メリオダス（七つの大罪）の徹底解説・考察まとめ

メリオダス（七つの大罪）の概要

メリオダスとは、鈴木央の漫画『七つの大罪』の主人公で、「七つの大罪」の団長。七つの大罪とは、かつてリオネス王国に仕えていた7人の英雄が所属する騎士団である。彼等はそれぞれ怠惰、傲慢、嫉妬、憤怒、強欲、色欲、暴食の大罪を背負う罪人であり、メリオダスはその中で憤怒の大罪を背負っている。本作はブリタニアという大陸を舞台に物語が展開されるファンタジー作品である。ブリタニアには妖精、巨人、人間、女神、魔神の5種族が存在しており、女神族と魔神族は敵対していた。本編より3000年前、女神族は妖精、巨人、人間を味方に付け「聖戦」と称して魔神族に全面戦争を仕掛けた。最終的に女神族はその肉体を犠牲にして、魔神族を「常闇の棺」という異空間に封印し、聖戦は終結している。

メリオダスは、魔神族を統べる魔神王の息子として生まれた。そして創造神が率いる女神族達との戦争で、最前線で戦っていた。3000年前の聖戦以前は、十戒の統率者として活躍している。十戒とは魔神族の中でも特に力の強い「最上位魔神」を10人集めた精鋭部隊である。魔神王より「戒言」という強大な力を授かっており、無類の強さを誇るっていた。だがメリオダスはエリザベスと出会い、恋に落ちて女神族へと寝返った。エリザベスは創造神の娘の美しい女性である。これが原因で魔神族と女神族の拮抗状態が崩れ、女神族、妖精、人間、巨人の4種族と魔神族の全面戦争である「聖戦」が始まってしまう。メリオダスとエリザベスは聖戦を止めようと奔走するが、聖戦は激化していった。聖戦は十戒の1人であるゴウセルが女神族の主力であったマエルの記憶を書き換え、十戒側に寝返らせた事で戦局が一変する。ゴウセルは「無欲」の戒言を持ち、記憶操作や精神操作の魔法を得意とする魔神族である。マエルは女神族の中核を成す女神族四大天使の1人である。魔神族側が優位になった事により、女神族は苦肉の策として「常闇の棺」を発動し、魔神族を封印する事になる。

聖戦は終結したものの、メリオダスは創造神の怒りに触れ「永遠の生」という呪いを掛けられている。これは彼が死亡する度に、魔神王に感情を1つ奪われて復活するという呪いであった。これにより、彼は死ぬ度に冷酷無慈悲な存在へと変貌していく。一方のエリザベスも魔神王から「永劫の輪廻」という呪いを掛けられる。これは「彼女が死亡する度に転生してメリオダスと出会って恋に落ち、転生前の記憶を取り戻すと必ず3日後にメリオダスの前で命を落とす」というものであった。これによりメリオダスはエリザベスと出会っては恋に落ち、目の前で彼女を失うという永遠の悲しみを経験する事となる。メリオダスは自分とエリザベスの呪いを解く為、3000年を超える長い旅を始めた。

本編より16年前、メリオダスはダナフォール王国の騎士として活動する。そこでエリザベスの転生体であるリズと出会い、恋に落ちた。だが彼女はフラウドリンの手によって、メリオダスの目の前で殺されてしまう。フラウドリンは十戒の1人の最上位魔神である。常闇の棺の封印を逃れており、メリオダス達を襲撃したのであった。怒りに我を忘れたメリオダスは、魔力を暴走させてダナフォール王国を消滅させてしまう。その後、王国の跡地で転生した新生児のエリザベスと出会い、彼女を保護した。ダナフォール王国の隣国であるリオネス王国の国王バルトラは、エリザベスを養女として引き取る事となり、エリザベスを守護する為にメリオダスはリオネス王国の聖騎士となった。バルトラはリオネス王国第11代目の国王である。「千里眼（ビジョン）」という未来予知のできる魔力を持ち、様々な予言をする人物である。聖騎士とは、リオネス王国に仕える魔術と剣術に秀でた強力な騎士の事である。バルトラは「7人の大罪人がリオネス王国の守護者となる」という予言をした。これを聞いたメリオダスは、自分も含めて7人の大罪人を探し出し、彼等を聖騎士団「七つの大罪」の団員にする。メリオダスはこの予言を「七つの大罪が十戒を打倒する」ものだと認識しており、十戒を倒す為に七つの大罪を結成したのであった。

