スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還(SW6)のネタバレ解説・考察まとめ

『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの復讐』とは、1983年製作のアメリカ映画。日本公開も同じく1983年の7月。凶悪な銀河帝国が再び建設を始めた究極兵器・第2デス・スターの脅威に、帝国の支配に反旗を翻した反乱軍が立ち向かい、ジェダイの騎士の血を受け継いだ青年ルーク・スカイウォーカーらの活躍により、銀河帝国と、帝国皇帝の野望を打ち破り、再び銀河系に平和を取り戻すまでを描く。

砂の惑星タトゥイーンの裏社会を牛耳る、犯罪王。タトゥイーンだけでなく、銀河系の辺境地帯にある惑星全体に影響を及ぼすほどの大物。銀河帝国が猛威を振るう以前、銀河共和国の時代からタトゥイーンの陰の実力者であり、年に一度大金を賭けるポッド・レースを開催していた。銀河帝国時代になってから、密輸業社のハン・ソロを雇い入れたが、ソロが帝国の検問にあって荷物を破棄してしまったことに怒り、破棄した分を多額の借金として返済を迫る。賞金稼ぎのボバ・フェットも、ジャバに雇われていた一人である。

アクバー提督(演:エリック・バウアーズフェルド、声:ティモシー・ローズ)

惑星モン・カラマリ出身で、反乱軍の軍事司令官である。本作では第2デス・スター攻撃陣の指揮を執り、攻撃隊の隊長であるランド・カルリジアンと協力してデス・スター壊滅のため出撃する。入手した情報が帝国の罠だとわかってからは、一度は撤退を考えるものの、カルリジアンの「ハン・ソロを信じろ、奴は必ずシールドを破壊する」という言葉に励まされ、帝国軍艦隊に立ち向かい、カルリジアンが第2デス・スターを破壊するためのアシストに徹する。

ボバ・フェット(演:ジェレミー・ブロック)

広大な銀河系を仕事場とし、銀河の各地でお尋ね者として手配されている者を捕獲する、賞金稼ぎを生業としている。ボバ・フェットは賞金稼ぎの中でも、お尋ね者たちが恐れる腕利きと見なされていた。父親であるジャンゴ・フェットも同じく腕のいい賞金稼ぎで、ボバが身に付けている武器や装具は父親が使用していたものである(実はジャンゴ・フェットは本当の意味での父親ではなく、ボバ・フェットはジャンゴの遺伝子から作られたクローン人間である)。前作では砂の惑星タトゥイーンの裏社会を牛耳るジャバ・ザ・ハットに雇われていて、ジャバに多額の借金をして手配されているハン・ソロを追っていた。腕利きという評判通り、帝国軍の追跡をかいくぐって逃亡したハン・ソロの乗るミレニアム・ファルコン号にただ一人気づき、惑星ベスピンの空中都市に向かったことをダース・ベイダーに報告。その後、帝国軍に捕らえられカーボン冷凍されたハン・ソロをダース・ベイダーから譲り受け、ジャバの元へ送り届ける。本作でもジャバの側近であり用心棒的な役割を担っていたが、ハン・ソロを救出に来たルーク・スカイウォーカーらの活躍により、惑星タトゥイーンの砂漠に生息する巨大生物の餌食となってしまい、あえなく最後を遂げる。

ウィケット・W・ウォリック(演:ワーウィック・デイヴィス)

惑星エンドアの、「森の月」と呼ばれる衛星に住むイウォーク族の一人。銀河帝国軍が第2デス・スターを護るシールドを発生させる装置をエンドアに建設し、これを破壊するため、反乱軍はハン・ソロを隊長とする一行をエンドアに向かわせた。そして、反乱軍一行の一員であるレイア姫が、皆とはぐれ気を失っている時に、ウイケットはレイア姫と遭遇する。最初は見慣れぬ別種族であるレイアを警戒していたウイケットだったが、親しみを持って接してくるレイアに徐々に心を開き、彼女を種族の村へ連れて行く。イウォーク族がレイアたちを仲間と認め、やがて反乱軍と共にシールド発生装置破壊のため帝国軍に立ち向かった時には、部族の先頭に立って戦いに挑んだ。

ウェッジ・アンティリーズ(演:デニス・ローソン)

銀河帝国に反旗を翻した反乱軍の、小型戦闘機に乗るパイロット。「エピソード4 新たなる希望」ではルーク・スカイウォーカーと共にデス・スター破壊作戦に出撃し、前作「エピソード5 帝国の逆襲」では再びルークと共に、惑星ホスの反乱軍基地へと進攻してくる帝国軍に迎撃を仕掛けた。本作では第2デス・スター壊滅作戦を決行するため、ランド・カルリジアンらと共に出撃する。こうしてウェッジは、メインキャラクタ-以外で唯一旧3部作(1作目の「新たなる希望」と2作目の「帝国の逆襲」、そして続く3作目である本作「ジェダイの帰還」の3本を合わせてこう呼んでいる)全てに登場したキャラクターとなった。

