは”暴力的に”パンチを振るう。ボロボロになっていく伊達、顎も砕かれたその姿に「棄権しよう」というセコンド。そこへ妻・愛子が「最後まで見ています」と伝える。それを見た伊達は「思い出した ホレた女の前でカッコつけてえ」、それがリングに立つ理由と、”ハートブレイクショット”を打つが、エルボーブロックで拳を砕いていしまう。それでも伊達は躊躇なく右を打つのだった。リカルドは驚くが、伊達も意地を見せる。そして2度目の”ハートブレイクショット”を打ち、ヒットする。”魔法のパンチ”と称されるが、これは心臓を打つことで”時間を止める”ことができるのだ。しかし、リカルドはその後のパンチを避ける。拳が砕けていなければ、時間を止めるコトができたであろう。砕けていたばかりに力が半減し、”時間を止める”までに至らなかったのである…。伊達は負け、入院した…。「お前が行くコトに意味がある」と鷹村に言われ、一歩は伊達を見舞う。アゴを砕いていながらも必死に「手を出せ」という伊達に一歩は「どうするんですか?」と問う。そして名セリフが生まれた。

間もなくゴングは鳴る 全ての答えが出る時が来る

鷹村の世界タイトルマッチが決まった。相手はWBC世界ジュニアミドル級チャンピオン、ブライアン・ホーク。ホークの悪態を我慢し続ける鷹村。会見で撮影のポーズを取るとホークは鷹村のアゴを打つ。それを見て飛び出す一歩たちだが、鷹村は「あっちを止めやがれ」と鴨川がホークに掴みかかっていた。ホークは鴨川を平手打ちし、さらなる悪態をつく。怒りに震える鷹村だがまだ我慢をしている。そして控室。宮田、千堂など日本中のボクサーや元ボクサーが激励に訪れていた。「オレ達はバカにされた気分だ お前だけが頼りだ」と言われる鷹村。控室を出て、減量の影響がなければ、と悲観的なことを言うが「ドライアウト」と宮田がポツリ。ベストな状態と聞き、興奮しだすメンバーだが、本来の階級ではないのでハンデはある、と素直に不安要素も話す伊達。自分たちの期待を込めた名セリフが生まれる。

上を見るのは悪くねえが 足元は しっかりと見えているのか?

「若くて勢いのあるうちに上を見るのは悪くねえ いいよなあ 鴨川さんとこは有望株が揃ってて だが…なあ」

高校時代から因縁のある今井京介と板垣の東日本新人王決勝戦。板垣が勝利し、一歩は鴨川に「上で待ってる人がいます ベルトを返上させてください」とお願いをする。鴨川もこれを認め、遂に宮田との”約束のリング”が決まる。しかし、宮田の防衛戦があり、試合から離れると危険と判断し、一歩も防衛戦をすることになった。宮田との試合が決まりモチベーションが高い一歩。板垣に全日本新人王の観戦に誘われた一歩は、ジムの会長となった伊達を訪問する。そんな一歩に伊達は釘を刺すのだが、それが名セリフとなる。

こりゃあ単なるコピーじゃねえ 模倣品でなく 一級品だ!

ヴォルグ・ザンギエフが世界チャンピオンとなった。触発された一歩と千堂はそのまま無断でスパーリングをする。鴨川はそれを怒るが、「キサマの日本タイトルは返上したぞ」と発表する。ヴォルグに続けとあおる鴨川。そして初の世界戦の相手は世界2位アルフレド・ゴンザレス。23戦のうち2敗しているが、それはリカルド・マルチネスだけに負けたものだった。一歩はゴンザレスのビデオを観て「リカルド・マルチネスに似ている」という印象を持ったようだ。p同じように「リカルドに似てませんか?」ということで、記者の飯村に呼ばれた伊達の感想が名セリフとなる。

ライバルたちの名言・名セリフ

何がなんでも勝ちてえんだよオレは――っ!!

西川ジム・小田裕介選手。一歩のデビュー戦の相手となった。元ジュニアライト級でパンチ力はあるのだが、パッとしない。トレーナーの娘・玲子と恋仲でもあるようだが、たまたま青木のバイトするラーメン屋で食事をしていたところ、一歩、鷹村、木村もそこにいたのだった。一歩は小田を警戒しているようだが、「小田なんざ 3ラウンド目にスタミナ切れでヘロヘロのパー」と青木。それを聞いてしまった玲子。青木のトランプ占いまでして、大笑いする鷹村と木村。練習終わりの小田を待っていた玲子は、「本当にボンクラなの?」と別れ話にまで発展した。そこで玲子は「相手(一歩)が ピエロ あわれと中学生みたいな顔したコが高笑いしてた」と走り去って行く。別れ話や高笑いなどを聞いた小田は怒りに震える。ジムへ戻りトレーナーに助言を求める。これまでKO勝ちにこだわってきた小田だが、「今度ばかしは事情が違う」と左の使い方などを訊ねる。男として意地を感じる名セリフ。

最後のリングかもしれねえんだ 根性なしなんて言われたままで終わってたまるか!!

一歩のデビュー戦の相手、小田裕介。元ジュニアライト級の選手だが、パッとしない選手である。「中学生みたいな顔をした相手が ピエロだ あわれだと高笑いしてた」と聞き、闘志を燃やすのだった。これまでしたことのない努力と練習量でこの試合に臨んだ小田は破壊力には自信があったが。それ以上に一歩の破壊力が上であった。倒れてたまるか、絶対に勝つんだという決意溢れる名セリフが生まれた。

誰相手でも負けられない 負けるワケいかない!!

東日本新人王トーナメントの初戦で対戦した八戸拳闘会所属のジェイソン・尾妻(ジェイソン・オズマ)。物騒なリングネームだと思っていたが、リングネームではなく在日米軍兵であった。オズマには家族はなく、日本の基地に配属が決まっても見送りもなかった。淋しいのがまぎれるかと思い始めたボクシングだが、その優しさに「今ではジムのみんながボクのファミリー」という思いを抱く。「ファミリーのためガンバル ファイトの理由それだけ!」と、サンドバッグを針仕事で直し、傷だらけの手を見て「チャンピオンになってジムにお金たくさん入ってくる」とモチベーションを上げ、決意溢れる名セリフとなる。

は はい がんばります がんばります…

大滝ジム所属・小橋健太。東日本新人王2戦目で一歩と対戦する。小橋のビデオを観るが、これといって特徴はなく、山場もなく判定で試合は小橋の勝利で終わる。夏合宿後、練習していると小橋が鴨川ジムに偵察にきていた。一歩は小橋の落としたメモ帳を拾い、追いかけて渡すが小橋とはすぐには気付かなかった。東日本新人王トーナメントは4ラウンド制だが、一歩は小橋の作戦にハマってしまう。判定になれば小橋優勢である。4ラウンド、一歩のアゴをとらえたパンチの感触に「KO勝利」を夢見てしまう小橋。しかし一歩と打ち合いをした結果、逆転負けを喫する。「いいのが入って 夢をみちゃいました」と計画を変更した小橋、「KOが欲しくないボクサーはいない」というセコンド。「最終ラウンドのあのワンツーは見事じゃったぞ いいじゃないか いい夢なら何度でも見ようじゃないか いつか現実になるのが楽しみじゃよ」という、セコンドと小橋の絆を感じる名セリフである。

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