ゴースト トリック(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゴースト トリック』とはCAPCOMから2010年に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフトである。『逆転裁判』シリーズの生みの親である巧舟がディレクターを務めている。死ぬことによって不思議な力を手に入れた主人公が、自らの死の真相を探して繰り広げる追跡劇を描く物語である。物に取りつき動かすことで起こるべき運命を変えていくパズル的な要素を楽しみながら、二転三転するスリリングな物語を追って真相に迫っていく。
アシタール公園にある「神のイシ」を守るために宅地化に反対している男。常に踊っているような奇妙な動作と「ワレ」という独特な一人称が特徴。「神のイシ」に心酔し公園に寝泊まりしていると豪語しているが、実質的なホームレスである。
カノンが誘拐される現場を目撃し阻止しようとするが、ミサイルが彼女を守ったとばっちりで死んでしまう。この場面の運命更新に挑むシセルとミサイルにとっては、彼とカノンを両方死なせずに守ることが求められる局面となる。
彼の言う「神のイシ」とは10年前に天から降ってきたアシタール隕石のこと。つまり「神の意志」であり「神の石」。リンネがヨミエルに誘拐されるところを目撃した彼は、誘拐犯から少女を救った隕石を「神のイシ」と崇めるようになった。
名前の由来は「帷子(かたびら)」あるいは「荼毘(だび)」と考えられている。
真相に関わる者たち
ヨミエル
シセルとそっくりな姿をした男。生きて登場してきたことでシセルを大混乱に陥れた。
実はゲーム冒頭で死んでいた男はシセルではなく彼であり、さらに言うとタマシイが抜けたヌケガラ状態になっていただけで実際は死んでいなかった。この時彼のタマシイはシセル(猫)の遺体に取り憑いていた。
かつては凄腕のエンジニアだったが、10年前にスパイの濡れ衣を着せられて逮捕され、カバネラから執拗な取り調べを受ける。耐えかねた彼はカバネラの拳銃を持ち去り逃走し公園に逃げ込むが、追ってきたジョードの威嚇射撃を見て激しく動揺。たまたま遊びに来ていたリンネを人質にとってこの場を脱しようとするも、その時降ってきたアシタール隕石が直撃して死亡した。
しかし体内に入った隕石の欠片によって、タマシイだけでも生き続ける状態になってしまう。自分の姿と記憶を失った彼は一時的に傍にいた黒猫にトリツキ、猫として生活。記憶と自身の身体を取り戻した後も、その猫に自分の婚約者の名前をとってシセルと名付け傍に置いた。
世間では自分は死んだことになっており、その死を信じてしまった婚約者も自殺していた。人生の全てを失ったヨミエルは誘拐事件にかかわった者たちに復讐することを決める。ジョードの大切なものを奪うために娘の作った仕掛けを改変して妻を殺し、リンネを操って自分を殺させ殺人犯の汚名を着せようとした。しかしこの時リンネが抵抗して外した弾が鞄の中にいたシセルの命を奪ってしまったことから、運命が大きく変わることになる。
シス司令とのトリヒキでは自分の身体とアシタール隕石を渡す代わりに復讐の手伝いを、そして亡命して別の人生を生きられるようにすること、愛する人に看取られて死ねる人生を要求する。しかしシス司令はアシタール隕石の秘密を知る者は皆抹殺するつもりであり、ヨミエルがカノンに取り憑いている隙に隕石を奪い彼の身体を捨てて逃亡。残されたヨミエルのタマシイはガラクタを寄せ集めた人形のようなものに入るが、海底に沈みゆく潜水艦の中で身動きが取れなくなる。
しかし隕石が抜けた自分の身体に生まれたコアを通じてシセルのチカラで10年前に自分が死んだ瞬間に戻り、隕石の衝突から自分自身を救うことに成功する。これにより全ての運命が更新され、普通の人間に戻った彼は誘拐の罪で逮捕されることとなるが、スパイの冤罪は晴らされる見込みとなる。彼は自分を救ってくれた相棒に感謝の気持ちを込め、獄中で黒猫シセルの絵を描くのであった。
名前の由来は「シセルの逆の意味」と言及されており、「蘇る」だと推測されている。さらにダブルミーニングとして「黄泉」もかかっていると考えられている。
アルマ
ジョードの妻でカノンの母。
ヨミエルによってジョードへの復讐の標的にされ、カノンをアヤツルことで殺人マシーンに作り替えられた仕掛けが作動してしまい殺された。
運命更新された後の世界では無事に生存しており、家族で幸せに暮らしている。
名前の由来は「アルマゲドン」。
『ゴースト トリック』の用語
基本用語
死者
人や動物は死ぬとタマシイになり、自分の姿や記憶を失ってしまう。自分が何者か認識することでそれらを取り戻すことができる。
