ドロヘドロ(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ドロヘドロ』とは2000年から2018年まで連載された林田球のダークファンタジー漫画、及びそれを原作としたアニメ。退廃的な背景やオリジナリティ溢れる魔法の設定、グロテスクでユーモラスな世界観、敵味方人外問わず憎めない愛嬌を持った魅力的なキャラクターが話題を呼んだ。記憶喪失の主人公・カイマンは、自分の頭部をトカゲに変えた宿敵の捜索の傍ら魔法使いの練習台にされた人間が住む町・ホールで仲間と愉快な日々を送っていたが、そこへ魔法使いの世界の実力者・煙ファミリーの刺客が襲い来て壮絶なバトルを繰り広げる。

『ドロヘドロ』の概要

『ドロヘドロ』とは2000年から2018年まで18年に渡って連載された林田球のダークファンタジー漫画、及びそれを原作としたアニメ。『スピリッツ増刊IKKI』2000年12月30日号1号 -2003年2月1日13号、 『月刊IKKI』2003年4月1日号(創刊号)- 2014年11月号(休刊号)、『ヒバナ』2015年4月号(創刊号)- 2017年9月号(刊行終了)、『ゲッサン』2017年12月号 - 2018年10月号と休刊の余波で4誌を渡り歩いた経歴を持つ。単行本は全23巻完結。
著者曰く本作は「歌詞がメチャクチャダークで凶暴なのにメロディーは踊りたくなるくらい楽しい曲」に刺激を受けたそうで、過激なスプラッタ描写を含む混沌とした世界観にブラックユーモアを散りばめた作風と、敵味方問わずアクが強く憎めない愛嬌を持ち合わせたキャラクターの軽妙な掛け合いが魅力的な作品に仕上がっている。登場するキャラクターの殆どがホラーテイストの覆面マスクを被っていたり、登場するファッションやアイテムにヘヴィメタルやハードコア、パンクなどの音楽の影響が見られるのも特徴に挙げられる。
テレビアニメは2020年1月から3月までTOKYO MX他にて放送された。
魔法使いとその練習台にされる人間が存在する世界。
記憶喪失の主人公カイマンは、魔法使いの練習台にされた人間の吹き溜まりの町・ホールで自分の頭部をトカゲに変えた魔法使いを捜す傍ら友人ニカイドウが経営する定食屋に屯って馬鹿騒ぎをし、ホールに練習にきた魔法使いを虐殺するなど愉快で殺伐とした日々を送っていたが、そこへ魔法使いの世界の実力者・煙ファミリーの刺客が送りこまれて血みどろバトルに発展する。魔法使いと人間のハーフで対象をバラバラにする魔法を操る戦闘狂・心、心とタッグを組む回復魔法のエキスパートの能井など、手強い敵との戦闘を繰り広げたカイマンは、自分に執拗にこだわる彼らなら、自身をトカゲ頭に変えた魔法使いの情報を握っているかもしれないと直接魔法使いの世界へ乗り込む。仲間の協力を得て失われた記憶と自分の素顔を追い求めるカイマンだったが、彼の過去にはホールと魔法使いの世界をも揺るがす大きな秘密が隠されていた。

『ドロヘドロ』のあらすじ・ストーリー

魔法使いの世界とホール

魔法の煙を使う魔法使いは、ホールという魔法使いの世界とドアで繋がっている街に暮らしている人間を魔法の練習台にしていた。
ホールに住んでいる記憶喪失の大男カイマンは、無くした記憶と自分の頭をトカゲに変えた魔法使いを探していた。彼は口の中に謎の男がいて、あらゆる魔法が効かない体質だった。
カイマンは定食屋「空腹虫」の友人ニカイドウと、魔法使いを探しながら殺戮を繰り返していた。

ある日、カイマンはホールに来ていた魔法使いの松村と藤田を襲ったことで、煙ファミリーのトップ煙(えん)に目をつけられてしまった。煙は危険人物と認定したカイマンを探り始め、探し出したカイマンをトカゲに変えた魔法使いは、恵比寿という変身魔法が使える魔法使いだった。

カイマンを抹消するため、煙ファミリーの心(しん)と能井(のい)は、ハロウィンのようなイベント、リビングデッドデイにホールを訪れた。そこで、カイマンとニカイドウたちと戦ったが、カイマンは首をはねられたがすぐ立ち上がり、人間と思っていたニカイドウが魔法の煙でドアを出し逃走した。

