牛山辰馬(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

牛山辰馬(うしやま たつうま)とは、『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、アイヌの隠し金塊の在処を示す刺青を施された囚人の1人にして柔道の達人である。大柄で屈強な肉体に石頭、独特な耳の形状が特徴的な人物である。金塊を狙う土方歳三に協力し活動する。「不敗の牛山」の異名を持ち、様々な強敵をその卓越した柔術と怪力で組み伏せる。白兵戦では作中最強の男である。普段は紳士的だが極度の女好きでもあり、一定期間女を抱かないと男だろうと老人だろうと見境なく襲い掛かる一面を持つ。物語序盤から終盤にかけて活躍した。

アジトに滞在する牛山達。そこへ石川啄木(いしかわ たくぼく)が尋ねてくる。石川は新聞記者をしている土方一派の人間で、最近札幌の街を騒がせている連続娼婦殺人事件の記事を書いた記者である。石川はその事件の情報を土方に伝え、駄賃を貰おうとしていたのである。しかし、新聞にかいてある情報以上の事を石川は知らなかった為、永倉に怒られていた。石川の新聞を読みながら牛山は「酷い殺し方だ」と呟いていた。女好きなだけに思うところがあった様子である。その場で一緒に話を聞いていた門倉が、この事件とよく似た事件を引き起こした刺青の囚人に心当たりがあった。土方達はこの事件の犯人が刺青の囚人の可能性が高いと考える。そして土方は牛山達を率いて札幌に向かう事になる。

同じ頃、第七師団の鶴見も新聞も読み、土方達と同じように刺青の囚人の犯行の可能性が高いと判断。部下の宇佐美と菊田を札幌へ向かわせる。網走監獄での戦いの後、アシリパを連れて逃げたキロランケを追うため、第七師団は杉本たちと一時的に手を結んでいた。しかし彼らが樺太での大冒険の末に取り戻したアシリパは、鶴見の不穏な態度を警戒し以後の協力を拒否して逃走。杉元や白石も仲間であるアシリパの判断を尊重し、第七師団と手を切っていた。鶴見はアシリパ捜索に尽力していた為、部下を札幌に向かわせたのである。

札幌に辿り着いた土方一派。そこで一同は変装をして連続娼婦殺人事件の犯人を探していた。牛山は都丹と共に虚無僧に化けて捜索をしていたが、巨大な筋肉の為、異様に強そうな雰囲気を醸し出していた。

牛山は都丹と共に札幌の町を歩く。歩きながら都丹に近くのライスカレー屋で札幌麦酒を飲まないかと誘っていた。その時、耳の良い都丹は聞き覚えのある声を聞く。都丹は牛山に上エ地圭二(うえじ けいじ)の声がしたことを話す。それを聞いた牛山は「あの悪魔」と嫌そうな反応を示した。

上エ地は刺青の囚人の一人である。網走監獄時代、外役の時に牛山と上エ地はいつも繋がれていた。上エ地は人を期待させてはそれを裏切った挙句、ガッカリした顔を見て笑い転げるという最低な人間であった。更に上エ地には幼い男の子を殺したいという嗜好があり、男の子を何人も殺した罪で投獄されていた。脱獄後は雨売りをしながら北海道中を回り、現在は札幌の人気の無い場所で男の子を考察しようとしていた。そこへ駆けつけたのが牛山である。牛山は上エ地の行為に激怒し、上エ地の背骨をへし折ろうと戦闘態勢にあった。上エ地は牛山の背後を指差し「あの女の人お乳がデカすぎて引きずってるッ」と言い、牛山の気を逸らさせた。牛山が背後を向いた瞬間、上エ地は逃げ出す。が、その上エ地の髪を牛山は引っ掴み、そのまま片手で上エ地の体ごと振り上げ、地面に叩きつけた。上エ地は鼻と口から血を流す。尚も牛山はが上エ地を振り上げたところ、上エ地の髪がちぎれ、地面に落ちる。牛山は地面に落ちた上エ地の足をつかみ、近くの家の壁に叩きつける。叩きつけられた上エ地は家の壁を突き破り、家の中に転がりこむ。そこで上エ地は立ち上がり、玄関から逃げ出す。牛山は壁に開けた穴から入り、後を追う。この時上エ地は玄関の戸を閉めて逃げたため、牛山は玄関に突っ込んでしまう。牛山は壁ごと玄関をぶちぬいて走る。ご丁寧に牛山は壁ごとぶち抜いた玄関の戸を開け、体を乗り出し、玄関の戸を閉めて追いかける。

