龍が如く4 伝説を継ぐもの(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」のシリーズの第4作目に相当する作品である。キャッチコピーは「それは熱き男達の、奇跡の記録」。主人公の桐生一馬が東城会で起きた内乱を収めた後からの物語を描いており、従来の主人公である桐生一馬に加え、秋山駿、冴島大河、谷村正義と3人の主人公とその物語が追加されているのが特徴となっている。

育てられる門下生は1人ではなく、門下生ごとに異なる特徴があり、特徴に応じて育成方針を変えていく。そして、練習スケジュールを設定し、実行したら基本的に結果が出るまで見守るだけで問題はないが、怪我をさせてしまうと練習スケジュールが実行できにくくなるため、怪我をさせないように休息を挟みながら練習させていくのがポイントとなる。

練習スケジュールを進めていくごとに挑戦することになる「試合」に門下生が勝てば賞金は得られるが、賞金は主人公たちの所持金には入らず、門下生たちを育てるための道場の練習施設のレベルを上げるのに使っていくことになる。そして、練習施設のレベルが高ければ高いほど、門下生たちは効率の良い練習スケジュールを行うことができるため、賞金が手に入ったら惜しむことなく投資していき、施設のレベルを上げていく必要がある。
また、「試合」については、◯ボタン連打で「トレーナーゲージ」をMAXまで増やし、必殺技使用タイミングを指示して門下生をサポートし、勝利へ繋げていくのが主な内容となる。そして、必殺技を指示すると◯、△、□、×のボタン入力画面が表示され、制限時間以内に入力を成功させれば必殺技を発動できるが、失敗すると逆にダメージを受けてしまうので、注意する必要がある。

育てた格闘家は闘技場に登場するようになり、対戦相手として戦ったりタッグパートナーとして共闘させたりすることが出来るようになる。

過去と戦ったボスともう一度戦える「IF7-R」

これが「IF7-R」。劇場地下のこのマシンのそばにいる南田に話しかけることで、ストーリー中に登場したボスたちともう一度戦うことができる。

挑戦できるボスたちは、以前に戦った時よりも強化されており、歯応えのある戦いを楽しむことができる。

前作「龍が如く3」のサブストーリーに登場した謎の天才科学者の老人・南田が開発したマシン「IF7-R」が、修行に近い要素を持ったミニゲーム的なイベントとして本作にも登場する。これはボス戦を経験した主人公が南田に話しかけてマシンに情報をインプットさせることで、そのボスをモデルにした敵(例:『迅雷の亡霊』は伊原、『激昂の番人』は刑務官斎藤)と戦うことができるものである。そして、基本的なルールは以下の4つとなる。

・ヒートゲージがなく、ヒートアクションが使えない
・武器やアイテムは使えない
・制限時間があり、タイムアップでも負けになる
・制限時間内に敵の体力をゼロにすれば勝利

このようにシンプルかつシビアなルールと、さらに1回プレイするごとに払うことになる料金が1万円ということから、挑戦するハードルはやや高めとなっている。しかし、勝利すると経験値を取得したり、ヒートゲージの最大値や上昇率がアップしたりできるため、これもキャラクター強化の手段として役立てることができる。

バトルミッションで腕試し「究極闘技」

究極闘技の中には、花が一緒に戦ってくれるミッションがある。ストーリー中、スカイファイナンスに押し入ってきた極道たちを吹っ飛ばした花の豪快な力技をここで見ることができる。

究極闘技のミッションに登場する敵はいずれも大幅に強化されており、IF7-R以上に歯応えのある戦いを楽しめるが、4人の主人公を完璧に使いこなせていないとクリアは難しい。

ストーリーをある程度進めると「究極闘技」と呼ばれるモードが解放され、用意されたバトルミッションをクリアしていく腕試しに近いモードとなっている。そして、ミッションは以下の5つのカテゴリに分別されて用意されている。

・乱戦闘技:様々な状況や条件で敵を全滅させることを目的としたミッション
・対決闘技:様々な状況で強敵と一対一で戦うミッション
・試練闘技:かなり特殊な勝利条件(例:パートナーより多く敵を倒す、10回ジャストの攻撃で敵を倒す)が設定されたミッション
・疾走闘技:様々な状況や条件でチェイスバトル(敵を追いかけて捕まえる、もしくは敵から逃げ切ることで勝利となる戦闘)をクリアすることを目的としたミッション
・究極闘技:強敵と立て続けに連戦を行うミッション

この5つのカテゴリのバトルミッションは、操作キャラとなる主人公のステータスの変化、装備できる武器が固定されたりなどのハンデが課せられ、さらに登場する敵が強かったり多かったりすることも多いため、全体的に難易度が非常に高めである。そのため、本作をやり込んで腕に自信がついたプレイヤー向けのモードと言っても過言ではない。

チームエンカウントバトル

あるサブストーリークリア後、街中でギャングチームに絡まれるようになる。「神室の盾」と呼ばれるボランティア集団に協力し、町の問題となっているギャングを潰すのが目的。また『1』に登場したカラーギャングが登場するなど、シリーズファンなら懐かしい面々も出演する。

遥のおねだり

これは遥と一緒に神室町を歩き、飲食店やプレイスポットで遥のおねだり(こいこいで○○点とる、ジェラートを買うなど)を聞いてあげる事で遥の好感度を上げるというお楽しみ要素。
クリア後のプレミアムアドベンチャー限定である。

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』のあらすじ・ストーリー

秋山駿編(第一部)

ある日、神室町の一角のビルにある自身が経営する消費者金融「スカイファイナンス」の事務所にて、秋山がひとり呑気にソファーでくつろいでいると、事務所の備品の電話が突然鳴り出す。一度はその電話を無視した秋山だったが、今度は自分の携帯電話が鳴り出した。鬱陶しそうにしながらも秋山が電話に出ると、「ちょっとぉ……今どこにいるんですかっ!? どうして電話に出てくれないんですかっ!?」と、若い女性の怒鳴り声が聞こえてきた。その怒鳴り声の主は、秋山の秘書である花だった。秋山は、経営も含めた仕事は基本的に花に任せっきりで、自分は好きな時にしか仕事をせず、あとは昼寝したり街をぶらついたりばかりしていることが多く、この日も仕事は花に押し付けてひとりで事務所でさぼっていたのだ。そんな秋山に呆れ憤りながらも、花は今日は集金日だから貸付金がある店への見回りに行ってこいと秋山に促した。そこで秋山は、やれやれと溜め息をつきながらも集金の見回りに出かけることになった。しかしその途中、立ち寄った「エルナード」というキャバクラで、酔っ払った極道風の男がふたり暴れている場面に遭遇する。その男たちは、「上野誠和会」と呼ばれる極道組織の一員である伊原勝とその弟分の三島豊だった。酔いに任せた伊原と三島の好き放題ぶりを見かねた秋山は、早速止めに入ろうとするが、伊原と三島は腹を立てて秋山に襲いかかってきた。
秋山が伊原と三島を返り討ちにすると、そこに黒いスーツを着た男と革ジャンを着た男の二人組が現れる。その二人組は秋山の知り合いで、「金村興業」と呼ばれる極道組織の若頭である新井弘明と、若衆の城戸武だった。「相変わらずの強さですね……スカイファイナンスにウチら『本職』が手ぇ出せないのもよくわかる」と、新井は秋山の実力を評価し、そして自分たち金村興業の縄張りであるエルナードでの騒動を収めてくれたことへの感謝を述べた。その後、秋山は新井たちと別れ、エルナードを後にした時、花から早く事務所に戻ってこいという電話をもらう。秋山がどういうことか尋ねると、「ついさっきから、店の外で怖い人たちがケンカしてるんですよ……! なんか一人は銃みたいなの持ってるし、あんなのに巻き込まれたら大変ですよ〜!!」と、花は悲鳴混じりに説明した。それを聞いた秋山は不穏な気配を感じ、急いでスカイファイナンスの事務所のあるビルへと戻った。そして秋山はビルの裏手の駐車場で、銃を手にした新井と、その彼の足元で伊原が倒れているのを目撃した。しかも伊原は、頭を撃ち抜かれて即死していた。驚きを隠せない秋山は新井に何をしているのかと問おうとしたが、新井は答えることなくどこかへ去ってしまった。そして入れ替わりに、青いジャケットを着た若い男が現れる。その青いジャケットの男・谷村正義は、伊原の死体を調べて「殺す気マンマンで撃ってるなぁ」と溜め息をついた後、秋山に逃げなくてもいいのかと聞いてきた。それに秋山が訝しげになると、谷村は先ほど銃を持った新井が走っていくのを見ており、犯人は新井だとわかっているが、秋山がこのままこの場にいると警察に犯人として捕まることになると言った。その直後、警官たちが現れ、秋山を犯人だと勘違いして一斉に彼に詰め寄り、問答無用で警察署へと連行してしまった。
こうして警察に拘留された秋山だったが、次の日、花の証言によって釈放されることになった。警察署を去る際、ひとりの強面の男の刑事が秋山を呼び止めてきた。その強面の刑事・杉内順次は、昨夜の花の秋山を助けようとする必死ぶりを少々バカにしながらも評価した後、これ以上金村興業も含めた極道と付き合うなと居丈高に忠告してきた。さらに杉内は秋山が金村興業にも融資していたことを挙げ、「テメェみてぇに誰彼構わず金を貸すバカがいると、バカから金借りたバカが調子に乗って暴れるんだ……これ以上、俺ら警察の邪魔しないでくれよ」と、さらに居丈高に言ってくる。それに対し秋山は「俺はね……俺なりの信念があって金貸してるつもりなんですよ。だから金貸しはやめません」と毅然とした面持ちで言い返して、歩き去っていった。そしてスカイファイナンスに戻ると、ひとりの白いコートを着た女性が現れ、「すみません。あの……スカイファイナンスって、こちらでよろしいんでしょうか」と、尋ねてきた。「リリ」と名乗ったその白いコートの女性が、10日以内に保証人も担保もなしで現金で一億ほど融資してほしいと頼んできたことに秋山は訝しげになる。しかし、融資をする前に客の信用を測るために「テスト」を課させてもらうとリリに言い、そして明日「テスト」について説明するからまた来てほしいとリリをひとまず帰したのだった。

