Maison book girl(ブクガ)の徹底解説まとめ

Maison book girlとは、2014年11月5日に結成された日本のアイドルグループ。作曲家・音楽プロデューサーのサクライケンタとBiSのメンバーであったコショージメグミを中心として誕生。サクライケンタの「現音ポップ」と称する変拍子を多用した楽曲をバックにコショージメグミが詞の朗読を行うというパフォーマンスを発展させた形といえる。一筋縄ではいかない「現音ポップ」に合わせてパフォーミングを行う、という独自の世界を持っている。2021年5月30日、活動終了が公表される。

バスルームからアイをこめて
だいたいのことは終わってしまうけれど、かといって始まらなければいいと思うことはありません。昨年7月のBiS解散にあたってコショージメグミが進路として発表したのは、サクライケンタによる新ユニットへの参加でした。サクライケンタといえば、いずこねこのプロジェクトが各方面で高評価を得ながらも終了したタイミング。そんな2つの終わりの行き先としても期待を集めながら始まったのが、このMaison book girlでした。
昨秋にお披露目され、今年に入って3月に初音源となる『white』と『black』の2作を会場限定リリース。同月の主催イヴェント〈SOLITUDE HOTEL B1〉から現在の編成になり、さまざまなライヴ/イヴェント出演や〈MOOSIC LAB 2015〉で上映された映画「マイカット」(監督:小根山悠里香)への出演など、半年かけて多様な経験を積んできた井上唯、和田輪、コショージメグミ、矢川葵の4人組。このたび登場した待望のファースト・アルバム『bath room』は、彼女たちにとって初めての全国流通盤でもあります。

全編のサウンド・プロデュースはもちろんサクライケンタで、彼の明確なヴィジョンや心の移ろいがメンバーの存在を借りてポツンと佇む一つの少女像を描き出しているように思えるのは、〈girls〉ではないネーミングからもそれとなく感じ取れるかもしれません。ともかく、歯切れの良い7拍子のクラップに導かれた“bath room”から、変拍子を多用して〈現代音楽×アイドル・ポップ〉とも評されたアレンジの妙と、青みを帯びた世界観が耳から入り込んでくるような彼らしさは全開。文字にすると小難しく思えるかもしれませんが、言うなればそれは、ジョニー・グリーンウッドの弾く“Electric Counterpoint”のような親しみやすさ。そこに駆け足で続くキャッチーな“my cut”ともども先述の『white』に収録されていた曲ながら、いずれも新たに作り込まれたヴァージョンで収録されています。さらにワルツからシャッフルへの転換でカタルシスをそそる“最後の様な彼女の曲”ではコショージメグミが作詞を担当し、朦朧とした詩情を不思議な音空間に注いでいるのも大きな聴きどころでしょう。

ハイライトとなるのは、アルバムの中腹に置かれた“snow irony”。先日MV公開もされたこの曲はキャッチーなリフレインを伴って軽快に響いてくるナンバーですが、“rainy irony”への返歌と取れる〈そんな世界さえ愛すの?〉というフレーズを挙げる必要もなく、ここで脳裏をサッとよぎる猫の影に心がフッとざわめくという人は多いでしょう。それに続く“film noir”と“last scene”は『black』が初出だったもので、もちろんこちらもチューンナップ仕様。一方で、そこに挟まった“Remove”は心地良いギターがナイーヴな歌唱とエモーショナルに溶け合う、雨上がりの曇り空のようなナンバーで何とも言えず素晴らしい出来映えです。そしてラストに置かれた“water”は、とめどない水音とピアノの調べに乗せて4人が朗読するもの。いろいろなものがあっけなく排水口に吸い込まれていくような儚さや所在なさこそ、このMaison book girlとサクライケンタが表現する世界に通底するものに違いありません。

透明なのか濁っているのか、奇数なのか偶数なのか。ネガティヴ/ポジティヴという安直な二元論を越えて、言葉にしづらいリリシズムと聴後感にうっとりと浸される『bath room』――ここからのMaison book girlにまた注目していきたくなる、そんな傑作です。

