龍が如く6 命の詩。(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

アクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」シリーズの第7作目。
今作は、「龍が如く5」における東城会と近江連合の一大抗争から1年が経った後、失踪した少女・遥の行方を追い、主人公の桐生一馬が東京の神室町から広島の尾道仁涯町へと旅に出る姿を描いている。

南雲の申し出(第三章)

清美を庇った為に舛添の不興を買い、誰もいない寺の境内で彼とその組員たちに袋叩きにされる南雲。
そんな中、舛添の無法な振る舞いでハルトを泣かされたのに腹を立てたこともあるが、愛する女を守る為に体を張った南雲の男気に感銘を受けた桐生が助けに来る。
その後、舛添たちを叩き伏せた桐生に、なぜ自分を助けてくれたのか、と問う南雲に対し、愛する女ひとりのために、絶対に逆らえないはずの舛添に対してさえ男の覚悟を曲げずに貫いたからと述べ、「そんな男を黙って見殺しにできるわけがねえ。俺があんたを助けた理由はそれだけだ」とも言った。
この言葉に呆気にとられた南雲は、桐生を認めると共に感服し、なんと強引に自分を弟分にしてくれ、と土下座してまで頼み込んだ。
このシーンは、桐生の極道として男としての人間性が見られる名シーンで、1作目の「龍が如く」の錦山彰、3作目の「龍が如く3」の島袋力也に次ぐ、後に彼が「兄弟」として呼び、心の底から認める3人目の兄弟分が誕生する名場面でもある。

広瀬徹、登場(第四章)

桐生に惚れ込んだ南雲が、自分たちが「おやっさん」と呼び慕う親分として広瀬を紹介するシーン。
初登場となったこの時の広瀬は、呑気そうにパフェを食べている、陽銘連合会の古参の極道とは思えない感じのフランクさである。
そして何より、「龍が如く」シリーズに、ついにビートたけしが登場したというだけでも十分に名場面である。

迎賓館へ殴り込み(第五章)

染谷に連れ去られた清美を救出するべく、迎賓館に突撃する桐生と南雲たち。
陽銘連合会の客人として東城会から招かれた染谷に手を出せば、広瀬一家は無事では済まない。しかしそれでも、清美を放っておく訳にはいかない。
そこで広瀬が提案したこの覆面による変装で、桐生と南雲たちは清美救出作戦を実行した。
「おらぁぁ!! 正義の味方御一行様の到着じゃあ!!」と、一番槍に威勢よく啖呵を切る南雲。しかし、これではまるで正義の味方というより悪役の集まりであり、インパクトをも感じさせてくれる名シーンとなっている。

ハン・ジュンギの制裁(第六章)

ユウヤに達川の行方と、スターダストの現状を確かめるために訪れた神室町の焼肉店に、スターダストで桐生たちを門前払いにした男を連れていきなり現れたハン・ジュンギ。
桐生たちに礼儀よく、穏やかに挨拶してきたかと思えば、「聞けば、せっかく店までお越しいただいたお客様を……この馬鹿が追い返してしまったと聞きましてねぇ!」と、いきなり男の顔を熱した網に押し付けて、桐生たちの目の前でその無作法への制裁を下した。
容姿、振る舞いともに優美で、落ち着き払って誰に対しても丁寧な口調で話すハン・ジュンギであるが、敵と認識した相手は勿論、自分の意にそぐわない働きをした部下に対しても容赦がない。
まさに韓国系マフィア・ジングォン派の頭目というに相応しい、凄絶ぶりを見せつけてくれる屈指のシーンである。

激突! 桐生対広瀬(第十二章)

巌見造船所の最奥で、ついに兵三の殺し屋としての本性を露わにした広瀬と桐生の対峙シーン。
子分である田頭に牛刀を投げつけ、負傷させても、まるで何事もなかったかのように平然としている広瀬。そんな暴挙の理由を答えるよう求めてくる桐生に対しても、「そこをどいてくれ。あんたとのんびりやってる暇はねえんだ」としか言おうとせず、歩を進めてくる。
そして、それでも道を開けようとせず、何とか言えと叫ぶ桐生に対して業を煮やし、「そこをどけって言ってんだ!この野郎!!」と、ついに声を荒げ、恫喝してくる。この時の広瀬とこの台詞は、ビートたけしの主演映画のひとつである「アウトレイジ」の大友を彷彿とさせる気迫を感じさせる。
しかし対する桐生も、さすがは数々の強敵達と渡り合った伝説の極道。その気迫に怯むことなく拳を握りしめ、「じゃあ…俺を倒して行くんだな!」と、吠えた。そしてこの直後、桐生は広瀬との激闘を演じることになる。

ミレニアムタワーへ(最終章)

最終章にて、決戦の舞台のひとつともなるミレニアムタワーへ向かう桐生と秋山、そして広瀬一家のシーン。
黒服に身を包み、菅井の待つミレニアムタワーを鋭く見据えながら並んで歩く彼らの姿に、通りを行く人々はどよめき、道を開ける。
それほどまでに、彼らの決戦への意気と覇気が高いということを感じさせ、「さあ、いよいよ決戦だ!」という感じでプレイヤーの気も引き締めさせ、盛り立ててくれる場面となっている。

たったふたりの最終決戦(最終章)

同じく最終章にて、巌見造船所での2代目来栖猛襲名式に乗り込んだ桐生と南雲が、恒雄と菅井に最終決戦を挑むシーン。
全てを終わらせるため、決死の覚悟で戦いを挑むふたりに対し、敵は陽銘連合会の若頭・小清水と組員数十名。絶対的な数と力の優勢を信じきっているからか、恒雄は「広島のこの土地で、あんたに勝ち目はありませんよ」と挑発をかけてくる。
しかし、多勢に無勢というこの状況でも、桐生と南雲に動揺の色は見えない。「勝ち負けに来てるんじゃねえ。お前らがこの世から消えてなくなりゃ、全部ケリがつく」と、桐生が威勢良く言い放ち、「ワシらぁ死にに来とるんじゃ。おどれらぁ、かかってくんならそん覚悟で来いやぁ!!」と、南雲が威勢良く吠える。
むしろこの状況こそ望むところだと言わんばかりの二人の気概に、プレイヤーも熱くさせてくれる、最終決戦に相応しい演出が十分にきいた名場面である。

Nina03
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@Nina03

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