その後秋山は、映画館の向かいにあるビルの屋上で城戸と会った。秋山が拘留された夜、城戸は新井のことで事情聴取を受けており、兄貴分である彼が何故発砲事件を起こしたのか困惑していた。しかも新井は行方不明であり、さらに新井が発砲事件を起こしたのと同じ頃に、金村興業の組長である金村大が突然何者かに刺殺されたらしく、城戸はもう何が何だかわからないとぼやいた。それから城戸は、殺された金村の死体には赤い口紅が付着していたことから、警察は金村を殺した犯人は女ではないかと疑っていると言った。城戸の話を聞いた秋山が、その犯人の女は色仕掛けを使って金村を殺したと推理した時、その場に突然極道風の男たちが現れた。その男たちは、金村興業の親組織である柴田組の組員たちで、秋山と城戸に突然襲いかかってきた。秋山は城戸を先に逃がした後、柴田組の組員たちを迎え撃ってこれを返り討ちにする。その直後、杉内が警官たちを引き連れて現れた。極道相手とはいえ乱闘騒ぎを起こした秋山を見過ごせない杉内は、再び秋山を連行するべく警官たちをけしかけてきた。
警官たちから逃れ、スカイファイナンスへと帰り着いた秋山だったが、結局再び事情聴取のため、次の日に城戸と共に警察署へ呼び出されてしまう。その後秋山は杉内から、金村興業と柴田組が直系団体として所属しており、さらに上野誠和会とも親戚関係にあたる巨大極道組織「東城会」の本部を、上野誠和会の若頭である葛城勲が訪れたことを聞かされた。東城会の会長・堂島大吾は、新井が起こした騒動のけじめとして現金の5億円と、柴田組の組長・柴田和夫の指を差し出して穏便に済ませようとするが、葛城は「この金と指で全てがチャラという訳にもいかないでしょう」と一蹴する。その理由として葛城は、若頭補佐という自分と並ぶ上野誠和会の幹部組員の地位についていた伊原が殺されたからこそ、上野誠和会の組員たちは納得しないということを挙げた。そこで葛城は、その組員たちを納得させる条件として、犯人である新井の首か、東城会が進めている神室町ヒルズの再開発計画の権利を譲渡することを大吾に要求したのだ。この要求に大吾は反発し断ろうとするが、「これは極道としての面子の問題なんですよ」と葛城は大吾に断ることを許さない。そして、経営権の譲渡が無理なら犯人の新井の首を差し出すだけで構わないが、もし新井の首も用意できない場合は、伊原と同格の東城会の人間、すなわち大吾の側近にして幹部組員の真島吾朗の身柄を代わりに差し出してもらうと葛城は言い残し、その場を去っていった。こうした状況から東城会と、特にこの騒動の渦中に置かれた柴田組は新井を捕まえることに躍起になっているという。その状況を踏まえて柴田組の襲撃について、柴田組は新井の弟分である城戸、もしくは新井につながりのある秋山を捕まえ、誘き出す餌として使うのが狙いだとも杉内は語った。そこで杉内は、新井の待ち伏せも兼ねてスカイファイナンスのあるビルに警官をしばらくの間張り付かせると言い残し、去っていった。
その後秋山は、約束通りやってきたリリに「テスト」として、自分が副業として営んでいるキャバクラ「エリーゼ」でホステスとして3日間仕事をさせることにした。しかしその3日が経った頃、スカイファイナンスの事務所が何者かに押し入られるという事件が発生する。めちゃくちゃに荒らされた事務所の中で傷つき倒れている花を見つけ、何があったのかと秋山が話を聞くと、花はこう話し始めた。数時間前、買い出しに出かけていた花が事務所に戻ると、城戸がやってきていた。事務所の本棚を漁っているように見えた城戸を見て、不思議に思って声をかけた途端、いきなりギャング風の男たちが事務所に押し入ってきた。そして、そのリーダー格の黒いジャケットを着た金髪の男が、懐から出した拳銃の柄でいきなり花の頭を殴りつけて負傷させ、城戸をさらい、スカイファイナンスの顧客名簿を「借りていく」と言って奪っていってしまったのだという。そして花は最後に、金髪の男は自分を「初芝会」という組織の若頭・緑川琢己だと名乗っていて、初芝会は柴田組とは兄弟組織の関係だとも言っていたことを秋山に教えた。それから花を救急車で病院へと送った後、秋山はホームレスたちの協力を得て初芝会の事務所が神室町の劇場の地下にあることを突き止め、早速その事務所へと乗り込んだ。そこで秋山は初芝会の構成員たちを蹴散らしながら事務所の奥へと辿り着き、緑川と初芝会の会長・初芝と対峙し、さらに囚われの身となっていた城戸を発見する。秋山は緑川が借りていった顧客名簿と城戸を返してほしいとまず穏便に済ませようとするが、初芝は「これは借りたんじゃない……もらったんだ。だからあんたに返すいわれはない」とふてぶてしい笑いと共に一蹴する。それに対して秋山は自分が改めて初芝から顧客名簿と城戸をもらうと切り返す。初芝がその言葉に顔から笑いを消すと、秋山は「あんたらの屁理屈にあわせて説明してやってんだ。それなら文句ねえだろう」と啖呵を切る。そんな秋山の啖呵を初芝に代わって答える形で緑川は笑い飛ばし、「てめぇをぶっ殺して、あの姉ちゃんのところに送り返してやるよ!!」と、秋山に襲いかかってきた。