『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

壮絶な、スピーダー・バイクによる追撃戦

第2デス・スターを護るシールド発生装置を破壊するため、惑星エンドアに降り立った反乱軍のルーク・スカイウォーカー、ハン・ソロ、レイア姫の一行。エンドアの森の中で帝国軍の偵察部隊を発見するが、ルークたちもあっけなく見つかってしまう。本体へ連絡すべくスピーダー・バイクに乗った帝国軍の兵士ストーム・トルーパーを、レイア姫とルークも同じくスピーダーに乗って追跡する。ここから始まるスピーダー・バイクによる追撃戦は、本作の大きな見所のひとつである。狭い間隔で木々が立ち並ぶ森の中を、木立をかいくぐるようにして猛スピードで突っ走るスピーダー・バイク、少しでも目を逸らせば木々に激突というシチュエーションでの銃撃、そしてスピーダー同士の激突など、スリリングかつエキサイティングな攻防は当時の特撮技術の粋を尽くしたもので、観客はこの凄まじいシーンに感嘆した。

ダース・ベイダーとルーク・スカイウォーカー、運命の「父子対決」

銀河帝国の総裁である皇帝ダース・シディアスの前に、ダース・ベイダーによって連行されたジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーは、フォースの暗黒面に誘おうとする皇帝の意に反し、皇帝にもベイダーにも攻撃を仕掛けず、マスター・ヨーダに教わった通りに、平静な心を保とうとする。しかし、第2デス・スターを攻撃している反乱軍が、皇帝の仕掛けた罠にはまって危機的状況に陥っているところを見せ付けられ、遂にジェダイの武器であるライトセーバーを手にする。ここから、父親であるダース・ベイダーと、息子であるルークの死闘が始まる。父親とは戦いたくないと思っていたルークだったが、心の中で妹であるレイア姫を思い浮かべてしまったのを、ベイダーに悟られてしまう。お前が仲間にならないなら、妹を仲間にするまでだと言うベイダーに、ルークは抑えていた怒りを爆発させる。怒りに燃えたルークの攻撃力は凄まじく、前作「帝国の逆襲」では片手を切り落とされた相手であるベイダーを打ち倒し、逆にベイダーの右手を切り落とす。それは、皇帝の言う通り「怒りに身を任せた攻撃=フォースの暗黒面による力の凄まじさ」を見せつけた場面でもあったが、それは同時に、フォースの暗黒面に捕らわれてしまえば、善悪の判断が効かなくなり、自分の肉親をも殺してしまうことになるということでもあった(ベイダーは以前、愛する妻を自分の予知夢で見た死から救おうという一心でフォースの暗黒面に手を染めたのに、暗黒面に落ちた後は我を失いその妻の首を締め、結果的に死に至らしめるという悲劇を産んでいた)。切り落としたベイダーの右手が、自分と同様に機械で作られた義手であるのを見たルークは、父親も自分と同じ運命を辿り暗黒面に落ちようとしている事を悟り、かろうじて落ち着きを取り戻し、ライトセーバーを投げ捨て「僕はジェダイだ。父もそうだった」と皇帝に宣言する。前作の最後に明かされた、父と子の血の繋がりが紡ぎ出す運命の物語の行く末と、善と悪に揺れ動き、悪に染まれば強力な力をもたらすが、それは同時に破滅をももたらすという、フォースという特異な力の特性とスター・ウォーズサーガのテーマをも描き出した、3部作の完結に相応しい名シーンである。

帝国軍の近代兵器に立ち向かう、イウォーク族のアナログな反撃

原始的な投石器で、帝国軍の歩行兵器に狙いを付けるイウォーク族

第2デス・スターを護るシールド発生装置を破壊するため、惑星エンドアに乗り込んだハン・ソロ率いる反乱軍一行だったが、これは皇帝の仕組んだ罠であり、反乱軍は帝国軍の猛攻に会いシールド発生装置に近づくことすらままならない。反乱軍に強力するエンドアの住人イウォーク族も、帝国軍の近代的で強力な歩行兵器の前に、防戦一方になる。しかし、イウォーク族はここから森に住む種族としての特色を生かし、反撃に出る。原始的な投石器は歯が立たなかったが、何本もの細い丸太を歩行兵器の長い足元へ転がし、バランスを崩させてひっくり返したり(歩行兵器は転倒すると、その兵器自身の重みにより自爆してしまう)、太い丸太を歩行兵器の胴体の両側から打ち付けて破壊するなど、その攻撃は丸太を繋いだロープを切って転がしたり飛ばしたりするという極めて「アナログ」なものではあるが、それが帝国軍の誇る近代兵器を次々打ち破っていくシーンは、痛快な名シーンになっている。

「僕はジェダイだ。父もそうだった。」

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