
『ユニークライフ』とは、2017年にNetflixで放送されたアメリカ合衆国のテレビドラマシリーズで、青春コメディ作品である。主演はキーア・ギルクリストで、マイケル・ラパポートやジェニファー・ジェイソン・リーなどが出演する。コネチカット州に住む18歳の自閉スペクトラム症のサム・ガードナーや、彼を取り巻く人々の日常が描かれている。サムは女性とデートがしたいと考え、友人や家族の助けを借りながらデートの社会的ニュアンスを学び始める。本作はシーズン2以降で自閉症の俳優や脚本家を起用し、高く評価された。
『ユニークライフ』の概要
『ユニークライフ』とは、2017年8月11日から2021年7月9日までNetflixで公開されたアメリカ合衆国のテレビドラマシリーズで、青春コメディ作品である。シーズン4で完結する。監督は『わたしが美しくなった100の秘密』や『プリズン・フリーク』などを手掛けるマイケル・パトリック・ジャン。主演はキーア・ギルクリストで、マイケル・ラパポートやジェニファー・ジェイソン・リーなどが出演する。コネチカット州に住む18歳の自閉スペクトラム症のサム・ガードナーは女性とデートがしたいと思っていたが、コミュニケーションが上手く取れず、恋愛が難しかった。そんなある日、サムは26歳のセラピストであるジュリア・ササキに恋をする。しかし父親のダグ・ガードナーはサムと彼女は年の差があり過ぎるため、自分の年齢に合ったガールフレンドを見つけるよう諭す。そこでサムは練習用ガールフレンドが必要だと考え、周囲のサポートも借りながらデートの社会的ニュアンスを学び始める。サムと彼を取り巻く人々の日常が描かれており、心温まる作品となっている。本作はシーズン1は自閉症の俳優が出演していないことや、自閉症の描写に不正確さがあるとして一部で批判されていたが、シーズン2以降は自閉症の俳優や脚本家を起用し、高い評価を得た。
『ユニークライフ』のあらすじ・ストーリー
サムの初めての恋人
コネチカット州に住む自閉症の18歳、高校3年生のサム・ガードナーは大きな音や人とコミュニケーションを取るのが苦手だが、セラピストのジュリア・ササキの元へ通いながら少しずつ成長していた。
そんなある日、サムはカウンセリングでジュリアに外の世界に出て恋愛をしてみようと提案され、恋人を作ることを決意する。しかし彼が好きな相手は、26歳のジュリアであった。そのことを知った父親のダグ・ガードナーに、まずは同世代の子と恋愛するべきだとアドバイスされたサムは練習用の彼女を作ろうと考える。
そんな中、同級生のペイジ・ハーダウェイがサムに好意を持ち、彼はペイジを練習用の彼女にすることを決める。しかしお喋りで変わり者のペイジはサムの部屋で彼の持ち物をベタベタと触り、サムは困惑して彼女をクローゼットに閉じ込めてしまう。それでもペイジは怒らず、サムのことを理解しようとサムの妹であるケイシー・ガードナーに相談する。しかしケイシーにサムを苦しめるだけだから別れてほしいと突っぱねられたペイジは、サムに別れを告げた。このことをきっかけにペイジがどれだけ寛容だったか気づいたサムは、後日彼女にペンギンのネックレスをプレゼントして、気持ちを伝える。ペイジは喜び、サムにキスをするのだった。
それからペイジは学校のダンスパーティーにサムを誘うが、彼は大音量の音楽や光るライトが苦手で無理だと拒否する。そこでペイジはサムのためにサイレントナイトという音のないダンスパーティーを学校に提案し、許可をもらった。しかしそんな矢先にジュリアと接近したことでサムは彼女が好きだったことを思い出し、ペイジを一方的にフッて、ジュリアに告白しに行く。ジュリアはサムの告白を断ったが、彼が自宅に侵入していたことを知り激怒する。これによりサムはパニックとなり、殻に閉じこもってしまう。
サイレントナイト当日、ペイジは酷い仕打ちをしたサムに怒りをぶちまける。サムは自分のためにサイレントナイトを考えてくれたペイジに酷いことをしたと反省し、彼女に素直な気持ちを伝えて謝罪した。ペイジはサムの気持ちを聞いて、今は付き合わない方が良いと結論付けるも無事仲直りしてサイレントナイトを楽しんだのだった。