戦いの末、緑川を打ち倒した秋山。緑川がやられたのを見て初芝は顧客名簿を抱えて逃げようとするが、秋山に呼び止められる形で捕まってしまう。そして秋山に恐れをなした初芝は、城戸と顧客名簿を彼に返すと共に、自分は柴田に「リリという女を捜してほしい」と頼まれて、緑川たち構成員をスカイファイナンスへ送り込んだと白状する。そして初芝はすでにリリがスカイファイナンスへ行った情報も掴んでいて、新井を誘き出す餌として城戸をさらうついでに、リリの居場所を探るために顧客名簿を奪ったのだとも語った。また、初芝によると柴田は何が何でもリリを捜し出してやるとすごい剣幕を見せていたらしく、秋山と城戸はなぜ柴田がそこまでリリにこだわるのかと尋ねたが、初芝にもわからずじまいだったという。その後、城戸と別れ、顧客名簿を持って事務所へ戻ると、エリーゼの店長から電話がかかってきた。店長は、リリの3日間にわたる売り上げは300万円越えというトップクラスの成績を叩き出したと報告し、さらに彼女のおかげでエリーゼもだいぶ稼ぎができたとも喜んだ。この成果に満足した秋山は、リリをミレニアムタワーの屋上に呼び出して、テストは合格だと伝え、約束の1億円を現金で手渡したのだった。その後、秋山がスカイファイナンスへ戻ると、病院から戻ってきた花が待っていた。花が秋山にリリに1億円を貸したかどうか尋ねると、秋山は貸したとあっさり答えた。それに驚く花に、秋山は多分あの1億は返ってこないだろうと言うと、花は納得できずに秋山に食ってかかり、ついにその感情を爆発させるかのように「もう、いいです!! 私、会社辞めさせていただきます!!」と、叫んで事務所を飛び出してしまう。思わぬ展開に驚きながらも、秋山は急いで花の後を追った。
そして、街の一角にある公園で花に追いつくと、花は秋山になぜリリにそこまで肩入れをするのかと問うてきた。それにキョトンとなる秋山に、「いくら社長とはいえ、1億なんて大金見ず知らずの人に貸すなんておかしいです! 社長は、あのリリさんって人が『絵里さん』に似ているから貸したんです!」と、花は叫んだ。その言葉に驚く秋山だが、「花ちゃん……それは違うよ」と、静かに首を横に振った。「絵里」というのは秋山の初恋の相手で、かつて彼が東都銀行の銀行員として仕事をしていた時の同僚だった。そして花も、秋山と同じく東都銀行の銀行員で、銀行員時代からずっと彼に憧れ、スカイファイナンスの秘書となることを選んだ。しかし秋山は、当時の先輩であった矢守に身に覚えのない横領の罪を着せられて退職に追い込まれ、挙句にホームレスになってしまい、一方で絵里は秋山を見捨てて矢守の恋人になってしまったのだ。そこでリリがスカイファイナンスを初めて訪れた時、リリが絵里によく似ていたことに秋山は驚いたが、自分はそれで金を貸したわけじゃないときっぱりと言い切った。しかし花は秋山がまだ絵里のことを引き摺っていると言い張り、そんな秋山のことが許せないとさらに叫ぶ。その花の叫びを秋山は認めるように頷きながらも、あくまでリリに1億を融資したのは過去や下心が理由ではないと言うが、花はそれでも自分の考えを変えず、むしろ今までの自分の在り方を見つめ直すためにスカイファイナンスを今日限りで辞めると言い残し、去っていってしまった。そんな花にかけてやる言葉が見つからず、ただその場に秋山がひとり立ち尽くしていると、エリーゼの店長から電話がかかってくる。なんでもエリーゼに極道たちが客として現れ、しかも「リリを出せ」と騒いで居座っているらしいのだ。これは只事ではないと悟った秋山がエリーゼに向かうと、モヒカンで派手な入れ墨を上半身に彫った、真島組の若衆である南大作がカラオケで熱唱していた。その近くのボックス席には、南の部下と思しき真島組の組員たちが居座っているが、南のあまりにも酷すぎるカラオケに揃って顔をしかめていた。そして、一曲歌い終えた後、いきなり現れた秋山に南は怪訝な顔になるが、彼に素性を尋ねられると自分は真島組の若衆だと名乗る。それに驚く秋山は、なぜここにいるのか南に尋ねようとするが、直後にまた新たな曲が流れてきたと共に、南はカラオケを再開しようとする。それを見た秋山が曲を止めると、楽しみに水を差された南は逆上して秋山にマイクを投げつける。秋山は至極冷静に、改めてなぜここにいるのかを尋ねると、「この店に、リリって女がおるって聞いてな。そんでちょっと指名したらなアカン思うてな……」と、南は言った。秋山はリリはエリーゼを退店したと言い、南にリリに何か用があるのかとさらに尋ねると、南は自分は組長である真島からリリを連れてこいと言われただけで、リリの居場所を教えてもらわないと困ると一点張りになる。それに秋山は「そういった御用件でしたら、お引き取りください。私はね、一度自分の店で働いたキャストを、理由もなく売るような真似はできないんですよ」と、毅然とした面持ちで対応すると、「おもろい兄ちゃんやなぁ……ほんなら、こっちも力ずくでも教えてもらうでぇ!?」と、南はついに拳を構えて秋山に向かってきた。

激闘の末、秋山は南を下した。南は負けたことを認めず、再び立ち上がって秋山に挑みかかろうとするが、「やめや。お前の歌は宴会の時だけで十分や」という声が割り込んできたと共に、ひとりの眼帯をはめたスーツの男がその場に現れた。それに南とその部下たちが顔色を変えて、口々に「親父」と眼帯の男を呼んだのを見て、秋山は目を疑った。その眼帯の男こそが上野誠和会の要求にあった東城会の幹部組員にして、真島組の組長である真島吾朗だった。真島は南に代わってリリはこの店にはいないのかと尋ねると、秋山はリリはもう店を辞めた身だと答えた。その答えを聞いて真島は「そっか……遅かったっちゅうことか」と、溜め息をついた。それに訝しげになった秋山が、リリを探す理由は何かと真島に尋ねると、真島は一呼吸おいてこう言った。「アイツは……靖子ちゃんは、俺が守らなあかんねや。それが俺の『償い』やからや。25年前の、あの日のな……」

冴島大河編(第二部)

