ロックマンエグゼ4(トーナメントレッドサン・トーナメントブルームーン)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロックマンエグゼ4』とは、2003年12月12日にカプコンから発売された、ゲームボーイアドバンス専用のデータアクションRPGソフトである。『ロックマンエグゼ』シリーズの第4弾であり、「トーナメント レッドサン」と「トーナメント ブルームーン」の2つのバージョンが同時発売される。物語攻略においてプレイヤーの判断力が問われる「ダークチップ」の登場により戦略の幅が広がっており、WWW(ワールドスリー)との戦いから5ヶ月、6年生となった『光熱斗』と共に地球の存亡をかけて冒険していく。

『ロックマンエグゼ4』の概要

『ロックマンエグゼ4』とは、2003年12月12日にカプコンから発売された、ゲームボーイアドバンス専用のデータアクションRPGソフトである。前作から続くWWWとの戦いから5ヶ月後、6年生になった光熱斗が今度は地球の存亡をかけて冒険することになる。
前作の『エグゼ3』からは引き続き2つのバージョンでの発売となっており、それぞれトーナメントで対戦できるナビの種類と"ソウルユニゾン"できるソウルの違い、入手できるチップの種類に影響する。チップのデータリストはそれぞれ個別になっているため、コンプリートを目指す際に二つのソフトが必須となることは無い。ストーリーに関しては大まかな流れやエンディングなどは同じであるが、発生するイベントのうちいくつかが異なっている。ストーリーにおいては周回制を採用しており、一度クリアしてもそのデータを引き継いで再び最初から始められる。
全体的なグラフィックにおいてはよりアニメチックに一新されており、キャラクターのグラフィックが前作に比べて小さくなっている。エグゼシリーズでは一番売れた作品となったが、周回制に対しての不満が見受けられ全体的な評価はやや低い。Switch版の『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』に収録されているタイトルである。

『ロックマンエグゼ4』のあらすじ・ストーリー

はじめに

『ロックマンエグゼ4』のストーリーは、主にトーナメントの攻略をメインとして物語が進行していく事になり、トーナメントで当たるキャラクターなどによってトーナメントでの物語が変わることになる。また、本筋となるストーリー以外のトーナメントで当たるキャラクターとのストーリーなども見るには周回が必須となっており、最低でも全てを見るには3周は初めからやり直す必要がある。
なお、ここでは『レッドサン』『ブルームーン』のストーリーの分岐がある場所では、『レッドサン』のストーリーで解説していく。

小惑星の接近と「デンサンバトルトーナメント」の開催

小惑星の接近に気付く職員

アメロッパが世界に誇るANSA宇宙観測室では、職員の一人が同じようなデータの解析に退屈をしていた。その職員がふと見たモニターに、地球に向かって真っすぐ移動している小惑星を発見してしまう。地球に衝突すればひとたまりもないという。早急に対策が必要と判断した職員達は世界中の科学者たちの招集をかける。

小惑星がこの星に近づいていることなど知りもしない、小学生の「光 熱斗」(ひかりねっと)は、久々に自宅に帰ってきた父「光 祐一郎」(ひかりゆういちろう)と新しくできた電気屋へでかけることになる。電気街へ出かけた父と熱斗は、熱斗の友達の"やいと"や"メイル"と会う。アメロッパから何やら招集がかかり父とはすぐにお別れすることになるが、やいとやメイルと遊ぶ約束ができ、熱斗は偶然トーナメント形式のネットバトル大会がひらかれるという情報も拾う。しかし熱斗が秋原町へ帰ろうとしたとき、電気街の一角で何やらナビがやられたというトラブルを見つける。様子を見るとその先で犯人のコウモリのナビと出会ってしまう。
コウモリのナビは秋原エリアに向かうという。そこは友達のナビたちが遊ぶ約束で集まっているところで、ロックマンは急いで秋原エリアへと向かう。そして、秋原エリアでコウモリのナビを発見する。しかし、すでに友達のナビのグライドとガッツマンはやられており、ロールが目の前で攫われていってしまう。ロックマンたちは急いでロールを助けに行き何とか居場所を突き止めロールを発見したが、相手は影のように攻撃をすり抜けてしまい全く歯が立たなかった。ナビはシェードマンと名乗った。打つ手がなくなったそんな時、後ろから事件を追ってやってきたオフィシャルネットバトラーの炎山がやってきて、シェードマンはオフィシャルを嫌って消える。炎山は後を追って、二人はいなくなった。
後に、シェードマンがいた地面になにやらバトルチップのような"なぞのデータ"を見つけて、ロックマンが手にする。秋原町にいるチップに詳しい日暮にこのなぞのデータの事を聞いてみると、このチップは"ダークチップ"だと言う。さらに、早くこのチップを処分した方がいいと唐突に警告する。日暮はさらに、もしかすると電脳世界で拾った時点でもう手遅れで、ロックマンに悪影響を与えているかもしれないという。強力だが、何が何でも絶対に使ってはならない、誘惑に絶対に負けるなと強く念押しされる。