上エ地と牛山が追走劇を繰り広げていると、その姿を土方と門倉が見かける。一方、近くのライスカレー家では杉元一行が偶然食事をしていた。杉元、アシリパ、白石の他に元ロシア兵のスナイパーヴァシリと24人の刺青の囚人の1人の海賊房太郎(かいぞく ぼうたろう)の姿があった。ヴァシリは樺太で尾形と狙撃対決を行い、敗れて以降、尾形を追いかけて北海道にやって来た。敷香の街にて杉元一行を尾形の仲間と勘違いして襲い掛かるが、尾形が杉元一行の敵である事が分かると行動を共にするようになる。海賊は石狩川を渡る連絡船上にて杉元達と遭遇した。「家臣」と呼ばれる自分の部下たちを引き連れて連絡船の乗客から金品を強奪しようとしていた。白石と網走監獄で知り合っていた為、海賊は杉元一行を仲間に勧誘する。が、後に杉元達が自分の刺青を狙っている事に気付き敵対。杉元は海賊の家臣を次々と倒し、海賊とも壮絶な水中戦を繰り広げた。が、結局連絡船のスクリューに巻き込まれそうになった海賊を杉元は助けて仲間にする。海賊は独自の方法で刺青の暗号を解読することなく、金塊が大昔に隠されていた場所の特定に成功していたからである。第七師団に刺青人皮を全て奪われていた杉元は鶴見を出し抜くための切り札に海賊の情報を使おうと考えたのだ。

なごやかなムードの中、牛山が上エ地を吹き飛ばしながら、壁をぶち破って乱入してくる。杉元たちの食卓は吹き飛び、上エ地も外に吹き飛ばされる。そこで牛山は杉元たちの姿に気づく。アシリパは「チンポ先生ーッ」と牛山とまた会えて喜んでいた。が、そこへ牛山の後を追って土方が乱入し、杉元と戦い始める。杉元は網走監獄で土方に裏切られて死にかけた上に、アシリパを奪われたので恨みを持っていたのだ。そこに牛山が割って入り、戦いを止めようと後ろから杉元を抱え込む。牛山は杉元と土方の二人がここで戦ってどちらかが死んでしまうのは余りにも惜しい事だと考えていた。それだけ牛山は二人の実力を認めていたのである。それでも止まらない杉元は牛山を背負い投げた。牛山は頭からライスカレー屋の床に落下し、床に頭がめり込む。それでも牛山はすぐに立ち上がる。その額にはスプーンが突き刺さっていた。そして杉元の足を掴むと、今度は牛山が杉元を背負い投げた。杉元は床に叩きつけられる寸前に手を付いて体制を整えて着地する。そのまま牛山に膝蹴りを喰らわせ、牛山は鼻血を噴き出した。牛山は杉元に掴みかかり、そのまま二人はライスカレー屋の壁を突き破って屋外へ出る。その牛山の背後から海賊が忍び寄り、テーブルを牛山に脳天から叩きつける。テーブルは牛山の頭にめり込んだ。が、全くダメージは無く、牛山はそこで海賊の姿に気付く。網走監獄で牛山は海賊と面識があったのだ。牛山は海賊に挨拶をすると一瞬で海賊を放り投げ、海賊は床に叩きつけられて無力化された。

牛山と杉元がもみ合う中、杉元は尾形が近くにいる事を聞く。その一瞬の隙をついて牛山は杉元の首にチョークを決めた。それでも杉元は抵抗し、結局決着はつかないまま、割って入ったアシリパと土方の話し合いにより事態は収束した。牛山は上エ地の事を思い出すが、上エ地は逃走していた。その後、再び杉元一行と土方一派は手を組む事になる。その夜、話し合いをする土方とアシリパを除いて、一同はアサヒ麦酒を飲み、酔っ払っていた。海賊は牛山に金塊を集めたら何をしたいのか聞く。牛山は強い人間を集めてトーナメントを開き、その賞金に金塊を使う事を話していた。

杉元一行と土方一派が再び手を組んだ翌日、牛山は捜索を続ける。娼婦に牛山は聞き込みをしていた。その中で牛山は殺された娼婦の親友に行きつく。彼女は苦楽を共にした親友を惨く殺されて泣いていた。牛山はそんな彼女を抱き寄せ、「俺が犯人を踏みつぶしてやる!!」と敵討ちを誓う。自分でも抑えられない性欲を解消してくれる娼婦の存在は牛山にとって観音様のような尊い存在であり、娼婦を残酷に殺すジャックに対して牛山は強い怒りを抱いていたのである。

探索の末、牛山達はジャックの次の犯行現場が札幌麦酒工場であることを突き止める。杉元一行と土方一派は三人一組の半に別れて工場に潜入する。牛山は門倉とキラウシと組む事になった。門倉が女装して囮役になり、キラウシが合図役で牛山が囮に接触してきた犯人の仕留め役である。女装した門倉を見た牛山は「この間抱いた娼婦にそっくりだ」と言っていた。

