アデライン、100年目の恋(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『アデライン、100年目の恋』とは、2015年にアメリカ合衆国で製作された恋愛ファンタジー映画である。ある日、突然起きた事故により老化が止まったヒロイン「アデライン・ボウマン」は、100年の長い年月を若い容姿のまま過ごすことになる。以後、その年齢に伴わない美貌に疑問を抱いたFBIから目をつけられてしまう。その事をきっかけにアデラインは、一切の素性を隠し、長い逃亡人生を送ることになる。しかし、大晦日のパーティーで出会う男エリスと交際することになり、アデラインの人生に光が見えてくるのであった。
『アデライン、100年目の恋』の概要
『アデライン、100年目の恋』とは、2015年にアメリカ合衆国で製作された恋愛ファンタジー映画である。監督は、リー・トランド・クリーガー、主演は、映画ゴシップガールで一躍有名になった女優「ブレイク・ライブラリー」、恋人役はオランダ出身の若手俳優「ミキール・ハースマン」、映画スターウォーズのハンソロ役で有名な「ハリソン・フォード」をヒロインのかつての恋人役として迎えている。本作の衣装を担当したのは、パリ「ムーラン・ルージュ」でアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した「アンガス・ストラティー」、作中にはグッチが提供した衣装が数多く登場する。本作中では、様々な年代のファッションに身を包むアデラインの美しい姿も見所だ。
2015年4月24日、北米の2991館で公開された本作は北米で1340万ドルを売り上げ、週末興行収入ランキングでは初登場ながら3位を収めるなど、話題を集めた映画である。世界興行収入は6570万ドル。
ある日、突然起きた事故により老化が止まったアデライン・ボウマンは、100年の長い年月を若い姿のまま過ごすことになる。年齢に伴わない美しい容姿をしたアデラインを不思議に思った警官はアデラインの素性を探り始めた。警察から自分と娘の生活を守るため、周囲の人物に一切の素性を隠しながらアデラインは長い逃亡人生を送ることになる。
大晦日の夜、親友レーガンに誘われたカウントダウンパーティーで出会った男性エリスと交際することになり、アデラインの人生は大きく変化していく。
『アデライン、100年目の恋』のあらすじ・ストーリー
パスポートの偽造
2014年12月31日、サンフランシスコのチャイナタウンに住むアデラインはとある理由で、同市内北部マリン郡にある1件の家を訪ねにタクシーで向かう。チャイムを鳴らすと1人の青年が出迎える。この青年の名はトニー。アデラインに頼まれて偽造パスポートの作成を行っている。出来上がったパスポートは、偽物だと見破られないように全体的に使い古された印象に仕上げられている。年季が入ったように見せるため、パスポート全体を変色させる技術が盛り込まれているが、この手法をトニーは得意としているようだ。
チャイナタウンの自宅へ戻る
トニーから出来上がったパスポートを受け取ると、チャイナタウンの自宅へ戻る。
アデラインの帰りを待つのは愛犬リース。部屋のカーテンを開けると、段ボールにまとめられた荷物からアルバムを取り出すアデライン。懐かしそうに写真を見ながら「次は、田舎町へ引っ越すのよ」と、リースに話す。
職場の市立資料館
アデラインは自宅からタクシーで職場へ向かうと、同僚から過去のニュース映像のフィルムをデジタル版にする保存書き換えを頼まれ、作業に取り掛かる。ある1本のフィルムには、アデラインが生まれた年のニュースが残っていた。
アデラインは、1908年1月1日0時1分にこの世に誕生した。当時ニューイヤーベイビーとして話題になり、テレビニュースに取り上げられた。当時のこのフィルムを流しながら、今日までアデラインが歩んできた人生の回想シーンが始まる。
今日までのアデライン・ボウマン
1929年6月16日、アデラインが21歳の時に母とゴールデンゲートブリッジの建設現場を見物に訪れていた。その時に「クラレンス・J・プレスコット」という男性と出会い、その後結婚をした。子宝にも恵まれ、夫と娘の家族3人で幸せな結婚生活を送っていた。
結婚から8年が経つ1937年に事件は起きた。夫が携わるゴールデンゲートブリッジの建設現場の足場が崩落する大事故が発生し、現場に出ていた夫は事故に巻き込まれ帰らぬ人になった。そして事故から10ヶ月が経つその年の暮れには、思いもよらずアデラインも交通事故を起こしてしまうのだ。