出典: mikiki.tokyo.jp

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

以下、Real Soundより本アルバムリリース時に行われたサクライケンタへのインタビューを引用。
本アルバムのプロデューサーでもあり、Maison book girlを仕掛けた張本人によるアルバム解説であり、本アルバムをより深く味わう手助けになる内容となっている。
また後半にはメンバーのコメントも掲載されており、そちらも興味深い内容となっている。

音楽家・サクライケンタがプロデュースしている4人組アイドルグループ・Maison book girl(略称:ブクガ)。メンバーは、元BiSのコショージメグミ、講談社のアイドルオーディション企画「ミスiD」2015ファイナリストの矢川葵、そして井上唯、和田輪の4人で構成されている。
音楽性は、現代音楽にポップミュージックを組み合わせたもので、サクライは、これを「現音ポップ」と呼んでいる。楽曲には変拍子が多用され、音色自体がアイドルポップスとしてはかなり異色の耳触りを持っている。とはいえ、決してマニアックには寄っていない。彼がかつて手掛けていた現音ポップのソロアイドル・いずこねこから続くその音楽スタイルは進化を続け、ブクガとなって、ポップスとしての精度はより高まっているのだ。
そんなブクガにとって、初の全国流通盤となる1stアルバム「bath room」が9月23日(水)に発売された。今回はこのリリースにあたり、サクライケンタに単独インタビューを行った。結成の理由、音楽性やコンセプト、そしてアルバムの内容について語って貰い、さらにそのインタビューを踏まえた上で、メンバーにもコメントを寄せて貰った。

いずこねこが終わってからブクガが始まるまでの経緯
――最初にサクライさんの音楽遍歴を簡単に教えて貰えますか?
サクライ:小4か小5の時に楽器を弾いてみたくなって、習いごとでまずドラムを始めたんです。2、3年続けたのかな。中学に入ったら親がギターをどこかから貰って来て、ギターも弾くようになりました。聴いてた音楽は姉の影響でピチカートファイブとかフリッパーズギターとかトラットリアとかの渋谷系だったので、作曲もしてたけど普通のバンドサウンド的なポップスでしたね。現代音楽を聴き始めたのは、高1の時。音楽に詳しいライブハウスの店長と仲良くなって、いろいろCDを借りてる中に現代音楽もあって。もともとドラムをやってたのもあって、リズムが面白くて。楽器的にもテレビやラジオで流れてるようなものじゃないし。クラシック楽器を使って、面白いことをしてるなって、すごく新鮮に感じて、ハマりました。いろいろ聴いたけど、一番最初に好きになって、今でも好きなのは、スティーブ・ライヒ。6年前くらいに1回だけ東京に来てコンサートをしたんですけど、それにも行ったくらい、好きです。
――現代音楽を取り入れた作曲をしたのもその頃ですか?
サクライ:そうですね。中学の頃は親にねだって買って貰ったMTRを使って、ギターとかドラムマシーンとかをライン接続で繋いで、録音するっていう方法で曲を作って遊んでたんですけど。高校に入ってからは、マックと音楽製作ソフトを買って、DTMで現代音楽を取り入れたインスト曲を作り始めるようになりました。そうやって遊んでいるうちに企業のWEBのCM動画のBGMを作らせて貰ったり、自然とそれが仕事になって行きました。
――なるほど。ちなみにほとんど学校へは行ってないんですよね?
サクライ:はい。小4くらいから卒業まで行ってなくて。中学は最初の1年だけ真面目に通いました。高校は5日で辞めました。
――ほぼ小卒ですね…! で、初めてのアイドルプロデュースとなるいずこねこを始めたのが、2011年10月ですよね。いろいろあっていずこねこが2014年8月に終了することが発表されたのが、2014年3月。その3月から、ブクガが始まる11月までの経緯を教えて貰えますか?
サクライ:いずこねこの終了が決まる前から、「世界の終わりのいずこねこ」という映画のプロジェクトが既に動いてたんですよ。いずこねこは終わるけど、茉里ちゃん(いずこねこは当時の茉里のソロ名義)も僕も、映画製作は続行したいという意見が一致して。だから映画のサントラや、いずこねこの最後の新曲の製作作業を4月あたりから始めて。5月くらいには、もう何か新しいことをやりたいと考えてました。そんな時に知人からの紹介でコショージと6月末に初めて会うことになって。そこからメンバーを集め始めました。