一方各国を代表する科学者を招集したANSA宇宙観測室では、招集された熱斗の父を含めた科学者たちに、数か月後にこの星に小惑星が衝突すると報告をしていた。科学者たちの中には、悪名高い軍事国家X国の"ドクター・リーガル"という男も招集されていた。熱斗の父はレーザーを当てて小惑星の軌道を変える方法を案じ、レーザー照射装置を設計することになった。
その頃熱斗の方は、翌日のトーナメント大会に出場することになる。ネームエントリーと予選の依頼を突破し会場のデンサンドームへと向かう。そこでは、トーナメント相手との出会いやトラブルが待っていた。しかし、なんとか熱斗たちはトーナメントを勝ち抜いていき、見事優勝する。さらに、ロックマンはトーナメントによって戦ったナビと共鳴し、ソウルユニゾンができるようになった。

デンサンバトルトーナメントから1週間が経ち、町も落ち着きを取り戻した頃、熱斗はダークチップのことを思い返し早く処分しないとなと考えていた。どこで処分したらいいのかと考えていた熱斗はロックマンから、オフィシャルの炎山に手渡そうと提案される。だが熱斗はライバルの炎山に渡すことをためらったのか、ロックマンにも異常は出ていないだろうと見てそのまま持っておくかと判断してしまう。そんな時にメイルがやってきて、インターネットのタウンエリアで面白いことやってるから一緒に行こうと誘われる。メイルの誘いで熱斗はメイルのPCからロックマンをプラグインし、タウンエリアに先に来ていたロールの元にたどり着く。そこでは、デンサンシティ初の大型テーマパークのオープンに伴ってフリーパスがもらえるイベントをやっていた。熱斗とロックマンは、メイルとロールの圧に負けてウイルスバスティングのイベントに参加させられることになったが、なんとか成し遂げてフリーパスを掴みとる。
熱斗はメイルにフリーパスを2枚をあげると、メイルが熱斗をデートに誘おうとしたが、タイミング悪く隣の自分の家の警報装置が鳴って熱斗は急いで様子を見に行く。すると、そこにはさいみんガスを吸わされて母が倒れていて、熱斗のPCには犯人による警告が書き残されていた。ダークチップをもってパークエリア2へ来いと書かれていたので、熱斗はすぐさまロックマンを向かわせる。しかし、パークエリアに入るにはパスワードが必要だった。ロックマンはパークエリアへの扉を壊して強引に渡ろうとするが、その場面をパークエリア従業員のナビに見られてしまう。話をつけようとしたが聞いてもらえず、ナビを気絶させることになってしまう。熱斗はここで従業員ならパスワードを持っているのではないかと思い付き、荒っぽいやり方ではあるがパスワードを盗み見て、扉の向こうのパークエリアで犯人のナビの元にたどり着くことができた。
ロックマンは犯人の目的を訊いたが、犯人のナビはその必要はないと言って突然バトルをしかけてくる。そのあと熱斗とロックマンは、犯人が所属する"ネビュラ"という組織の存在を知ることになる。熱斗はダークチップシンジケート"ネビュラ"が関わってることが分かると、ますますダークチップを簡単には捨てられなくなってしまっていた。

インターネットから熱斗は自室に戻ってくるとメイルからデートの誘いが来ていて、シェロ・カスティロに行くことになる。しかし、またもやここで事件に巻き込まれることになる。シェロカスティロ内のアトラクションが停止や暴走をしていて、熱斗とロックマンの力によって事件をなんとか収めていく。だがその先ではダークチップを取り戻しに来たシェードマンが待ち構えていて、再び対峙することになる。影のように消えて攻撃が当たらないシェードマン相手に、ロックマンはダークチップの力を使わざるを得なくなりダークチップを使ってしまうが、シェードマンをなんとか倒すことができた。シェードマンは「これで我らダークサイドの一員だ」と意味深な言葉を吐いてデリートする。
事態は収束し、シェロカスティロの通報を受けたオフィシャルの炎山がやって来る。熱斗は、炎山の口からネビュラについて訊きだしたが、そのあと炎山からダークチップは使わなかっただろうなと聞かれてしまう。