七つの大罪はめざましい活躍をし、リオネス王国の英雄となった。だが本編の10年前にザラトラスが何者かの手によって暗殺され、その濡れ衣をメリオダス達七つの大罪の団員は着せられてしまう。ザラトラスはリオネス王国の聖騎士達を束ねていた聖騎士長である。国を追われる事となった七つの大罪は、ブリタニア大陸各地に離散した。

真犯人はフラウドリンに操られた、ドレファスと、ヘンドリクセンであった。ドレファスはザラトラスの弟であり、ヘンドリクセンは彼の弟子であり親友でもある。消失したダナフォール王国を調査し、そこでメリオダスとの戦いを生き残ったフラウドリンに襲撃を受けていた。ドレファスはフラウドリンに身体を乗っ取られ、ヘンドリクセンは彼の魔力によって操られていたのである。冤罪を着せられた七つの大罪は離散し、ブリタニア大陸各地に逃れた。リオネス王国脱出の際、メリオダスはマーリンに襲撃され、その力の大半を奪われてしまう。マーリンは七つの大罪のメンバーであり「裏切りの大罪（ボア・シン）」を背負う妖艶な女性である。彼女はメリオダスの強大すぎる力の暴走を恐れており、ダナフォール王国の様な惨劇を繰り返さぬ様に彼から魔力を奪ったのであった。

リオネス王国脱出から10年後。メリオダスは、巨大な豚の背に建てられた「豚の帽子亭」という酒屋を営みながら旅を続けていた。リオネス王国ではフラウドリンに操られたドレファスとヘンドリクセンの2大聖騎士長が「聖戦に備える」と称し、聖騎士達を扇動してクーデターを決行している。暴走した聖騎士達は民衆を苦しめ始めていた。大人になっていたエリザベスは、そんなリオネス王国から脱出し、かつての英雄達に助けを求めるべく、七つの大罪を探し始める。物語は彼女が豚の帽子亭に駆け込んで来た所から始まる。

エリザベスと再会したメリオダスは、他の七つの大罪のメンバーを集める為旅を始める。そして仲間達と合流していき、黒幕のヘンドリクセンを打ち倒してリオネス王国を奪還した。だが彼は生き延びており、真の黒幕であるフラウドリンに操られたドレファスの手によって、常闇の棺に封印されていた十戒を復活させてしまう。

メリオダス達七つの大罪は、十戒を倒す為行動を開始する。だが、メリオダスは十戒の1人であるエスタロッサに殺されてしまった。エスタロッサはメリオダスの弟である。死亡したメリオダスの魂は煉獄の魔神王の元へ行き、彼は感情を1つ奪われた状態で復活した。感情を失った彼は以前より冷酷になっており「自分が魔神王になり変わってエリザベスの呪いを解く」決意をする。メリオダスは十戒へと寝返り、七つの大罪と敵対する事となった。

魔神王に成り代わろうとするメリオダスであったが、魔神王は彼の肉体を乗っ取りブリタニア大陸を支配しようとする。だが七つの大罪の活躍により、メリオダスの感情は煉獄から救い出され、彼は魔神王から身体を奪い返す。

メリオダスに敗北した魔神王であったが、今度はゼルドリスの身体を乗っ取る。ゼルドリスはメリオダスの弟である。再び七つの大罪に復帰したメリオダスは仲間達と共に、再び魔神王と戦ってゼルドリスを救い出した。この戦いでメリオダス達七つの大罪は魔神王を打倒する。これによりメリオダスは魔神王の力を手に入れ、自分に掛けられた「永遠の生」と、エリザベスに掛けられた「永劫の輪廻」の呪いを解いた。

魔神王を打倒した事により、光と闇のバランスが崩れて混沌が活動を始める。混沌とは、かつて魔神王や創造神等、万物を作り出した巨大なエネルギー体の様なものである。この混沌の力を統べる王として、アーサーが選ばれた。アーサーはキャメロット王国の若き王子であり、メリオダスと共闘してきた仲間である。アーサーの混沌の力を狙い、キャスが彼を襲い始める。キャスはかつて混沌に生み出され、混沌の力を求めたが為に封印されていた生命の枠を超えた化け物である。メリオダス達七つの大罪はアーサーを助け、キャスと戦った。最終的にアーサーは混沌の力を駆使してキャスを封じ込める事に成功する。