牛山達が札幌麦酒工場に潜入した同時刻、第七師団もまたジャックの次の犯行現場を特定し、札幌麦酒工場に来ていた。門倉が女装して立っていると、第七師団の宇佐美が話しかけてくる。宇佐美は以前、スパイとして網走監獄襲撃前に潜入していた事があった。この時宇佐美の教育係兼上司が門倉である。結局宇佐美は途中で正体を見破られ、門倉の放った刺客の囚人に殺されそうになるが、これを返り討ちにして逃走した。網走監獄襲撃時には門倉を執拗に狙い、負傷させている。このような経緯から門倉は宇佐美に苦手意識を持っている。が、宇佐美は何故か門倉が気に入っている様子であった。そんな宇佐美は話しかけた相手が門倉である事に気付く。網走監獄襲撃時に死んだものと思い込んでいた宇佐美は門倉が生きていた事に喜び、門倉が男娼にまで身を落としていたと勘違いしていた。門倉は恐怖のあまり叫び声を上げて助けを求める。牛山は背後から宇佐美に忍び寄り、突進していく。宇佐美は土方一派も来ている事を察し、背後から迫りくる牛山を銃床で殴りつけた。が、それに怯む事無く牛山は宇佐美の胸倉を掴む。宇佐美は歩兵銃を至近距離から発砲するが、牛山は重心を掴んで狙いを逸らして躱した。そのまま牛山は銃を奪い取って投げ捨てる。両者はそのまま組み合った。宇佐美はかなりの柔道の腕前を持っており、白兵戦もかなり強い。しかし、組み合った宇佐美は牛山の圧倒的な強さを悟った。牛山は門倉に、宇佐美がジャックでは無いことを確認する。門倉は宇佐美が鶴見の手下であることを伝えた。丁度そこへ宇佐美の仲間の第七師団の面々が駆け付ける。宇佐美は銃剣を抜き、牛山を刺そうとした。が、牛山は宇佐美よりも早く動き、迫りくる第七師団の面々に向かって宇佐美の体を投げつけた。宇佐美は回転しながら宙を舞い、第七師団の面々に突っ込んでいった。第七師団が怯んだ隙をついて牛山は工場の窓をぶち破り、工場内に逃れた。工場内では杉元と第七師団が交戦していた。牛山はそこに加勢し、工場内に並べてあった複数の巨大な樽にタックルをする。樽は転がり、樽の上から杉元を狙っていた菊田は転がり落ちた。

混戦の最中、牛山はジャックを探して工場の外に出る。丁度その時、上の窓から深手を負ったジャックが落ちてきた。上の階では杉元とアシリパがジャックを追いつめ、杉元がジャックを蹴り落したのである。階上に杉元の姿を確認した牛山はその事を察し、殺された娼婦の怒りを込めてジャックの頭を踏みつぶした。こうして牛山はジャックを討ち取ったのである。その後、牛山はジャックの遺体を荷車に乗せて回収し、土方達と合流した。土方は撤収を決断する。が、それに白石は待ったをかけ、杉元とアシリパがはぐれてしまった事を伝える。牛山は先ほどジャックが落ちてきた建物を指さし、あそこにジャックが居たことを白石に伝える。

アシリパは第七師団に攫われていた。更に海賊が白石を庇って死亡してしまう。杉元、白石はアシリパを救出する事に成功するが、アシリパは鶴見に暗号解読の鍵となる単語を教えてしまう。鶴見はアシリパの父ウィルクと因縁があり、ウィルクと関わった事で鶴見は最愛の妻と幼い子供を失っていた。鶴見はその事を捕えたアシリパに話し、動揺させて暗号解読の鍵となる単語を引き出したのである。暗号解読の鍵となる単語は「ホロケウオシコニ」。これはアシリパの母が夫であるウィルクに付けた、彼のアイヌとしての名前である。日本語の意味では「狼に追いつく」。この単語の読みの漢字が書かれた刺青を組み合わせる事で暗号は解読されるというものであった。

杉元と白石はアシリパを救出し、第七師団から逃れて札幌麦酒工場の宣伝車に乗っていた。宣伝車は海賊が札幌麦酒工場で拝借したものである。そこへ馬に乗った牛山が合流し、杉元達を土方の元へ導いた。