「イーグルトーナメント」と「レッドサントーナメント」

ロックマンの身体から出てきた黒いロックマン

シェロカスティロの事件は落ち着いたが、もうすぐ全国の猛者が集まるイーグルトーナメントが開催されるというのに熱斗の元に連絡が来ない。熱斗は心配してロックマンとそのことを話していた。すると、自宅に直接二ホンネットバトルキョウカイのものだという人がやってきて"1ポイント"熱斗に渡す。バトラーズポイントというもので、これを集めることが次のトーナメントの予選を突破する条件だという。現実世界・電脳世界のあちこちに散らばっており、手段は選ばずとにかく50ポイント集められればイーグルトーナメント出場ができるということだった。熱斗はいろいろな場所を探して50ポイント集めきり、イーグルトーナメントに無事エントリーすることになった。

そして、熱斗たちは日本全国から集まる猛者たちの戦いにも見事勝利していき、優勝を果たす。シェロ・カスティロのお城で黄色い歓声に包まれていたが、ここで何者かの声がきこえてくる。「いくら待ってもエレベーターはこない…そして、ロックマン、おまえはこのスタジアムを生きて出ることはないのだ」と言うその声は、自身をダークチップシンジケート"ネビュラ"を操るものだといい、ロックマンを強制的に指定の場所に移動させる。声のとおり指示された場所にプラグインすると、レーザーマンと名乗るナビが暗闇から現れ「完全なる悪の世界を作らないか」とロックマンに交渉する。「われわれのもくてきはこのくだらんしゃかいをかんぜんにほろぼし、世界をほんらいあるべきすがたにもどすこと…」さらにレーザーマンは「おまえの中にもあくのすがたが見えるぞ…バトルチップという兵器をふりかざし、幾多のウイルスをデリートしてきた闘争本能が…殺戮をたのしむ黒いココロ…ダークソウルがな!!」と言い、ロックマンは自分の中に眠るココロを知り戸惑ってしまう。
そんな時、お城の中の電脳世界を伝ってやってきたガッツマンが後ろから助太刀に入り、ロックマンと一緒に戦おうとする。しかしその時、レーザーマンがロックマンに何かを照射すると、ロックマンから不気味な黒い分身が現れる。レーザーマンは、これがロックマンのダークソウルだという。ロックマンのダークソウルはするりとガッツマンの身体の中に入ってしまうと、ロックマンをデリートすると言って自我を失ってしまい、ガッツマンDS(ダークソウル)との戦いになる。ロックマンは自我を失ったガッツマンを抑えると、ガッツマンは気を失い、するりとロックマンの身体にダークソウルが戻った。するとレーザーマンは「よくわかっただろう。おまえのココロの中にもヤミがあるのだ。まったくの正義などどこにも存在しない」と語り、最後に「次に会った時には良い返事がもらえることを期待している」と言い残して、レーザーマンは消えてしまう。
ロックマンは自分の中にも悪が存在するのを目の当たりにし、更には自分を助けに来てくれたガッツマンまで傷つけてしまったことに不安を抱くが、熱斗は「ダークソウルなんかに負けないだけのつよいココロをもっていれば、なにもおそれることはないさ、オレもいっしょにたたかうし、ダークソウルなんかにはぜったい負けない!!」とロックマンを勇気づけた。

イーグルトーナメントが幕を下ろし1週間が経った頃、ANSAでは、今まさに小惑星の軌道を変えるレーザー照射装置が撃ちこまれようとしていた。だがこの装置は負荷に耐えることができないため一回きりのもので、緊張が走る。提案者の光 祐一郎は徐々にレーザーの出力を上げていき、実験は成功しレーザーは何とか発射できたように見えた。しかし、祐一郎は次には失敗したと言った。何者かの手によって発射の瞬間にレーザーのパワーが下げられたと説明した。そして、あの電力の中を行動できるのは桁外れに強力なナビだと考えられ、施設内のすべての電子機器をチェックするよう指示し、祐一郎は他に案がないかを考えると言って席を外した。