戦いが終結し、メリオダス達七つの大罪はブリタニア大陸に平和をもたらした。彼は七つの大罪の解散を宣言し、団員達は各々の生活に戻って行った。メリオダスはエリザベスと結婚し、リオネス王国の王となる。そして彼女との間にトリスタンという息子をもうけた。

メリオダス（七つの大罪）のプロフィール・人物像

CV：梶裕貴
年齢：3000歳以上（外見年齢は十代前半）
身長：152cm
体重：50㎏
血液型：B型
誕生日：7月25日
出身地：魔界

闘級：3370（魔力：400／武力：990／気力：2010）
魔神化時闘級：4400
暴走時闘級：10500⇒32500（魔力2700／武力：27700／気力：2100）
魔神化時闘級：56000（魔力：3000／武力：50000／気力：3000）⇒60000
殲滅モード時闘級：142000

メリオダスは元々は冷酷無慈悲な性格であった。十戒の統率者として、魔神軍を指揮していた事もあり、周囲からは「何処か近寄り難い人物」として認識されていた。弟のゼルドリスは彼に尊敬の念を抱くと同時に、畏怖もしていた。この時のメリオダスは父親である魔神王の命令をこなす事に必死で、余裕が無い状態である。

3000年以上前に最高神の娘であるエリザベスと出会い、彼女と愛し合う事でメリオダスの性格は徐々に感情豊かになっていく。最終的にメリオダスは魔神族と女神族の不毛な争いを終わらせる為、女神族と妖精、人間、巨人族の混合軍である「光の刻印（スティグマ）」に寝返った。聖戦終結後は自分とエリザベスにかけられた呪いを解く為に旅をしていく。その際彼は「常闇の棺の欠片」を常に持ち歩いていていた。これは十戒を封印した常闇の棺を開ける為に必要な鍵であり、メリオダスは封印が解かれない様に守っていたのである。また彼は呪いの影響で転生を繰り返すエリザベスとの出会いと死別を繰り返し、その度に打ちひしがれた。だが同時に彼女との時間を過ごす事で、かつての様な冷酷さは鳴りを潜めていく。次第に彼は惚けた様な親しみ易さを兼ね備えた人物となっていった。感情豊かになる一方で、メリオダスは自分の力を制御しようとしていく。それでも彼は自分の力を制御出来ず、怒りに駆られてダナフォール王国を消滅させている。

七つの大罪として活動した際には、団員達と対等に接する尊敬される団長であった。一方で自分の出身や過去を話さない秘密主義の様な一面も持っている。七つの大罪の中では特にバンと仲が良く、自他ともに認める親友であった。バンは「強欲の大罪（フォックス・シン）」を背負う不老不死の人間男性である。メリオダスとバンのスキンシップは激しく、周囲の建物や地形を変えてしまう程、激しく殴り合うというものであった。そんな気兼ね無い関係であるが、バンがふざけて常闇の棺の欠片に触った際には本気で怒っている。

無類の強さを誇るメリオダスであるが、10年前マーリンに力の大半を奪われ、更に自分の神器「魔剣ロストヴェイン」を売り払った事により大幅に弱体化している。神器とは、バルトラ王が七つの大罪の団員達に送った特殊な武器の総称である。各々の魔力を効率的に発現させ、それぞれの特性に合わせた性能を発揮する。リオネス王国を追われたメリオダスは、ロストヴェインを売った金を元手に居酒屋「豚の帽子亭」を運営していく。こうして稼いだお金で彼は各地を放浪する事となった。メリオダスは自分の力を奪われて弱体化したにも関わらず、大切な武器を躊躇無く売り飛ばしていたのである。この時の彼はかなり楽天的な性格をしていた。十戒が復活した際、強大な力とかつての冷酷さを失ったメリオダスは十戒の面々から「腑抜け」と散々に馬鹿にされている。

十戒のエスタロッサに殺され、魔神王に感情を1つ奪われて復活してからは、元の冷酷さを取り戻す。だが、これによりメリオダスは「魔神王に成り変わって自分とエリザベスの呪いを解く」と考える様になり、七つの大罪やエリザベスと対立した。メリオダスが冷酷無慈悲になった事で、彼は魔神王と近い存在になっていく。これにより魔神王は、彼を器として乗っ取り復活した。魔神王は肉体が老化していた為、メリオダスの若い肉体を欲していたのである。最終的に七つの大罪の活躍でメリオダスは、感情を取り戻す事で魔神王を打倒した。これ以降、メリオダスは元の感情豊かな性格へと戻った。