牛山に導かれた杉元達は札幌停留所に着く。そこに土方達が待っていた。アシリパはそこで鶴見に暗号解読の鍵を教えてしまった事を話す。更にアシリパは偽の刺青人皮の判別方法を発見した事を一同に話した。偽の刺青人皮は水に浸けた状態で鉄に触れると黒く変色してしまうのである。アシリパは札幌麦酒工場で裏切った海賊との揉み合いの最中に偶然、偽の刺青判別方法を発見していた。これにより一同は偽の刺青人皮の判別に成功する。しかし、鶴見達が刺青人皮の暗号解読を開始してしまった。刺青人皮はすべて集めなくとも、一定の数以上を集めると暗号が完成してしまうのである。そこで杉元達は第七師団を出し抜く為、海賊が特定した大昔にアイヌが金塊を隠していた場所へ向かうことになる。海賊は死ぬ間際に白石に、自分が特定した場所を教えていたのである。その場所とは、函館のロシア領事館であった。一同は汽車でロシア領事館に移動しながら暗号解読を行う事になる。

五稜郭にて第七師団と死闘を演じる

苦心の末、一同は遂に暗号解読に成功する。刺青人皮は五芒星を描いた。金塊の隠された場所、それは函館の五稜郭であった。同時刻、鶴見達第七師団も暗号解読を完了した。

暗号解読に成功した一同。その時門倉が懐から刺青の写しを取り出す。実は門倉が最後の刺青人皮を持つ人物であったのだ。門倉の刺青は五芒星に合致した。が、正直あっても無くても良い場所に合致していた。

一同は函館に着く。函館ではヤリイカ、スルメイカ漁が盛んで牛山達は焼きイカを食べていた。

一同は五稜郭に辿り着く。五稜郭は戊辰戦争後、明治30年まで陸軍の練兵場として使われていたが、現在は無人であった。ちなみに海賊が特定した金塊を大昔に隠していた場所は五稜郭から南西へ7キロ。函館山のロシア領事館であった。

一同が五稜郭で金塊を探そうとしたその時、3人の第七師兵士と鉢合わせになる。とっさに3人を殺したものの、持っていた電報から第七師団も暗号を解読したことが明らかになる。この3人は鶴見が囚人捜索のために北海道中に部下を派遣していた中の一人であった。金塊の隠し場所が五稜郭であることが判明したものの、具体的に五稜郭のどこに金塊が隠されているのかわからない一同は途方に暮れる。金塊が見つかったとしても、重たい金塊の入った1200もの袋を運ぶ術などない。一方で第七師団は刻一刻と五稜郭に迫っていた。考え抜いた末、一同は五稜郭で籠城戦をすることを決断。

五稜郭で籠城船を決断した一同。土方はソフィアの率いるロシアのパルチザンを味方にしていた。土方の掲げる「蝦夷共和国」という多民族国家の理念に彼らは賛同したのである。120名程のパルチザンが6時間ほどで応援に駆けつける事になっていた。

一同は第七師団を迎え撃つ準備と金塊の捜索を平行して行う。牛山は戦闘準備を担当し、土嚢を積み上げていた。そこへソフィア達パルチザンが合流する。

金塊を捜索する一同はある箱を発見する。箱の中にあったものはとある冊子であった。一同がそれを調べると、それは土地の権利書であった。それは金塊を隠した七人のアイヌが、函館戦争時に一時的に樹立された「蝦夷共和国」の重臣榎本武揚(えのもと たけあき)という人物と契約を交わした時に作成したものであった。内容は北海道の至る所の土地の所有権がアイヌにある事を示すものであった。七人のアイヌは契約を締結し、権利書を受け取る。が、金塊の受け渡し直前になって函館戦争が終結し、蝦夷共和国が無くなってしまう。しかし、榎本は明治新政府にこのアイヌとの契約を引き継いだ。明治新政府もアイヌの金塊が欲しかった為、これを承諾。明治新政府は金塊だけ受け取った後にこの約束を反故にする腹積もりであったが、榎本はこれを読んでいた。榎本はアイヌとの土地の権利書に調印する際、函館に常駐している六か国の公使を立ち会わせていたのである。これによりアイヌとの契約は国際条約となり、明治政府は約束を反故に出来辛くなってしまった。アイヌの金塊はアイヌ達にとって最も大切な北海道の大自然、カムイに置き換わっていたのである。つまり、一同が命がけで求めてきた金塊は既に使われて無くなっていたのだ。これを知った牛山達一同はあまりのショックにズッコケてしまう。