出典: realsound.jp

サクライケンタ

コンセプトはメンバー4人を並べてみてから決めた
――もうアイドルはやりたくないとは思わなかったんですか?他の音楽の仕事をするとか。
サクライ:やっぱり自分でやりたいというのがすごいあって。コショージは自分がやりたいことの雰囲気をすごく掴んでくれてる感じがあったので。やって貰うことにしました。
――アーティストではなく、アイドルにした理由は?
サクライ:入り口が広いからですね。今までもいずこねこっていうアイドルをやってたし、コショージもBiSというアイドルをやってたわけですし。興味を持ってくれる人が多いかなと思いました。
――ブクガのコンセプトについて聞きたいんですが、まず名前の由来はなんでしょう?
サクライ:お披露目の11月までは「book house girl(仮)」と名乗ってたんですよ。デヴィッド・リンチ監督の『ツインピークス』に「Bookhouse Boys」というのが出てくるんですよね。で、「book house girl」という言葉が自分の中でずっとあって。後からちゃんと考えて、Maison book girlになりました。「Maison」を使ったのは、衣装やグッズなどファッション面に関してもちゃんとやって行きたいと思ったから。あと「the book girl」みたいな、「the」的な意味もあります。コンセプトそのものに関しては、全体的なイメージが見えて来たのは、オーディションで決めた4人を並べてみてからですね。それは音楽性も含めてです。あの4人(ブクガは2015年3月に1人が脱退し、入れ替わりで新メンバーとして和田が加入している)でなければ、100%今のブクガにはならなかったかもしれません。最初に作ったのは「bath room」と「last scene」の2曲。そこから、活動を続けながらだんだん方向性が固まって行ったという感じです。今もまだ洗練させたいなと思っています。

出典: realsound.jp

矢川葵

アイドルポップスとして成り立つギリギリのところをやりたい
――1stアルバム『bath room』がリリースされましたが、楽曲はどういう意図があって作っていますか?
サクライ:いずこねこの時は曲の中にアイドル性もかなり入れてたと思うんですけど、ブクガはもっと削ぎ落としてシンプルにした方がいいなと思って。なるたけ音数を減らしてます。
――いずこねこは曲中に「にゃんにゃん」というフレーズを入れられていることなどにより、アイドル性が上手く表れていました。そこをなくすことにより、アイドルポップスらしさがなくならないか、懸念はなかったですか?
サクライ:自分の中では「にゃんにゃん」言ってるのがアイドルっぽいとは思ってなかったので、そこは全然大丈夫でした。女の子がステージで歌って踊ってる時点で、もうアイドルでもあるんじゃないかって思うので。
――ブクガの楽曲を作る上で心掛けていることはありますか?
サクライ:「どこかで聴いたことあるわ」ってものは作りたくないなと思ってますね。アルバムの中にはお客さんを盛り上げるために必要だと思って作った曲もあって。「my cut」という曲なんですけど、でもほんとはもっと音数が少なくてもいいだろうとも思ってます。この曲は自分の中では一番アレンジがJ-POP寄りなんですよね。お客さんも好きって言ってくれる方も多いので、全然悪いことではないんですけど、わざとそういう曲を作ろうと思って作りました。
――いずこねこやその映画のサントラの曲作りをして来たことによって、今役立っていることはありますか?
サクライ:現音とポップスとのバランス感覚は鍛えられたと思います。「bath room」なんかは歌ナシの音源を聴いたら、アイドルとしては完全に成り立たないという感じだと思うので。なんとかアイドルポップスとして成り立つギリギリのところをやりたいと思ってます。
――現音にこだわる理由は?
サクライ:単純に自分が気持ちいいからです。変拍子も、自分の中では元々好きでやってきたので、変拍子を変拍子と思ってないところがあります。あと、曲の特徴として、エレキギターが少ないと思います。うるさいじゃないですか、ギターソロとか。チョーキングするようなギターソロとかが嫌いで(笑)。

