【進撃の巨人】アルミン「新宿の巨人」クリスタ「サザンテラス口」 【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。なぜか現代の新宿に行けるようになった調査兵団。喜び勇んで調査に向かおうとするアルミンをエルヴィンが呼び止め、ある重大な任務を言い渡します。
アルミン「新宿の巨人」クリスタ「サザンテラス口」
1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 22:52:47 ID:j/arwguA
エルヴィン「諸君ら104期を呼び出したのは他でもない。明日一日かけて遠征調査に行ってもらう」
一同 ザワ
アルミン(僕たちが初参加する壁外調査は2週間後のはずだぞ……?)
エルヴィン「調査と言っても壁外ではない。この世界の外だ」
アルミン(!?)
エルヴィン「昨日、地下の食料庫の荷台に乗り……なんやかんやでつきあたりの壁につっこむと」
エルヴィン「異世界に行けることが判明した」
アルミン(また適当な)
2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 22:53:47 ID:j/arwguA
新宿駅周辺を舞台にした調査兵団104期の一日。アルミン視点。
104期最後です。もう少しだけお付き合い下さい。
以下ssと同日の話のはずなのでこちらもよろしく。いっぱい…。
【進撃の巨人】エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」 【厳選名作SS】 - RENOTE [リノート]
renote.net
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。異世界への扉を通って、現代の新宿に壁外調査に行くことになった調査兵団。慣れない現代に戸惑いながらも、異世界を満喫するエレン達の様子をお楽しみください。
【進撃の巨人】ベルトルト「新宿の巨人」ユミル「西口」【厳選名作SS】 - RENOTE [リノート]
renote.net
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。ひょんなことから現代の新宿に行けるようになり、調査兵団は見たこともない異世界への壁外調査に行くことになります。今回はベルトルト目線でお送りします。
【進撃の巨人厳選名作SS】サシャ「新宿の巨人」ジャン「東南口」【厳選名作SS】 - RENOTE [リノート]
renote.net
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。なせか地下の食糧庫が異世界とつながってしまい、調査兵団は現代の新宿へと壁外調査に行くことに。今回はサシャ、ジャン、コニーの3人組が中心です。
【進撃の巨人】コニー「新宿の巨人」サシャ「南口」【厳選名作SS】 - RENOTE [リノート]
renote.net
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。新宿に壁外調査に行くことになった調査兵団シリーズの4作目です。今回はコニー視点で物語が進みます。新宿駅の迷宮を調査兵団は無事攻略できるのか?
【進撃の巨人】コニー「新宿の巨人」サシャ「南口」【厳選名作SS】 - RENOTE [リノート]
renote.net
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。新宿に壁外調査に行くことになった調査兵団シリーズの4作目です。今回はコニー視点で物語が進みます。新宿駅の迷宮を調査兵団は無事攻略できるのか?
4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 22:59:24 ID:j/arwguA
エルヴィン「昨夜、ハンジとリヴァイが荷台で遊んでいた際に発見した」
リヴァイ「エルヴィンお前もだろ」
ハンジ「レースで負けたからって、情報操作はよくないよ~」
エルヴィン「この世界ではない、未来世界に存在する極東の島国に繋がった」
エルヴィン「早急な調査が急務である。この世界にとって有益な情報が得られるかもしれない」
エルヴィン「よって諸君ら104期の中から志願者を募り、スパイを送ろうと思う」
アルミン(やったぞ!壁の外を探険できるんだ!でも、なぜ僕ら新兵が……?)
ジャン「なんだよそれ」
コニー「非科学的じゃねえか」
サシャ「コニー、キャラがぶれてます」
エルヴィン「志願者は明日、その荷台に乗り、目標の地域の最重要人口密集地帯に送られる」
エルヴィン「シンジュク駅という巨大なダンジョンだ」
アルミン(シンジュクダンジョン……)
エルヴィン「そこで君たちには現地の人間や文化を偵察してきてほしい」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:02:29 ID:j/arwguA
クリスタ「偵察……見るだけでよいのですか?」
ユミル「戦闘が起こる可能性は?」
ハンジ「私が昨日事前調査に行ってきたけど、基本的に治安はいいし確率は極めて低いと思うよ」
アルミン(ハンジさんが事前調査を……)
ハンジ「皆格闘術を心得ていないもやしっ子みたいだったしね」
ハンジ「まあ難しいことはさておいて、純粋に未来の異国を楽しんでくるといいよ」
ハンジ「ただ、シンジュクダンジョンは現地の人間でさえ飲み込む迷宮だよ……気をつけてね」
一同 ゴクッ
エルヴィン「以上だ。志願者は明日9時ここに集合」
エルヴィン「約1時間ハンジより向こうの情報を聴講したのち10時出発だ。それでは解散したまえ」
――解散後
ガヤガヤ
「アルミン」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:07:37 ID:j/arwguA
アルミン(エルヴィン団長!)