金塊がすでに使われていて無い事が判明した。一同は速やかに五稜郭を撤収することになる。が、その時土方は土地の権利書を読み直してある事を発見する。それはアイヌの支払った金塊が全てではなく、半分である事だった。要するに、金塊はまだ一万貫残っていたのである。丁度その時、第七師団の艦砲射撃が始まった。函館港に鶴見率いる第七師団を乗せた雷型駆逐艦が到着したのである。牛山達はその場に穴を掘り、その中に隠れる。その間に永倉は単身第七師団に投降し、鶴見と交渉を行う。永倉は金塊は既に北海道の土地の権利書になっていた事を鶴見に話し、砲撃を躊躇わせた。その隙に牛山達は金塊捜索を再開し、穴を掘る。掘りながら牛山はアシリパだけでも権利書を持たせて逃がす事を提案する。アシリパはこの提案に異を唱える。アシリパはこの場に残り、みんなの役に立ち、最後まで見届ける決断をした。尚も牛山は説得をしようと口を開きかけるが杉元に止められる。いざとなったら杉元がアシリパを逃がす、という杉元の言葉に従い、牛山はそれ以上何も言わなかった。

金塊を探す一同の元に門倉が戻ってくる。門倉は永倉が第七師団にわざと捕まり、時間稼ぎをしている事を一同に伝えた。その時、一迅の風が吹く。風は門倉の刺青の写しを巻き上げて、刺青人皮が描き出す五稜郭の五芒星の上に乗っかった。丁度、汽車の中で門倉の刺青が合致した場所である。これを見た土方はある重大な事に気が付く。門倉は永倉の事を伝えると、事前に土方と取り決めていたある作戦を実行すべく箱館山へ向かっていった。

一見、無意味な場所に合致した門倉の刺青は実はとても重要な事を示していた。それは五稜郭の中の刺青の場所である。土方はその事に気付き、一同にある場所を掘るように指示を出す。そこは函館戦争時代に馬の飲み水用の井戸があった場所であった。一同が穴を掘るとそこに円形の蓋が出てくる。牛山がその蓋を開けると、昔の馬用の井戸が姿を現した。

杉元とアシリパはロープを下ろし、その中へ降りていく。下に置いてあったのは革袋の山であった。杉元は皆の前革袋の中身を確認しようと、その中の一つを紐で括、牛山に引き上げさせる。が、我慢できなくなった白石が井戸に飛び込んでしまう。白石は宙吊りいなった革袋を掴むが、手を滑らせて杉元達のいる井戸の底へ落ちてしまった。白石が掴んだ事で宙吊りになった革袋の一部が裂け、中身が井戸の底へ降り注ぐ。井戸の底の杉元、アシリパ、白石に降り注いだのは、探し求めていた金塊の砂金であった。こうして一同は遂に金塊を発見したのである。

遂に一同は金塊を発見した。しかし喜ぶのも束の間、第七師団が艦砲射撃を再開した。鶴見は五稜郭に作られた堡塁の外側には土地の権利書は無いと踏んで堡塁よりも外側に砲撃をさせたのである。一同は一旦金塊をもとに戻し、籠城戦に備えた。アシリパは権利書を矢筒の中に隠す。第七師団は砲撃で土方達の作った堡塁の外側と囮の堡塁を吹き飛ばすと、五稜郭内に突撃命令を下した。

戦いの最中、牛山は旗を振って砲撃再開の信号を送る兵士を発見する。牛山はその兵士を歩兵銃で狙撃して倒した。が、信号は送られてしまい、砲撃が再開される。砲撃の雨の中、奮戦する牛山達。指揮をしていた土方は門倉達の作戦に全てを託す。

箱館山の上では門倉、キラウシ、永倉、マンスールが作戦の準備をしていた。永倉は鶴見との交渉の後、血路を切り開いて脱出したのである。マンスールは門倉がパルチザンの仲間の中から呼び出した小柄な男で、腕の良い砲手である。門倉達の作戦、それは箱館山の頂上から第七師団の雷型駆逐艦を砲撃することであった。かつて函館戦争の末期、土方達新撰組は箱館山の観音像の裏の洞穴に、回天丸の主砲を隠していた。戦争末期、土方はこの主砲で新政府軍に一矢報いようとした所で新政府軍の兵士に捕えられたのである。今、門倉達の手で土方が成しえなかった砲撃作戦が実行されようとしていた。

門倉達は主砲で海上の雷型駆逐艦を次々と無力化していく。更に、上空から艦砲射撃を指揮していた気球を打ち落とす事に成功した。これにより艦隊は空の目を失い、精密な砲撃が出来なくなった。が、最後の反撃を喰らい、回天丸の主砲は破壊され、門倉達も負傷してしまう。

五稜郭内では、砲撃が止んだものの、第七師団が徐々に侵入しつつあった。銃撃戦の最中、都丹は土方を守る為に負傷。更に土方を逃がすため、都丹はたった一人で第七師団を食い止めていたが遂に戦死してしまう。戦況は第七師団が優勢となり、遂に一同は五稜郭を脱出して体制を立て直す事を決断する。牛山は土方と共に五稜郭を脱出した。