そのころ、秋原エリアで友達のナビたちと話をしていたロックマンの元に、セカイネットバトルキョウカイのツカいのモノというナビがやってくる。ロックマンはアメロッパで開催されるネットバトル世界大会のトーナメントに招待されていた。
そして招待から一週間後当日、熱斗たちはアメロッパに向かい、メールに書いてあった案内人のボンズと出会う。彼から電脳世界のいろんな国のインターネットに行けるパスポート"ネットパスポート"をもらい、まだホテルのチェックインまで時間があるというので観光してこいと言われる。熱斗たちは言われた通りにアメロッパの観光を済ませたあと、時間になって案内人にホテルへと案内してもらう。だが熱斗はついていくときに案内人と少し距離が離れてしまい、そのすきに突然何者かによって、車の中へと拉致されてしまう。
目が覚めると熱斗は知らない部屋に居て、部屋の出口と思われる扉越しの声から熱斗は、この部屋の扉は"カギデータ"をインターネット上に保管していて施錠していると盗み聞く。熱斗は電脳世界へとロックマンを送り込みなんとかカギデータを入手し、扉を開けて逃げ出そうとする。しかし、その時に扉の向こうから誘拐した犯人が部屋の中に入ってきてしまう。慌てて熱斗は誘拐の目的を訊きだそうとしたら男はそれにはワケがあると言い、扉の向こうから案内人のボンズが入ってくる。そして、これがトーナメントの予選だったのだと言ってきた。
ボンズの言葉は妙な語尾を使い、やけにあっけらかんと2人に今回の事情を説明する。そして「明日に備えてこの部屋で休んでいけ」と出て行った。ロックマンは「とっさの時に力が発揮できないとレッドサントーナメントじゃ通用しないんだろう」といい、熱斗も「今日は疲れたな」と言って明日に備えることになった。

トーナメントの朝、仮にも誘拐された部屋で眠った熱斗だったが「バッチリベストコンディション」で朝を迎えて会場のコロッセオへとやってくる。トーナメント表の横には真実の口のようなものがあり「選手であることが嘘でないのなら口の中に手を入れろ」と言う。熱斗は「どうにでもなれ」と口に手を突っ込む。真実の口の中は指紋認証などの機械になっており、これで晴れて正式にエントリーすることになる。トーナメント大会では今回もトーナメントにあたる対戦相手との出会いやソウルの共鳴によってソウルユニゾンのバリエーションを増やしつつ勝利していき、熱斗はついに世界のネットバトラートーナメントの大会において優勝することになる。
だが戦いの後なぜか表彰などは無く、横にいた科学者のような男が「優勝者が決まりました」と誰かと連絡を取ると空からヘリがやってくる。ヘリははしごを伸ばして熱斗を連れて行こうとする。とにかく急を要すると詳しい事情も説明されず、ワケが分からないまま熱斗はヘリに連れられてしまう。

小惑星と「あく」との戦い

デューオの"バトルフォーム"

ヘリが向かって辿り着いた先はANSA宇宙局だった。建物の前で、熱斗は小惑星の接近に対抗するために熱斗の力が必要だと言われ、急な展開に理解が追い付かないまま建物の中へ入っていく。中の人たちに急かされある部屋の中に案内されると、そこにはドクター・リーガルに他の案を聞き出している科学者たちと、その中に父の姿を見つける熱斗。ドクターリーガルが話の続きに、優秀なネットバトラーを探してもらった経緯から話し始めた。
「今回2つの世界規模のネットバトルトーナメントを開催し、熱斗くんを含む2人の優秀なネットバトラーを見つける必要があったのは、単刀直入にいうとあの小惑星は人工物である」「あれは球体のロケットにチリなどが付着したものなのだろう」と言う。
科学者たちは信じ切れず「球体のロケットを打ち上げた記録なんてどこにもないのでは」と問うが、リーガルは「この星以外から発射された可能性もあるが、今はどこから打ち上げたかはともかく、いかにこの星から起動逸らすかだ」と言い、人工物の小惑星にナビを送り込んで電脳世界から小惑星をコントロールしてしまおうと提案した。
父は「しかしどうやってナビを送り込むのだ」というと、リーガルは「既にレーザー照射装置を遠隔通信システムに改造してある」と言った。もう片方のトーナメントの優勝者の方は、もう小惑星の軌道計算をお願いしているという。しかし今回優勝したロックマンを転送することに対して、祐一郎は一言それはキケンすぎると断りを入れた。しかし熱斗とロックマンは「パパの子供だから大丈夫だ」と言いリーガルの話に乗ると言う。