時は遡ること25年前の4月、東城会直系の極道組織・笹井組の若衆だった冴島大河は、兄弟分である真島と共に、組長の笹井の出世のため、当時東城会とは敵対関係にあった上野誠和会の総長・上野吉春の襲撃計画を企てていた。その計画の内容は、上野が葛城も含めた幹部組員18人が都内のラーメン屋にて会食するところを、真島と共に拳銃で襲撃するというものだった。そこで計画決行の日、現場のラーメン屋へと先に向かった冴島は、真島の到着を待っていた。しかし、上野たちがラーメン屋に到着するという決行の時間を過ぎても、なぜか真島は現れず、このままだと上野たちが会食を終えて去ってしまうと焦った冴島は仕方なしに拳銃を手に単身で上野たちを襲撃。そして白昼のラーメン屋を舞台に壮絶な修羅場を繰り広げた末に、冴島は葛城も含めた18人の幹部組員たちを銃殺し、さらに上野も銃撃した後に自ら警察に出頭した。こうして冴島は殺人容疑で逮捕され、「18人殺し」という悪名の死刑囚として、25年もの間、東京刑務所で過ごした。そして25年後、死刑執行まであと数日と迫っていた中、突如「沖縄第弐刑務所」と呼ばれる施設に移送されることになった。そんな見知らぬ刑務所への突然の移送に訝しげになる冴島に、第弐刑務所の刑務官のひとりである斎藤は「ここは普通の刑務所とはワケが違う。死刑が執行されるまで少しでも長く生きたいなら……精々目立たないようにするんだな?」と、不穏な言葉を投げつけ、冴島を第弐刑務所の独房へと入れた。そこで冴島は第弐刑務所で改めて死刑執行の日を待つことになったが、入所当日の食事の時刻に、元上野誠和会の構成員だった死刑囚たちが襲撃事件の復讐として冴島に襲いかかってきた。これをまとめて返り討ちにした冴島だったが、駆けつけてきた斎藤に騒動を起こした張本人として目をつけられ、懲罰房で執拗な暴行を受けることになる。その時、別の刑務官が懲罰房に現れ、斎藤を止めた。「どうしてだ? 別にいいだろうが! こんなクズひとり殺したところで……!!」と、その刑務官に鼻息を荒くして食ってかかる斎藤だが、「先月もそうやって二人殺しただろ。ちょっとやりすぎだ」と、刑務官は斎藤を諭した。そして斎藤は舌打ちと共に懲罰房を出ていき、冴島が解放されると、ひとりの丸坊主頭の囚人が現れる。その囚人は、元東城会の直系団体・浜崎組の組長である浜崎豪だった。斎藤を止めた刑務官が浜崎に「この礼は高くつくぞ……あまり長居すんなよ」と言うと、浜崎は刑務所の外にいる知り合いに指示を出して口座に報酬の100万円を振り込ませると言った。それにほくそ笑んだ後、斎藤を止めた刑務官も去っていき、懲罰房には冴島と浜崎の二人だけとなった。突然の助け舟を出してきた浜崎に、冴島が訝しげになっていると、浜崎はこの懲罰房を通して沖縄第弐刑務所についてこう話し始めた。この沖縄第弐刑務所は存在自体が日本中の誰にも知られていない刑務所で、冴島と同じく極道上がりで、その上で冴島に匹敵するほどの罪状を持つ凶悪犯罪者たちが収監されている。さらに斎藤はこれまでにもこの懲罰房で、冴島の時と同じように数人の囚人を揉め事を起こしたという理由で懲罰紛いの暴行を加えて殺害していた。そしてそれらの囚人の死体は翌日「病死」として処理され、斎藤の暴行の事実は隠蔽されることから、「極道の墓場」と呼ばれるようになったというのだ。しかし、そうして誰が死んでも文句は言われない刑務所だからこそ、囚人に賄賂でなびいて要求を受け入れてくれる刑務官もいるため、自分にとってはある意味やりやすい場所でもあると浜崎は締めくくった。そんな沖縄第弐刑務所の実態に冴島が閉口していると、浜崎は「アンタに手伝って欲しいことがあるんだ」と切り出し、次にこのようなことを話し始めた。
25年前、冴島が襲撃し、18人の幹部組員たちと共に殺したはずの上野が実は生き延びていた。そして上野誠和会は襲撃事件の後、大勢の幹部組員たちを失ったことで一度は壊滅の危機に追いやられたが、東城会によって持ちかけられた五分の盃を受け入れて親戚関係となったことで息を吹き返し、勢力を拡大している。さらに笹井が襲撃事件の責任を取らされる形で急遽引退したことで笹井組も解散してしまい、入れ替わるように東城会の中で出世したのが、笹井組と出世を巡る形で敵対関係にあった柴田組だという。そして一方、襲撃に参加しなかった真島もあの事件からしばらくした後に自分の組を持ち、さらに東城会の大幹部という大出世で神室町でのうのうと優雅な暮らしをしているというのだ。つまり25年前の襲撃事件は、笹井と冴島から全てを奪い去る結果に終わってしまっただけの出来事となったのだ。その事実に愕然となる冴島に、浜崎は25年前の真実を知ることを協力するのと引き換えに、脱獄を手伝ってもらうことを提案してきた。冴島は最初のうちは半信半疑だったが、浜崎の提案に乗り、彼と共に脱獄することを決意する。そして脱獄決行の日の夜、冴島は浜崎から密かに渡された合い鍵で独房の扉を開け、ベッドを独房の外へ投げつけて叩き壊す。その音を聞いて斎藤たち刑務官が駆けつけてきて、冴島に気を取られている隙に、盗んできた刑務官の服で変装した浜崎が独房の外へ先に抜け出した。そして、斎藤を倒した冴島は浜崎と合流し、次々と襲い来る刑務官たちを蹴散らして彼と共に刑務所内のグラウンドの塀からの脱出を図るが、執拗に追いかけてきた斎藤の銃撃によって浜崎が負傷してしまう。そして浜崎は、「ここから出たら、桐生って男のとこへ行け……! そいつは沖縄にいる……その男を、頼れ……!」と、冴島に言い残した後、斎藤を道連れに海へ飛び降りた。それを見た冴島も後を追って海へと飛び降り、浜崎を探すが、途中で力尽きてどこかへ流されてしまう。

冴島を助けたのが、「堂島の龍」という異名にして生きる伝説で知られる、東城会の元四代目会長・桐生だった。

気がついた時、冴島は沖縄の養護施設「アサガオ」の部屋の布団の上に寝かされていた。そこで冴島は、アサガオの管理人である桐生一馬と、その娘代わりの存在である澤村遥と出会った。桐生の話によると、冴島は海岸に流れ着いていたらしく、そこを犬の散歩に出かけていた遥が見つけたそうだった。桐生は冴島に何があったのかを尋ねようとするが、脱獄犯である身の上を明かせない冴島は口を重くするばかりで応えることはできない。そして冴島は、桐生が浜崎の言っていた男だということに気づくと、桐生に神室町へ行くための協力をしてほしいと頼むが、桐生はこの沖縄から神室町へ行くには時間と金がいくらあっても足りないと断った。そして桐生は、冴島が刑務所から脱獄してきた身の上だと気づいており、世間も騒いでいない今のうちに出頭すれば事は丸く収まると冴島を諭す。だが冴島は自分にはもう後がなく、ここで戻ったらすぐ死刑執行が待っていると反駁する。「俺はどないなことしても、今神室町に戻らなアカンねや! 捕まる前に、俺はこの目で全てを確かめたいんじゃ……!」と、冴島がついに拳を握ったのを見て、「答えはNOか……アンタがどこまで本気なのか、確かめさせてもらうぜ」と、桐生も静かに拳を握り、一騎討ちに応じた。
海岸で互角の勝負を繰り広げる桐生と冴島。しかしその途中で、買い物から戻ってきた遥が割って入ったところで勝負は止められ、さらに冴島も戦いと漂流のツケが体に回って倒れてしまう。「クソ……これでは……浜崎に、顔向けできん……!」と、力尽きてその場に倒れこむ前に冴島が口にしたその一言に、桐生と遥は顔色を変えた。そして桐生と遥の脳裏に、1年前に起きた東城会の跡目争いで桐生たちに敗れ、さらに自身の組も含めた全てを失うことになった浜崎が、その腹いせに神室町の通りで自分たちにナイフで闇討ちをかけてきた姿が思い浮かんだ。その後、再び倒れた冴島を桐生と共に介抱する遥だが、浜崎が桐生をナイフで刺したことを思い出してしまった。もしも冴島が浜崎の知り合いだとするならこのままにはしておけない、と敵意の感情を芽生えさせる遥に、桐生はその気持ちはわかると言いながらも「だからといってこの男が悪い人間と決まったわけじゃない。それに、浜崎も今は変わっているかもしれない」と諭す。その理由として桐生は、1年前の浜崎は確かに敵で悪い人間だったが、戦いに負けて全てを失った怒りの矛先を自分にしか向けられなかったからだろうと述べ、もし浜崎が人を信じる心を持って、自分を頼ってやってきたら今度は力を貸してやるつもりだと言った。それに遥は、1年前の神室町での光景と浜崎への憎しみを思い出してしまったあまり、複雑な気持ちに捕らわれて、何も言うことができなかった。しかし遥は、何となくだが冴島は悪い人間じゃないと認識することができた。その後桐生は買い出しに行くと言ってアサガオを出て行き、冴島に神室町への旅費と手紙も含めた荷物を残していった。その後に目覚めた冴島は遥に感謝を述べ、桐生にも礼を言っておいてくれと伝え、荷物を手にアサガオを後にしていった。