函館行きの汽車にて第七師団の大軍団を圧倒する

牛山の最期

馬に乗り、五稜郭から脱出して第七師団から逃れる牛山達。土方、白石、谷垣、杉元、アシリパも馬に乗り、牛山と共に走っていた。が、馬では走行距離に限界がある。そこで牛山は遠くに走る汽車を発見し、利用する事を提案。牛山は汽車に乗った後、船に乗って逃げようと一同に話す。馬で近づくと函館行の汽車であった。一同は汽車に飛び移る。そして座席に移動しようと車両のドアを開けるとそこに居たのは大勢の第七師団の兵士であった。彼らは五稜郭で戦う鶴見達を支援すべく、函館へ向かっていた第七師団の増援である。牛山達は運悪くこの増援部隊の乗った列車に乗り込んでしまった。

増援の兵士達は牛山達が何者であるのかを察し、攻撃体制に入る。すかさず牛山が動き、兵士たちを掴んでは投げて暴れまわる。兵士達は彼が不敗の牛山である事を悟り、浮足立ってしまう。そんな兵士達に牛山は迷わず特攻を仕掛けて行き、兵士達を次々と倒していく。これに土方が加勢し、兵士達に斬りかかっていく。そんな牛山達の背後では、鶴見が杉元達に襲い掛かっていた。鶴見も馬で汽車に追いつき、飛び移っていたのである。

別の車両では、土方と牛山が倒した兵士の断末魔を聞いた仲間の兵士達が異常を察知していた。そして仲間の加勢に行こうと戦闘準備をしている所に牛山がドアを蹴り破って乱入し、兵士達を次々と吹き飛ばした。牛山は負傷しながらも止まることなく最前線で次々と兵士を倒していった。

牛山は3両目の車両で鶴見の腹心の月島と相対した。月島と牛山が一対一で戦う最中、他の兵士達は銃が使えず、様子を見ている事しか出来なかった。仲間を倒され、憤怒の形相の月島は手にした銃剣を力の限り牛山に投げつける。牛山は左腕を犠牲にし、これをガードした。あまりの勢いで銃剣は牛山の腕を貫通し、牛山の額に剣先が当たる程であった。月島は更に倒れている兵士の銃剣を拾い、一気に牛山に近付こうとする。牛山は右腕で掴んでいた兵士を振り回し、月島を殴りつけようとした。月島はしゃがんでこれを躱す。そのまま銃剣で牛山を突き刺そうとするが、牛山は体を捻って回避。そのまま銃剣を掴んで牛山を抑え込む。両者、組合いになり月島はその牛山の強さを悟る。そんな月島の内心を牛山は読み取り、「どうだ強いだろう」と不敵に言った。

牛山は月島の胸倉を掴むと杉元のいる3両目に向かって投げ飛ばす。月島の体は宙を舞い、飛んでいく。杉元はジャンプをして飛んできた月島を躱した。そして月島を投げつけた牛山の姿を見つけ、互いに命が無事だったら金塊を一緒に拝む事を固く誓った。

牛山は止まらない。屈強な第七師団の数多の兵士をなぎ倒していく。月島も吹き飛ばされ、頭から血を流す。その時、倒れていた兵士の一人が手りゅう弾を月島に渡す。月島は手りゅう弾のピンを抜き、牛山に投げつける。牛山はこれを受け止め、そのまま月島に投げ返した。月島はしゃがんで躱し、月島の背後で手りゅう弾が炸裂した。月島は鶴見に危害が出る前に、牛山を止めるべくある決断をする。それは自爆覚悟の特攻であった。月島は再び手りゅう弾のピンを抜くと、牛山に突っ込んでいく。が、その時牛山の背後から鯉登が月島の自決を止めようと突っ込んでくる。これにより、月島の決意が鈍る。鯉登の面倒を見る形で行動していた月島であったが、その真っ直ぐさに月島は惹かれて行き、自分でも気が付かない内に鯉登の事を大切に思っていたのである。牛山はその隙をついて月島を鯉登諸共吹き飛ばす。月島の手りゅう弾は宙を舞い、牛山の背後に落ちて行った。牛山はそれを目で追い、躱そうとするが落下先にアシリパが居るのを発見する。アシリパは座席の下に隠れていたのだ。アシリパは咄嗟に持っていた権利書を抱きかかえて庇う。牛山は手りゅう弾を抱え込むようにして飛び込み、アシリパを庇った。手りゅう弾は爆発し、牛山は巻き込まれてしまう。