両親の海辺の別荘で母の帰りを待つ5歳の娘「フレミング」を迎えに行く道中、アデラインの運転している車のフロントガラス越しにちらちらと雪が降り始めた。アデラインがいるのは、温暖な環境のソノマ群で、冬でも雪が降ることの珍しい場所だ。暗い山中、空を見上げ雪に見惚れていたアデラインは、降り続ける雪で道が悪くなった山中で運転を誤り、車が横転してしまう。車はそのままガードレールを乗り越え、車ごと水の中に沈んでしまった。アデラインの体温は瞬く間に急降下、心肺は停止、死を目前としたその時だった。5億ボルトの雷がアデラインを直撃し、その衝撃で息を吹き返したのだ。この事故を境にアデラインは、事故当時29歳の姿のまま年齢を重ねることなく長い月日を過ごしていくことになる。
アデライン失踪
1953年、アデラインが45歳のある時、交通違反をしたアデラインは警官に止められ、免許証を提示する。すると記載されている年齢とは裏腹に遥かに若い容姿をしたアデラインを警官は怪しんだ。そこで、警官はアデラインの免許証を没収し、翌日警察署に取りに来るよう命じる。このままでは身柄を拘束され、娘に迷惑がかかるとアデラインは考えた。この出来事をきっかけにアデラインは、10年毎に住む場所を変え改名を繰り返し、自分の正体がバレないよう失踪するのである。
アデラインに迫るFBI
失踪後のアデラインは医科大学の事務職に就いた。職場環境を利用しながら、自分がなぜ歳老いていくことができないのかを調べた。歳月でいうと1年間、懸命に調べ続けた。しかし、アデラインに突き付けられたのは、現在の科学ではアデラインの身体の状況は説明がつかないという事実だった。自分の身体に起きた異変の原因が分からず、途方に暮れているアデラインの元に居場所を突き止めたFBIが突如訪れる。居住記録がないことを理由にアデラインは車で連行される。政府に身柄を拘束され、自分の身体が人体実験にかけられるのではないかと恐怖心を抱いたアデラインは、FBIの隙をつきシートからトランクを開けて逃げ出した。
ここでアデラインの回想シーンが終わり、フィルムのデジタル化作業のシーンへ戻る。そして、改めて「自分の身体が老いる事ができないこと、自分が誰なのかを誰にも話さないこと」を自信に誓うのである。
大晦日のパーティーへ
仕事から自宅へ戻ると、1本の電話が鳴る。電話の相手は親友のレーガンからであった。レーガンから大晦日のパーティーへ誘われたアデラインはドレスコードに身を包み、会場へと向かう。会場では親友がピアノ演奏をしている。親友のレーガンは盲目のピアニストである。2人は席に着くと懐かしそうに話し始める。会場を見渡すと、1人の若い男性と目が合うアデライン。するとしばらくして、男性の横に1人の女性が近寄り男性の頬にキスをする。男性の彼女だと思い込んだアデラインは、少しでも恋を予感した自分に肩を落とすのである。
会場を後にしようとエレベーターに乗ると、ドアが閉まる直前で誰かが乗り込んでくる。会場で目があった男性だ。この男性の名はエリス・ジョーンズ。エリスを前にしたアデラインは驚きと、嬉しさが入り混じった表情をしている。ここでエリスは何度もデートの誘いをするが、もう恋をすることはないと決めているアデラインは首を縦には振らずに去るのであった。
娘フレミングとランチ
大晦日のパーティーの翌日、年初めのお祝いに娘のフレミングとレストランで待ち合わせをする。待ち合わせに遅れてきたフレミングを眺めるジェニーは微笑んでいる。久々に会う娘と抱擁をすると、耳元で「お誕生日おめでとう」と言われた。1月1日は年初めでもあり、ジェニーの誕生日でもあるのだ。
食事をしながら会話を楽しむ2人だが、フレミングから「高齢者専用地域に引っ越しを考えている」と突然の告白があり、悲しい顔をするジェニー。実のところジェニーは、高齢になったフレミングに何か起きた時、すぐに助けられるようにと現在娘が暮らしている近くの場所へ引っ越すことを決めていたのだ。
エリスが多大なる寄贈
年末のパーティーからしばらくし、ジェニーが働いている資料館に突然エリスが現れる。