すると突然、緊急事態に見舞われる。建物内に警報が鳴り響き、ネビュラの手によって世界各国のインターネットに異常が発生したことで、各国のインターネットが接続できなくなってしまったとアナウンスが入る。オフィシャルとの連絡網もかく乱されていて動けない状態で、このままだと小惑星の軌道計算も行えないと言う。
宇宙局の主任は「レーザー照射装置の作戦を邪魔したのがネビュラだったのではないか、だとすれば今回もナビ転送の件を邪魔するためにやっているのでは」と言う。この事態に熱斗は、じゃあ俺が見てくるよと言う。これに対し主任は「今回の作戦を担う大事な体だ」というが、リーガルはあっさりと「わかったキミにまかせよう」「今回の件でお手並み拝見させてもらおう」と言った。父はここでは何も発言することができず、会議の後で、少しでも力になれればと熱斗にANSAで開発した次世代のチップ「メテオレッドサン」を渡す。さらに熱斗はリーガルから、ロックマンの居場所がいつでもわかるようにと"はっしんき"を受け取る。

熱斗たちは世界中で起こっているインターネットの問題修復で飛び回る。インターネットの国境にはつうしんぶんだんそうちと言うものが設置されていて、これを破壊していく。さらには、インターネットを分断した犯人の情報も聞きつけることができ、パークエリアにいる犯人の元にたどり着くことができた。犯人はネビュラと関係していることが分かったが、すぐにバトルになる。やられた犯人のナビは「最後に我らが偉大なる指導者様の作戦は動き出している、小惑星は我らのものだ」「ワールド・オブ・ダーク計画の成功はもうすぐだ」と意味深なことを言ったかと思うと、犯人はロックマンを巻き込んだ自爆を謀ってきた。
ANSA宇宙通信局では、リーガルが熱斗に渡しておいた発信機の通信が途絶えたことを受け、ロックマンがデリートされたと科学者たちに告げる。科学者たちは絶望し「もう打つ手がなくなった」と嘆いていたが、リーガルが「いや、まだ他のナビを小惑星に送り込めばよい」という。しかし、今からナビを探す時間は無いと主任は告げるが、リーガルは私のナビを送り込むと言った。
一方、ロックマンは自爆に巻き込まれデリートされてしまったと思っていたが、グライド、ガッツマン、ロールが間一髪のところでロックマンを爆発から守ってくれていた。ロックマンは何とか一命を取り留めていた。父のメールによって事情を知っていた友人3人とナビ3人が駆けつけてくれていた。そして3人とナビ3人は熱斗とロックマンに未来を託す。

熱斗がANSAに戻ってくると、一人の従業員から、"父からの手紙"を受け取る。ナビ転送装置の元には科学者たちが集まっていて、リーガルがナビを送ろうとしているところだった。高圧電流が送られるので科学者たちは避難したが熱斗の父は立ち止まり「今のあなたの表情で確信にかわった、この作戦は中止だ」と言う。「最初のレーザー作戦の失敗、そしてナビ転送計画の立案、ロックマンのデリート工作、自分のナビを小惑星に送るなどリーガルに対して都合のいいことばかり起きた事件だ」と言い、リーガルは「何が言いたい」と祐一郎に問う。すると祐一郎は「小惑星を使って何をするつもりだ」と訊いた後、リーガルをダークチップシンジケートネビュラのリーダーだと暴いた。
リーガルは「ご名答だ」と答えたが「目的など聞いてどうするのだ、そんなことを聞いたって小惑星は近づくばかりだ」と言う。そこに、駆けつけてきた熱斗がやって来るが、転送装置までの橋を爆破され落とされかけてしまう。さらに、それに気を取られた祐一郎が、リーガルに後ろから不意打ちをくらって気絶してしまう。リーガルは「ネビュラのリーダーは今までの肩書だ、私は小惑星の力を手に入れて国境も法律も正義も無い、純粋な悪の世界の王となる」「今ここに我が悲願ワールドオブダークけいかくを発動する」と告げた。そしてリーガルは、転送装置にレーザーマンを送り込む。

何とか一命を取り留めていた熱斗は、父から手紙を貰っていたことを思い出し、内容を読むと「はつでんきからプラグインするんだ」と書いてあった。よく見るとレーザー照射装置に電力を送り込む発電機が近くにあり、熱斗はそこから小惑星の電脳へと向かおうとする。しかし科学者の一人が「今あの発電機にプラグインするのは何万ボルトと言う高圧電流が流れているから危険だ」と言う。しかし熱斗は「誰かがやらなきゃいけない事なんだ、オレたちがこの星を守ってみせる」と言い、レーザーマンを食い止めにロックマンを向かわせる。
小惑星の電脳では大きな磁場の乱れに吸い込まれそうになったり、惑星マークの仕掛けなどを解いていくが、小惑星のコントロールルームへと繋がるワープホールの前でレーザーマンが立ちはだかる。そこで、もう一度ロックマンに「そのチカラをわがシンジケートでぞんぶんにふるってみないか?ワタシとともにこのワープホールをくぐり、世界をせいふくするか、それともこのばでワタシにやつざきにされるかだ!」と訊く。だがロックマンは「あくのみかたになるつもりはない!まえにいったとおりだ、たくさんのなかまたちとであい、たくさんのココロをしった、ボクのカラダの中にはなかまたちのあついソウルがつまっているんだ!ボクはあのときのボクじゃないぞ!」と対抗する。レーザーマンは「そんなチャチなパワー、ヤミのチカラのまえでは無力であることをおしえてやろう!」と、レーザーマンとロックマンの戦いになる。

