スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲(SW5)のネタバレ解説・考察まとめ

『スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』とは、1980年製作のアメリカ映画。日本公開も同じく、1980年の6月。前作の大ヒットを受けて作られたシリーズ2作目で、9部作からなるスター・ウォーズサーガの5番目の物語に当たる。凶悪な銀河帝国が反乱軍への攻勢を強める中、故郷を出て反乱軍の一員となった青年ルーク・スカイウォーカーが、自らの思いがけない運命に直面するまでを描く。

広大な銀河系の空間を歪めて縮めることによって出来るハイパースペースと呼ばれる異空間に飛び込むことにより、はるか遠方の地まで超高速で移動することが可能になる航法のこと。これにより、反乱軍が強大な帝国軍艦隊の追撃を逃れることも出来るほど有効な移動方法であるが、移動した先の空間を予測し計算しておかないと、ハイパースペースから出た瞬間そこにある惑星に激突して粉みじんになるということもありえるため、航行を開始するには注意が必要である。また、帝国軍艦隊の母船など大きな船は、ハイパードライブに入る前に艦内に溜まっていた鉄クズなどを捨てるなどの作業も必要である。

カーボン冷凍

生物を急激な冷凍により催眠状態にして、その鮮度を保ちつつ保存する方法のこと。この方法により冷凍保存された生物は、保管室などの入れ物を必要とすることなく、カーボン状にして冷凍したまま持ち運ぶことも出来るようになる。惑星ベスピンの空中都市で用いられていたカーボン冷凍装置は、ベスピンの大気中に多量に存在するガスを冷凍するためのものだったため、人間を生きたまま冷凍保存することが出来るかどうか、空中都市の執務官ランド・カリリジアンは危惧していた。このためダース・ベイダーは、捕らえて仲間にする計画のルーク・スカイウォーカーを冷凍する前に、実験台としてハン・ソロの冷凍を強行した。

シス

ジェダイとは正反対の悪の存在で、自分の怒りや恐れに任せてフォースを使うのが特徴である。

銀河元老院

銀河共和国の最高統治機関で、銀河系から代表たちが集まり、銀河の施設について協議している。

『スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ハン・ソロ「オレが悪党だから好きなんだろう。君の人生には、悪党が足りないんだよ」

ハン・ソロとレイア姫が恋に落ちていくワンシーンで出てきたのが「オレが悪党だから好きなんだろう。君の人生には、悪党が足りないんだよ」である。
このセリフは、レイア姫の「あなたが悪党みたいに振るわなければ、いい人かもしれないけれど…」に対するハン=ソロの返事で、「これまで出会った男性とは違ったタイプだから、君はオレが好きなんだよ」と伝えている。

雪の惑星ホスでの壮絶な戦闘シーン

反乱軍の基地へと進撃を開始する、帝国軍の歩行兵器AT-AT部隊

強大な攻撃力を持つ艦隊で、氷の惑星ホスに新しい拠点を構えた反乱軍に奇襲をしかけようとしていた帝国軍指揮官ダース・ベイダーだったが、攻撃前に艦隊の存在が反乱軍に知られてしまったとわかると、地上戦により反乱軍の張ったシールドを破る作戦を実行する。ここで帝国軍が地上戦用に用いるのが、長い4本の足とボックス状の体を持ち、反乱軍の攻撃をものともしない厚い装甲に覆われた歩行兵器、AT-ATである。雪原を全く苦にせず、大股で歩きながら攻撃を仕掛けるAT-ATに歯が立たない反乱軍だったが、ルーク・スカイウォーカーの機転で、小型機から放出したワイヤーをAT-ATの足に巻き付けることによってその動きを止められ、足元からガクンと崩れ落ちたAT-ATは爆発炎上する。この、惑星ホスでの帝国軍と反乱軍の地上戦は、雪に覆われた雪原での戦闘という背景も新鮮であり、またAT-ATのビジュアル的なカッコ良さと、その長い足元をくぐり抜けていく反乱軍の、「小型戦闘機目線」で映像が展開するというダイナミックさは、画期的なものであった。当時の観客は「こんな凄い戦闘シーンは初めて見た!」と、特撮技術の進歩に興奮し、このビジュアルを実現したスター・ウォーズのスタッフに、惜しみない賞賛を送った。

