松田平太(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
松田平太(まつだ へいた)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人である。砂金の専門知識を持ち、北海道での砂金の採取に情熱を燃やしている。だが、その本性は多重人格の殺人鬼である。自分がかつて同居していた長兄夫婦、次兄、父親、ヒグマの人格を持つ。自分の家族がヒグマに襲われて殺され、自分もヒグマに襲われて殺される幻覚を見る。その後、自分の体をヒグマに乗っ取られて人を襲って食べるという異常な殺人を行う。
杉元に銃剣で何度も刺された松田は、苦痛にもがく。次の瞬間、ヒグマの毛皮の口から松田が這い出してきた。松田を支配していたウェンカムイの人格が隙を見せたので、松田本来の人格が表に出てきたのだ。主人格の松田は手を伸ばし、近くに張ってあったロープに手を伸ばし、引っ張った。このロープはアマッポの「さわり糸」で、毒矢が杉元に向かって放たれた。毒矢が杉元を刺す直前、松田は自らの身を挺して杉元を庇い、毒矢を首に受けた。驚く杉元と倒れる松田。そこへアシリパと白石が駆け付けてくる。松田はウェンカムイに勝った事を喜んでいた。その顔はどこか明るく、目に光が宿っていた。白石は松田を助けようとしたが、松田はこれを断った。そして松田は死ぬ間際に杉元達に独白を始める。自分が稼いだ金を散財する家族を憎んでいたこと、ヒグマに襲わせて彼らを殺したこと、そのヒグマがウェンカムイとなって自分を食い殺す幻覚に苦しみ続けていたことを松田は語った。更に松田は誰かに自分を止めてもらいたかったこと、杉元とウェンカムイが戦い、松田が自らの命を断った事で、松田は自分の中のウェンカムイを消す事が出来た事を語る。独白を終えた松田は静かに息を引き取った。こうして松田平太は物語から退場した。
松田平太の関連人物・キャラクター
杉元佐一(すぎもと さいち)
本作『ゴールデンカムイ』の主人公。「不死身の杉元」と呼ばれている。アイヌの金塊を求めてアシリパと行動している。日露戦争の203高地を巡る激戦で、首を撃ち抜かれながらも死闘を繰り広げて生還した。鬼神の如き強さを持ち、ヒグマと正面から戦いを挑んで何度も生還している強者。「不死身の杉元」の異名の通り、銃で頭を撃ち抜かれようと、ヒグマに殴られようと死なない。敵に対して容赦はなく、倒した刺青の囚人の皮を何度も剥いでいる。仲間も時々恐れる冷酷さを持つ一方、乙女で優しい一面を持つ。金塊を探しているのも、戦争で死んだ親友の奥さんの病気を治す為である。またアシリパと出会い、アシリパの力になろうとしている。敵に対しては冷酷で恐ろしい存在だが、本来の人柄は優しい人物である。
アシリパ、白石、ヴァシリと共に行動をしている。
「1日で50円稼いだ男」の噂を聞き、雨竜川に行く。目的は金塊を探す為の路銀を、砂金採りで一気に稼ぐ為。
そこで偶然、崖から落ちそうになっていた松田を助ける。初対面の松田の額の傷を気にかける優しさを見せた。松田に気に入られた杉元は白石と共に砂金採りを指導してもらう事になる。松田の砂金への情熱に感銘を受け、松田を「平太師匠」と呼んで慕い始めた。
雨竜川編では砂金を白石と共に採り、松田の支離滅裂な言動に困惑していた。最終的にウェンカムイに支配された松田と死闘を繰り広げる。その際、左腕をへし折られている。また、松田を銃剣で何度も刺した事で松田のウェンカムイの人格に隙を作る役割を果たす。
白石由竹(しらいし よしたけ)
24人の刺青囚人のうちの1人。「脱獄王」の異名を持つ。その名の通り、あらゆる監獄から脱獄をしている。体の関節を自在に外す事が出来、小さな穴でも体を滑り込ませて通り抜ける事ができる。金塊を狙っているが、杉元との信頼は厚い。劇中で松田の砂金への情熱に感動して杉元と手を握り合っていた。松田の事を杉元とともに「平太師匠」と呼び慕う。杉元と共に砂金を採取していた。ヒグマが出てからは別行動をするヴァシリを呼びに行ったりと伝令役として活躍していた。松田の死後、事情を知らない白石は松田の遺体にすがり、泣いていた。その死を悼んでいるのかと思いきや、次に何処で砂金を掘れば良いのか分からなくて泣いていた。
杉元、アシリパ、ヴァシリと行動を共にしている。
アシリパ