高校を卒業するサムとエルサの浮気
サムの母親のエルサ・ガードナーはサムを献身的に支えてきたが、彼が徐々に自立していることで自分が必要とされていないと感じて寂しくなり、バーテンダーのニックと浮気してしまう。その後、ニックと別れたエルサだったが、その姿を偶然ケイシーに目撃されて浮気がバレる。ケイシーを通じてダグもエルサの浮気を知り、彼女と距離を置くため家を出て行ってしまった。サムもエルサの浮気を知ってイラ立ち、些細なことでケイシーと取っ組み合いの喧嘩をしてしまう。見かねたダグは自宅に戻り、エルサを家から追い出した。しかししばらく別々に暮らすうちにダグがストレスで狭心症の発作を起こし、倒れてしまう。それをきっかけにエルサを家に呼び戻すこととなり、夫婦仲も少しずつ改善していった。
一方、サムは大学に進学してアートを専攻することを決め、自立することを決意する。そんな中、サムは同級生に卒業アルバムへのコメントを求めたが、悪口が書かれておりショックを受ける。そのことを知ったペイジは同級生に向けて怒鳴り散らした。翌日、卒業式でペイジの卒業生代表スピーチが行われる予定であったが、彼女は前日に叫んだことで喉が枯れて声が出なかった。そこでサムはペイジのスピーチを代読して、拍手喝さいを浴びる。そしてこれを機に、サムはペイジに恋をしていることに気づき、再び交際することとなった。
サムの友情と恋人
大学生となったサムは新しい人間関係や授業に慣れることに苦戦したが、ケイシーやダグ、遠方に住む別の大学に通うペイジなどに励まされながら大学生活を送っていた。
そんな中、電気店でサムと共に働く親友のザヒードの彼女が、彼らの店で万引きしてしまう。ザヒードはサムに見逃してほしいと頼むが、サムは悩んだ末に店長に報告してしまった。怒ったザヒードから絶交を言い渡されたサムはショックを受ける。
一方、ペイジは大学生活に馴染めず、結局大学を落第して地元に戻ることとなった。それからペイジがサムを車で大学に送り始めたが、彼女が乱暴な面を見せるようになり、サムは戸惑う。サムはザヒードと絶交したため誰にも相談することができず悩んでいたが、ケイシーの彼氏であるエヴァンからペイジが何か不安を抱えているのではないかとアドバイスされる。そこでサムがペイジに事情を尋ねると、彼女は大学をやめて人生が狂ったことや違う環境にいるサムとの関係への不安を打ち明ける。そんなペイジにサムは素直な気持ちを伝えて励まし、大学の寮の部屋で彼女と初体験をするのだった。
ある日、サムはザヒードが恋人と結婚することを知る。だがその日はザヒードの看護学校の試験があると思い出したサムは、ザヒードの結婚を止めるべく友人らの力も借りて彼の居場所を突き止める。そしてその場所に行くと、結婚相手のはずの彼女が他の男といた。彼女は元カレと再会したことから、結婚を取りやめるという。サムは落ち込むザヒードの元へと向かい、試験を受けるよう彼を説得する。自暴自棄になっているザヒードは看護師の道を諦めようとしていたが、サムの懸命な説得により改心し、2人は和解する。そしてザヒードは試験を受け、無事に合格した。それからサムはザヒードと2人で住むこととなった。
南極へ行くサム
無事に大学で進級することができたサムは次のステップとして、大学の課外活動プログラムを利用して南極に行くことを決意する。そして家族たちに協力してもらいながら、南極に行くために必要な準備を整える。しかし応募者が1人しかいなかったことから、プログラムは中止となってしまう。サムは落ち込むが、お金や準備は整っていたため、自力で南極に行くことを決める。当初は南極行きに反対していたエルサやダグも南極行きを応援する。さらにダグは親友の死を経験したことにより、短くはかない人生をサムと共に過ごすため、南極に行くことを決めた。そしてサムは新しい職場でしばらく離れて暮らすこととなるペイジにも別れを告げ、ダグと共に南極へ向かうのだった。
『ユニークライフ』の登場人物・キャラクター
サムの家族
サム・ガードナー(演:キーア・ギルクリスト)