神室町に辿り着いた冴島は、まずは笹井に会うべく笹井組の事務所へと向かうが、事務所は跡形も無くなっていた。そして次に、昔住んでいたアパートへと向かおうとしたが、その途中で柴田組の組員たちと争っている城戸の姿を発見する。冴島は城戸に笹井の居場所を探すよう協力を求めるが、城戸は自分に協力は無理だと固辞する。その代わり城戸は、笹井の居場所を知っている人間として「サイの花屋」と呼ばれる神室町一の情報屋がいることを伝えた。そこで冴島は神室町の各所を回ってサイの花屋に関する情報を集め、ついに神室町の地下にある巨大歓楽街「賽の河原」の奥にアジトを構えるサイの花屋の元に辿り着いたのだった。そして、サイの花屋が協力の条件として提示してきた地下闘技場の試合に冴島は勝ち、彼の協力を得ることに成功したのだった。サイの花屋はまず、笹井は25年前の襲撃事件の後、引退すると共に上野誠和会に報復として命を狙われるようになり、行方をくらまさざるを得なくなったと語り始めた。そしてその数ヶ月後、上野誠和会に襲われたのか半死状態になった笹井を、真島が賽の河原へ連れてきたことでサイの花屋の保護を受け、ホームレスとして身分を隠して今も生き続けているという。真島が関わっていることに驚く冴島に、サイの花屋は自分の推測として、冴島に上野の襲撃へひとりで向かわせる代わりに、真島は上野誠和会が笹井に冴島の報復をすることを予想して彼を守ろうとしたのではないかと語った。そこでサイの花屋が部下に笹井を連れて来させたことで、冴島はついに彼と再会を果たした。しかし笹井は意識がはっきりとしていなく朦朧としている様子で、冴島のこともわからない状態だった。そんな笹井の痛々しい姿に愕然となりながらも、「親父……笹井の親父! 冴島です……今、帰ってきました……!」と、冴島が駆け寄って呼びかけた時、笹井はゆっくりと冴島を見て「さ……え……じ……ま……」と、掠れた声で名前を呼んできた。それに驚きに目を見開いた冴島は、涙を流して笹井を抱き寄せ、「親父……何でこないなことに……? 何でや……何でやぁぁぁぁっ!!」と、悲しみに満ちた叫びを挙げた。その後、笹井を賽の河原に置いた後、冴島は真島に会う決意を固めたが、サイの花屋は現在神室町に冴島がいることを警察がつかみ、厳戒態勢で捜索していることを伝えた。そこで冴島は、城戸がアジトとして提供してくれた初芝会の元事務所にしばらく身を隠すことにし、地下道を使ってその元事務所へと戻る。すると、元事務所に南が居座っていて、「ウチの親父が、アンタに一度会いたいそうや。明日の夜、事務所に来いって」と言って、真島組の事務所はミレニアムタワーの一番上のフロアにあることを伝えた。「ウチの親父のこっちゃ。何や危ない遊びでも考えとるかもしれん……精々、準備万端で来ることやな」と、去り際に不敵な台詞を残していく南に対し、冴島はこう返した。「真島に言うとけ……中途半端な『答え』用意しとったら……そん時ゃ容赦なくテメェのタマ、殺(と)るってなぁ」
次の日の夜、冴島は城戸が教えてくれたルートを使って警官の捜索を掻い潜り、真島のいるミレニアムタワーへと向かった。冴島がミレニアムタワーに入ると、大勢の真島組の組員達と共に南が1階で待ち受けていた。「ホンマに来たんやなぁ! 冴島さんよ!!」と、大声で冴島を出迎えた南は、もしも冴島が自分の兄弟分である冴島なら、自分たちが束になってかかっても敵わないだろうと真島が言っていたと伝える。その南の言葉から、冴島は真島が自分を試そうとしていると理解した。「俺もあの真島が、どの程度の組作ったのか確かめたかったんや……さっさと来いや!!」と、冴島が闘志を滾らせて叫ぶと、「ウチの親父が認めた男や! 遠慮はいらん! 殺すつもりでやったれや! いけぇええええ!!」と、南も闘志を滾らせて組員たちに号令を下した。そして、大乱闘の末に南と組員たちを全員叩き伏せた冴島の前に、ついに真島が現れた。「待たせたなぁ、兄弟。お前には色々言い訳せなアカンねや……ちょっと、面貸せや」そう言って、真島はミレニアムタワーの外へと出ていった。冴島も後を追って外に出ると、ミレニアムタワーの外にも大勢の真島組の組員たちが集まっていた。これなら警察も邪魔はできないだろうと得意げになり、真島はさらにどこかへ歩いていく。後を追いながら冴島がどこへ行くのかと尋ね、「俺とお前の遊び場や」と真島が答えて足を止めた時、一つの建物が冴島と真島の前に現れた。その建物の看板に書かれた名前は「吉田バッティングセンター」だった。

バッティングセンターに入り、真島はバッティングに耽り始める。そんな真島を見て、冴島は25年前の襲撃事件になぜ来なかったのかを問いただそうとするが、真島はボールを打ち返し続けるだけで答えようとしない。それに業を煮やした冴島が、真島がバットで打ち返す前に飛んできたボールを素手で掴みとった。答えろとさらに迫る冴島に、真島はバットを投げ捨ててバッティングセンターの奥へと歩いていった。またも不可解な行動を取る真島に冴島が訝しげになると、真島は彼を振り返り、「何してんねや。早よこっち来いや」と、呼びかける。それから真島は、一度極道の世界に足を踏み入れたからには義理を貫き通すのが自分たちの流儀であり、その義理を守らないというのであれば兄弟分であっても容赦はしないと語った。そして「どんな理由があろうと、俺はお前を裏切った……笹井の親父を助け出せんかった。昔みたいに殴り合うて決着つけて、俺に言い訳させてくれや」と、言いながら真島は上着を脱ぎ、般若の刺青をさらけ出した。この様子から冴島は、真島は話をする前に25年前の裏切りのけじめを拳でつけることを望んでいると悟り、その真島の思いに応えるべく上着を脱ぎ捨てる。そして、虎の刺青をさらけ出した冴島を見て「安心したわ。まだ体はダラついてないようやんか」と、真島が嬉しそうに笑うと、「25年間ムショで毎日鍛えられとったわ……のうのうと暮らしとったお前とはちゃう!」と、冴島は勢いよく言い返して拳を握る。そして真島は懐からドスを取り出し、「それじゃ……こっちも手加減ナシでいかせてもらうで。行くでぇ、兄弟ぃぃぃ!!!」と、吠えて、冴島に向かってきた。大激闘の末、冴島は真島を打ち破った。力を使い果たし、真島と共に床に大の字になりながら、冴島が語るようにこう言った。「なぁ、兄弟……お前も俺も、変わったな……。昔のお前は、俺にとって……もっともっと、強かったような気がするんや。大体その眼帯は何や? そんなもんしとるから……」その冴島の言葉に真島は「もうこの目とも、25年の付き合いやからな。俺や笹井の叔父貴がお前を失ったあの日……俺はこの左目も失った」と返した後、眼帯を外してその失った左目を見せた。真島に冴島は驚きながらも、25年前の襲撃事件に現れなかったのも左目を失ったことが関係しているのかと問うた。すると真島はゆっくりと立ち上がり、一呼吸置いてから、あの上野誠和会の襲撃計画は多分仕組まれていたものだと答えた。冴島が耳を疑うと、真島はさらにその計画を仕組んだ犯人についてこう言った。「柴田和夫。恐らくヤツが笹井の叔父貴やお前……それに、俺をハメた張本人や」
時は遡ること25年前の襲撃事件の日、真島は柴田にとある倉庫の中にひとりで呼び出されて「今日の上野吉春の襲撃……真島さん、行かないでください」と警告された。柴田によると、この上野襲撃は堂島組が勢力を拡大するために考えた計画で、堂島組はこれを冴島のいる笹井組に託したものだという。しかし、今の時期に上野誠和会を潰しに行くのは得策ではないと、当時真島が所属していた嶋野組を傘下に収めている堂島組が方針を変えたからこそ、堂島組の一員である真島には襲撃に向かうなと柴田を通して伝えてきたのだった。だが真島は「兄弟はもう向かってんねや!! アンタは俺に兄弟を裏切れっちゅうんか!?」と反発し、柴田の警告を無視して冴島の元へと向かおうとする。すると柴田は態度を豹変させて、大勢の柴田組の組員たちを呼び出して真島を襲わせ、捕らえさせた。そして真島は捕らえられてもなお反抗を続けたため、柴田組の組員にドスで左目を抉られることになったという。

谷村正義編(第三部)