出典: realsound.jp

コショージメグミ

コショージがメンバーの中で一番ブクガの世界観を理解してくれている
――歌詞についてですが、抽象的で、悲しみなどネガティブな気持ちを表現するものが多いですよね。
サクライ:自然体で書くとそうなります。なのでそれが僕の作る世界観なんだと思います。無理して書いてるわけじゃないので。
――具体的に言うと、基本的には「いなくなった少女や手が届かない少女」に対し「僕」が「孤独や絶望を思う」という世界観で統一されてるように思います。また「少女」「森」「煙」「ホテル」などがモチーフとして頻出します。「僕」はサクライさんですよね?
サクライ:はい、全部僕の視点だとは思います。
――そこはこだわりがあるんですか?立場を変えて書く人も多いと思うんですが。
サクライ:そんな器用なことはできないので、その時に書きたいことを書くだけです。外部に楽曲提供をする場合は考えるけど、自分がやってるグループに関しては、素直なことしか書きたくないというのがあって。
――自分の気持ちを女の子に歌わせることに意図はありますか?
サクライ:笑顔で踊って歌うとか、自分にできないことをやってくれるので。それにより、自分の表現したいことがメンバーの力で増幅できたらとは思います。おっさんの僕にはできないので。
――女の子に歌って貰うことによって、浄化されたり、救われるような気持ちにはなるんですか?
サクライ:それは全くないです。伝える媒介として彼女たちの存在があります。そして、それは必要不可欠だと思います。
――いずこねこ時代からの続きを感じさせる歌詞が多いように思いました。
サクライ:続きっていう意識をしてるわけではなくて、ただ自然に書いています。いずこねことブクガは違うものだと思っています。ただやりたいことをやってるというだけで。「snow irony」にいずこねこの「rainy irony」からの歌詞の引用はありますが、特に意図的な繋がりはないです。
――今年3月にライブ会場限定で「white」「black」という2種のシングルがリリースされました。収録されている4曲の音源は、今回のアルバムではどう変わりましたか?
サクライ:メンバーが1人変わっています。それと、ミックスとマスタリングをゼロからやっています。僕のミックスって、中低音域あたりが極端にないんですよね。そこを増やしたり、それと歌も前よりは一般的な、なじみやすいものになったかなと思います。
――ラストにポエトリーの曲「water」が入っています。
サクライ:アルバムとして通して聴いて欲しいというのがすごくあったので、節目のようなものを入れたかったんです。作詞はコショージが担当しました。先に歌詞を書いて貰ってメンバーの声を録って、それを僕が好きなように編集して、BGMをつける形で作りました。
――コショージさんが作詞することになったのは何故でしょうか。
サクライ:「作詞がしたい」って言われて「じゃあいいよ」っていう、それくらいのノリです。直しはほぼなかったですね。コショージはメンバーの中で一番ブクガの世界観的なものを理解してくれてる気がしますね。

出典: realsound.jp

和田輪

地下アイドルの曲は、正直そんなに面白いと思っていないところがある
――独特な曲を作るサクライさんの立場から、アイドルポップス全体を見て思うことはありますか?
サクライ:AKBとかハロプロとか、メジャーな存在として確立されてるものは、それはそれで確立されていて良いと思うんですよ。ただそれより下の地下アイドルに関しては、正直そんなに面白いと思ってないところがあります。新しいグループもたくさん出て来てますけど、去年くらいから出てきたアイドルの中で、面白い音楽をやっていると思うアイドルは自分の中ではほぼいないですね。
――ブクガはアイドルでありたいんでしょうか?それともアイドルであることにこだわりはないんでしょうか?
サクライ:アイドルっていう括りで今はやってますけど、特にアイドルが好きじゃないっていう人でも気に入ってくれる音源だと思うので。そこに異常にこだわってるということではないですね。
――アイドルじゃなくなるかもしれないですか?
サクライ:それは神のみぞ知る、です。まだ分からないです。
――ブクガ以外にやりたいことはありまうすか?
サクライ:いつかですけど、もう1個くらいグループかソロのアイドルを作りたいなと思ってます。もちろん女の子です。男は面白くないじゃないですか。女の子にはこだわりはあるかもしれないですね。少女性というものが、自分の中で音楽と密接に結びついてる気がします。声が男だとなんか違う気がします。あと、彼女が欲しいですね!
――ちなみに好きな女性のタイプは?
サクライ:自由に答えていいですか? タイプは、新品ですね。

出典: realsound.jp

井上唯

メンバーコメント
メンバー4人に同じ質問をし、それぞれに回答をしてもらった。

――サクライさんのインタビューを読んでどう思いましたか?

