バイオハザード(Biohazard)のネタバレ解説・考察まとめ
『バイオハザード』とは、カプコンより1996年に発売されたサバイバルホラーゲーム。タイトルには「生物災害」という意味があり、それを筋としストーリーが展開される。日本国外のタイトルである『Resident Evil』は、「内に潜む悪(害悪)」という意味を持ち、後のサバイバルホラーとしてのジャンルを生み出した先駆品としても高く評価された作品である。プレイヤーは2人の主人公のどちらかを選び、任務の末迷い込んだ洋館で様々な謎を解き、クリーチャーと呼ばれる怪物たちと戦いながら脱出を試みる。
『バイオハザード』の概要
『バイオハザード』とは、カプコンより1996年に発売されたサバイバルホラーゲームで『バイオハザード』シリーズの1作目。
1998年7月23日のアメリカの中西部に位置するアークレイ山の洋館が舞台となっており、そこで起こったバイオハザードに見舞われながらも、殺人事件の捜査のために洋館に潜入したラクーン市警の特殊作戦部隊S.T.A.R.S.の隊員達の戦いを描いている。
プレイヤーは特殊部隊員の中からジルとクリスの2人のどちらかを選択し、ゾンビと化した人間たちとの戦闘を行いながら、洋館内に隠された数々の謎を解き、脱出を目指していく。
サバイバルホラーとして発表されたゲームだが、発売当初は操作性の難しさや認知度等様々な問題があった。
しかし、ゲーム場面の切り替わりやホラーシーンでのムービー突入の仕様等、ユーザが「怖いけど、気になる」要素が工夫されており、購入をしたユーザー間での口コミが広まり大ヒットに繋がった。
本作のヒットにより後に様々なプラットフォームで移植やリメイク作品の発売がされており、新モンスターの登場、マップの改良、キャラクターデザイン改善等、多数の変更点があり様々な楽しみ方が味わえる作品となっている。
また、本作品のストーリーを基に後に発売される作品のストーリー展開が行われている為、バイオハザードシリーズ作品の原点とされ、
その圧倒的な恐怖感や臨場感は数々のユーザを本シリーズの魅力に惹きつけるきっかけとなる。
『バイオハザード』のあらすじ・ストーリー
洋館到着前
1998年夏、アメリカ中西部の地方都市ラクーンシティの郊外の孤立した民家が10人前後のグループに襲われ、住民が食い殺されるという猟奇的殺人事件が発生した。その異常性にも反して犯人は特定されず捜査は難航を示した。
その後も多数犠牲者が続出したことにより、事態を重く見たラクーン市警は特殊作戦部隊S.T.A.R.S.(スターズ)に出動を要請する。
7月の夜、同部隊のブラヴォーチームが街郊外のアークレイ山地にヘリで捜査に向かったが、その後通信が途絶え、ブラヴォーチームは消息不明となってしまう。
翌日の夜、主人公クリス、ジルが所属するアルファチームがブラヴォーチーム捜索のためラクーン森林地帯に向かい墜落したヘリとチームの装備のみを発見。
しかし遺体だけが発見できず、捜査が難航する一行だったが、アルファチームの隊員の1人であるジョセフ・フロストが草むらに拳銃を発見。
拳銃には食いちぎられた跡のある腕が付いていた。
発見と同時に皮膚が腐り落ちた野犬の群れにジョセフが襲われ、噛み殺されてしまう。
ジョセフを助けようと、アルファチームは拳銃で応戦するも、ヘリの操縦士であるブラット・ヴィッカーズは恐れをなして仲間を置いたままヘリで飛び去ってしまった。
森からの脱出手段を失った、アルファチームだが野犬の群れから逃げ回るうちに、森の中で1つの大きな洋館を見つけた。
洋館内に急いで避難し無事生き延びる事ができた。
洋館
安心したのも束の間、1発の銃声が玄関ホールに響き渡る。
主人公達が銃声のした方角の部屋へ向かうと、そこには森の中の野犬と同様に全身が腐り果てた、死んでいるはずなのに動く人間・ゾンビと、無残に食い殺されていたブラヴォーチームの隊員のケネスの死体だった。
反現実的な光景に、隊長のウェスカーに報告しようとするが、玄関ホールを確保していたはずのウェスカーは忽然と姿を消していた。
腐った野犬の群れに囲まれているため玄関から外には出られず、残された主人公は他の仲間と脱出手段を見つけ出すため、館の中を調査することになる。
洋館のにはゾンビ達が徘徊しており、洋館に逃げたブラヴォーチームの隊員達も犠牲になっていた。また、洋館は様々な仕掛けなどで扉は閉ざされ迷路のように入り組んだ構造で、主人公達の脱出をさらに妨げていた。
洋館に残されていたファイルから、この異常事態が厳密保管、研究されたウイルスが漏れ出し、それに感染した人間が怪物化したことによる生物災害「バイオハザード」であったことが判明する。
寄宿舎
洋館の様々な仕掛けを突破し、洋館裏手の寄宿舎に捜査を進めるが、主人公の行手をゾンビやゾンビ犬だけでなく、ウイルスに感染し異様に巨大化・狂暴化した自然界の生物までも阻むのであった。
寄宿舎を捜査中も様々な仕掛けもあり、幾度となくピンチに陥るが、仲間の助けなどもあり突破する事ができた。
ひと通り寄宿舎を捜査し終えた時点で、主人公はようやくウェスカーと再会した。
