エスカノール（七つの大罪）の徹底解説・考察まとめ

エスカノール（七つの大罪）の概要

エスカノールとは、鈴木央の漫画『七つの大罪』の登場人物であり「七つの大罪」の団員。七つの大罪とは、かつてリオネス王国に仕えていた7人の英雄が所属する騎士団である。彼等はそれぞれ怠惰、傲慢、嫉妬、憤怒、強欲、色欲、暴食の大罪を背負う罪人であり、エスカノールはその中で傲慢の大罪を背負っている。また同じ団員のマーリンに惚れており、彼女へ密かに想いを寄せていた。マーリンは「暴食の大罪」を背負う美しい女性である。

エスカノールは元々はタリム王国という小国の第2王子として生まれたが、生まれつき「太陽が昇る程に力を増し、傲慢で筋骨隆々の大男になる」という奇妙な力を持っていた。彼はその力を恐れられて祖国から命を狙われてしまう。だがローザの手引きにより、辛くも祖国を脱出し、放浪の旅に出る様になった。ローザはタリム王家に仕えていた侍女である。その後リオネス王国に流れ着き、メリオダスに勧誘されて七つの大罪に加入した。七つの大罪に加入したエスカノールは、他の団員達と共に活躍して英雄になっていく。

本作はブリタニアという大陸を舞台に物語が展開されるファンタジー作品である。ブリタニアには妖精、巨人、人間、女神、魔神の5種族が存在しており、女神族と魔神族は敵対していた。本編より3000年前、女神族は妖精、巨人、人間を味方に付け「聖戦」と称して魔神族に全面戦争を仕掛けた。最終的に女神族はその肉体を犠牲にして、魔神族を「常闇の棺」という異空間に封印し、聖戦は終結している。

本編より10年前、七つの大罪はザラトラス殺害の冤罪を着せられる。ザラトラスは聖騎士を束ねる聖騎士長である。リオネス王国のお尋ね者となったエスカノール達七つの大罪は解散し、団員達は方々に散った。本編はそれから10年後にリオネス王国の聖騎士達がクーデターを起こし、エリザベスがメリオダスに助けを求める所から始まる。エリザベスはリオネス王国の第3王女である。メリオダスは本作の主人公にして七つの大罪の団長で、その正体は魔神族である。メリオダスは方々に散った、エスカノールを除く団員を集め、リオネス王国を奪還した。エスカノールは辺境の地で細々と居酒屋を経営していた為、この危機を知らなかった。この為、彼はリオネス王国奪還の戦いには参加していない。

エスカノールを除く七つの大罪はリオネス王国を奪還したものの、封印されていた魔神族の十戒が復活し、七つの大罪のメンバー達は苦戦を強いられていく。十戒とは魔神族の中でも特に力の強い「最上位魔神」を10人集めた精鋭部隊である。魔神王より「戒言」という強大な力を授かっており、無類の強さを誇るっていた。そこへエスカノールが七つの大罪へ復帰し、圧倒的な力で十戒を次々とねじ伏せて行った。

戦いを繰り広げていく中で、エスカノールの無敵の強さの秘密が明かされていく。エスカノールの力は元々は女神族四大天使の1人マエルのものであった。マエルは女神族の中核を成す女神族四大天使の1人である。女神族四大天使は、女神族のトップである最高神から「恩寵」という力を授かっており、十戒2人分以上の強さを誇っていた。マエルの恩寵は「太陽（ザ・サン）」と呼ばれるものである。これは太陽が昇るに連れて力を増し、正午に最強の力を発揮するというものであった。だが3000年前の聖戦において、十戒の1人であるゴウセルの手によりその力は失われてしまう。彼は聖戦を終わらせる策略の一環として、マエルの記憶を書き換え十戒側に寝返らせる。ゴウセルは「無欲」の戒言を持ち、記憶操作や精神操作の魔法を得意とする魔神族である。これにより宿主を失った恩寵は器を求めて彷徨い、エスカノールの肉体に宿ったのであった。尚恩寵の正式名は「太陽（ザ・サン）」であるが、経緯を知らないエスカノールは「太陽（サンシャイン）」と呼称している。

七つの大罪の一員として活躍していくエスカノール。だが彼の肉体はその強大過ぎる力に耐え切れず、次第に負担が重なっていく。そして過激さを増していく魔神族との戦いの中で、遂に限界に達しようとしていた。エスカノールは原初の魔神から仲間達を守る為、洗脳の解けたマエルに恩寵を返還し、自分の代わりに戦ってほしいと懇願する。原初の魔神とは魔神族を率いる魔神王の力を半分持つ、強力な敵である。マエルはエスカノールから力を受け取り、彼の代わりに戦った。力を取り戻したマエルは原初の魔神を撃ち倒し、天界へ帰還する。