和田輪
「現音ポップ」という言葉、今初めて聞きました。
ポップさのバランス、少女性や女性ボーカルへのこだわりなどから、サクライさんがやりたい音楽にアイドルの形態は合っていると思うのですが、今アーティストでなくアイドルとしてアイドルの現場で活動するうえでは、現代音楽に馴染みのない方にも楽しんで貰えるステージを作るために、私たちメンバーの力が試されていると思いました。

井上唯
私は音楽のこととかほんとによくわからないんですけど、単純に小卒というところに驚きました。いろいろすごいですね。
正直サクライさんが考えてることはよく理解できてないかもしれないですけど、その私が理解できてない頭で作る音楽が多くのひとに「良い!」って言われるのは事実だし、グループにとってこれ以上ない武器だと思うので、上手に使いこなしてビッグになってやるぜ!
これからもたくさんいい曲作ってください。お願いします。はやくいい彼女ができるといいですね。

矢川葵
ドラムできるってすごいですね、ドラムすごいうまい人の腕っていいですよね。
サクライさんは、ひょろいですね。
彼女、できるといいですね。
私はあと5年後くらいに結婚したいです。

コショージメグミ
神に委ねます。

――アルバムの内容についてや、今後の目標などを聞かせてください。

コショージメグミ
お風呂は昔から嫌いです。
顔が水にぬれるのとかがたぶん嫌で、頭を洗うときに絶対に目にシャンプーが入っちゃうのも嫌でした。
それでも幼い頃、休日でお父さんが家にいる日はまだ陽が落ちきっていない夕方にお風呂に入るのは好きで、頭を洗ってくれるし、髪の毛も耳の奥も拭いてもらうのも好きでした。このアルバムのジャケットを見ると、その時のことを思い出します。太陽光が差し込むお風呂場はいつも青かった。

矢川葵
今回初の全国流通ということで、いろんな場所のCDショップに自分たちのCDが並んでいるのをみてとてもドキドキしています。大阪では私が去年までCDを買いに行ってたお店にも並んでいて、そこでなんとリリースイベントもできるなんて夢のようです。
結成してから一年くらい経ちますが、この楽曲たちをしっかりライブでお客さんに届けられるのはこのメンバーだと胸をはって言えるように、今まで頑張ってきた以上に頑張らないといけないなと気を引き締めています。ぎゅぎゅっ!
冷たい青い浴室 流れてしまった水 流れていかない気持ち 流されたい気分 排水溝にひっかかった涙 このアルバムを最初から最後まで聴き終えると全部をぐるっと感じとれる気がします。まだ私たちを知らない人にもこの気持ちが届きますように。

井上唯
maison book girl の初アルバム『bathroom』が出ましたね~
全国流通というわけで全国のCDショップに自分の声が入ったCDが置かれるなんて、嬉しいを通り越してよくわからないです!
そんなアルバムですけどどうでしょう? まず、ジャケットの表は浴槽の底なんですけど、裏はメゾンブックガールが風呂に集合してますね~。私的にこの近未来的なデザインの衣装で昔ながらの風呂場にいるのなかなか気に入ってます!ジャケットもじっくり見てください!
CDの方は「とにかくかっこいいな!」と思いました。いつもライブで歌ってる曲たちだから、聴いてもライブの感覚があるのですが、「water」はアルバムのレコーディングでしかしたことないので、このアルバムでは唯一新鮮に聴けたのですが、水の音が「とても心地よいのです」って感じです。寝ながら聴いてほしいです。「water」はブクガならではというか、他のアイドルのCDを聴いてもなかなかないと思うので、是非注目してほしいポインツです。
でも全部オススメです!
いまこの文章書いてて思ったんですけど、私とても飽き性で好き嫌いがまあまあある方なんですが、ブクガの曲ってあれだけ毎日の様に歌って聴いてしてるのにまだ飽きてないし、嫌いな曲がない! と思いました。
だからいろんな人に長く聴いてもらえるのではないかと思います。
たくさん聴いて気が向けばライブに遊びに来たりしてくださーい!