ウェスカーに洋館のホールを離れた理由を尋ねると彼もまた化物から逃げてきたと。
そして洋館の中でまだ調べていない施錠されたエリアの捜査を命じられ、再び洋館に戻るのであった。
洋館2回目
再び洋館に戻り捜索を続ける主人公だが、再度訪れた洋館にはゾンビ達のクリーチャーに加え、新たにゴリラと爬虫類が融合したクリーチャー、通称「ハンター」が待ち構え、襲撃をしてきた。
激しい交戦の中、捜索を進めると新たに発見したファイルから、研究されていたウイルス「T-ウイルス」を用いて軍事利用のために開発された生物兵器であり、連続猟奇殺人事件へのS.T.A.R.S.介入が、生物兵器と戦闘データの収集が目的だった事が判明する。
この洋館での事件は全て仕組まれていた事を理解した主人公は黒幕が一体誰なのか、目的は何なのか、謎が深まる。
洋館地下室の探索を進めると、生き残っていたブラヴォーチームのリーダー、エンリコ・マリーニから裏切者の存在が告げられ判明する。
「S.T.A.R.S.はもダメだ。裏切り者がいる。ハメられたんだ…アンブレラに」エンリコがそう口にすると何者かに射殺された。
裏切り者の存在が疑いのないものとなった。
研究所
洋館の地下に隠されていた研究所の最深部まで捜査を進めると、黒幕である製薬会社アンブレラがS.T.A.R.S.に送り込んだスパイがウェスカーだった事が判明する。
ウェスカーは全ての真相を語り主人公らを抹殺するため最高傑作と豪語する生物兵器「タイラント」を起動させるが、暴走したタイラントは逆にウェスカーを襲い手にかけてしまう。
暴走したタイラントは主人公らにも襲いかかるが死闘の末タイラントを撃破する。
先に逃げたと思っていたヘリのパイロット、ブラッドが助けに戻ってくれた事もあり無事研究所からの脱出に成功。
長い悪夢の夜からの生還を果たすのであった。
『バイオハザード』のゲームシステム
TPO(第三者視点)を採用した固定カメラ切替方式とラジコン操作
本作では、TPO(第三者視点)を適用し主人公を操作するのだが、プレイヤーの視点は主人公の立ち位置によって自動で切り替わる、固定カメラ切り替え式となっている。背景処理の能力が足りない為この様な仕様になってしまったが、結果恐怖演出を際立てる事に成功している。
固定カメラ導入時、カメラ位置によってプレイヤーが入力する方向ボタンを変えなければいけない問題があった為、主人公がどの方向に向いてても関係のないラジコン操作が採用された。
当時操作に慣れるのに難色を示したプレイヤーも多かったが、徐々にその様な声も作品が重ねるにつれて少なくなった。
二段構えの攻撃方法
攻撃方法は、「狙いをつける」→「攻撃実行」の2段構えとなっている。
攻撃ボタンを押したら即攻撃や移動しながら攻撃ができない為、不自由な操作方法だが、敵が迫ってくる焦りや恐怖感でまた1つ恐怖演出に結び付いている。
アイテム数の有限がもたらすシビアな戦略性
本作品に於て弾薬、回復アイテム、セーブをするためのアイテムなど入手数には限りがあり、クリーチャー襲撃の絶望下での緊張感が持ち合わせている。
プレイヤーは残弾数を意識しプレイする事は必須となり、弾の節約で敵を回避したり、ボスのためにアイテムの温存など、様々なプレイヤーの判断がクリアーするために必要となる。
どんなアイテムも1枠埋まり、主人公によって所持できるアイテム数は異なる為、ゲーム道中で適切な取捨選択を迫られる点もサバイバル要素の緊張感がある。
心電図による体力表示
本作品では数値やゲージではなく心電図の色と波形の大きさで体力を表示している。
通常は緑で大きな波形のFine、ある程度ダメージを受けると黄色で波形も小さくなるCaution、さらにダメージを受けて瀕死になると赤で波形も極小のDangerとなり、毒をもらうと残り体力に応じた色で大小のばらつきが激しい波形のPoisonになるが、とても分かりづらい。現在の残り体力を曖昧にしか知ることが出来ないので、いつどの様なタイミングで回復アイテムを使用するのかなど、プレイヤーへ心理的圧迫感を与える恐怖演出の一環を担っている。
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目次 - Contents
- 『バイオハザード』の概要
- 『バイオハザード』のあらすじ・ストーリー
- 洋館到着前
- 洋館
- 寄宿舎
- 洋館2回目
- 研究所
- 『バイオハザード』のゲームシステム
- TPO(第三者視点)を採用した固定カメラ切替方式とラジコン操作
- 二段構えの攻撃方法
- アイテム数の有限がもたらすシビアな戦略性
- 心電図による体力表示
- イベント
- 2人の主人公による異なったストーリー展開
- マルチエンディング
- ミニゲーム
- ナイフバトル
- MASTER OF KNIFING
- 通信プレイ
- バトルモード
- トロフィー
- 生き残りし者
- 散歩マスター
- ハイキング達成
- 無事登頂
- 悪夢の終わり
- 2人のS.T.A.R.S.
