はじめの一歩(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『はじめの一歩』は1989年より森川ジョージが週刊少年マガジンにて連載を続けているマンガ、アニメ作品。いじめられっ子だった幕之内一歩(まくのうちいっぽ)がボクシングと出会い、「強いとは何か?」という疑問の答えを求めて厳しいトレーニングを積み、ライバルたちとの闘いを経て成長していく様子が描かれる。

『はじめの一歩』の概要

『はじめの一歩』とは、1989年から「週刊少年マガジン」(講談社)で連載をスタートしたボクシング漫画。単行本は100巻を越えており、発行部数は9400万部を突破している。1991年には、第15回講談社漫画賞少年部門受賞。2012年12月5日発売の週刊少年マガジン2013年1号で、連載1000回を迎えた。

アニメは2000年10月から2002年3月まで放送された。視聴率もこの時間帯ではアニメとしてだけでなく通常の番組としても驚異的な平均視聴率4.5%、最高視聴率6.1%(2001年2月27日放送・第21話)を記録した。

『はじめの一歩』のゲームも多数発売されている。『はじめの一歩 THE FIGHTING!』を始めとし、PS2、DS、ゲームセンターのパンチングゲーム、PS3から携帯のオンラインゲームまで幅広く発売されていることに本作品の人気具合を伺うことができる。

『はじめの一歩』のあらすじ・ストーリー

釣り船屋を営む母と二人で暮らす高校生・幕之内一歩(まくのうちいっぽ)は、気弱な性格から学校でイジメられていた。
自分からイジメっ子にやり返すことも出来ず、ひたすら耐える日々を送る一歩だったが、河川敷でイジメられているところをボクサーの鷹村守(たかむらまもる)に助けられる。

助けられた際に気絶してしまった一歩が目を覚ますとそこは、鷹村の所属する鴨川ボクシングジム。一歩はその迫力に圧倒される。圧倒されている一歩に鷹村はサンドバックを叩きストレス解消させるよう促した。

そこで一歩はとんでもない力を発揮する。元々実家の釣り船屋で培われた腕力と身体能力はボクシングのパンチを打つ際にとても効果的で、サンドバックは横に大きく持ち上がるほどの破壊力を見せた。そして一歩の拳にはハードパンチャー特有の傷ができていた。
サンドバック叩きで一歩の才能の片鱗をみた鷹村は、一歩にもっと強くなるようマイク・タイソン(元ボクサー)のビデオを観せ、そこで一歩はさらにそのマイク・タイソンの迫力と、テレビの中で観客からの声援を受ける姿を観てボクシングへの憧れを抱くようになっていく。

そして、強さとは何なのか、「ボクシングを通してそれを知りたい」と鷹村に鴨川ボクシングジムへのボクサーとしての入門を懇願するが、鷹村はボクシングの世界はそんなに甘いものではないと、河原で木から落ちてくる葉っぱを10枚掴むという無理難題を入門テストと称して課した。一歩は見事成功し鷹村にボクシングを教わる許可をもらう。

鷹村に認められた一歩は鴨川ジムの鴨川会長(鴨川源二)に推薦してもらう。いじめられっ子のひ弱な一歩をみた鴨川会長は激怒、おおよそボクシングに向いていないだろうその少年の姿見て、連れてきた鷹村を怒鳴りつけた。

しかし、鴨川会長は鷹村の才能を見る目を信頼し、才能豊かな宮田一郎(鴨川ジムの期待の大型新人)とのスパーリング(ボクシングの練習試合)を行わせるが、結果はもちろん惨敗。一歩は一発もヒットさせることなく負けてしまう。

何もできなかったとうなだれる一歩だが、鴨川会長はスパーリングの中で何度倒されても立ち上がる一歩の姿に魅せられ、入門を許可する。ここから一歩のチャンピオンへの歩みがスタートした。

鴨川ジム入門後、日々の練習にも慣れてきた一歩はプロテストを受ける事となった。

持ち前の圧倒的な破壊力のパンチで相手をKOしプロデビューを果たした一歩だが、実績の無さと地味な見た目からマスコミには取り上げられなかった。

そんな一歩が脚光を浴びることになったのは東日本新人王の時だった。宮田を含めた強豪たちをなぎ倒し優勝を果たしたのだ。

そこからさらに一歩の快進撃は続く。当時の王者伊達英二への挑戦を目標とし、さらに強豪ひしめくA級トーナメントへ出場しヴォルグ・ザンギエフに辛くも勝利、王者への挑戦権を手に入れる。しかし、伊達英二への挑戦は一歩にとって初となる敗北を味わうものだった。

伊達に敗北を喫した一歩だが、再起戦で新たなる必殺技、デンプシーロールを披露し大勝利。空席となった王座にはかつてのライバル千堂武士が君臨していた。いまだかつてない好敵手に一歩はジムメイトたちと、山でペンションを開いている鴨川会長の知人の元で合宿を行う。合宿を終え技術だけでなく精神も鍛えられた一歩は再度王者への挑戦を行った。

その闘いは、ベストバウト(最高の試合)と言われるほどの激戦で一歩が勝利し、日本タイトルを手に入れる。

その後も、幾度もピンチを味わいながらも勝利、防衛を重ね、次は世界への挑戦を目指していく。一足先に世界チャンピオンとなった鷹村守はブライアン・ホークとの対戦後もさらに階級を上げ二階級制覇を果たした。