警視庁神室署生活安全課に所属する若手刑事・谷村正義は、ある日、神室署の取調室で杉内から事情聴取を受けていた。杉内は銃撃事件が起きた日、伊原の顔に谷村の指紋がついていたことから、谷村も現場にいたことを知ってその理由を問い質そうとしていた。しかし谷村は競馬のラジオを無線で聞いており、杉内の聴取など何処吹く風であった。そればかりか、まともに答える様子も全くなく、見回りの時間だと言ってさっさと取調室を出て行った。そんな谷村の後ろ姿に杉内は「何が見回りだ……どうせ違法営業店脅して、口止めに賄賂もらったりしてんだろうが。ダニが」と、吐き捨てた。それから谷村は、違法営業店の取り締まりをしつつ街の見回りをしながら、ある女性を探していた。そして、その取り締まりをした違法営業の風俗店で、その探していた女性・リリと出会う。戸惑いながらも挨拶してくるリリを見て、「驚いたな……25年も経ってるのに、変わらない人もいるもんだ」と、感心しながら意味ありげな台詞を投げかける。それにリリがさらに戸惑うと、「やっと会えた。ずっと探していたんですよ、冴島靖子さん」と、谷村は言った。自分の本名を言い当ててきたことに驚くリリ。リリの本名は冴島靖子で、冴島大河の生き別れの妹だったのだ。兄の大河が起こした25年前の襲撃事件について教えてほしいことがあると谷村は尋ねるが、靖子は何も知らないと一点張りになる。するとそこへ、「やっと見つけたぞ、このクソアマが……ウチの組長がお待ちかねだ。今日こそついて来てもらうぜ」と、物騒な男の声が飛んでくる。谷村が振り返ると、そこに柴田組の組員たちが立っていた。それに対して谷村が今は自分が先客だから出直してくれと頼もうとすると、殺気立った柴田組の組員たちは谷村に矛先を向けてきて、襲い掛かってきた。そして谷村がこれを迎え撃ち、全員叩き伏せた時、靖子の姿がないことに気がついた。谷村が倒した組員のひとりに靖子をどこにやったと尋ねると、その組員はほくそ笑みながら、自分たちがこうして時間稼ぎをしてる間に、東京湾の埠頭にいる柴田の元へと他の組員が連れていったと教えたのだった。谷村は舌打ちしながら、タクシーを拾って東京湾の埠頭へと急いで向かった。
そこで待ち受けていた柴田組の組員たちを薙ぎ倒しながら谷村は進んでいくと、埠頭の奥の事務所と思しき建物に柴田と新井、そして縛られている靖子の姿があるのを発見した。柴田は「計画は今のところ順調だ……お前がこのままずっと身を隠していれば問題ない」と、新井に言った。そして柴田は、大吾も自分が新井を匿っているとは夢にも思っていなく、さらに葛城との会見の場で指詰めの演技までした甲斐があったとうそぶき、明日の昼に神室町に戻って葛城と会って「例の盃」の話をすると新井に言った。それに新井が、神室町に戻れば柴田と葛城が内通していることが東城会本部にバレると危惧すると、柴田は「問題ないさ」と言い切る。その根拠に新井の起こした銃撃事件を挙げ、その謝罪として葛城に会っているくらいにしか思われないとも言い切った後、「確かにお前が心配するのもわからんでもない。この女のおかげで、思わぬ面倒を背負いこむハメになったからな」と忌々しげに柴田は靖子を振り返る。そして、靖子の口にかましている猿轡を外した柴田は、靖子が現在世間を騒がせている連続殺人事件の犯人だと言い、その殺人の標的としてなぜ金村も含めた自分の組の関係者ばかりを狙ったのかと問うた。その問いに靖子は「……仕方なかったんです。1億なんて、用意できると思わなかったから……」と、目を伏せながら答えた。それに柴田が何をおかしなことを言っていると首を傾げると、新井は靖子が犯人だと分かった以上早く始末するべきだと進言する。しかし柴田はその進言を却下し、靖子がどうして自分の組の人間を殺して回ったのか知りたいだけだと言い放ち、靖子の体に手をかけた。すると、新井が突然拳銃を引き抜き、背後から柴田めがけて発砲した。突然の銃弾を受けて、驚きと苦悶に顔を歪めて倒れる柴田。その柴田を冷ややかに見下ろして「アンタはもう用済みだ」と、新井は吐き捨てる。どういうことだと苦し紛れに問うてくる柴田に、新井は「心配しないでください。これも計画の内なんですから。この女の仕事は終わってない……まだ必要なんですよ。『我々』にはね」と答えた。それに驚く柴田に、新井はその靖子が必要な「我々」の中には自分と葛城が含まれており、他にも数名の協力者がいることを告げた。そして新井は、25年前の襲撃事件で柴田は自分の出世のために葛城と手を組んだが、事件の後に柴田がその真相をネタに葛城に何かと見返りを求めるようになったことを挙げた。だからこそ葛城にとって柴田はもう邪魔者でしかなくなり、自分に始末するよう言い渡してきたと新井は教え、瀕死の柴田にとどめを刺そうとした。すると扉が開いて、外から一部始終を伺っていた谷村が拳銃を手に乱入してくる。警察だと叫ぶ谷村を見て舌打ちし、新井は柴田と靖子を置き去りにして逃走した。そして谷村は柴田に駆け寄り、25年前の襲撃事件の真相を問い質そうとするが、柴田は答える間もなく息絶えてしまった。

その後谷村は、亜細亜街の馴染みの中華料理店に靖子を匿い、彼女から改めて25年前の襲撃事件について話を聞いていた。谷村はその事件で、育ての親である谷村大義を殉職で喪っており、その死に方が明らかに他殺だったが事故死と認定されたことに不信感を抱いていた。そこで、その大義が殉職した理由をひとりで密かに探っていたところ、大義が事件の調査をしていく中で靖子に接触しようとしていたことを突き止め、手がかりとして彼女を探していたのである。靖子は大義が死んだ日、大義と接触することになった神室町の喫茶店で待っていても彼は現れなかったと言った。そして靖子はその日の朝、大義から「待ち合わせの時間を夕方に遅らせてほしい」という電話があり、その理由に「あの事件、実行犯は君のお兄さんだが真犯人は別にいる。あと少しで証拠が入るから待ってくれ」と言っていたことを谷村に教えた。それに驚く谷村に、靖子は大義が最後に「この事件は極道同士の抗争ではなく、もっと『強大な力』が生み出したものだ」と、言っていたことも伝えた。こうした靖子の話から、谷村は大義の死はやはり他殺であり、さらに大義は調査を進めていくうちに襲撃事件の裏に隠されていた何かを知ってしまったのが原因だと確信した。それから次に谷村が、靖子になぜ柴田組の人間を殺して回っていたのかを尋ねると、靖子はそれは葛城に要求されたからで、葛城は「事件の真犯人を知っている」と意味ありげな言葉を投げかけてきたのだと言った。そこで葛城は、服役中の兄を助ける協力の見返りとして、1億円を用意するか、柴田組の人間を殺すかのどちらかを選べと靖子に言ってきたのだ。さらに葛城が自らを25年前の襲撃事件の被害者だと明かしてきたことから、25年前の襲撃事件の真相を知っている柴田組の口封じをさせたのだろうと靖子は言った。こうした靖子の話から、新井の言う通り25年前の襲撃事件の裏で葛城は柴田と組んでおり、柴田はその事件の真相で葛城を強請っていて、それが理由で葛城と協力関係を結んでいた新井に殺されたのだと谷村は結論づけた。その後靖子は、兄が収監されている刑務所のある沖縄へと向かい、谷村は彼女から彼女がスカイファイナンスから借りた1億円を受け取った。さらにサイの花屋の密かな手回しによって、谷村は葛城とのコンタクトを取ることに成功する。そこで谷村は、葛城に会う条件として、彼が靖子に協力の見返りとして求めていた1億円を持ってミレニアムタワー前に彼を呼び出し、直接話をする機会を得たのだった。
谷村が早速、葛城に襲撃事件の真相を尋ねると、葛城はこう語り始めた。25年前の襲撃事件は葛城が柴田と共謀して仕組んだもので、柴田が別の場所で真島を足止めする一方、現場にいる葛城が出世の邪魔となる他の上野誠和会の幹部たちを抗争に見せかけて冴島に殺させる筋書きだった。さらに襲撃当日、事前に冴島がどうやって襲撃してくるかについても葛城は予期しており、防弾チョッキを仕込んでいたことで生き延びることができた。そして事件の後、当時幹部組員のひとりだった葛城は若頭に就任し、共謀した柴田も対立する笹井組が冴島の責任を取る形で解散となったことで、東城会の幹部昇格という出世を果たすことができた。こうして計画は見事成功したが、その後も柴田が事件の真相をネタに自分を強請ってきたため、葛城は柴田の排除を画策。そして襲撃事件の実行犯の妹である靖子に近づき、服役の身となっている兄を助ける話を彼女に持ちかけ、彼女を使って柴田組の人間を次々と殺させたのだ。
次に谷村は、大義の死の真相を葛城に尋ねた。それに葛城は、大義は事件の裏にいる自分と柴田の存在を突き止めたが、その調査を進める中でもっと大きなものを見つけたと言った。その大きなものとは警察内部の不正であり、あの襲撃事件には警察の人間も黒幕として関わっていて、その目的は冴島大河ではない真犯人を隠すためだという。それを聞いた谷村が葛城が靖子に言った真犯人はそいつのことだと察した。そして葛城は、大義はその真犯人の正体と、その真犯人を知りながらも事実を隠蔽した警察の不正を知ったことで殺されたのだと締めくくった。谷村はその真犯人の正体を教えろと迫るが、葛城は「その前に取引です。冴島靖子さんの居場所、教えてもらいましょうか」と、牽制をかけてきた。その言葉に谷村は靖子なら沖縄に行ったと言い、彼女の代わりに1億を葛城に差し出そうとする。しかし葛城は「手遅れなんですよ……冴島靖子も、お前も」と一蹴した。その瞬間、辺りの人気がいつの間にかなくなっていることに谷村が気づくと、背後から大勢の上野誠和会の構成員たちがぞろぞろと現れた。葛城は谷村をここで始末した後に靖子も始末すると宣言し、さらに冥土の土産とばかりに谷村にこう言った。「25年前の事件……18人殺した真犯人、あれね、俺なんだよ」その不敵な葛城の言葉に谷村は驚くと共に気色ばみ、どういう訳かと尋ねようとしたが、葛城は答える気もなく部下に谷村の始末を命じるとその場を去っていった。万事休すかと思われたその時、1台のパトカーが物凄いスピードで走り込んできた。そのパトカーから降りてきたのは、杉内とその部下の刑事たちだった。「お前ら全員、捜査一課でまとめて面倒見てやる! 覚悟しろ!」と、杉内が部下たちと共にこの場を引き受けたおかげで、谷村は窮地を脱することができた。その後、次々と向かってくる上野誠和会の追っ手を倒しながら、谷村は亜細亜街へと退却したのだった。

