ロックマンゼロ(Rockman Zero)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロックマンゼロ』(Rockman Zero)は、2002年に株式会社カプコンから発売されたGBA専用の2D横スクロールアクションゲームである。本作は『ロックマンX』シリーズの続編にあたり、ゼロを主人公に据えた、言わばスピンオフ作品でもある。『ロックマンゼロシリーズ』は、初代『ロックマンシリーズ』の世界観を引き継ぎつつ、100年後の世界を舞台に人間と機械が共存する社会を描いた重厚なストーリーで、『ロックマンシリーズ』を知らない世代や、海外ファンにも根強い人気を誇っている。

『ロックマンゼロ』の概要

『ロックマンゼロ』とは『ロックマンXシリーズ』の続編にあたる『ロックマンゼロシリーズ』の第1作目で、2002年4月26日に『ロックマンシリーズ』の15周年記念作品として株式会社カプコンから発売されたゲームボーイアドバンス専用の2D横スクロールアクションゲームである。
本作は『ロックマンX』でも活躍した人気キャラ”ゼロ”を主人公に抜擢した、ハイスピード2Dアクションゲームとなっており『ロックマンXシリーズ』のスピンオフ作品でもある。
『ロックマンXシリーズ』のゼロと『ロックマンゼロシリーズ』でのゼロの見た目が大きく変化しているのが特徴。これはデザイナーの中山 徹によってアレンジされた新しい世界観のゼロであり、デザインは違えどストーリーの設定的には同一人物である。
開発は『ロックマンXシリーズ』にも携わっていた元カプコン社員が在籍する株式会社インティ・クリエイツ。

物語の時系列的には『ロックマンXシリーズ』からさらに数百年後の未来を舞台にしており、かつて起きたΣウイルスが発端となったイレギュラー戦争の終戦後にロックマンXは人々が平和に暮らせる理想郷"ネオ・アルカディア"を築く。
だが、その裏ではエネルギー不足問題が深刻化しており、これを解決すべく政府は不当なレプリロイドの大量処分を行っていた。この事実に心を痛めた元・科学者のシエルは不処分されそうなレプリロイドたちを集め、身を守りながら細々と暮らしていた。
しかし政府の魔の手からは逃げ切れず追い詰められたシエル達は遥か昔に封印されたと言われる"伝説の紅き英雄・ゼロ"の眠っている遺跡を目指し、ゼロの封印を解いたことで数々の熾烈な戦いに身を投じることになる。

そんな本作『ロックマンゼロ』は全4シリーズを通して他のプレイアブルキャラは登場せず全てゼロのみで物語が展開していく。世界観も一新しており、『ロックマンシリーズ』の中では最もシリアスかつハードな展開が特徴となっている。

『ロックマンゼロ』のあらすじ・ストーリー

悪性の自我を持つコンピューターウイルス「Σ(シグマ)ウイルス」が発端となり世界を破滅せかねないほど大規模なものへ拡大したイレギュラーたちの戦争。永遠に続くかと思えた戦火も、青き英雄ロックマンXによって終結する。
終戦後ロックマンXは人々が平和に暮らせる理想郷"ネオ・アルカディア"を築く。
だが、その裏ではエネルギー不足問題が深刻化しており、これを解決すべく政府は能力が低く役に立たないと判断されたレプリロイドを、電子回路に異常をきたし人間や他のレプリロイドに危害を加えるようになった犯罪者の様な存在「イレギュラー」という汚名を着せ無実なレプリロイドの大量処分を行っていた。
この事実に心を痛めた元・科学者のシエルは、人間と同じように考えて行動すると言う思考能力を持っている高度なAIを搭載した不当に処分されそうなロボットのレプリロイドたちを集め、身を守りながら細々と暮らしていた。
しかし政府の魔の手からは逃げ切れず追い詰められたシエル達ははるか昔に封印されたと言われる"伝説の紅き英雄・ゼロ"の眠っている遺跡を目指す。

ストーリー前半

紅き英雄・ゼロ

封印されているゼロ

遥か昔に彼が封印された旧政府の地下研究施設を目指して追手に追われながらもゼロのもとへ辿り着くシエル達。
しかしゼロは硬いプロテクトで封印されており簡単には解除することが出来なかった。
そして遂に追手に追いつかれ、一緒に来た仲間たちは皆殺されてしまう。そこでシエルと行動を共にしていた
サイバーエルフ”パッシィ”が「自分の力を使って!」と、パッシィはシエルに別れを告げゼロの封印を解除するため散っていった。

多くの犠牲を払いついにゼロが復活する。たった1人残されたシエルは藁にも縋る思いでゼロに助けを求めた。
長きに渡り眠っていたゼロだったが、その力は未だ健在で圧倒的スピードと破壊力で並みいる敵を単騎無双していく。
しかしバスターだけでは力が足りず手こずっていたその時、突如として謎の光る生命体が現れゼロに剣を渡した。
その光は正体も目的も明かさずただゼロに力を貸してくれるのだった。彼から渡された剣『ゼットセイバー』を駆使し、たった1人で敵の追手を殲滅し、限界まで追い詰められていたシエルを救い出した。
そんなゼロの力は衰えていないものの、長きに渡る封印と突如の目覚めにより自分の名前すら思い出せない記憶喪失となっていた。