エリザベスに対しては、基本的に胸を触ったりと、容赦無いボディータッチを行う。メリオダスは彼女が前世からの恋人であると知っている為、この様なセクハラ行為に及んでいる。エリザベスの方も恥ずかしがっているが、明確に拒絶する事は無い。だが彼は人目も憚らず、記憶の無い転生体のエリザベスにもこういった行為をする為、周囲の人間はドン引きしている。またエリザベス以外の女性には興味が無く、他の女性から想いを寄せられても無関心を貫いていた。

メリオダス（七つの大罪）の装備・能力

憤怒の大罪の紋章

メリオダスの左腕に彫られているドラゴンの紋章。かつてダナフォール王国を怒りで消滅させた事から「憤怒の大罪（ドラゴン・シン）」を背負っている。

全反撃（フルカウンター）

メリオダスの技の1つ。相手の魔力を数倍にして跳ね返すという技。相手が強ければ強い程効果的であり、メリオダスは多くの敵をこの技で倒してきた。

主に魔力の大半を奪われ、メリオダスが弱体化していた物語序盤に使用された。

相手の魔力を跳ね返す技の為、物理攻撃は弾き返さない。また相手が魔力を弱めて使用した場合、その威力は弱まってしまう。

元々はメリオダスの師匠である魔神族のチャンドラーによって授けられた技である。その為、チャンドラーもこの技を扱える。

メリオダスは魔力を弾き返せるフルカウンターを使うが、彼の弟として登場したエスタロッサは物理攻撃を弾き返せるフルカウンターを使用する。

カウンターバニッシュ

フルカウンターの応用的な技の一種であり、相手の攻撃魔法を無効化にする。

リベンジ・カウンター

メリオダスが戦闘で受けたダメージを蓄積し、それを数倍にして一気に相手に返す技。フルカウンターは相手の魔力を返す技であるのに対し、この技は魔力と物理攻撃両方に適用できる。また複数人からの攻撃ダメージを蓄積する事も可能で、魔神化したヘンドリクセンと対戦した際にメリオダスは七つの大罪のメンバー達の攻撃を受け切り、そのダメージをヘンドリクセンへ放つ事で勝利した。

強力な技である反面、相手の攻撃を防御無しで受ける必要がある為、メリオダスにダメージが蓄積してしまう。正に諸刃の剣である。

魔剣ロストヴェイン

メリオダスがバルトラ国王から授かった神器。神器とは、七つの大罪の面々にそれぞれ送られた武器の総称である。所有者の特性に合わせた特殊能力を持っており、団員達はそれぞれ異なる武器を所有している。

ロストヴェインには分身能力が備わっており、複数体の実体のある残像分身を作り出せる。増えれば増える程、分身体の能力は半減していくデメリットを持つ。だがメリオダスの場合、フルカウンターという相手の魔力に依存した技を持っている為、戦闘でデメリット効果を受ける事は無い。むしろ分身体同士で相手の魔力をフルカウンターで跳ね返し合う事で、桁違いの攻撃を繰り出す事が出来る。正にメリオダスにしか扱えない専用武器といえる。

メリオダスの魔力にも耐えられる程頑丈であり、魔神化したメリオダスの全力の攻撃を繰り出す事も可能である。また彼の膨大な魔力をより効率的に引き出す事も出来る。

大切な武器であるものの、10年前の事件後にメリオダスはロストヴェインを売り払ってしまう。彼はその金を元手に豚の帽子亭を建築した。この為、本編では当初メリオダスはロストヴェインを持っていない。彼に売却されたロストヴェインは、すぐにマーリンの手によって買い戻されており、以降は彼女が持っていた。リオネス王国奪還の戦いの後、メリオダスはマーリンからロストヴェインを渡される事となる。

リズが送った短剣

エリザベスの前世であるリズがメリオダスに贈った短剣。この時戦いを嫌っていたメリオダスは、受け取らなかった。彼女の死後、巡りに巡って次の転生体であるエリザベスの手に渡る。エリザベスはリオネス王国奪還の戦いの前にこの短剣をメリオダスに渡している。

この時のメリオダスは自分の専用武器魔剣ロストヴェインを持っていなかった。彼の攻撃は威力が強すぎる為、通常武器は1回使うだけで崩壊してしまう。だがこの短剣はかなり頑丈であり、メリオダスの攻撃に耐えて使用できた。彼は魔神化したヘンドリクセンとこの短剣で戦っている。戦闘後、メリオダスの全力を出し切った短剣は崩壊して壊れてしまった。