爆炎の後、アシリパが見たものは左腕が吹き飛び、体に穴が空いて血まみれの牛山であった。牛山は自分の身を省みる事無く、「お嬢…怪我ないか?」とアシリパを気遣い、崩れ落ちる。アシリパは牛山を抱きかかえる。朦朧とする意識の中、牛山が見たものは今は亡き家永の姿であった。
「あなたの完璧はいつだった?」
かつて家永に問われ、その時は答えの無かった牛山。「いまだよ…いま」牛山はようやく答えを見つけた。この言葉を最後に牛山は息を引き取った。その生き様を見ていた白石は「喧嘩最強で女に弱くて最後まで恰好良いなんてずるいだろ」と最大限の賛辞を送った。列車の中で語っていた「この牛山をアイヌの神話に加えなよ」という言葉にふさわしい、雄々しくも勇壮な無双の豪傑の最期だった。

牛山辰馬の関連人物・キャラクター

杉元佐一(すぎもと さいち)

本作『ゴールデンカムイ』の主人公。日露戦争の最前線から生還した。「不死身の杉元」の異名を持ち、銃で撃たれようとヒグマに吹き飛ばされようと生還する脅威的な生命力を持つ。日露戦争で戦死した親友の妻で初恋の相手の目の病気を治す為、金塊争奪戦に参加する。

敵に対しては一切容赦が無く、勇猛果敢。刺青の囚人の皮を躊躇いなく剥ぎ取るなど、仲間から恐れられる一面を持つ。しかし、元は優しい性格である。戦争に参加し、己を殺して戦い抜いた結果、残酷な性格を持ってしまった。元の自分に戻れず苦悩している。苦悩の中、アシリパと行動を共にする内にその純粋さに救われて、彼女の為に金塊争奪戦で戦うようになる。

牛山とは「札幌世界ホテル」で出会う。互いに握手した際、掌から伝わる感触で牛山の力量を悟って驚嘆。一方の牛山も杉元の実力を感じ取り、「これ以上互いの力を測ろうとすれば殺し合いになる」と苦笑しながら場を収める。その後は牛山と酒を飲み交わし、親交を深めた。しかし牛山が刺青の囚人である事が分かると殺し合いになり、壮絶な肉弾戦を繰り広げる。結局勝敗は付かず、両者の勝負は持ち越しとなった。この時の牛山は酒が残っている状態だったが、数多の凶悪な敵を打ち倒してきた杉元をして、その彼に明確に土をつけることは出来なかった。その後、牛山と行動を共にする事もあったが、網走監獄で土方が杉元を裏切った事で、札幌で再開した時に杉元と土方は殺し合いを始める。それを止めようと杉元を押さえ付けた牛山を杉元が攻撃し、牛山はこれに応戦。建物を破壊しながら激しく組合い、暴れ回った。結局、この時もアシリパが止めに入った為決着は付かなかった。

アシリパと土方が再び手を組んだ事で杉元は牛山と共闘することになる。五稜郭にて牛山と共に金塊を発見した。そして包囲戦を仕掛けてきた第七師団を相手に、共に籠城戦を繰り広げる。

五稜郭を脱出して函館行きの汽車で第七師団の大軍を相手に、共に死闘を演じる。杉元と牛山は生き延びたら金塊を一緒に拝む事を固く誓い合った。結局牛山は死亡してしまった為、この約束は果たされなかった。

杉元は牛山と戦う事もあったが、一方で何度も牛山に助けられる場面もあった。また、アシリパは牛山に懐いている事や自分以上の柔道の腕を持っている事から、杉元は牛山に敬意を持っていた。

アシリパ

本作『ゴールデンカムイ』のヒロイン。アイヌの少女。金塊争奪戦の発端となったのっぺら坊ことウィルクの娘。自分を「新しいアイヌ」と呼び、真っ直ぐで純粋な感性を持つ。その人柄に多くの人が救われていた。

牛山とは「札幌世界ホテル」で出会う。悪人には決して懐かないアシリパであるが、子供だろうと敬意を払う牛山に懐く。牛山の奢りで洋食屋に行った際には、牛山達大人に混じって札幌ビールを飲んで酔っていた。酔った勢いで牛山が語った「良い男かどうかを見る為には一度抱かせてそのチンポを見る」という教えから牛山の事を「チンポ先生」と呼ぶようになる。また、牛山の額の分厚い皮をハンペンと認識し、酔った勢いで引き剥がそうとしていた。それ以降、札幌世界ホテルで拾ったハンペンを牛山こと「チンポ先生」として大切に持っていた。

物語が進むにつれて杉元と牛山の属する土方一派が敵対する事もあったが、アシリパは変わらず牛山を「チンポ先生」と尊敬していた。

物語終盤、第七師団の兵士がアシリパの近くに手榴弾を投げた際にはアシリパを庇って手榴弾を抱き込んだ。手榴弾は爆発し、牛山は致命傷を負ってしまう。それでも牛山はアシリパを気遣い、その姿にアシリパは動揺を隠しきれなかった。牛山は彼女の腕の中で静かに息を引き取る。最後まで牛山はアシリパに対し、紳士的であった。