和田輪
Maison book girl初めてのアルバムが発売になりました!
これまでにライブ会場限定盤の販売はあったのですが、3月末に新メンバーとして加入した私の声が入った音源のリリースはこのアルバムが初めてです。とてもうれしい!
全国流通して店頭に並び今までお目にかかったことのないみなさんの元にも届くと思うとどきどきです。
自分でも何周も聴いているくらいかっこいいと思っているので騙されたと思って試聴やMVからでも聴いてもらいたい、そしてこのアルバムで初めて私たちのことを知ってくれた方も現場に引っ張り出せるようにパフォーマンスを向上させていこうと思っているので是非ライブにも一度顔を出してくださいm(_ _)m ご都合があいましたら…。

出典: realsound.jp

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

以下、OTOTOYよりインタビューを引用。
前出のReal Soundのインタビュー同様に本アルバムをより深く味わう手助けになる内容となっている。
またMaison book girl結成時の逸話なども紹介されている。
後半にはサクライケンタのインタビューも掲載されており、簡単なプロフィールから彼が抱くMaison book girlのコンセプトなどを踏まえた上で本アルバムを聴くと、また違った風景が浮かび上がってくる。

INTERVIEW : Maison book girl

最初は、アーティストになりたいアイドルみたいな感じで始まりました
ーーいつ頃から『bath room』のレコーディングをはじめたんですか?
コショージメグミ(以下、コショージ) : 7月くらいだったかな?
和田輪(以下、和田) : 私の声を録ったのはもっと前でしたよね?
コショージ : そうだ。初めてアルバムに入る曲は、みんなで7月に録りました。
ーーサクライさんが作る曲って、一般的なアイドル・ソングとはかなり違うと思うんですけど、歌っている側としては歌いにくいとかありますか?
和田 : とても難しいです(笑)。 AメロBメロとかの音の動きが絶妙に難しいし、しかもリズムも難しいから…。大体の曲は、レコーディングより前にライヴで何回かやっているので大丈夫…。
(他の3人がじっと和田のことをみつめる)
和田 : 変なこと言ってないよね…?
コショージ : 緊張してるの(笑)?
ーーあははは。Maison book girlの4人がどう集まったのかを訊いていきたいのですけど、1番はじめは、コショージさんとサクライさんで新しいプロジェクトをはじめることが、BiS解散ライヴの横浜アリーナで発表されたんですよね。
コショージ : BiSが終わった後、サクライさんと「一緒にやりましょう!」ってことは決まっていたんですけど、その時はグループになるかもソロになるかも分からなくて。4人グループがいいんじゃないかということになり、オーディションを経て集まったのがこの2人(矢川と井上)だったんです。
ーー4人組にしようとした理由はあったんですか。
コショージ : 例えば3人とか5人だとセンターの人ができちゃうじゃないですか? 4人だったら1人1人が同じっていうか、同じ立ち位置でできるし、アーティスト性がでるんじゃないかと思ったんです。だから最初は、アーティストになりたいアイドルみたいな感じで始まりました。
ーーオーディションの中から、この2人を選ばれたのは、どういう部分が決め手だったんでしょう。
コショージ : 唯は、サクライさんがすごく推していたんですよ。その頃、唯は福岡に住んでいたので活動がちゃんとできるのか心配だったんですけど、清楚系で見た目的に唯がいいってなって入れてみたら、すっごい歌が下手くそだったんです(笑)。
一同 : (笑)。
井上唯(以下、井上) : 歌の面接がなくて、15分雑談しただけだったんですよ。
コショージ : 歌いたかったら歌ってもいいよっていう時間を設けていたんですけど、誰も歌わなかったんだよね(笑)。
井上 : 狭いカフェの一角みたいなところで面接をしていたんですけど、あんな威圧感があるところで誰が歌うんだと思ってやっていました。
ーー(笑)。唯さんは、どうしてMaison book girlのオーディションに応募しようと思ったんですか。
井上 : 最初の理由は、コショージメグミがいるからってところです。就活の気晴らしじゃないけど、メールを送ってみたら「面接に来てください」って連絡がきて、受かっちゃったので来ました。自分が何になりたいかとか、本当に就職していいのかとか、相当悩んでいた時期ということもあって、やらなかったら後悔するんじゃないかと思って入ることに決めました。
ーー葵さんがオーディションを受けようと思ったのはなんでだったんでしょう。
矢川葵(以下、矢川) : オーディションの前に「ミスiD」っていうオーディションのファイナリストになったんですけど、私は端のほうにいる地味な子だったので、特にお仕事もなくて。そんなときにサクライさんからメールが来て。元々アイドルにはなりたかったんですけど、歌もダンスも上手くないからオーディションを受ける勇気がなくて。せっかくメールをいただいたから、ちょっと行ってみよう、無理やったら落とされるしと思って行ったら、唯ちゃんと一緒で、歌もダンスも何もやってって言われることもなく、喫茶店でちょっと喋って「東京来れますか?」みたいな感じで、受かっちゃった感じです(笑)。最初に唯ちゃんと初めて会った時にその話さんかったけ?
井上 : 「歌った?」って。
矢川 : 「やばいよね」って話をしました(笑)。私はダンスがめっちゃくっちゃ下手くそです(笑)。リズムがとれない。
ーー(笑)。和田さんは、メンバーがやめたあとのタイミング的での加入ですが、どういう形でMaison book girlに加入することになったんでしょう?
和田 : アイドル・グループでライヴをできる環境にいきたかったっていうのと、グループにつきっきりで曲を作ってくれるって人がいる環境にいきたいと思っていたら、お話をいただいてオーディションに通って入ることになりました。私のときは歌の審査はありました(笑)。