シエルはゼロに感謝を述べ自分たちのレジスタンスベースに招待する。
そしてレジスタンスベースにやってきたゼロはシエルからこの世界の現状とゼロ自身の事について聞かされる。
自分が100年前にロックマンXと共に世界を救った伝説のレプリロイド・ゼロである事。
その英雄であるロックマンXが今はシエル達レジスタンスを処分しようとしている事。
ロックマンXが率いるネオ・アルカディアから身を守る為にゼロの力が必要な事。
ゼロは自分の記憶を取り戻す為、この世界の現状を把握する為、
そして目の前で困っている人を助ける為にこの願いを了承し、シエルと協力関係を結ぶ。
こうして蘇った”紅き伝説”率いるレジスタンスと”青き英雄”率いるネオ・アルカディアとの交戦の火蓋が切って落とされたのだった。

レプリロイド処理施設

シエルはゼロにイレギュラーの汚名を着せられたレプリロイドを処分する施設の存在を話す。
施設の停止を頼まれたゼロは施設へと向かい処理施設へ辿り着くと、そこでは罪のないレプリロイドが今にも処分されそうになっていた。
そして施設の最深部にてネオ・アルカディア四天王である賢将ハルピュイアに仕える施設の管理者、アステファルコンを撃破したゼロ。
施設の停止に成功し無事に帰還したゼロにシエルは、ゼロにしか出来ないミッションが他にもあると言う。

工場を奪え

一方、レジスタンスのレプリロイドの生命維持に必要なエネルギーが枯渇していた。
そんな中、シエルから以前潜入した地下鉄のそばにある廃工場を再利用すればレプリロイドに必要なエネルギーを生産できるようになると告げられるゼロ。
そこには工場を守るボスとして”不死身の守護大蛇ガード・オロティック”が立ちはだかるが、難なく撃破し工場の略奪に成功したレジスタンスのエネルギー問題は解決したのだった。

行方不明機を探せ

捕まっていたレプリロイドたちが敵の輸送機を奪って脱走したのだが、砂漠上空あたりで行方不明になっていると報告が入る。
ゼロはこのミッションを承諾し捜索へ向かう。砂漠の奥地で四天王ファーブニルに仕えるジャッカル型レプリロイド”冥界の聖掃王 アヌビスップ・ネクロマンセスIII世”と戦う。
撃破後、再び捜索を行うと、不時着した輸送機の中に1人生存者がおり負傷している彼をレジスタンスベースまで護衛することになる。そして無事、生存者を助け出すことができたゼロ。
しかし砂漠でのミッションはこれで終わりではなかった。

秘密基地を探せ

砂漠のどこかの基地にレジスタンスの仲間が囚われている為、ゼロは捜索を始めた。砂漠の地下洞窟を発見し、進んだ先にはレジスタンスの仲間たちが囚われている牢獄があった。
そして出口の前で立ちはかるのは、四天王レヴィアタンに仕える”絶対零度鹿王ブリザック・スタグロフ”秘密基地に幽閉したレジスタンスたちを尋問と称して破壊することに喜びを感じる冷酷なレプリロイドだった。ブリザック・スタグロフを破壊したゼロは無事に囚われた7人の解放に成功する。

工場を守れ

前回奪った工場に侵入者が現れる。その正体は、Xに仕える四天王の1人”隠将ファントム”Xに忠誠を誓う忍者型のレプリロイドだった。素早い忍術を駆使し、追い詰められるゼロ。
戦闘後、ファントムは工場内に8つの爆弾を仕掛けていると言い残し撤退する。ゼロは工場内を隅々まで探索し制限時間内に仕掛けられた爆弾を回収し、工場の破壊を免れる。

敵地上部隊を警戒せよ

砂漠方面から大量の敵がレジスタンスベースへ攻めてくる姿を確認。最終防衛ラインに来させないようゼロは戦闘を開始する。
そんな彼の前にネオ・アルカディア四天王の1人”闘将ファーブニル”が現れる。闘将という名の通り自分より強い敵と戦う事に喜びを覚える戦闘狂。
そんなファーブニルはゼロと戦えてご満悦な様子で「次、戦う時までやられるなよ」と言い撤退する。

ロストデータを回収せよ

シエルとゼロが初めて出会った遺跡に、重要なデータが残されているかもしれないとの事で回収のため再び遺跡を訪れるゼロ。その最奥地で待っていたのは”剛球大魔マハ・ガネシャリフ”
情報分析を担当するデータサーバーレプリロイドでゼロのデータも奪っていた。ゼロはデータを取り戻すため戦う。
マハ・ガネシャリフを倒しデータを回収しようとした時、突如として遺跡が崩壊し始める。命からがら逃げ出したがゼロだったが、データ自体はすでに破損していた。

ハッキングを阻止せよ

砂漠方面の秘密基地からハッキング攻撃を受けており、シエルの研究が進められないためゼロが直接乗り込みハッキング中のコンピューターを破壊するミッションに挑む。
そして秘密基地に潜入し、コンピューターを破壊に成功したゼロはレジスタンスベースへ帰還しようとする。その矢先、四天王の1人”怪将レヴィアタン”が立ちふさがる。
ゼロにとって初めての水中戦という事もあり苦戦を強いられるが何とかレヴィアタンを退ける事に成功する。

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