実は、大晦日のパーティーでジェニーに会う以前、エリスはジェニーの事を市立資料館の前で見かけていた。ジェニーが点字の本を読んでいるところを偶然見かけたエリスは、「とても個性的な女性だな」とジェニーに心惹かれていたのだ。その日以降、エリスはジェニーに再び会えることを願っていた。そうして、願いは大晦日のパーティーで叶い、後日ジェニーの職場へと訪れたのだ。パーティーの理事をしていたこともあり、エリスはジェニーの職場を知っていた。資料館に多大なる寄贈をする事と交換にデートの申し込みをしてきた。翌日、エリスの案内する場所でエリスとジェニーは会う約束をした。
エリスと地下デート
昔ゴールドラッシュがあった頃、サンフランシスコへ6万の船が上陸をした。その時に乗っていた船が乗り捨てられ、埋め立てられたのがサンフランシスコの繁華街であった。
時が経ち、市が配管用の掘削工事を地下で行っていた時、その当時の船が発見された。それを、エリスが理事を務めるサンフランシスコ歴史保存協会が保護し、一般公開をする事になった。その昔の宝物を、エリスはジェニーに見せたくて採掘場に連れて行ったのだ。
その後もエリスからの誘いを受け、熱意に負けたジェニーはエリスとデートを重ねるのであった。
愛犬の死
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目次 - Contents
- 『アデライン、100年目の恋』の概要
- 『アデライン、100年目の恋』のあらすじ・ストーリー
- パスポートの偽造
- チャイナタウンの自宅へ戻る
- 職場の市立資料館
- 今日までのアデライン・ボウマン
- アデライン失踪
- アデラインに迫るFBI
- 大晦日のパーティーへ
- 娘フレミングとランチ
- エリスが多大なる寄贈
- エリスと地下デート
- 愛犬の死
- ジェニーの自宅前に現れるエリス
- フレミングに会いにきたジェニー
- エリスに謝り、デートへ誘う
- エリスの実家へ訪れる
- アデラインとウィリアムの出会い
- ウィリアムに正体がバレる
- エリスの元から逃亡
- 生き返るアデライン
- エリス両親の結婚40周年パーティー
- 1年が経ち
- 「『アデライン、100年目の恋』の登場人物・キャラクター」
- アデラインの家族
- アデライン・ボウマン(演:ブレイク・ライヴリー)
- クラレンス・ジェームズ・プレスコット(演:ピーター・ J・グレイ)
- フレミング・プレスコット(演:エレン・バースティン)
- リース
- ミリアム・プレスコット(演:ジェーン・クレイヴン)
- エリスの家族
- エリス・ジョーンズ(演:ミキール・ハースマン)
- ウィリアム(演:ハリソン・フォード)
- キャシー・ジョーンズ(演:キャシー・ベイカー)
- キッキ・ジョーンズ(演:アマンダ・クルー)
- アデラインの親友
- レーガン(演:リンダ・ボンド)
- アデラインに関係する人物達
- トニー(演:リチャード・ハーモン)
- キャブ・ドライバー(演:フルヴィオ・セセラ)
- ケネス(演:ヒロ・カナガワ)
- コーラ(演:アンジャリ・ジェイ)
- スタンリー・チェスターフィールド(演:バークレイ・ホープ)
- ケイレブ(演:マーク・ガニメ)
- デール・ダヴェンポート(演:クリス・ウィリアム・マーティン)
- ラリー・レヴィン(演:レーン・エドワーズ)
- 『アデライン、100年目の恋』の用語
- FBI
- トリビア
- 「デラC1981」
- 『アデライン、100年目の恋』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- フレミング「一生、独りで暮らしていくなんて、愛する人が欲しくない?」
- アデライン「2人で共に老いていく将来がないなら、つらいだけ」
- ウィリアムとの再会
- エリスの実家でクイズゲーム
- ジェニーの左手にある傷跡を見て、アデラインだと気づくウィリアム
- アデライン「まず最初に、私はジェニーじゃない」
- アデライン「エリスへ自分の本当の姿を話したの」
- 病室で泣くフレミング
- 白髪を発見したアデライン
- 『アデライン、100年目の恋』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ヒロイン役がなかなか決まらず
- ハリソン・フォードが本作を高く評価
- GUCCIが協力
- 『アデライン、100年目の恋』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Rob Simonsen&Faux Fix Ft.Erena Tonra 『Start Again』