牛山辰馬(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

牛山辰馬(うしやま たつうま)とは、『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、アイヌの隠し金塊の在処を示す刺青を施された囚人の1人にして柔道の達人である。大柄で屈強な肉体に石頭、独特な耳の形状が特徴的な人物である。金塊を狙う土方歳三に協力し活動する。「不敗の牛山」の異名を持ち、様々な強敵をその卓越した柔術と怪力で組み伏せる。白兵戦では作中最強の男である。普段は紳士的だが極度の女好きでもあり、一定期間女を抱かないと男だろうと老人だろうと見境なく襲い掛かる一面を持つ。物語序盤から終盤にかけて活躍した。

「札幌世界ホテル」で出会った杉元、アシリパ、キロランケと共に酒を飲みに時の一言。酔っ払ったアシリパに対し、酔った勢いで牛山流の良い男の見つけ方を教えた。この発言から、アシリパは牛山の事を「チンポ先生」と呼んで尊敬するようになる。

酔っているとはいえ、子供のアシリパに下ネタを教えるという唐突さと、登場初期の野蛮なイメージのある牛山の意外な一面が表現されている。性欲を除けばかなり紳士的な人物である事が伺える。

「いまだよ…いま」

牛山の最期の言葉。第七師団の月島の投げた手榴弾からアシリパを庇って牛山は致命傷を負ってしまう。そんな状況下で真っ先に牛山の取った行動はアシリパを気遣う事であった。

アシリパの腕の中で意識を失っていく牛山。そんな牛山の脳裏に浮かぶのは今は亡き家永だった。
「あなたはいつ完璧だった?」
かつて家永に牛山はそう問われる。その時は答えなかった牛山だが、アシリパを守り抜いて死んでいく今だからこそ、この問いに答えられた。
「いまだよ…いま」
不敗の牛山はこうして死んでいった。その異名通り柔道においてはその生涯に一度の敗北も無く、猛獣や銃で武装した兵士を相手にしても規格外の無双ぶりを見せつける、自身が語った“アイヌの新しい神話”にふさわしい豪傑だった。

牛山辰馬の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

サッポロビールとのコラボ

2020年7月21日から期間限定でサッポロビールと『ゴールデンカムイ』がタイアップを行った。数量限定でゴールデンカムイのキャラクターがデザインされた缶ビールが発売された。同時に応募形式のプレゼントキャンペーンも行われ、当選者には作者の野田サトル氏の書き下ろしイラストがプリントされた特製タンブラーが送られた。

缶ビールには杉元、白石、牛山の三人がプリントされた。杉元、白石は350ml缶に、牛山は500ml缶にデザインされている。

牛山辰馬のモデルは昭和の最強柔道家「牛島辰熊」

牛山辰馬のモデルとなった人物は柔道の達人、牛島辰熊である。講道館柔道九段、大日本武徳会柔道教士で明治神宮大会3連覇、昭和天覧試合準優勝を果たしている。その気性の荒さと圧倒的な強さから「鬼の牛島」「不敗の牛島」「猛虎」と様々な異名を持つ。思想家の顔も持ち、東条英機暗殺計画に関与し逮捕歴もある。また、後世の柔道家の育成にも熱心でありプロ15年間無敗を誇った「鬼の木村」こと柔道史上最強の木村政彦を育て上げた。戦後GHQの政策により武道が廃れていく中で、柔道家が生きていけるように国際柔道協会(いわゆるプロの柔道協会)設立に尽力した。

牛島は1904年3月10日、熊本県熊本市の製油業者の家に生まれる。元々は剣道をしていたが、長兄の影響で15歳の時に柔道に転向する。当時の熊本は古流柔術が盛んであり、牛島は古流柔術系の扱心流江口道場に入門した。古流柔術は武士が戦場で相手を殺すために編み出された柔術である。牛島はより実戦的な柔術を学んでいた。明治神宮大会で牛島は1925年から3連覇を果たしている。これは当時でいう「柔道日本一決定戦」にあたり、牛島は日本一の柔道家となった。

1929年に開かれた第一回天覧試合決勝戦で25分にも渡る激戦の末、牛島は判定で惜敗。準優勝に終わった。天覧試合とは天皇が観戦する試合のことである。皇室行事として毎年開催されるのではなく不定期開催となる為、牛島は次回の天覧試合で雪辱を果たすべく修行のため上京。皇宮警察、警視庁、東京商科大学(現・一橋大学)、学習院、拓殖大学の師範となった。この年の夏から牛島は過酷な稽古に打ち込み始める。その結果、牛島は大いに柔道の実力を伸ばし、新設された第二回・三回全日本選士権で2連覇をする。明治神宮大会と含めて5回日本一になったことになり、牛島はこの時代を代表する最強の柔道家になった。その後、1934年に第二回天覧試合に出場するも予選リーグで敗退してしまう。この時、牛島は肝吸虫に寄生され体調不良であった。それでも「負けは死と同義」と公言していた牛島はこの敗北により即引退。その後は私塾「牛島塾」を開き、木村政彦、船山辰幸、甲斐利之、平野時男といった名立たる次世代の柔道家を育て上げていった。

牛島は思想家としての顔も持ち、戦時中、石原莞爾、加藤完治、浅原健三らと交遊を持つ。そして当時の首相東条英機暗殺計画に携わるも未遂に終わり、牛島は逮捕される。1945年に牛島は不起訴となり釈放される。

戦後は公職追放の憂き目い会い、失職。しかし、GHQの政策により廃れていく武道を憂いて1950年国際柔道協会(当時のプロ柔道協会)を旗上げした(1年後に国際柔道協会は解散)。

晩年もその力は衰える事は無く、50歳を超えても明治大学に出稽古をしていた。更に亡くなる前年の1984年講道館100周年を記念して九段に昇段。翌年の1985年5月26日に没した(享年81歳)。

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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

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江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。

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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。

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