本作の主人公である。自閉症スペクトラム症の高校3年生で、両親と妹と4人で暮らしている。南極とペンギンが大好きで、絵を描くことが得意。大きな音やコミュニケーションなどが苦手で人が考えていることが分からないため、素直に思ったことを口にして周囲を混乱させることも多い。また人が言ったことを言葉通りに受け取って傷つくことも多く、非常に繊細な面もある。しかし友人や家族が落ち込んでいたりすると助ける優しい面もある。友人は少ないが、バイト先である電気店で一緒に働く友人のザヒードや、同級生のペイジ・ハーダウェイなどと親しくしている。初めはセラピストのジュリア・ササキに好意を抱いていたが、父の助言で同級生のペイジと練習用の彼女として付き合うようになり、後に正式に恋人となった。デントン大学に進学し、進級が確定した後、次のステップに進むため父と共に南極へと向かった。
ダグ・ガードナー(演:マイケル・ラパポート)

サムの父親である。救命士として働いている。温厚な性格で優しく愛情をもって、子供たちと妻のエルサ・ガードナーに接している。しかしサムとは接し方が分からず悩んでおり、一時的に家を出たこともあるが、少しずつ彼と距離を縮められるようになった。エルサが浮気した際は怒って彼女と距離を取っていたが、狭心症の発作を起こして倒れたため彼女を家に連れ戻すことになり、徐々に夫婦仲を取り戻す。親友の死をきっかけに命は儚いものだと感じ、サムとの時間を過ごそうと南極行きに同行することに決めた。
エルサ・ガードナー(演:ジェニファー・ジェイソン・リー)

画像右側がエルサ・ガードナー
サムの母親である。サムに人一倍愛情を注いでいるが、心配症で過保護気味である。サムを始めとして家族の誰からも自分が必要とされなくなっていくことに寂しさを感じ、バーテンダーと浮気をしてしまう。その姿を娘のケイシー・ガードナーに目撃されてダグにも浮気がバレて家を追い出されたが、彼がストレスによる発作で倒れたことで家に戻ることとなり、夫婦仲を徐々に取り戻す。お節介で空気が読めないところがあるため、特にケイシーから反抗的な態度を取られているが、ケイシーと喧嘩していた友人の仲を取り持ったりUCLA行きを実現させようと尽力したりと彼女の窮地を救っている。また過保護気味だったサムに対しても、彼のやりたいようにやらせる余裕を持てるようになった。
ケイシー・ガードナー(演:ブリジット・ランディ=ペイン)

Related Articles関連記事

バックドラフト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『バックドラフト』とは、消防士の兄弟の火災現場での活躍と葛藤、謎の放火犯を追う物語。監督は『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』で知られるロン・ハワードが務めており、出演者はカート・ラッセル、ロバート・デ・ニーロなど豪華な顔ぶれが揃っている。火災現場の視覚効果をアメリカの特殊効果及びVFXの制作会社インダストリアル・ライト&マジックが務めている。エグゼクティブ・プロデューサーはブライアン・グレイザーと『砂の惑星』のラファエラ・デ・ラウレンティスが務めている。
Read Article

ディープ・ブルー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ディープ・ブルー』(原題:Deep Blue Sea)とは、1999年にアメリカで公開されたパニックアクション映画。監督はアクション映画を得意とすることで有名なレニー・ハーリン。興行収入は1.6億ドル。物語の主人公スーザンは、アオザメの脳を素材とするアルツハイマー病治療薬の開発を海洋上の研究施設アクアティカで行っていた。遺伝子操作を行った影響で脳が発達し賢くなった巨大ザメは、自らの考えを持つようになり、外界へ出て自由になるという目的のため、研究者や関係者たちを次々に襲撃する。
Read Article
目次 - Contents
- 『ユニークライフ』の概要
- 『ユニークライフ』のあらすじ・ストーリー
- サムの初めての恋人
- 高校を卒業するサムとエルサの浮気
- サムの友情と恋人
- 南極へ行くサム
- 『ユニークライフ』の登場人物・キャラクター
- サムの家族
- サム・ガードナー(演:キーア・ギルクリスト)
- ダグ・ガードナー(演:マイケル・ラパポート)
- エルサ・ガードナー(演:ジェニファー・ジェイソン・リー)
- ケイシー・ガードナー(演:ブリジット・ランディ=ペイン)
- 周囲の人たち
- ザヒード(演:ニック・ドダニ)
- ペイジ・ハーダウェイ(演:ジェナ・ボイド)
- エヴァン(演:グレアム・ロジャース)
- ジュリア・ササキ(演:エイミー・オクダ)
- イジー(演:ファイヴェル・スチュワート)
- 『ユニークライフ』の用語
- サムの障害と好きなもの
- 自閉症スペクトラム症
- ペンギン
- 南極
- サムやケイシーが通う学校や職場
- テクトロポリス
- クレイトンプレップ
- デントン大学
- 学校イベント
- サイレントナイト
- 『ユニークライフ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- サムがペイジのスピーチを代読する場面
- サム・ガードナー「これからだってどんな匂いでも君を愛するよ」
- 陸上を辞めようとしていたケイシーをサムが救う場面
- 『ユニークライフ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 海外で高評価を獲得
- 恋愛にオープンになり共演者と交際することになったキーア
- ケイシーと同じ経験をしたことがあるブリジット