宮本浩次の破天荒なエピソード・逸話まとめ

宮本浩次(みやもとひろじ)とは、ロックバンド・エレファントカシマシのボーカルで、高い歌唱力と強烈なキャラクターで幅広い層に人気を博すミュージシャンである。バンドとしてはもちろん、2018年頃からはソロでの音楽活動にも力を入れるなど、活躍の幅を広げてきた宮本だが、その個性的な言動、こだわり故に多くの破天荒なエピソードが存在し、それもまた多くのファンを引き付ける魅力となっている。本記事では、周囲をヒヤヒヤさせるようなものから笑い話になるようなものまで、宮本にまつわる逸話の詳細をまとめていく。

宮本浩次のプロフィール・略歴

出典: spice.eplus.jp

1966年6月12日生まれ、東京都北区赤羽出身。
中学生時代の友人である石森敏行(ギター)、冨永義之(ドラムス)、冨永の高校の同級生である高緑成治(ベース)と共に、ロックバンド「エレファントカシマシ」を結成。
同バンドではボーカルを務め、ほぼ全楽曲の作詞・作曲を担当。1988年にシングル『デーデ』、アルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』でデビュー。

小学校時代はNHK東京児童合唱団に所属し、声楽指導を受ける。合唱団の中でも特に歌が上手いスター的な存在で、バンド結成より以前にNHKみんなのうた「はじめての僕デス」で歌手デビューし、1976年に発売されたシングルレコードは10万枚の売上を記録している。

非常に力強い歌唱と、激しい動きなどを伴うパフォーマンスが特徴。動きや話し方に落ち着きがなく、話しながら髪をグシャグシャとかいたり、ライブ中に演奏しているメンバーと肩を組んだり、身につけているものを奪うなどしている。非常に広い声域を持ち、裏声も含めるとhihiAを越える曲もある。30年以上、バンドの中心人物としてメンバーを引っ張ってきたが、2018年頃からはソロ活動も本格的に開始。椎名林檎や東京スカパラダイスオーケストラなどとのコラボをしたり、女性歌手の楽曲に限定したカバーアルバムをリリースするなど活躍の幅を広げている。

ロックミュージシャンらしさを意識して髪は黒の長髪にしており、衣装は白シャツに黒のパンツ、黒のジャケット等をモノトーンのものを身につけていることが多い。趣味は読書や散歩、日本古来のモノ(浮世絵、掛け軸、古い地図など)を集めること。

破天荒なエピソード・逸話

出典: eiga.com

過去のライブでは「拍手禁止」のルールがあった。

エレファントカシマシのライブにおける過去の逸話として語られる代表的なものが、「拍手禁止」である。

拍手を禁止したのは、まだデビューしたての時期に参加していた他のバンドとの合同ライブの際に、自分たちを知らない観客たちに拍手をされることに疑問を感じ、ライブ中のトークで「拍手なんてしなくていい」と言ったことが由来。最初は申し訳なさからそう言っていたが、それがだんだんとルールとして定着していった。

また、本来ライブは客席の照明(客電)を落として暗くした状態で行うものだが、その客電をつけながらライブを行ったり、観客に「正座して聴け!」と言って立ち上がるのを禁止したり、ヤジを飛ばす観客に対し「うるせぇな馬鹿野郎」と返すなど過激なMCをしていた。しかし、ある時突然フレンドリーなMCをやるようになり、ファンは衝撃を受けたという。現在のライブでは上記のようなルールや過激なMCはなく、観客は普通に拍手をし、声援にも応えるようになっている。

街中でウォークマンを地面に叩きつけた。

エレファントカシマシの認知が世間に広まってきた90年代後半頃のエピソード。アルバム『ココロに花を』の収録曲「かけだす男」のミックスが済んだバージョンのものを、ウォークマンで聞きながら新宿を歩いていた宮本は、「こんなの違う!」とウォークマンを地面に叩きつけたそう。この頃の宮本は、CMに起用された「悲しみの果て」がヒットするなどメジャー路線を意識した楽曲づくりをしていたが、生活のために自分の理想とする音楽性を曲げていくという矛盾に思い悩んでいた時期であり、メジャーの売れ線を意識したような、きっちりと整えられた音の仕上がりに思わず激昂してしまったと後に語っている。

ライブ中にメンバーの冨永義之に激昂し、マイクを投げつけた。

該当する場面は2:45~

2002年11月2日、SHIBUYA-AXにて行われた「ELEPHANTKASHIMASHI LIVE HOUSE TOUR2002」でのエピソード。このライブではドラム担当の冨永義之が演奏に集中しすぎるあまりか、宮本の歌唱とリズムをあまり合わせられておらず、人気の楽曲である「ファイティングマン」の演奏中ついに決定的にズレてしまう。その瞬間、宮本は歌うのを止め、ドラムセットの方向に思いっきりマイクを投げたのである。

