自己中なのにシビれる憧れる!『ジョジョ』の奇妙な漫画家、岸辺露伴

『ジョジョの奇妙な冒険』第4部に登場する天才漫画家岸辺露伴氏。才能と性格は一致しないと言いますか、「自己中」「ドS」な部分が無きにしも非ず。なのに惹かれるし、第4部終結後もスピンオフ作品が描かれるほど。作者をも篭絡する彼の魅力は一体どこから来るんでしょうか?

露伴先生といえばやっぱり漫画。実際の作画に入る前、インクにペン先を浸してましたが、精神集中の為の行為なんでしょうか。このあと、インクを飛ばしてベタ(黒く塗りつぶす)作業も行います。

背中に張り付き、ささやき続けるスタンド「チープ・トリック」。背中を見られると「本体」を殺して「見た」人物に憑依。つまり背中を見た人物が次の本体となるわけです。壁伝いに歩いたり、人の背中にぴったりくっついたりして見られないように承太郎のいるホテルへ向かおうとしているかに見えましたが…。

「参った」かに見せかけての勝利。

この街にある「振り返ってはいけない」小道が本来の目的地でした。先に挙げた「いかにして敵を倒すか」という戦法による勝利です。背中を見せられた康一にとりつこうとして振り返った瞬間、「チープ・トリック」は「振り返った者」を連れ去る存在によりいずこかへ。「ヘブンズ・ドア」の能力で「地獄に行く」と書かれてたんで多分行き先は地獄…?

主な関連人物

東方仗助

髪型をけなされるとブチ切れて周りが見えなくなる直情傾向ですが、「優しい」能力を持った主人公。パーマンは知らなくてもアラレちゃんは知っていて、何でも直す、治すことのできるスタンドを持っています。露伴先生とは仲、悪いです。家が半焼する原因となるわ仕事休む羽目になるわで、いい印象持たれないのも仕方ない。

広瀬康一

露伴曰く「親友」。彼の持つ「スタンド」の記録、性格を気に入られたため、当初は漫画のネタとして本のページを搾取されかけましたが、露伴が仗助にボコボコにされてからは半ば強引に取材に付き合わされたりしてました。「チープ・トリック」戦ではからかわれたと思い込んでましたが、何か変と気づいて戻ってきたりと中々にいい子です。何でか変人、悪人に好かれる傾向にありますが。

杉本鈴美

15年ほど前、殺人鬼により殺されて今なお「時折現れる小道」に住んでいる幽霊の少女。何故か露伴を「ちゃん」付けで呼んでいましたが、事件の夜、4歳だった彼は一人杉本家に預けられていました。怖かったのか単に幼かったせいか覚えていなかったという。「ヘブンズ・ドア」でも自分のことは探れないため分からずにいたのです。

露伴にツンデレ台詞を吐かせた強い女性(ひと)です。

スピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』

単行本化されてます。『懺悔室』『六壁坂』『富豪村』『密漁海岸』の4編を収録。「『六壁坂』以降は4部世界じゃないんじゃないか」という説もありますが、時に取材のため、時に巻き込まれて「奇妙な冒険」をすることに。

『懺悔室』より。ある教会を取材中、「神父の入る部屋」にいたら「懺悔したい」とある男が…。

この作品でも露伴先生の自己中ぶりは発揮。「僕に罪なんてない」ってどの口が言いますか…。勝手に神父の部屋入っといて。もっとも、それは冒頭のみ。懺悔に来た男の告白内容、及びラストはホラーです。ホラー漫画のネタができましたね、露伴先生。

『六壁坂』より。皮肉全開。

『富豪村』より。ここでは「マナーが悪い」客に別荘も土地も売らない、という決まりが。

このトウモロコシのお題の際「この岸辺露伴を舐めるなよ」と静かに啖呵を切るのがまた、クールで熱い。

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