出典: ototoy.jp

コショージメグミ

井上唯

和田は正面の席にいるんですよ。葵は隣にいて、唯はつり革にいる(笑)
ーーあはははは。それじゃあアルバムについて訊いていきたいんですけど、それぞれ本作のなかで思い入れのある曲を挙げてもらえますか?
井上 : 私は「Remove」かな。アルバムの中では1番新しい曲で、歌い慣れてないから難しくて。伸ばすところとか7拍子だし、途中で変わったりするんです。その拍をとりながらレコーディングをしたっていう思い入れがあります。ライヴでだいぶ歌ったんで最近は慣れてきたんですけど、当時はめちゃ難しかった記憶があります。
ーー和田さんはどうですか?
和田 : 「snow irony」です。この曲は私が入ってから1曲目の曲で、作る時に和田っぽい曲を作るって言っていて。これが私っぽいんだと思って(笑)。それもあって印象に残っている曲です。
矢川 : 私も「snow irony」で一緒なんですけど、〈ふふふふんふふふふん知らない〉って歌詞があるんですよ。その「知らない」って部分をライヴで言い切ると、なんとなく気持ちがいいから好きなんです(笑)。〈そんな世界さえ愛すの?〉って難しいことを考えてたくせに〈知らない〉って投げやりになるところが、なんとなく自分もそうなるので「言ってやったぜ!」って気分になりますね(笑)。
ーースカッとするんですね(笑)。コショージさんはどうですか?
コショージ : 「last scene」はブクガで1番最初にできた曲で、そのすぐ後に「bath room」ができて、2曲を同時に披露しているんですけど、この2曲はいろいろ思い出す曲です。あと、「bath room」で始まって「water」で終わるのもいいなと思っていて。「bath room」の自分たちが水みたいな大切なもので終わるっていう。
ーーコショージさんは、「最後のような彼女の曲」と「water」の2曲で作詞をしているんですよね。歌詞に関して、方向性みたいなことをサクライさんと話しながら書いているんですか?
コショージ : 全然自分の好きなように書いてます。「最後のような彼女の曲」は、三拍子の曲が好きなので「作ってください!」って言ってできた曲で、それに「歌詞を書きます!」って言って出来てきた曲なんです。
ーー三拍子が好きっていうのは、BiSの時も言ってましたよね?
コショージ : あ! 言ってました!! そうですよね。BiSの時も三拍子の曲で作詞したんですよ。
ーー「water」はどうやってできた曲なんですか。
コショージ : 「water」は最初に詞だけできて、詞も先にレコーディングして、サクライさんが後からピアノとか弾いて音を付けているんですよ。詞ができた段階で「水の中でいる感じで水の音を入れてください」「最初ノイズから水に入ってください」ってリクエストをして、出来上がったのを聴いた時にすごいちゃんと伝わってるな、言いたいことが伝わってやってくれたなって感じがすごくしました。
ーー最初ノイズが聴こえたとき、音源トラブルかと思ってドキッとしました(笑)。それくらい明瞭なノイズなんですけど、これはどんなイメージで作ったんですか?
コショージ : 『bath room』っていうアルバムになることは知らなくて、サクライさんから詞を書いてくれって言われたんですけど、書いているうちに水の中でしゃべっているイメージを感じて。最後に朗読が入るんで、それまでの楽曲と分けたいというか、1回曲が続いてく流れを変えたいと思って。ザーザーって入ってノイズで「ん?」って思わせるような感じがいいかなと思って入れました(笑)。
ーーポエトリー・リーディングの部分で誰がどこを歌うかっていうのは、3人のイメージごとに言葉を分けていたんですか?
コショージ : そうですね。例えば、電車に乗っている人がいるじゃないですか。和田は正面の席にいるんですよ。葵は隣にいて、唯はつり革にいる(笑)。
ーー… メンバーにも伝わってないですけど(笑)。
コショージ : たぶん伝わってないと思います(笑)。
矢川 : 難しいですね(笑)。
ーー抽象的なイメージがあって、振り分けられたって感じですけど、3人としては言われてみれば感じることってあります?
矢川 : すごいなと思ったのは、私が「給食の牛乳をトイレに流したのは僕です」って言ってるんですけど、実際に私、給食の牛乳流したことあるんですよ(笑)。で、「なんで知ってるの!?」って言ったら、「コショはなんでもわかるんだよ」って言われたことがすごい!って思いました(笑)。
和田 : 私も理科室の試験管を割ったことあるんですよ(笑)。「理科室のビーカーを割ったのは僕です」って詞があるんですけど…。
井上 : あー、私も死ねって書いたことありますね(笑)。