アルミン「はっ」
エルヴィン「先程の話だが、君はどうする?」
アルミン「えっと、参加するつもりです」
エルヴィン「そうか」
アルミン「はい」
エルヴィン「……すまないが君には特別任務をやってもらいたい。極秘任務だ」
アルミン「はい。どのような任務でしょうか?」
エルヴィン「……」
アルミン「……」
エルヴィン「私はカツ……ウィッグだ」ボソ
アルミン「お、驚きです……」
アルミン(うわあ胃に穴空きそう)
エルヴィン「……」
アルミン「つ、つまり、最先端技術のウィッグを入手する任務……ですか」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:19:30 ID:j/arwguA
エルヴィン「察しが良くて助かるな。それに加えて、他にもいくつかやってもらう」
エルヴィン「食後に私の部屋まで来なさい。任務の説明と、購入リストを渡そう」
アルミン「はい」
エルヴィン「君に、敬意を」ニコ
アルミン(カツラのおつかい。はあ。パパッとやってしまおう……)ゲッソリ
エレン「おーいアルミン!」
アルミン(今度はエレンが呼んでる)
アルミン「なんだい?」タタタ
エレン「何かゲッソリしてないか? 団長に何か言われたのか?」
アルミン「あはは……まあ。明日のことで」ハァ
エレン「やっぱ行くよな?」キラキラ
アルミン「もちろん行くさ! 異世界なんて、興奮で今夜は寝不足になりそうだよ」キラキラ
ミカサ「ふたりとも今日は早く寝よう。必要なら子守唄を歌ってあげる」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:21:40 ID:j/arwguA
ライナー「しかし壁の外に出るより先に、世界の壁を超えるなんてな」
ベルトルト「おかしな話だね」
ジャン「任務っつーくせにノルマがないみたいだな」
ユミル「つまりはバカンスだろ」
クリスタ「楽しみだね。お土産いっぱい買っちゃお」
サシャ「お肉いっぱい食べられますかね///」ハァハァ
コニー「芋くらいはあんじゃねーか、芋女」
サシャ「夢が膨らみます!ですがその前に、夕食の時間ですよ!行きましょう皆さん!」
ゾロゾロ
アルミン(やっぱり皆行くのか。楽しみだなあ)ホクホク
エレン「アルミンちょっと、相談がある」コソ
アルミン「!?」
アルミン「君も僕の胃に穴空けるの?」ゾッ
エレン「何だ君もって。ごしょごしょ……」
12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:31:52 ID:j/arwguA
――食後
トコトコ
エレンの相談は、ミカサについてだった。最近ミカサのことが気になると。
この気持ちは家族としてか女の子としてか、よくわからないって。まあ時間の問題だろう。
エレンに答えを出してもらうために、僕は明日2人きりで過ごすべきだと提案した。
エレンは3人でと言ってくれた……でも2人が幸せになってくれることが僕の一番の幸せだから。
まあ……せっかくの異世界でひとりぼっちはちょっと寂しいけど。
よかった。やっと2人が両思いになるんだ。
で、
ふう。緊張する。団長の部屋に来るのって初めてだ。髪、むしられたりしないよね……。
コンコン
「入りなさい」
ガチャ
アルミン「失礼します」
エルヴィン「アルミン。そこに座って楽にしてくれ」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:38:52 ID:j/arwguA
アルミン「はい」ヨイショ
エルヴィン「小食か、もしくは早食いか」
アルミン「え」
エルヴィン「君がドアをノックするのはもう少し後と踏んでいたものでな」
アルミン「早かったですか……すみません」
エルヴィン「いや。丁度いいところに来た」
アルミン「?」
エルヴィン「淹れたてだ、君も飲んで行きなさい」カチャ
アルミン(紅茶だ)
アルミン「ありがとうございます。頂きます」
アルミン(熱っ……ちょっと冷まそう。ふうふう)
エルヴィン「明日は楽しみか?」
アルミン「任務ですから」
エルヴィン「正直に」
アルミン「えと……はい。とても」
14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:51:28 ID:j/arwguA
エルヴィン「素直でいいな。そんな君に特別任務を押し付けてしまって申し訳ない」
アルミン「いえ、そんなことは!お役に立てるよう力を尽くします」
エルヴィン「昨日ハンジが行った際には時間がなくてな」
エルヴィン「向こうの基本的な社会のルールや地域情勢しか調べることができなかった」
エルヴィン「よって、多くを君に頼むことになってしまった」
アルミン「……」
エルヴィン「これが君にやってもらいたい任務、そして購入リストだ」スッ
エルヴィン「それ以外の物資の調達については君に一任する。有益だと思うものを手にいれてくれればいい」
アルミン「はい」
エルヴィン「……ウィッグだけは、是非とも忘れないでくれたまえ」ボソ
アルミン「は、はい」ゾッ
エルヴィン「よろしくな」ニコ
アルミン(そこまで深刻なのか……頭皮)
エルヴィン「ダンジョンにはコインロッカーというものがあるらしい」
アルミン「コインロッカー?」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/03(火) 23:56:14 ID:j/arwguA
エルヴィン「荷物を一時的に保管することができる……小さな貸倉庫だな」
アルミン「便利ですね。治安の良さが窺えます」