ネビュラのボスであるドクターリーガルの強力なナビだが、ロックマンはレーザーマンをなんとか打ち倒し、リーガルの陰謀を阻止する事ができた。だがレーザーマンは、「最後におまえがワタシを憎むきもちもダークソウルを増幅させるのだ、おまえのココロの隙間にくろぐろとうずまくダークソウルが見える」と言葉を残していった。ロックマンは再びダークソウルという不安を掻き立てられる。
そして、リーガルはここでレーザーマンがデリートされたことで熱斗に「ナビ転送作戦はもともと自分のナビが実行する予定のもので、私のナビだからこそ成功するはずの作戦だった。お前ごときのナビでは小惑星をコントロールするのは無理だ。お前の安っぽい正義感のために、この星は消滅するのだ」と言う。
熱斗は「そんなのやってみなきゃわからないだろ!」といい、再びロックマンをオペレートする。そして、遂にロックマンは小惑星のコントロールシステムへとたどり着いた。しかしここで惑星破壊ロケットのオペレーションシステムのデューオという、首だけのナビが目の前に立ちはだかる。
ロックマンは"わくせいはかいロケット"というデューオの発言に対し、なぜボクたちの星を狙うんだと尋ねる。するとデューオは「わがメモリにあるのは"あくをさばき、ほろびをあたえよ"と言うプログラムだけだ」と答える。さらに、「おまえたちのホシにたいりょうの『あく』をかんちした。人間といういきものだ。たかいちのうをもっているが、そのココロは『あく』にみちている…われはプログラムにしたがい、おまえたちのホシにさばきをくだす…」と言う。
ロックマンは「そんなことは絶対にさせない、ここで食い止める!」と言うと、デューオは「自らのあくを消し去る力を持っているのかこの目で確かめさせてもらう」といい、ロックマンに光を当てた。するとロックマンの後ろに黒々としたロックマンのダークソウルが現れ、デューオのまえでロックマンはダークソウルと戦うことになる。そしてロックマンは自身のダークソウルを鎮めたが、デューオは「おのれの『あく』をおさえこんだか、だがしかし今のは悪を鎮めただけにすぎず、いつの日かまた目覚めるであろう、つまり、おまえのチカラでは悪を消し去ることはできなかったのだ」と突きつける。これに対しロックマンは、「いきているものはみんな、いいココロもわるいココロもりょうほうもっているそれがあたりまえなんだ!だいじなのは、じぶんの中のわるいココロがあらわれたときに、たたかうことができるかどうかってことなんだ!」と言った。
だがしかしデューオは「わが使命は例えそれが人間を滅ぼすことになったとしても悪そのものを滅ぼすことだ、おまえの中にも悪がある以上は滅ぼさねばなるまい」と告げ、首だけの姿から戦闘態勢の姿の"バトルフォーム"へと変身する。大きなナビの姿になってロックマンの前に立ちはだかる。熱斗は「コイツをたおさなきゃ、オレたちの世界にみらいはない!」とロックマンと息を合わせて、最後の戦いが始まる。

とてつもない体力の高さと、強力な攻撃と攻撃の通らなさに苦戦することになるが、ロックマンたちは何とかデューオのバトルフォームを打ち倒すことに成功する。だがしかし、デューオは、「もう遅い、既にお前たちのホシの重力に引かれ始めた、もはや軌道を変えることはできない」と告げる。だがロックマンは「それでもやってみなきゃわからない!ボクはぜったいにあきらめない!」といい、ならばとデューオがコントロールシステムへの橋を渡した。「おまえがどこまでやれるのか、きょうみがわいた。計算ではあと1時間で大気圏に突入する。急がねば間に合わない」と告げる。ロックマンは橋を渡り、コントロールシステムの舵のようなものを懸命に回そうとするが、とてつもない重さでビクともしなかった。
ロックマン命懸けの奮闘の最中、ANSAの職員により小惑星衝突の危機とロックマンの奮闘が世界中に伝えられる。小惑星の衝突まであと1時間と言うあまりにも突然の発表に、世界中で大パニックが起こる。