死者同士は会話ができるが、思ったことがそのまま相手に伝わるという形で行われる。そのため言語を介する必要が無く、外国人や動物とも問題なく意思疎通が可能な反面、嘘や隠し事は難しい。
シセルは死の直後に目にした「死体」を自分だと思い込んだ結果、本来の自分と全く違う姿になってしまった。
運命更新
過去に手を加えることで何かしらの運命が変わったことを表す言葉。過去に飛ぶ目的は最終的に誰かが死ぬ運命を回避することだが、その過程で第三者がするはずだった怪我を回避するなどのように周囲の運命を少し変えることも多い。
また死ぬはずだった人が死なないことで連鎖的に他の運命も変わっていく。それも含めた言葉が「運命更新」である。
アシタール
宇宙から飛来した未知の物質。
常に放射線を発しており、死の瞬間を再生し続けるという性質を持つ。そのため、死ぬ瞬間にこの石が体内に入った肉体は死と再生を繰り返し続けるという状態になる。身体が傷ついても瞬時に再生し、致命傷を受けても生き返る。
またこの石の放射線を浴びて死ぬと、「死者のチカラ」を得た特別な死者となる。得られる力には個人差がある。
コア
物体が持つ「核」のようなもの。死者のチカラを持つ者はこの核に「トリツク」ことができる。
無機物に限らず、死んだばかりでタマシイが身体に残っている遺体や、一度死んで運命更新され死を回避した者の頭にもコアが存在する。ただし死んだ後に意識を取り戻さないまま運命が更新されるとコアが残らず、死者との会話も不可能となる。
以上はあくまでシセル及びミサイルの視点から見た情報である。ヨミエルが死んだことのない生者にもトリツクができることから推測するに、本来コアは全ての物体に存在するが、自分がトリツクことができないものは知覚できないと考えられる。
死者のチカラ
トリツク
死者のチカラを持つ者が物体のコアに宿り、憑依すること。作中に登場する死者全員が使える。
トリツクをしている最中、近くに別のコアがあれば移動することができる。ただしコア同士が離れすぎていると移動することができない。移動が可能な距離には個人差がある。
アヤツル
取り憑いているものを動かす能力。ただし対象の物に不可能な動きはできない。たとえば冷蔵庫は「ヒラク(開く)」、扇風機は「マワス(回す)」などの動きはできるが、場所を移動させたり宙に浮かべたりといったことは不可能である。
シセルは無機物しかアヤツルことができず、ミサイルはアヤツルが使えないが、ヨミエルは死体も生きた人間も全てをアヤツルことができる。またヨミエルはカノンの仕掛けにおいて回転するはずのない天使像を回らせていることから、チカラが強ければ相手を無理矢理動かすことも可能なようである。
トリカエ
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目次 - Contents
- 『ゴースト トリック』の概要
- 『ゴースト トリック』のあらすじ・ストーリー
- 死から始まる一夜の追跡劇
- 死刑囚・ジョード刑事
- 「法務大臣の娘」誘拐事件
- もう一人の「私」
- 潜水艦ヨノア号の攻防
- 10年前からのやり直し
- 『ゴースト トリック』のゲームシステム
- 基本情報
- デジタルリマスター版の「オタノシミ」
- 『ゴースト トリック』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- シセル
- リンネ
- カノン
- ミサイル
- クネリ
- 警察関係者
- カバネラ警部
- マッコー刑事
- 青刑事
- リンジュー刑事
- 本部長
- 刑務所関係者
- ジョード
- 囚人番号「C38号」
- 囚人番号「C74号」
- ボーズ係官
- コボーズ係官
- 青い肌の者たち
- シス司令
- 参謀
- ド近眼のジーゴ
- 先回りのテンゴ
- ビューティー
- ダンディー
- 監察医
- 法務大臣一家
- オッチンドル
- エンマ
- エイミン
- キッチンチキンのスタッフ
- コック
- メメリ
- バーテン
- その他一般市民
- 管理人
- ダビラ
- 真相に関わる者たち
- ヨミエル
- アルマ
- 『ゴースト トリック』の用語
- 基本用語
- 死者
- 運命更新
- アシタール
- コア
- 死者のチカラ
- トリツク
- アヤツル
- トリカエ
- レンケツ
- 過去にモドル
- デンワ線の移動
- 場所・施設・組織
- 特別捜査班
- 特別刑務所
- キッチンチキン
- アシタール公園
- 『ゴースト トリック』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 登場人物の名前は「生死」に由来
- ミサイルのモデルはディレクター・巧舟の愛犬
- 『逆転裁判』シリーズへのオマージュ要素