ジェダイマスター・ヨーダがフォースの力を発揮するシーン

ヨーダのフォースの力で陸地へと引き上げられた小型戦闘機を、信じられないという表情で見つめるルーク

うっそうとした木々が生い茂る、じめじめとした湿地帯が広がる惑星ダゴバの地に住む、小柄で杖をついた老人。その老人が、偉大なるジェダイマスター・ヨーダだと判明する。その凄まじいフォースの力を発揮するシーンは、本作の見所のひとつであり、「フォースの力」がメインテーマになっているスター・ウォーズサーガ全体に於いても、重要な意味を持つシーンになっている。前作の段階では、フォースの力については、オビ=ワン・ケノービの「目で見たものだけを信じず、感じることが大事だ」という哲学的な教えもあり、その全貌は当時の観客にとってまだ未知なるものであった。フォースの力が目に見える形で表現されたのは、ルークが目を覆った状態で訓練用小型ドロイドの攻撃を交わすシーン、暗黒面の力ではあるが、ダース・ベイダーが手を触れずに相手の首を締め上げるシーン、そしてルークがオビ=ワンの教えどおりに機械に頼らず見事にデス・スターの小さな排気口へ魚雷を打ち込むシーンなどだった。ベイダーが用いた超能力的なシーン以外は、どちらかというと精神面の集中を重要視するような内容であったが、本作で小柄なヨーダが、自身の何十倍の大きさと質量があろうかという小型機を沼の中から持ち上げ、陸地へと着陸させるシーンは、フォースの力の凄さを観客にもまざまざと見せ付ける初めてのシーンとなった。この場面を目の当たりにして驚愕するルーク・スカイウォーカーの姿は、当時の観客の心境そのままだった。そしてそれは、この凄まじい力を暗黒面で、悪しき考えの元に使ったら悲劇的なことになるのは間違いないという、本作の重要なテーマを裏付けるものでもあった。

ヨーダ「ジェダイはフォースを知恵と防衛に使うのじゃ。攻撃に使ってはならん」

ジェダイとしての修業を積んだルークが、ついにベイダーと対決する場面でのセリフが「ジェダイはフォースを知恵と防衛に使うのじゃ。攻撃に使ってはならん」である。
ルークは、フォースの予知能力でハン・ソロたちが苦しむ映像を見て、修業の途中で駆け付けたところをダース・ベイダーは、ルークの技の未熟さからそのことを察知し、このセリフを投げかけた。

ダース・ベイダー「フォースは共にあるな。しかしお前はまだジェダイではない」

ジェダイとしての修業を積んだルークが、ついにベイダーと対決する場面でのセリフが「フォースは共にあるな。しかしお前はまだジェダイではない」である。
ルークは、フォースの予知能力でハン・ソロたちが苦しむ映像を見て、修業の途中で駆け付けたところをダース・ベイダーは、ルークの技の未熟さからそのことを察知し、このセリフを投げかけた。

ダース・ベイダー衝撃の告白シーン

ジェダイマスター・ヨーダの元で修行し、フォースの力を身に付けたと思ったルーク・スカイウォーカーだったが、フォースの暗黒面を駆使するダース・ベイダーには敵わなかった。逃げ場のない場所へ追い詰められたところで、自分の父親はベイダーに殺されたのだと思っているルークに向かって、「私がお前の父親だ」とベイダーが語るこの衝撃の告白シーンは、今や語り草になっているほど、本作の、そしてサーガ全体を通じての名シーンであり、重要な場面となっている。敵だと思っていた者が味方だったというレベルではなく、最大の敵だと思っていた存在が自分と血の繋がった父親であったという衝撃は、登場人物のルークにとっても、また映画を見ていた当時の観客にとっても、計り知れないものだった。しかもその告白が、ルークを陥れようという嘘ではなく、間違いなく本当のことであることを、修行によって身に付けたフォースの力によって父親と交わす交信が裏付けるという皮肉。スター・ウォーズが、フォースの力の継承という、血の繋がりが紡ぎ出す運命の物語であることが観客へ提示された、記念すべき瞬間である。この運命の物語が、続く3作目「ジェダイの帰還」へと繋がり、そして後年製作される前日譚、エピソード1~3へと連なっていく。全ては本作の、このシーンから始まったのだと言える、サーガ史上に於いても極めつけの名シーンである。

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