「ボクたちはもう終わりだ」「小惑星の衝突をただ待つだけしかない」「オフィシャルは何をやっている」「小学生一人のナビだけで一体何ができるんだ」と嘆く声の中、でかおとやいと、そしてメイルは「今この瞬間もロックマンは一番危険なところで頑張っているのにみんな何自分かって事ばかり言ってるの」と許せない気持ちでいた。そんなところに、ファイアマンのオペレーターのヒノケンがやってくる。「あんたらはこのままおっちんじまうのをまってるつもりかい?そんなのオレはいやだね。オレはどんな状況でも燃え尽きてから死にてえんだ。今のオレたちでもできることがあるだろ?」「ロックマンのやつ、小惑星と一緒にこっちに来てるんだろ?頑張って叫べば届くかもしれないぜ」と熱い台詞を吐く。そして、3人の友達は空に向かって叫ぶ。そしてヒノケンは「あんたたちはどうする?」と言って自分も空に向かって応援をした。
更にトーナメントに出場したネットバトラーたちが中心となり、世界中からロックマンへのエールが送られる。

アメロッパ、アジーナ、アッフリク、シャーロ。その声は熱斗の元にも届いていて、ロックマンを近くから応援する。だがここでトラブルが発生し、ナビ転送装置と発電機とを繋ぐ高圧電流のケーブルが千切れてやられてしまう。ロックマンとの通信もオペレートも途切れてしまうが、リーガルが突如として立ち上がる。そして即急な修復方法はなくケーブルの代わりになるものは無いと判断をすると、なんと自らの身体をもって無理矢理に電流を繋ぎ、ロックマンとのアクセスを繋いでしまう。
ロックマンの方は未だビクともしないコントロールシステムを懸命に動かそうとしていたが、これを見てデューオはもうあきらめろと言う。だがここで、デューオは大気圏が激しく振動していることに気づいた。デューオが大気圏の振動の正体を確かめると、ロックマンを呼ぶ声が聞こえてきていた。すると、ロックマンの元にもそれが伝わってきて、ロックマンの元に力が芽生えていく。世界中の人々の応援する声が伝わったロックマンは奥底に眠る潜在的なパワーを呼び起こした。熱斗に「力を貸して」と言い、熱斗とロックマンは"フルシンクロ"をする。
すると、さっきまでビクともしなかったコントロールシステムが一気に回った。
ロックマンはその場に倒れ、デューオはその姿を見て「お前たちの星は破壊するには惜しい星だ、しばらくの間裁きを下すのは見送ろう我は眠りにつき宇宙の旅に出る。何十年、何百年先になるか分からないがワレが再びこの星を訪れた時もう一度裁きを下す必要があるか否かを見極めるとしよう…さぁ、帰るのだ小さな戦士よ」といい、ロックマンを小惑星から返してやった。

小惑星は去ったがまだ問題が残されていた。オフィシャルの炎山が乗ったヘリがやってきてそこに熱斗が乗りこみ、橋が落とされた先のナビ転送装置の元へ2人が降りる。するとそこではリーガルが身を投げようと建物の淵に立っていて、祐一郎がリーガルに話を聞こうとしているところだった。
熱斗と炎山もそこに加わると、リーガルはそのまま話を進める。「私はオフィシャルに逮捕される人間などではない、きえるのだよ」と言うリーガルに対し、熱斗は「今ならやり直せる」と言った。だが、リーガルは、「光熱斗、おまえは大きな思い違いをしている。私は罪を償おうという気持などこれっぽっちも持ってはいない。ワタシはね、今までやってきた行いに罪悪感など、全く無いのだよ。キミたちにもあるはずだ、自分では良いことをしたと思っていても、じつは、誰かを傷つけていることが。しかし、それは『あく』ではない。なぜなら、本人は正しいと思っているからだ」と言う。そして、「光熱斗、 キミは以前わがシンジケートのナビを追ってパークエリアに入るとき、事情を知らないパークエリアのナビを倒したね?」と言うと、熱斗は言葉を失ってしまう。
リーガルは続けて「伊集院炎山、キミは任務の名のもとに数えきれないほどのナビをデリートしてきたはず、その中になんの罪もないナビもいたかもしれない」「…光ゆういちろう、キミがネットナビ研究をしなければ、今ほどネット犯罪は増えていなかったのではないか?」と3人に突き付けて、3人は言葉を返せない。
さらに続けてリーガルは、「そして、この繁栄したネットワーク社会を築いた科学者たちは、とあるロボット工学の科学者を追放し悪の道へとはしらせた。追放された科学者は、ワタシがかつて父と呼んだオトコだ…」と暴露する。祐一郎は「ま、まさか、おまえは…」と何かに勘付く。「フッ、今となってはどうでもよいことだ…」と答えるリーガル。「はなしをもどそうか…」とさらにリーガルは続けて、「人間というものは、しらないうちに罪を犯しているもの…つまりは、だ、キミたちもまた、罪人なのだよ。なに、キミたちだけではない、すべての人間がそうなのだよ。ましてや、罪人である人間が別の人間を裁こうなど、おこがましいとは思わんかね?」「だから私は誰にも裁かれることは無い。自分の信念を貫いて消えることを選ぶ」「ワタシがきえても…『あく』はけっしてきえることはないさらばだ…」といい、リーガルの身体が後ろへと倒れていく。