会場もシーンと静まり返ってしまうが、自分が投げたマイクを拾った宮本は冨永に対し、ファイティングマンのフレーズのリズムで「あなたの力が必要です!」と叫ぶ。すかさずドラムを鳴らして応える冨永に、観客も声援をあげる。さらに宮本は「ドラムはあなたしかいない!歌う人僕しかいない!」と叫び、会場が大きく盛り上がるなか演奏は再開された。宮本は、練習の際などもバンドメンバーには非常に厳しく指示をするため、たとえライブ本番であっても妥協ができずにこういった行動に至ったのだと思われるが、その後のアドリブによりむしろ会場をさらに盛り上げることとなった。

歌詞ができていないままライブ本番で披露された曲、「歴史前夜」。

2003年に行われた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」にて初披露された曲にまつわるエピソード。この曲は、ライブ当時には歌詞がまだできていなかったが、エレファントカシマシはそんな借歌の状態で曲を披露した。歌詞がないため宮本は「レリスィ…」など、おそらくはその場のインスピレーションのもと意味のない言葉で歌ったのだが、その歌詞ではなく声そのものに魂を乗せるかのような宮本の歌唱、メンバーの演奏の凄みにファンは魅了された。

そして、この曲は後に「歴史」というタイトルと文豪・森鴎外について独自の視点で語る歌詞がつけられ、ファンは衝撃を受けた。そしてその曲名をもとに、ROCK IN JAPAN FESTIVALでの歌唱は「歴史前夜」として伝説的に語られるものとなった。

ラジオの生放送中、パーソナリティの言葉に激怒し暴言を吐く。

2009年に放送されたラジオ番組「TOKYO FMトヨタ・サウンドインマイライフ」にて起こった事件。

当時の新アルバム『昇れる太陽』の宣伝のためにラジオの生放送に出演した宮本だが、ラジオパーソナリティを務めていた鈴木万由香の、アルバムに対する「サイドディッシュのないメインディッシュばかりのフルコース、パッと聴いた感じ『うわっ食べにくい』と感じたけど、実際飲み込んでみると『こんなに美味しいもんないや』」という感想に対し「(つくった)人の前で食べにくいって言いましたよ、失礼な奴だこいつは」と言い返してしまう。しかし、この段階ではまだ笑みを見せてはいた。

宮本は「食うな」と続けるも、鈴木は委縮せずに「食いましたもう、さんざん食ったのでお返しできないんですけど」と返す。その言葉に宮本は「ゲロで吐け」と返すが、鈴木は「それはちょっともったいないので…」と流す。その後、鈴木は予定通りに進行をしようとするが、宮本がまったく反応をしなくなってしまったため、「宮本さん?いま、遠くに行ってました?」と呼びかける。それに対し宮本は「遠くっていうか………まぁ、悪気がねぇのはわかってるけどよ」と、怒りを抑えているかのような冷静な口調でなんとか応える。しかし、その状況を鈴木が「ケンカ売られてます、いま。」と評したことに、宮本の堪忍袋の緒が切れる。

「ケンカじゃねぇだろおめぇが売ってんだこのバカ、気をつけろこのドアホ」と、静かな怒りを見せる宮本。女性は怯みつつも「宮本さんには数年前にも冷や汗をかかされたんですけども~」と構わずに話を続けるが、宮本は問いかけられても押し黙る状態になってしまう。その後は、宮本も落ち着きを取り戻したのか、ライブツアーについての質問などになんとか答えていたが、エレカシや宮本のファン以外にも広く知られるような放送事故となってしまった。

後日、宮本と鈴木がそれぞれ謝罪文をWEB上に掲載したため、騒動自体は終結している。

HOUND DOGの大友康平にTシャツへのサインを頼まれ、酔った勢いで「バカ」と書きライターで火をつけて返す。

エレファントカシマシは過去に、先輩大友康平が率いるロックバンド「HOUND DOG(ハウンド・ドッグ)」とイベントで共演したことがあるが、そこで宮本は大友とひと悶着を起こしている。

エレファントカシマシはこの頃、デビュー前の一番尖っていた時代であり、イベントでもそのパフォーマンスの強烈さ故に観客をドン引きさせていた。そんななか、先輩である大友は宮本に笑顔で挨拶をしにきて、「今日はありがとう!これにサインしてくれる?」とハウンドドッグのロゴが入ったTシャツを宮本に渡した。しかし、この時酒に酔っていた宮本は、サインペンでロゴマークを塗りつぶしたうえに「バカ」とサインし、さらにはライターで火をつけて投げ返したそう。当然、ハウンド・ドッグのメンバーは激怒し、さすがに大友も呆然と立ち尽くしてしまったとのこと。後日、宮本は自身の行動を反省し、大友に謝罪をした。

ピアノ教室に通っていたが、「怖い」という理由で辞めるように言われた。

宮本は昔、ピアノ教室に通っていたことがあるが、たった3ヶ月ほどで先生に「辞めてもらえないか」と言われたという逸話がある。その先生はクラシック音楽に傾倒している女性だったが、当時宮本がエレカシとして出していた『奴隷天国』という、過激な内容の楽曲も含まれるアルバムを聴かせたのが原因だったとのこと。「あなたと話しているともう怖くてね、ダメだから、辞めてください!」 と言われたらしく、宮本の中では申し訳ない気持ちと悲しい気持ちが入り混じった胸の痛むエピソードだそう。

写真撮影中のムチャぶりにイライラし、カメラマンを靴ではたく。

shuichi
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@shuichi

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