次の日、谷村は直属の上司で生活安全課の課長・久井聡の協力を得て本庁に入り、過去に起こった警察の不祥事の資料を全て保管していることから「不祥事の間」の二つ名で知られている13号資料室で、襲撃事件の資料を発見する。その資料に目を通す中、捜査の担当刑事に大義だけでなく、杉内の名前もあったことに谷村は驚いた。杉内はもちろん、神室書の誰からも一度も聞いていないその事実と、葛城から聞いた襲撃事件に警察も裏で一枚噛んでいることを照らし合わせて、谷村は警察内部の誰かが葛城と内通しており、そして大義を殺したのかもしれないと踏んだ。その後、裏切り者と大義殺しの犯人と調査へ向かう前に靖子の1億円を返しにスカイファイナンスを訪れた谷村は、秋山と再会する。そこで谷村からリリこと靖子の事情を説明して秋山に1億円を返そうとするが、秋山は靖子に直接返してもらうのが筋だと断固として受け取りを拒否する。そして秋山は谷村に、あの発砲事件以来行方をくらましていた被害者の伊原の舎弟・三島が、発砲事件のことも含めて自分の知っていることを全て教えるのと引き換えに警察に保護を求めているらしいことを教えた。そこで谷村は三島の保護を引き受けると共に、警察内部にいる裏切り者を炙り出すべく、警察に三島の情報をわざと流した後、彼が隠れている東京湾の埠頭へと向かった。そして埠頭の倉庫で谷村と会った三島は、発砲事件があった日、自分は伊原と共にエルナードで暴れろと葛城に指示され、秋山に敗れた後はエルナードの近くにあるチャンピオン街のゴミ捨て場で目を覚ましたことを打ち明けた。秋山に敗れた後の三島は気絶していて、おそらく伊原が三島をチャンピオン街まで運んだのだという。その後、三島は事情が飲み込めず伊原を探したが、スカイファイナンスのビルの近くで死体になった伊原を見つけ、恐怖に駆られるあまり上野誠和会の本部へと逃げ込んだ。だがその時、葛城が警察関係者と電話で話しているのを近くの部屋の壁ごしで耳にして、その会話の中で葛城が「予定通り、伊原は死んだ。三島も発見次第、始末する」と言っていたのを聞いた三島は、再び恐怖に駆られて本部を逃げ出した。そして今の今まで三島はこの埠頭の倉庫に隠れ続けていたが、このままだと上野誠和会に殺されると怯えきって、刑務所でもどこへでも行く覚悟で警察に保護を求めてきたのだ。こうして三島から全てを聞いた谷村は、とりあえず彼を亜細亜街まで連れて行こうとしたが、その直後、銃声が響いて、どこからか飛んできた銃弾に三島は倒れた。「全くお前にはつくづく驚かされるぜ。まさかたった一人で、ここまで事件の真相に近づくとはな」と言って、暗闇の中から拳銃を構えて現れたのは、杉内だった。谷村は杉内を前にしても、驚いてはいなく、杉内にそこを問われても予想の範囲内だとあっさり答えた。そして谷村は、杉内が普通の刑事じゃないということは結構前から気づいていたと言い、その根拠としてまず杉内が履いている靴を指した。谷村曰く、杉内の靴は高そうな上に綺麗すぎるらしく、普通の刑事ならば安物の靴を履き潰すまで履くとのことだった。そして次の根拠として谷村は杉内が腕につけている時計を指し、一介の刑事の給料で買うには高すぎる上に、一部の人間しか買えない代物だと言った。こうした点から、谷村は杉内が葛城の内通者だと指摘すると、杉内は鼻を鳴らしながらも谷村のその観察力を評価した。しかし谷村は、杉内が何か自分に葛城との内通の関係に気づいて欲しかったように思えてならないと述べた。その根拠に谷村は自分が葛城と接触した際の杉内の助太刀と、さらに葛城に狙われそうになった馴染みの中華料理店のオーナーとその娘を杉内が久井に保護させたことを挙げ、杉内のその二つの行動はどちらも分かりやすいものだったと言った。その上で谷村は杉内が葛城との関係に疲れていたのではないかとさらに指摘するが、杉内は逆上して威嚇として拳銃を発砲する。「てめぇはまだ何にも真相に近づいちゃいねえよ……俺のこと分かったような口、聞くんじゃねえ!!」と、杉内が吠えた瞬間、「そこまでだ」という男の声と共に倉庫の明かりが一斉につく。そして、警視庁捜査一課長・須藤純一と拳銃を手にした警官たちが現れて杉内を取り囲んだ。須藤は、杉内に葛城との内通の関係はもう割れており、おとなしく投降しろと迫る。すると杉内は突然不気味な笑いを浮かべて、「やっぱりお前ら何も分かっちゃいねえよ!! てめぇらごときがなぁ、俺の正体知ったとこで……結局何もできやしねんだよっ!」と、吠えた後、警官隊の隙をついて、埠頭に停めてあるモーターボートで逃走する。谷村もその後を追ってモーターボートに乗り込み、海上での激しい追跡劇を繰り広げた末に、対岸の埠頭で杉内を追い詰める。追い詰められた杉内は、谷村に向かって「教えてやろう。お前の親父さんはな……俺が殺ったんだよ」と、言い放った。その言葉に谷村が一瞬驚いた隙をついて杉内は殴りかかってきたが、谷村は杉内のその手と自分の手に手錠をかけて、逃走を封じ込めた。「もう、逃がさねぇぜ……!!」と、鬼気迫る形相で谷村が言い放つと、「手錠かけたくれぇでな……捕まえたと思ってんじゃねえぞ、谷村ぁぁぁ!!!」と、杉内は再び吠えた後に殴りかかってきた。谷村がそれをかわすと、杉内は再び拳銃を手に取って発砲してきた。しかし谷村は手錠の鎖を盾にして反撃し、鎖が切れて互いに自由に動けるようになった。そしてそこから、谷村と杉内の激闘が幕を開けた。激闘の末、谷村は杉内を打ち破り、拳銃を手にして杉内に大義を殺した犯人を教えろと迫る。しかし杉内は、自分が殺したと答えを変えない。そんな杉内に谷村は「何でだよ……何でアンタなんだよ? 何で警察官が警察官を殺さなきゃならねぇんだよ……!」と、目に涙をためて叫ぶが、杉内は谷村の涙を鼻で笑った後、こう言った。「俺はな……そもそも警察官じゃねぇ。極道なんだよ」その言葉に谷村が再び驚くと、杉内は自らの素性について語り始めた。