小惑星衝突の危機が去り3日が経ったがドクター・リーガルが見つかることはなく、アメロッパにあるコロッセオでは、先日行うことのできなかった表彰式が行われる。
表彰により会場で熱斗はトロフィーを受け取り、世界ネットバトルの親善大使にも選ばれていた。しかし熱斗自身はどうも「『あく』はけっしてきえることはない」というリーガルの言葉が気になっていた。ロックマンに不安を打ち明けてみると、ロックマンは「きっと、そのとおりだとおもうよ」と言った。そして「それでもそれに打ち勝つ力はみんな持ってるはずだし、デューオにも胸を張って『あく』と戦えていると言える世界を作っていかないとね」と熱斗に答える。これに熱斗は「そうだな」と前向きになり、「なんせ、これからの時代を作っていくのは、オレたちだもんな!!」と答える。

すると表彰から、「最後にネットバトルのテクニックを披露してもらいます」と急に熱斗にパフォーマンスを振られる。熱斗は「そんなこと言われたってどうすればいいんだ」と困惑したが、友達や父親、ライバルから向けられた視線や期待を向けられると「やるっきゃないな…!」と言い、ロックマンを電脳世界へとプラグインさせた。

『ロックマンエグゼ4』のゲームシステム

今作では、戦闘中には左上に"ココロウィンドウ"が表示されるようになる。また、前作や前前作で導入されていたスタイルチェンジシステムに変わり"ソウルユニゾン"が導入された。その関係によりADDシステムが廃止されている。また、物語を進めていくと闇のバトルチップ"ダークチップ"が登場する。非常に強力だがデメリットが存在する。

ココロウィンドウ

ココロウィンドウ(通常)

戦闘時のロックマンの心情を表し、戦闘画面に常に表示されている。戦闘の状況や、敵の攻撃に対してカウンターを成功させたり、特定のチップを使うことなどで変化していく。
フルシンクロ
主に敵ウィルス、ナビが攻撃しようとした瞬間に攻撃をする事(カウンター)によって起こる。ダメージを受けずにバトルチップによる攻撃を当て続けることでなることもある。この状態のとき、ロックマンのバトルチップによる攻撃力が2倍になり、カウンターのタイミングが分かるようになる。攻撃を受けるかバトルチップを使うと普通状態に戻る。
不安
敵の攻撃を受け続けているとこの状態になる。ソウルユニゾンができない代わりに、ダークチップが選択できるようになる。
怒り
2秒間以上敵の攻撃によって動けなくなるとこの状態になる。敵の攻撃を受けても仰け反らなくなり、一回だけバトルチップによる攻撃力が2倍になる。但し、バトルチップを使うかしばらく経つと普通状態に戻る。

ダークチップを使うことによって起こる状態。ロックマンの体が黒くなり、ソウルユニゾンができなくなる。

ソウルユニゾン

ロックマンのココロウィンドウとソウルユニゾン

ソウルユニゾンは、ストーリーを進めていく中でナビと戦い共鳴し、ロックマンを強化することができる『エグゼ4』以来の新システムである。ソウルを獲得すると、PETの画面に獲得したソウルのマークが並び、戦闘時にはそのソウルの姿へとロックマンを変身させることができる。ロックマンをソウルユニゾンするには、戦闘時に変身したいソウルに対応した特定のチップを生贄としてささげることで、3ターンの間そのソウル特有の力を受けることができる。1回の戦闘では2度と同じソウルに変身することはできないので、長期戦においては使いどころを選ぶことになる。

ダークチップ

ダークチップの一枚『ダークランス』

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