白石由竹(しらいし よしたけ)

牛山と同じ24人の刺青の囚人の1人。「脱獄王」の異名を持ち、あらゆる監獄から脱獄をしている。脱獄後は杉元達と行動を共にする。惚けた性格をしているが、最終的にちゃっかり、金塊をすべて手に入れた。

牛山とは網走監獄で知り合っていた。脱獄後、小樽の街で偶然牛山と出会うも、牛山の刺青を狙う立場であった事から白石は逃げ出す。それを牛山が追いかけた為、小樽の街中を舞台に大追走劇を繰り広げた。その後、アジトに帰った牛山を今度は白石が追跡する。が、そこで牛山に捕まり白石は半ば強制的に土方一派のスパイにされてしまう。だが白石は杉元達を裏切らず、入手した辺見の刺青を出鱈目に写した油紙を牛山に渡していた。後にこの事を知った牛山は白石に怒っていた。

「札幌世界ホテル」では家永の策略で磔にされていた所を、酔った牛山に襲われていた。牛山は白石を未亡人に化けていた家永と誤解して欲情し、嫌がる白石の乳首を舐め回していた。この時、白石の体臭が臭かった事で牛山は正気を取り戻し、白石の貞操は守られた。

物語終盤、アシリパを庇って致命傷を負った牛山に白石は惜しみない賞賛を送っていた。

土方歳三(ひじかた としぞう)

牛山と同じ24人の刺青の囚人の1人。元新撰組副長である。表向きは死んだ事にされていたが、犬童の策略により五稜郭の戦いの後に網走監獄に幽閉されていた。新国家「蝦夷共和国」を樹立し、日本とロシアの緩衝国を作る事が目的。その為の軍資金として金塊を狙う。網走監獄ではのっぺら坊と唯一取引を行い、刺青の囚人を扇動して脱獄を成功させた。目的の為ならばどんな手段も辞さない人物で、杉元と手を組んで網走監獄に潜入した際には杉元を裏切ってアシリパを奪い去った。だが、その根底には「蝦夷共和国樹立」という大義があり、後世の人々の為に尽力した結果そのような行為に及んでいる。そんな土方を慕う人間は多く、主に旧江戸幕府の派閥の人間が彼に味方した。

脱獄後、牛山とは小樽の娼館にて出会う。土方は牛山を仲間に引き入れる事を当初から考えており、娼婦に金を渡して牛山の情報を集めていた。多少の小競り合いになるも、金塊がある限り自分の刺青を狙われると考えた牛山は最終的に土方につく。牛山は土方と行動した方が安全であると考えたのである。以降、牛山は土方一派として行動するようになる。土方は網走監獄時代から牛山を知っている為、扱いを心得ており、定期的に女を牛山に抱かせる等の気配りをしていた。牛山は優秀な土方の用心棒として働き、最期まで土方の下で働いた。

永倉新八(ながくら しんぱち)

「新撰組最強の剣士」と謳われた人物。「ガムシン」という渾名を土方から付けられている。一見すると穏やかな老人だが、その実短期で喧嘩っ早い一面を持つ。新撰組局長の近藤勇と仲が悪く、明治政府が樹立され新撰組が解体される前に新撰組を抜けている。土方はそんな永倉を庇い、永倉もまた土方を慕っていた。戊辰戦争後、網走監獄で剣術指南をしていた際偶然土方と再会。これ以降土方を陰ながら支援する事になる。牛山を含む土方一派にアジトや軍資金、武器を提供した。

当初、牛山の女好きに辟易していたが、土方から暴走した牛山は永倉ですら襲いかねないと言われてから何も言わなくなった。

五稜郭の戦いでは単身、第七師団に投降するふりをして乗り込み、交渉によって艦砲射撃を食い止めた。その後は門倉、キラウシ、マンスールと共に箱館山に隠されていた回天丸の主砲を掘り起こす。この主砲は箱館戦争中に土方達新選組が隠したものである。土方はかつて箱館山から港に押し寄せる新政府軍の艦隊に砲撃をしよう目論んでいたが、主砲を掘り起こす寸前で土方は新政府軍に捕まってしまう。永倉達はその計画を受け継ぐ形で主砲を掘り起こしたのである。その後、第七師団の駆逐艦艦隊に砲撃を行う。永倉達は負傷しながらも無力化に成功した。

永倉は金塊争奪戦を最後まで生き抜き、生還した。

家永カノ(いえなが かの)

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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。

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