煙は自分に釣り合う魔法使いを探していた。そのため命を与える魔法を持つ魔法使いをパートナーに迎えるためパーティーに参加した。
しかし、パーティーで会った魔法使いは黒い粉を使った偽物で、彼女が利用していた奇妙な動物こそが命を与える魔法使いだった。
煙はその動物を自分の屋敷に連れ帰り、キクラゲと名づけ大切にした。

カイマンとニカイドウは、彼の特殊な体質や口の中の男のことを聞くために、魔法使い研究の第一人者カスカベ博士の家を訪れていた。
カスカベは魔法使いの世界へワープできるドアを作っていた。

魔法使いの世界への侵入

カイマンとニカイドウはカスカベが作ったドアで、魔法使いの世界へ侵入した。
レアな魔法を持っていたニカイドウは、自分をパートナーにしたがる魔法使いに追い回されホールに逃げ込んでいた。

口の中の男と同じ十字目の刺青をした男を尾行をしたカイマンは、その男のアジトにたどり着くと、記憶が少し戻り栗鼠(りす)という名を思い出した。その名は煙が探し出し、キクラゲに命を与えられた生首と同じだった。
ニカイドウはカイマンのために、十字目の情報を得ようと悪魔との取引を決めた。

カイマンと別行動をとったニカイドウは、自分の魔法の煙を詰めた小瓶を質屋に持っていき金に換えた。
そして、情報を得るために悪魔のアスに会いに行った。アスはカイマンの顔のことは分からなかったが、十字目の内情を話してくれた。十字目は魔法使いの世界で魔法の使えない人たちの集団で、裏で何か怪しい動きをしているということだった。

アスからの情報で、煙の屋敷に栗鼠がいることを掴んだニカイドウは、アスが作ったドアから煙の屋敷に侵入した。
そこで栗鼠を発見したが、煙に見つかり魔法の煙で背中にキノコが生えてしまった。ニカイドウは治療のためにホールに戻り、その時栗鼠はどこかへ行ってしまった。

カスカベによってキノコは除去され、ニカイドウは命を取り留めた。カイマンから魔法使いの世界の話を聞いたカスカベは、かつて出会った人間の父と魔法使いの母を持つ少年、心の話をした。
当時のホールには町内会という魔法使いを襲う過激団体があり、その集団に両親を殺された心は、カスカベに保護され手術を受けて魔法使いになった。心は町内会を壊滅させ、ホールから姿を消したのだった。

煙の屋敷から消えていた栗鼠は生前の自宅に戻っていた。自分が殺された理由や、ニカイドウや煙が自分を欲しがる理由を考えていた。栗鼠は十字目の初仕事の時、相棒で親友の会川(あいかわ)の同行を禁じられ、1人で現場に向かって殺されたことを思い出した。栗鼠は彼なら助けてくれるだろうと思い会川を探し始めた。

再び魔法使いの世界へ

カイマンは魔法の世界に行ったことで、記憶が戻り始めていることを感じ、栗鼠を探すため再び魔法の世界へ侵入することにした。

煙の屋敷では4年に1度の魔法使いがパートナーを選ぶ祭典、ブルーナイトの準備がされていた。
ブルーナイトでは午前零時を回ったら、どんな手を使ってもいいので意中の魔法使いと、屋敷に浮かんだ黒い家で悪魔の契約にサインすれば、パートナー契約が成立することになっていた。

煙は、質屋の情報から時を操る魔法使いがニカイドウだということを知り、ニカイドウを拉致して黒い家に連れて行き、無理やりパートナーの契約を結んだ。
その時ニカイドウとホールから連れ出されたカスカベたちは煙の屋敷に監禁された。

ニカイドウは契約書に縛られ煙の言いなりになっていた。
煙がニカイドウの魔法を欲しがったのは、多くの部下を十字目に殺された彼が、殺したはずの十字目のボスの生死を確認したいがためだった。
カイマンはニカイドウを助けるため、煙の屋敷に侵入した。
煙の奴隷になってしまったニカイドウは、カイマンの助けを断り彼と戦ったが、悪魔アスが現れニカイドウの背中を切り開き、契約書を取り出したため正気に戻った。
アスは2人を逃がすために、契約書の効果がない場所へ2人を飛ばした。