平和を取り戻し、一般人に戻ったエスカノール。だが今度は魔神王がゼルドリスの肉体を借りて地上に現れ、ブリタニア大陸を滅ぼそうとする。ゼルドリスは十戒の統率者であり、メリオダスの弟の魔神族である。エスカノールを除く七つの大罪のメンバー達は再び死闘に身を投じていく。エスカノールは一般人でありながら決死の覚悟でマエルを地上に呼び戻す。マエルはエスカノールから「自分の代わりに魔神王と戦って欲しい」と懇願されると思っていた。力量差を痛感していた彼は、魔神王と戦う事を断ろうとしていたのである。だが、エスカノールは「再び自分の力で魔神王と戦いたいので、太陽（サンシャイン）を返して欲しい」旨を伝え、マエルは意表を突かれた。エスカノールの肉体が太陽（サンシャイン）に耐えられない事を知っていたマエルは、彼を止めようと説得する。だが、仲間の為に戦いたいエスカノールの決意は固く、自分が死ぬ事を分かった上で、彼はマエルから太陽（サンシャイン）を受け取った。力を取り戻したエスカノールは再び七つの大罪の戦列に復帰する。

死闘の末エスカノール達七つの大罪は魔神王を打ち滅ぼし、ブリタニア大陸に平和を取り戻す。だがエスカノールの肉体は恩寵の力に耐え切れず、崩壊を始める。彼は七つの大罪のメンバー達に別れを告げ、マーリンへの想いを伝えた。そして仲間達と共に戦えた事に幸せを感じながら死亡した。

エスカノール（七つの大罪）のプロフィール・人物像

CV：杉田智和
年齢：40歳
身長：165～325cm
体重：49～355㎏
血液型：AB型
誕生日：7月1日
出身地：タリム王国

エスカノールは七つの大罪の1人で「傲慢の大罪（ライオン・シン）」を背負う男性。普段は気弱で貧弱であるが、太陽が昇る程傲慢になり肉体が筋骨隆々になっていく。それに伴って魔力が増大し、正午に最強の力を発揮する。その力は凄まじく、暴走して手加減無しのメリオダスに勝った程である。メリオダスは本作の主人公であり、七つの大罪の団長である。その正体は魔神族の頂点に君臨する魔神王の長男であり、元十戒の統率者であった。

七つの大罪加入時は30代の青年であった。十戒復活後の再加入時には口髭を生やしている。その特殊体質から家族や人々に恐れられ、王子でありながら幼少期に国を追われて天涯孤独の身となった。それでもローザを心の支えにし、生きていく事を決意する。ローザはエスカノールの侍女であり、彼を救った命の恩人でもある。

元々は心優しい性格だが、その能力の強大さと傲慢さが災いし、人々からは恐れられて常に孤独であった。だが、七つの大罪に加入してからは彼の能力を受け入れてくれる仲間達と出会い、安らぎを得ている。またローザとよく似たマーリンとも出会い、彼女へ密かな恋心を抱いていった。マーリンは七つの大罪の1員であり、暴食の大罪を背負う美しい女性である。

かつては自身の能力を忌み嫌っていたものの、七つの大罪として戦う中で次第に受け入れていく。だが元々は女神族四大天使の能力である為、エスカノールの肉体は能力に耐え切れず、自壊を始めた。四大天使とは女神族の中でも特に力を持つ、4人の戦士の総称である。一旦は元の持ち主であるマエルに能力を返還して普通の人間に戻ったものの、例え肉体が滅びようとも最後まで七つの大罪の一員として戦う事を決意した彼は再びマエルから力を借り受け、戦線に復帰した。マエルは女神族四大天使の1人であり、元のエスカノールの能力の持ち主である。最後は自分を受け入れてくれた七つの大罪の仲間達と共に戦い、マーリンへ秘めた想いを伝えて消滅した。

エスカノール（七つの大罪）の装備・能力

通常時の姿

太陽が沈んでいる時のエスカノール本来の姿。ガリガリで貧弱な体型をしている。性格も温厚で気弱であるが、この姿でも人の為に命懸けで戦う気高さも持っている。

太陽（サンシャイン）

エスカノールの能力の名前。その名の通り、太陽が昇る程傲慢になり肉体が筋骨隆々になっていく。それに伴って魔力が増大し、正午に最強の力を発揮する。太陽の様に相手を燃やし尽くす、高火力の魔法を放つ。

神斧リッタ

エスカノールがバルトラ国王から授かった神器。神器とは、七つの大罪の面々にそれぞれ送られた武器の総称である。所有者の特性に合わせた特殊能力を持っており、団員達はそれぞれ異なる武器を所有している。

エスカノールのリッタは桁外れの頑丈さと重さを有する片手斧である。十戒のガランですら持ち上げる事が困難であるが、エスカノールは片手で難なく振り回す。その特性は「充填＆放射（チャージ＆ファイア）」であり、エスカノールの太陽（サンシャイン）の力を貯めて放出する事が出来る。これにより夜でもリッタを持っていればある程度太陽（サンシャイン）の能力を使う事も出来る。また強大過ぎる太陽（サンシャイン）の能力の負担を減らす役割も担っていた。離れた位置に置いてあっても、エスカノールの意思で呼び寄せる事も可能である。

技

無慈悲な太陽（クルーエル・サン）

エスカノールの技の1つ。擬似的な太陽を作り出し、相手にぶつける技である。強力な技であるが故に、周囲も巻き込んでしまうデメリットも持つ。

炸裂する傲慢（プライド・フレア）

上記の無慈悲な太陽（クルーエル・サン）で相手に叩き込んだ太陽を爆発させる技。湖を一瞬で蒸発させてしまう熱量を持つ。対エスタロッサ戦で使用し、彼を一時的に戦闘不能にまでしてしまう。また、その際に十戒の統率者ゼルドリスも一緒に吹き飛ばしている。

暴発する矜持（クレイジー・プロミネンス）