- サバイバー
- ゴーストハンター
- 死者の私物
- スリル・ガーデニング
- 最後の書読了
- 追いかけっこは終わり
- タフガイ
- 墓荒らし
- 洋館の鍵制覇
- ヘビはこりごり
- 真相を求めて
- アルファチームの紅一点
- バイオハザードへようこそ
- 死者との遭遇
- 念には念を
- 狩人討伐
- 役に立つ衛生要員
- 情に厚い男
- 奔走
- 血清でリチャードを助けた
- 仲間を信じる心
- 待たせたな
- 待たせて、ごめん
- 生還
- 死線の果てに
- 大きな代償
- 唯一の生存者
- 深紅の悪夢
- 屋根裏部屋の掃除
- デカイにも程がある
- クモ恐怖症
- ランナーズ・ハイ
- 速さへの挑戦
- インクリボンいらず
- 一石二鳥
- S.T.A.R.S.武器庫
- おしゃれ好き
- 気になって仕方がない
- biohazard(リメイク版)
- グラフィックの向上
- キャラクターのコスチューム・容姿の変更
- マップの改良
- 謎解きや罠についての変更
- ストーリーの変更
- 新しい敵の登場
- ディフェンスアイテムの追加
- 新たな武器の登場
- 隠しコスチュームの新調
- ムービーのCG化
- 爆弾ゾンビの追加
- リアルサバイバルモード
- インビジブルモード
- バイオハザード HDリマスター
- グラフィックの高解像度化と画面比変更
- 操作性の変更
- 新コスチュームの変化
- 特典映像「ウェスカーズリポート I&II」を収録
- バイオハザード Deadly Silence
- ショートカットボタンの追加
- ナイフバトルの追加
- 実写ムービーによるオープニング変更点
- 難易度表記
- 武器の名称変更
- 血の色の選択
- 待機モーション
- 『バイオハザード』の登場人物・キャラクター
- クリーチャー
- ゾンビ
- ケルベロス(Cerberus)
- クロウ(Crow)
- ハンター α
- ヨーン(Yawn)
- アダー(Adder)
- ウェブスピナー(Web Spinner)
- ブラックタイガー(Black Tiger)
- キメラ(Chimera)
- FI-03 ネプチューン(FI-03 Neptune)
- タイラント T-002(Tyrant T-002)
- スーパータイラント(S-Tyrant)
- S.T.A.R.S.アルファーチーム
- クリス・レッドフィールド(Chris Redfield)
- ジル・バレンタイン(Jill Valentine)
- アルバート・ウェスカー(Albert Wesker)
- バリー・バートン(Barry Burton)
- ジョセフ・フロスト(Joseph Frost)
- ブラッド・ヴィッカーズ(Brad Vickers)
- S.T.A.R.S.ブラヴォーチーム
- レベッカ・チェンバース(Rebecca Chambers)
- エンリコ・マリーニ(Enrico Marini)
- ケネス・J・サリバン(Kenneth J. Sullivan)
- リチャード・エイケン(Richard Aiken)
- フォレスト・スパイヤー(Forest Speyer)
- エドワード・デューイ(Edward Dewey)
- ケビン・ドゥーリー(Kevin Dooley)
- 『バイオハザード』のアイテム
- 武器概要
- コンバットナイフ
- ベレッタ
- ショットガン
- コルトパイソン
- グレネードガン
- 火炎放射器
- ロケットランチャー
- 回復アイテム概要
- グリーンハーブ
- レッドハーブ
- ブルーハーブ
- 救急(緊急)スプレー
- その他のアイテム
- インクリボン
- 『バイオハザード』の用語
- アンブレラ
- ラクーン市警
- S.T.A.R.S.
- ブラヴォーチーム
- アルファチーム
- S.T.A.R.S.ポジション名
- LDR(リーダー)
- PM(ポイントマン)
- BUM(バックアップマン)
- RS(リア・セキュリティ)
- OM(オムニマン)
- T-ウィルス
- B.O.W.
- ラクーンシティ
- アークレイ研究所
- 『バイオハザード』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- シリーズ唯一の実写ムービー搭載
- バイオハザードのドアを開けるシーンはロード時間を潰すための演出
- 追加コスチュームにも注目
- 作品の舞台は山地に佇む洋館