激動日本の変革時にこそ日本人が読むべき日本の歴史がこの作品にある!
移民、外国との摩擦、戦争と様々な問題で混沌とした中、日本人にそれらの問題を乗り越えて強くなる為に、今ある平和が誰によって築かれてきたのか、昔の日本人がどんな生活をしていたのかなど全てが『ゴールデンカムイ』の中に凝縮されています。平和な時代を淡々と過ごす私達に生きる葛藤と昔の人情を思い起こさせてくれる作品です。
漫画の主人公、不死身の杉元がアイヌ民族のアシリパと出会う事で、アイヌや自然について何も知らなかった彼が狩猟、アイヌの文化と伝統、料理などを一から学んでいく姿は、まるで読者自らが杉元になって学んでいくようです。キャラクターと共に成長できる物語です。物語上での杉元の何か新しいことを自分で決めて、行動に移す姿って実は全て私達日本人が忘れてきてしまったものではないでしょうか?私たちは当たり前に毎日食べるものがあり、とりあえず学校に行って、進路を選んで、とりあえずの就職先で働いて、結婚する昔の人よりかは安定したレールを歩めます。分からないことや興味の無いことは無気力に誰かに聞けば、スマホで調べれば済みます。多少コミュ症でも何とか生きていけます。ですが、それって楽しい人生ですか?杉元やアシリパ、その他の登場人物が苦しみながらも、自分で自分の選んだ道を前に突き進む姿が、熱く問いかけてくる作品です。