出典: ototoy.jp

矢川葵

和田輪

小会議があったんですけど、SEKAI NO OWARIになろうって言ったんです(笑)
ーー(笑)。自分たちではMaison book girlってアイドルだと思いますか?
コショージ : 思います?
矢川 : アイドルですね。
和田 : 思います。
井上 : アイドルよりのアーティストみたいな。でも、アイドルかな。歌が下手くそなので、アーティストとは言えないなという。アイドルとも言えないだろうけど。
矢川 : 結局なんなんだ(笑)?
ーーかっちりしたアイドル・グループじゃないってこと?
コショージ : MCが決まっているのがアイドルっていうイメージがあって、こういう曲の前にこういうことをっていう台本があるみたいな。それがないから、外からみたらアイドルだけど、内側からみたらなんだろなっていうのは確かに感じていますね。
ーーそれじゃあ、これからMaison book girlをどういうグループにしていきたいですか?
コショージ : この前、小会議があったんですけど、SEKAI NO OWARIになろうって言ったんです(笑)。ヴォイトレに最近通っているんですけど、熱い先生が多いんですよ。みんなすごい心配してくれて。「あなたたちは何になるの?」みたいな。「SEKAI NO OWARIかな」ってコショージがボソって言ったら「すごいいいじゃん!」ってなって。
矢川 : 唯ちゃんがすごい共感しだしてね(笑)。
井上 : それまで自分でも何になるのかが全然分からなかったんですけど、セカオワって言われた瞬間、なるほどな! って。
矢川 : あの人たちのあれを真似したいんじゃなくて、ああいう人たちにしかないサーカス団的な感じを私たちも作りたいねって感じやんな(笑)?
コショージ : かな。感覚的なところ。
ーーそれでいて、ちゃんと多くの人に届くようなところですよね。
コショージ : 売らなければ意味がないですもんね。多くの人に見られるようにやっていきたいと思います!

出典: ototoy.jp

サクライケンタ

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