一方栗鼠は会川をなかなか探し出せず、街の情報から十字目の本拠地があるというベリス村へ向かった。

煙の屋敷に捕まっていたカスカベは、昔助けた心によって解放されることになった。彼はカイマンに今の状況を伝えたいと考え、こちらにいる妻、ハルに会うためヒドラの森へ行くことにした。
ヒドラの森の奥にある家は、十字目の男たちに占領されていて、カスカベは攻撃を受けた。ちょうどそこに黒い粉の調査のために訪れていた心と能井が助けに入ったが、能井が人質にとられてしまった。
十字目のボスは誰でも魔法が使えるようになる手術を考え出していて、黒い粉はボスの手術の副産物だった。
目覚めた能井が暴れたため家が火事になり、彼らが拝んでいたボスの蝋人形は溶けてしまった。溶け落ちる蠟人形の顔を見たカスカベはその顔に見覚えがあった。

カイマンの記憶

カイマンとニカイドウは、煙と十字目のボスが戦ったマステマに飛ばされていた。
そこで十字目の少女夏木と出会い、十字目の幹部が共同生活を営むベリス村へ行くことにした彼女に、情報を知りたいカイマンとニカイドウは同行することにした。

途中訪れたザガンには、栗鼠と会川が出会った魔法の訓練学校があった。今は廃墟になっている学校に足を踏み入れると、カイマンは激しい頭痛に襲われ、自分が会川で栗鼠を知っていることを思い出した。

ホールに戻ったカスカベは、送ってくれた心に蝋人形の顔を知っているのか聞かれた。
蠟人形の顔は、昔彼が手術したアイ・コールマンに似ていた。
13年前、カスカベの所を訪れたアイ・コールマンは魔法使いになりたがっていた。
ある日、町内会に殺された魔法使いが廃物湖に捨てられ、それを実験材料にしたかったアイは危険な湖に入ってしまった。
瀕死のアイをカスカベが手術をしアイは一命をとりとめたが、長い入院の後、退院して1日目でアイは死んでしまった。
そして現在、アイの死体がゾンビとして回収されていないことを知ったカスカベは、十字目のボスはアイだと断定した。魔法使いになったアイは替え玉を仕立てて、魔法使いの世界に逃げたのだった。

ニカイドウを助けていたアスは、地獄生まれの悪魔のチダルマから「仲間に秘密を持たない」という掟を破ったことを暴かれ、ストアの店に連れて行かれた。ストアの経営する肉屋には、悪魔を唯一殺すことができる包丁があった。その包丁で解体されたアスの中から川尻という魔法使いが出てきた。彼はチダルマに悪魔失格を言い渡された。

ザガンを出たカイマンとニカイドウのもとに煙が現れ、キノコをばらまき攻撃してきた。
体中キノコに突き破られたカイマンは、元の人間の姿に戻ったが、増殖したキノコで崩壊した建物の下敷きになって死んでしまった。
絶命したカイマンの口からは、栗鼠の呪い「カース」で作り出された栗鼠の分身が出てきた。呪い「カース」は、魔法使いの世界でも希少な魔法であり謎の存在で、受けた攻撃をそのまま相手に返すことができる能力をもっていた。

体内に再びできた契約書の効果で意識が薄れていくニカイドウは、煙に回収された。
カイマンの体も回収しようとしたが、そこにはトカゲの頭だけが残っていた。
連れ戻されたニカイドウは、パートナーになることを拒否し契約書が馴染まず、体が腐り始めていた。

栗鼠のもとにカースが現れた。カースは栗鼠の口から中に入り込み分離した。
アジトに合流した夏木が天井を見上げると、そこにはカースがいた。カースは「この世で最も不吉な者」と名乗り、人の悪意や敵意、殺意に反応し十字目たちに攻撃した。

カイマンの首なし死体を回収したのは川尻だった。彼は好きな場所に移動できる魔法と千里眼を持っていたため、カイマンを回収することができたのだった。
川尻は自分がアスだったことや、ニカイドウの様子を会川に聞くが、彼は何も答えることができなかった。立ち去ろうとした川尻を会川が引き留めた瞬間、魔法が発動し2人はニカイドウがいる煙の屋敷に移動した。
ニカイドウは会川を見てカイマンだと思ったが、会川はその場を逃げ出してしまった。
会川はカイマンのことを思い返すと頭痛がし、別の場所にいたカースは「見つけた」とつぶやいた。それをきっかけに空間がゆがみ、十字目のボスが現れた。

煙ファミリーの崩壊

ニカイドウの様子を見に来た煙は、空間のゆがみに巻き込まれ十字目のボスに遭遇する。煙は今度こそ息の根を止めようと攻撃するが、十字目のボスに首を切られてしまった。
煙が死んだため魔法が解けキノコが世界中から消え始めた。