杉内は葛城と同じ上野誠和会の極道で、さらに彼とは兄弟の盃を交わした間柄だった。そして葛城の命令で、警察の内部事情をスパイするために杉内は自ら警察学校に入り、極道と刑事としての二足の草鞋を履いていたのだ。また、杉内は25年前の襲撃事件についてもこう語った。冴島の襲撃を受けながらも防弾チョッキを着込んでいた葛城はもちろん、銃撃を受けた他の幹部組員たちもなぜか生きていた。そして気がついた幹部組員たちに、葛城は自分たちが受けた銃弾はただのゴム弾だと説明した。冴島が使用していた拳銃には、内部の弾丸を全てゴム弾にすり替えられるという細工が葛城によって施されていたのだ。そして葛城は、自らの出世の邪魔となる他の幹部組員たちを始末するべく、自ら拳銃を手にして次々と彼らの頭を撃ち抜いては殺していったのだ。そこへ杉内が現れて終わったかどうかを尋ねると、「俺もちゃんと入院しねえとな……死なねえ程度に撃ってくれ」と、葛城はうそぶきながら、杉内に拳銃を手渡した。そして杉内は、葛城の右肩を拳銃で撃って負傷させ、襲撃事件の現場の状況を冴島がやったかのように完璧に仕立て上げたのだった。その後杉内は、当時の刑事部長であり、現在の警視庁副総監である宗像征四郎に襲撃事件の報告をしたが、宗像は、杉内の報告が嘘のものであることを見抜いた。その理由として宗像は、襲撃事件の現場の状況から冴島は襲撃する際幹部たちの抵抗を当然受けており、そうして狭い店内で起きた乱闘の中で、正確に18人の幹部全員の頭部を撃ち抜く余裕は冴島にはないはずだと言った。次に宗像は、杉内の報告が嘘であることについてのふたつの根拠を述べた。まず、幹部たちの死体には最初に冴島が撃ったゴム弾の傷跡が残っていて、そのゴム弾はもともと警察関係者が暴徒鎮圧用に試験開発したもので、宗像によると警察内部の誰かがそのゴム弾を横流しした可能性があるという。その次に、18人の幹部が頭を撃ち抜かれて殺されたにも関わらず、葛城だけは肩に実弾を受けており、宗像曰く、正確に標的の頭を撃ち抜く腕を持った犯人が葛城の時だけ狙いを外したのは不可解なものだということだ。以上を踏まえて襲撃事件は葛城が仕組んだものだと宗像は杉内に言い、さらに刑事として有能である杉内が、事件を担当していたにも関わらずこうした点に気付けないのはおかしいとも指摘した。こうして宗像は、杉内が嘘の報告をし、さらに葛城とも内通していることを見抜いたのだった。言葉に詰まる杉内に、宗像は意味ありげな笑いを浮かべ、自分を葛城に会わせればこの事件の顛末は杉内の報告通りにしてやってもいいと言った。それに迷った杉内は、宗像の要求を呑み、葛城と引き合わせることで宗像を後ろ盾につけた。そして大義は、襲撃事件の真相だけでなく、杉内と葛城の後ろ盾となった宗像の存在にも気づいたことで、杉内に口封じとして殺されることになったのだ。
杉内だけでなく、副総監の宗像までもが襲撃事件と大義の死の黒幕のひとりとして大きく噛んでいたという途方もない事実に谷村は言葉を失うが、杉内は「これで楽になった」と、安堵の溜め息をついた。宗像を葛城と引き合わせてから30年もの間、極道と刑事という二足の草鞋を履き続ける中、自分は一体何をしているのかわからなくなったと杉内は自らの辛い心中を吐露した。そして一方で、刑事として最初からまっすぐに生きられる谷村を杉内は羨ましく感じていて、谷村みたいに悩み、苦しみ、走ったりして力一杯刑事をやりたかったとも言った。そうして本音を出した後、杉内は谷村に「逮捕しろよ。お前は自分の力で……父親の仇、捕まえたんだ」と言って、自らの両手を差し出した。谷村は手錠をかけず宗像の目的を問おうとしたが、杉内はこれ以上は何も知らない方がいいと言った。すると谷村は、「ダメなんだよ!! それじゃダメだって……親父が言ってる気がするんだ!」と、声を荒げ、さらに杉内に問おうとした瞬間、杉内の胸をどこからか飛んできた一発の銃弾が貫いた。谷村が振り返ると、その杉内を撃った人間が乗っていると思しきモーターボートがどこかへと去っていくところだった。谷村が倒れた杉内に駆け寄ると、杉内は「谷村……俺だけじゃないんだ。裏切り者は……」と、力を振り絞って谷村に言った。それに谷村が三たび驚いて問いただそうとするが、杉内は血を吐いた後、心から安心した表情になり、「これで……ようやく……楽になれる。ありがと、な……」と、谷村に言い残し、そのまま息を引き取った。そして夜の埠頭に、「杉内さん……!? 目を開けろ!! 杉内っ! 杉内ぃぃっっ!!!」と、谷村の叫びが虚しく木霊した。その後、本庁の副総監室で、宗像が何者かに電話による報告を受けていた。「そうか。杉内が死んだか」と言う宗像に対し、「ええ……命令通り始末しました」と、答えたのは、久井だった。久井こそが杉内の言ったもうひとりの裏切り者で、宗像の命令を受けて杉内を口封じに狙撃で射殺したのだ。さらに電話をしているこの中華料理店で、久井は宗像の命令によって、自分たちの陰謀について谷村から聞かされている可能性がある馴染みのオーナーとその娘を始末するべく、ふたりを拘束していた。そして、谷村の身の周りの事実を知る人間をこれから始末すると電話で宗像に嘘の報告をした直後、久井は自分に銃口を向けた。久井は、宗像の内通者として彼に協力し続けることに良心の呵責を感じ続けていて、同僚である杉内を手にかけたことも内心では後悔しており、最後は谷村を守るために自ら命を絶つことを決断したのだ。そして久井が引き金を引いた直後、一発の銃声が中華料理店に響き渡った。

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ぷよぷよテトリス2(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

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『ぷよぷよテトリス2』とは、『ぷよぷよ』と『テトリス』という2つの落ち物パズルゲームによるコラボレーション作品で、2014年発売のゲーム『ぷよぷよテトリス』の続編である。2020年にセガから発売されたアクションパズルゲームだ。 前作同様『ぷよぷよ』同士・『テトリス』同士・『ぷよぷよ』対『テトリス』の対戦などが行える他、演出が強化され、「スキルバトル」という全く新しい対戦形式が実装されている。ルールが簡単な対戦ゲームとして、配信者の間でも人気となった。ストーリーは前作の続きとなっている。

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サクラ大戦3(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

サクラ大戦3(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』とは、2001年にセガから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。『サクラ大戦』シリーズの3作目であり、タイトルにもある通り物語の舞台をパリへと変更し、登場キャラクターも一新。極めて美麗なOPアニメーションが話題となった。 日本で帝国華撃団が悪党を退けた頃、フランスの都パリでも謎の怪人による事件が続発。事態を打開するため帝国華撃団の隊長である大神一郎がパリに派遣される。新しい仲間たちと協力しながら、大神はパリの市民を脅かす怪事件に挑んでいく。

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