本作『ゴールデンカムイ』のメインヒロイン。アイヌの少女で、金塊を隠したのっぺらぼうの一人娘。金塊の在り処を示す暗号の鍵を握っている。物語の最重要人物である。アイヌ文化を重んじながらも、常に新しい考えを取り入れる強さを持つ。その純粋さと真っ直ぐさに、主人公の杉元を含めた様々な人物が心を動かされている。
劇中では、路銀を稼ぐ為に砂金を掘る事になった杉元と白石を冷めた目で見ている。これはかつて、砂金を掘った事でアイヌが大切にしていた自然と生態系が壊されてしまったからである。砂金を掘る事に難色を示していた。
松田を狙うヒグマの話に真っ先に疑問を抱いていた。自然や動物について造詣が深い為、ヒグマが居た痕跡が無いことに一早く気付いていたのである。また、松田の不自然な様子を怪しんでいた。
ヴァシリがアマッポで殺されそうになった際には、後ろから突き飛ばして助けている。
杉元、白石、ヴァシリと行動を共にしている。
ヴァシリ
元ロシア帝国樺太国境守備隊の狙撃兵。尾形に口元を撃ち抜かれている為、話す事が難しい。いつも口元をすっぽりと覆っている。絵が上手でコミュニケーションは主に絵で行われる。雨竜川編では自然や動物をスケッチしていた。そこへ、義姉の人格の松田に裸体像を描くよう依頼され、松田の裸体を熱心に描いていた。この松田の裸体像のお陰で、松田が刺青の囚人である事が明確になる。
海賊房太郎(かいぞく ぼうたろう)
224話にて登場。雨竜川編には登場していない。雨竜川編以前のエピソードとして、回想で登場。支笏湖で松田と共に金塊の捜索をしていた。水掻きを持ち、冬にも関わらず30分以上支笏湖に潜水した。
親父
松田の父親。ヒグマに殺された後は次兄と共に雪に埋められた。
松田の人格の一つ。家族のまとめ役である。穏やかな性格。酒好きでこっそり買いに行っている。
嵩ニイ(たかにい)
松田の長兄。ヒグマに喰われ、頭を踏み潰されて死んだ。ヒグマに喰われている際には念仏を唱え続けていた。
松田の人格の一つ。疑り深く、嫉妬深い性格。杉元一行を警戒したり、妻であるノリコがヴァシリに色目を使った際にはアマッポで殺そうとした。松田はかつて長兄の妻に手を出そうとして長兄に殴られたと話している。砂金についても独占欲が強く、松田が杉元一行に砂金の知識を教えようとした際には怒鳴って止めようとしている。攻撃的な人物である。
ノリコ
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目次 - Contents
- 松田平太のプロフィール・人物像
- ウェンカムイの話がトラウマになる
- 人格が分裂し、殺人鬼になる
- 松田平太の装備・能力
- 煙草入れ
- 舶来の長靴
- カナペラ
- ガラス箱
- 砂金の知識
- ネコ板
- アマッポ
- ヒグマの毛皮
- ウェンカムイの人格
- 松田平太の来歴・活躍
- 砂金採り師として道東で活動
- ヒグマに家族を襲わせてしまう
- 死刑囚として網走監獄に収監される
- 脱獄後、北海道中の川と湖を調査
- 雨竜川を拠点に砂金を採取
- 杉元一行と遭遇
- 杉元一行と行動
- ウェンカムイの妄想が近づいてくる
- ヴァシリに裸体を描かせる
- ヴァシリを殺そうとするも失敗
- 杉元一行、松田が刺青の囚人だと気付く
- ウェンカムイに支配される
- 杉元と交戦
- 自ら命を断つ
- 松田平太の関連人物・キャラクター
- 杉元佐一(すぎもと さいち)
- 白石由竹(しらいし よしたけ)
- アシリパ
- ヴァシリ
- 海賊房太郎(かいぞく ぼうたろう)
- 親父
- 嵩ニイ(たかにい)
- ノリコ
- 二郎ニイ(じろうにい)
- 門倉利運(かどくら としゆき)
- キラウシ
- 松田平太の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「これは第二のゴールドラッシュなんですよ!!」
- 「もう何年もです」
- ぺろぺろぺろ
- 「私は必ずあいつに食われる。だから出来るだけ離れてください」
- 家族全員が松田の妄想だったと判明するシーン
- 「平太の頭の中にだけいるんじゃないのか?」
- 松田平太の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 松田平太のモデル
- ビリー・ミリガン
- 物語と類似している事件
- 三毛別羆事件