煙の首が持ち去られ、キクラゲも消えた煙ファミリーは空中分解寸前だった。
十字目への警戒を強めたターキーは煙の人形を作ることにした。出来上がった人形は魔法使いの脳内にある、魔法を使うために一番大事な悪魔の腫瘍に反応し、どこかへ移動してしまった。心たちは慌てて人形を追いかけた。

十字目のボス、壊(かい)は持ち帰った煙の頭を解剖し、脳内の悪魔の腫瘍を取り出して、自分の頭に移植していた。
煙の腫瘍を取り込んだ壊は、追ってきた心と能井をキノコの煙で覆った。しかし、壊にやられる前になぜか2人の体は消えていった。
そこへカースが現れ、壊に襲い掛かったが寸でのところで撃退された。

煙ファミリーの崩壊から1か月後、心と能井はある小屋で目を覚ました。
そこには煙ファミリーの消(しょう)がいた。全ての存在を消す魔法で消は心と能井を救出することができたのだった。消の魔法で屋敷内の死体安置所から、煙の死体を持ち出すことに成功した。

会川には異変が起きていた。彼の首から血が噴き出し、そのまま切れて落ち壊の首が現れた。会川は十字の刺青が入っているときは壊、入っていないときは会川になる多重人格者だった。

そのころ煙ファミリーは地下アジトで、煙の死体を修復しようとしていた。
心はアイ・コールマンが壊ではないかと思っていた。壊の魔法はホールの雨と同じ成分で、顔もよく似ていた。

川尻はカイマンの口の中にいた男は栗鼠のカースで、何らかの事故でカイマンの口に閉じ込められたと推測していた。

お客が来なくなったレストラン丹波に、強い魔法使いの悪魔の腫瘍を狙っていた壊が襲撃してきた。なんとか撃退したが、壊の首にはいくつもの頭が生えてきて、それらが胴体に戻ると十字の刺青がない壊の姿になった。

騒ぎを聞いて駆け付けた十字目のメンバーが壊を回収して逃走した。
会川となった壊を見て、十字目のボスは何者なのかハッキリさせる必要があると十字目のメンバーは考えていた。

十字目のアジトに侵入したカスカベが、会川にアイ・コールマンかと尋ねると、会川の首がとれアイの顔が生えてきた。
アイはカスカベを襲ったが、その顔が再び会川に戻ると傷ついたカスカベを見て絶望し、会川はナイフで自殺をした。

中央デパート

ニカイドウは殺された理由が知りたい栗鼠に頼まれて、魔法でカイマンと初めて出会う少し前の過去に移動した。
そこで、カイマンが栗鼠のカースを奪うために栗鼠を殺し、カースに追われることになったことを知った。壊が護身用に持っていた恵比寿の魔法を使ったため、カースと恵比寿の魔法が融合し化学反応が起こり、カースが壊の体に閉じ込められてしまったのだった。

会川の自殺によってホールにしか降らない雨が魔法使いの世界で降り、この猛毒を被った魔法使いたちは次々と倒れた。

怪物となった壊を十字目のメンバーはホールに移したが、途中メンバー内での分裂が起こり、廃物湖の上に立つ中央デパートに壊を連れ去られてしまった。この混乱に乗じて、壊を見張っていた煙ファミリーの藤田が、煙の腫瘍を取りもどした。
この時たまたまニカイドウや栗鼠も中央デパートにいて、彼らを探していた煙ファミリーたちも中央デパートに向かっていた。

怪物の壊によって十字目のメンバーたちは、皆殺しになり壊の体に取り込まれてしまった。
壊は廃物湖の地下水が湧き出た液体の中に逃走した。

中央デパートに閉じ込められたニカイドウは何者かにナイフで襲われ、チューブで繋がれたゾンビがいる場所に飛ばされてしまった。

空中に浮かぶ黒い家には悪魔が集結していた。黒い家は中央デパートがなくなった廃物湖の底に沈んでいった。

ニカイドウがチューブを辿ってデパートを奥へ進んでいくと、広い空間に出た。そこにはトカゲ頭のカイマンが立っていた。
中央デパートを出るには「ストアの包丁」が必要だと悪魔に教えられたニカイドウは、カイマンと協力してストアの包丁を手に入れた。

煙ファミリーは藤田が煙の腫瘍を取り戻したので、キクラゲを使って煙を生き返らすことができた。

壊の意志は中央デパートと同化し、チューブを操りカイマンを手中に収めようとしていた。
カイマンはチューブに貫かれたことによって、会川の人格になりストアの包丁で壊の首をはねた。
中央デパートはホールと混ざりあっていた。
煙はチューブの化け物と戦い、チューブのあらゆる所にキノコを生やし、化け物の活動を停止させた。