一歩が世界挑戦の為、ベルトを返上したが長年のダメージの蓄積によるパンチドランカー症状を疑われ、さらに敗北。現役の引退を表明することになった。その後はセコンドとして活躍していく。

『はじめの一歩』の主要人物

幕之内一歩(まくのうちいっぽ)

CV:喜安浩平
本作の主人公で、鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。身長164cm、リーチ167cm、チェスト101cm、足のサイズは25.5cm。生年月日は1973年11月23日。射手座のO型。年齢は物語開始時点で16歳。高校時代は気弱なイジメられっ子の少年だったが、鷹村との出会いをきっかけにボクサーとしての道を歩み始めた。
実家の釣り船屋で鍛えた筋力を活かし、国内でも屈指のパンチ力を持つインファイターとしてリングに立つ。すると、一歩の才能が開花、次々と強敵をKOしていき、新人王、A級トーナメント優勝、日本タイトル獲得と、一度タイトル挑戦を失敗はしたが華々しい活躍を見せる。世界挑戦も視野に入れ、対戦を積み重ねる一歩だったが身体の不調(パンチドランカー症状の疑い)もありとうとう引退してしまう。

鷹村守(たかむらまもる)

CV:小山力也
学生時代は喧嘩に明け暮れる悪童だったが、鴨川ボクシングジムの主・鴨川源二(かもがわげんじ)と出会い、その腕っぷしをボクシングに使うことを決めた。
鴨川ボクシングジムの面々には鷹村との出会いがきっかけでボクシングを始めた者も多く、同ジムの精神的主柱にもなっている。
実は鷹村の実家は大手会社の経営を行っている御曹司。

宮田一郎(みやたいちろう)

CV:関智一
目にも止まらぬスピードと、一撃必殺のカウンターを持った日本屈指のアウトボクサーとして知られている。
プロボクサーになった一歩が「風神」と呼ばれているのに対し、宮田は「雷神」の異名を持ち、ボクシングファンの間では永遠のライバルとして認識されている。
当の本人たちも互いのことを強烈に意識しており、いつかプロのリングで相見えることを願って研鑽を重ねている。
一歩よりも才能に恵まれ、元ボクサーの父親からの英才教育を受けてきた。一歩引退後の宮田は目標を見失い、迷子のような精神状態に陥ってしまう。

鴨川源二(かもがわげんじ)

CV:内海賢二
鴨川ボクシングジムの会長。
自身も若い頃は名の知れたボクサーだったが、年老いてからは後継者の育成に励んでいる。
一歩や鷹村が最も信頼するトレーナーであり、頑固一徹に根性論・精神論を説きながらも、科学的根拠に基づいたボクシング理論と的確な指導により、数多くの名選手を輩出してきた名伯楽として知られている。
試合ではセコンドも務め、カットマンとしても超一流の腕を見せる。主人公・幕之内一歩が最も尊敬し強い信頼を寄せる師である。
戦時中、まだボクシングが「拳闘」と呼ばれていた頃にボクサーをしていた。当時はバンタム級の選手として本来のスタイルは技巧派のアウトボクサーであるが、重量が全く異なるアンダーソン戦では小手先の技術だけでは通用しないと判断したため、河川敷の土の壁に刺した丸太をパンチだけで埋め込むという、無茶なトレーニングで拳を強化して一歩ばりのインファイトスタイルで戦った。

青木勝(あおきまさる)

CV:高木渉
鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー、日本ライト級ランカー。
鷹村のイタズラの被害を受けることが多く、ジムの雰囲気を盛り上げるムードメーカー、および作中のコメディリリーフ的な役割を持つ。
学生時代には同ボクシングジムの門下生、木村達也とグレて喧嘩に明け暮れる日々だったが、鷹村と出会いコテンパンに倒され、鷹村を倒すべく鴨川ジムへ入門する。
厳しい練習をこなすうちにボクシングの面白さに目覚め、デビュー戦を初勝利で飾って以降は鷹村への復讐心も消え更生する。

変則型のボクシングスタイルで、基本はファイタースタイルだがアウトボクシングも行うなど型は定まっていない。奇策を使い相手を翻弄する事が多く、多彩な技をもっている。

木村達也(きむらたつや)

CV:藤原啓治
鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー、階級はジュニアライト級ランカー。一歩の先輩に当たる。
青木勝とは幼稚園の頃からの幼馴染であり、親友兼悪友で共に高校を中退する。
不良時代、青木と共に因縁を吹っ掛けた鷹村に負けた事をきっかけに鷹村に勝つため、鷹村のいる鴨川ジムに結果的に入門。練習を続けデビュー戦を初勝利後は更生し、以降は青木と共に鷹村とつるむようになる。鷹村からは2人まとめて「青木村」と呼ばれることもある。

突出した才能はないが、ベテランとしての洞察力が魅力のアウトボクサー。完璧にとまではいかないまでも作中の技「飛燕」を鴨川会長から聞いただけですぐに繰り出すことが出来る器用さを持っている。
初のタイトルマッチとなる間柴戦では、読者のベストバウトランキングにランクインするほどの名勝負を繰り広げた。

『はじめの一歩』の用語

デンプシー・ロール

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