北の大地で一攫千金!!戦いあり、涙あり、飯テロあり!
北海道を舞台に、アイヌの少女アシリパと、日露戦争帰りで「不死身」の異名を持つ杉元のふたりが莫大な埋蔵金を探す旅。この埋蔵金というのは、かつてはアイヌの物だった砂金だ。
砂金を目当てに故郷を離れ、北海道にやってきた杉元は、ヒグマに襲われた所をアシリパに助けられる。
そこで、アシリパの父が過去に砂金がアイヌから奪われた時に殺害された事を知る。
隠された砂金を探すためには、網走刑務所に収監されている「のっぺらぼう」と言う囚人により、
隠し場所の暗号の入れ墨を肌に施され、脱獄した囚人達を探す事から始まった。
この幾人かの入れ墨を合わせることで、砂金の在り処がわかるというのだ。
砂金探しの道中では、同じく砂金を狙う陸軍やヒグマとの闘いは手に汗握るもの。
アシリパによるアイヌ仕込みの様々なジビエ料理は、まるで漫画の紙面から湯気が出てくるようで食欲を誘う。
この世を去ったはずのかつての新選組の土方歳三が登場したり、幕末期の日本史が好きな方も楽しめる作品ではないだろうか。
とにかく、様々な書物に基づかれたアイヌの文化やアイヌの言語などは新鮮で飽きない。
純粋で大きな瞳のアシリパの、ころころ変わる表情も魅力だ。
砂金を探す旅の途中で、アシリパと杉元が出会う個性溢れたキャラクターも物語の面白さの一因だ。