最後の戦い

会川はカイマンに戻り、そのカイマンからアイが這い出しカスカベに全てを話した。
魔法使いになりたかったアイは、魔法使いに殺された被害者の怨念の集合体にとって、理想の入れ物だった。
その怨念は、廃物湖に飛び込んだアイを苗床とし、栗鼠と出会った理想の魔法使い会川と恵比寿の変身魔法とカースの魔法の融合でできたカイマン、そして十字目のボス壊を生み出したのだった。
今暴れているチューブの化け物も怨念が生み出したとアイは言った。

悪魔のチダルマは他の悪魔と自分が勝てば、他の悪魔は全て魔法使いに戻されるという賭けをしていた。カイマンたちが全滅するか、ホールが黒い泥に飲み込まれたらチダルマの勝ちだった。

自分こそが全ての元凶だと悟ったアイは、殺してくれるように頼んだ。
栗鼠はアイを殺そうとするが、チューブの化け物がアイの首を生やしたため、この首こそが元凶だとその頭を切断した。
アイが消滅したことで、カイマンはカイマンの意識を回復した。
その時、ホールの怨念の集合体「ホールくん」が誕生した。

ホールくんの目的は魔法使いを絶滅させることだった。
このままだとホールが崩壊するとカイマンたちは戦うことを決断した。
煙ファミリーたちと協力をし、カイマンはホールくんと戦った。
魔法使いの世界にいたレストラン丹波のキリオンは、黒い雲を偵察に行きそのまま飲み込まれた。
魔法使いの世界の雲とホールの雨は、時空を超えて繋がっており、彼女もホールくんの体内に取り込まれた。自爆覚悟で潜入していたので体内で爆発を起こした。魔法使いの世界とホールをつなぐドアが破壊され、苦しみだしたホールくんを心がバラバラにした。頭から悪魔の腫瘍を取り出し、それをカイマンがストアの包丁で切り刻みホールくんは消滅した。

それから半年後、煙ファミリーは魔法使いの世界に戻り、カイマンたちはホールで穏やかな日々を過ごしていた。
魔法使いたちは今回のことを反省し、人間を実験台にすることをやめた。
チダルマは賭けに負け、五千年人間として生きることになった。

魔法使いの世界に戻る川尻と栗鼠に別れを告げたカイマンは、「魔法試験を受けて顔を直してやる」という2人に「このままで良い」と言った。
「空腹虫」こそが自分の帰る場所だとカイマンは思うのだった。

『ドロヘドロ』の登場人物・キャラクター

ホールの人々

カイマン

CV:高木渉
ホールに住む記憶喪失のトカゲ男。推定25歳。身長216cm、体重146kg、足のサイズ38cm。ガスマスクと銃剣が特徴。
ホール中央病院魔法被害者病棟でアルバイトする傍ら、自分の頭部をトカゲに変えた魔法使いと消えた記憶を追い求めて日々魔法使いの虐殺に励む。口の中に謎の男がおり、出会い頭の魔法使いを丸呑みしては毎回その男の回答を聞かせている。口の中の男が「お前じゃない」と答えた場合は躊躇なく相手を惨殺するが、これは自分をトカゲ頭に変えた魔法使いの首実験が目的。
当初は氏名経歴出身地一切の記憶がなく、ホールの路地裏で行き倒れていたところをニカイドウによって拾われカイマンと名付けられた。
明るく豪放な反面、ひとたび戦闘となると苛烈なまでの強さと容赦のなさを発揮する。ニカイドウの大葉ギョーザが大好物で日常的に彼女の店に入り浸って飲み食いしてるが、金欠の為殆どツケで見逃してもらっている。大食漢で美味いものに目がない。
煙ファミリーのメンバーであり藤田の相棒である松村を殺害したため、報復として煙ファミリーの掃除屋である心に首をはねられたが新しい頭部が再生するなど不死に近い体質。物語が進んで魔法使いの世界で生活を始めてから次第に記憶を取り戻し、魔法使いを殺戮してきた自身もまた魔法使いで大切な友人や誰かを無意識に傷付けてきたのではないかと疑念を抱く。
ニカイドウとは厚い信頼と友情で結ばれた関係。
その正体はアイ=コールマンの9つの人格の1つが、恵比寿と栗鼠の魔法の重複によって彼から独立した存在。

ニカイドウ

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