エルヴィン「ああ。帰還の荷台はJR西口改札の世界時計前に現れる。その近くのロッカーを活用しなさい」
アルミン「はい。そうします……」
エルヴィン「良い返事だ。しかし腑に落ちない顔をしている」
アルミン「いえ」
エルヴィン「言ってごらん」
アルミン「団長、なぜ……ハンジさんではなく、僕らなのですか?」
エルヴィン「……」
アルミン「僕ら新兵はあくまでも、与えられた任務を全うするつもりです。しかし……」
アルミン「昨日事前調査をしたのなら、ハンジさんがもう一度行って情報収集をした方が確実だと思うんです」
エルヴィン「確かに新兵に任せるのは効率的ではないな」
アルミン「ハンジさんでなくても、巨人との戦闘経験のある先輩に同行してもらった方が……」
エルヴィン「ハンジについて言えば、ちょうど研究の仕事で行けないようだ」
エルヴィン「そしてなぜ君たち新兵なのか」
16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 00:24:19 ID:Xkb6t42A
エルヴィン「まず2週間後の壁外調査に向けて人手が足りなくなっている」
エルヴィン「カラネス区からの出発、そしてエレンの存在によって作戦の変更点が多くみられるからだ」
エルヴィン「これはわかるね?」
アルミン「はい」
エルヴィン「もう1つの理由は、我々調査兵団の私情だな」
アルミン「私情、ですか?」
エルヴィン「ああ。君たち新兵に行ってほしいと、そう思うんだ」
アルミン「?」
エルヴィン「死と隣り合わせな兵団だ」
エルヴィン「常に巨人、そして巨人への恐怖と戦って、他に何も知らないまま多くの人間が死んでいく」
エルヴィン「それを私たちは嫌という程見てきた」
アルミン「……」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 00:25:53 ID:Xkb6t42A
エルヴィン「だからせめて君たちには、一度でいい。恐怖など忘れて生きて欲しいと思う」
エルヴィン「戦場に赴く前に、ただの少年少女として」
エルヴィン「これは君らの先輩たちの願いなんだ。深く考えず受けとってほしい」
アルミン「そうでしたか……。無粋な質問をしてしまったようで」
エルヴィン「いや、気になって当然のことだ」
アルミン「あの、ありがとうございます」
エルヴィン「ああ」
アルミン「……」
エルヴィン「……」
アルミン(でも……まだ気になることはたくさん……)
エルヴィン「アルミン。やはり君は聡明だ」
アルミン「!」
エルヴィン「疑問は尽きないだろう。しかし困ったことに、こちらも同じなんだ」
アルミン「はい……」
19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 00:35:43 ID:Xkb6t42A
エルヴィン「いいかアルミン。君が今回やるべきことは、さっき頼んだ特別任務を遂行して」
エルヴィン「それ以外は何も考えず、純粋に楽しんでくることだ」
アルミン「何も考えず?」
エルヴィン「ああ。ただの少年でいなさい」
アルミン「少年で」
アルミン(どういうことだ?)
エルヴィン「どういうことだと考えるのもなしだ」
アルミン「あはは……」アセ
エルヴィン「ただ楽しんで来なさい。これは命令だ。従いなさい」
アルミン「はい」
アルミン(不思議な命令だ)
32 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:01:21 ID:hGE3o6CQ
――
翌日
1000――地下食料庫
エルヴィン「志願者はこれだけか。心より尊敬する」
ハンジ「じゃあ向こうの情報も伝えたところで、出発するよ!荷台に乗って乗って!」
アルミン(人類の勝利のためであれば、こんな不可解な現象でも利用しようとするのはわかる)
アルミン(けど……それにしても、盲信しすぎてないか。エレンを安々行かせるみたいだし)
アルミン(あ、団長に考えるなって言われたんだった。今日はやめよう)
アルミン(向こうの世界は想像を遥かに上回るほどの高度な文明を持っている。わくわくする!)ニコニコ
33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:02:21 ID:hGE3o6CQ
『さあみんな。
君たちは今荷台に揺られている。この暗がりを抜けたらシンジュクダンジョンに到着するよ。
でも手が滑っちゃって。到着地点がJR中央線、東京行きのホームになっちゃった。ごめんね。
君たちの任務。それはこの世界の情報をなんでもいいから集めてくること。
そして、この国の要である超大型ダンジョン、シンジュク周辺の調査だ。
でもこれは外形的な任務内容。旅行に行ったと思って楽しんできてよ。
緊急のため、立体機動装置は装備、雨具で隠しておくこと。一般人との混乱、戦闘は極力避けてね。
帰還は、2200。JR新宿駅西口、世界時計前に集合だ。帰りの荷台がくるから。
遅れたら最期、戻ってこれる保証はできないから覚悟してね。
それじゃあ良い旅を!』
34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:03:41 ID:hGE3o6CQ
――
ガタンガタン
ライナー「真っ暗だな。本当に目的地に進んでいるのか?」
アルミン「はは……明るくなってのお楽しみってとこかな」
ミカサ「減速してる、到着するみたい」
サシャ「緊張しますね!」
コニー「俺が一番に降りるからな!」
エレン「はあ?子どもかよコニー。俺が先だろ」
ジャン「どけよ、前見えねえよ」
キキィーッ
エレジャンコニ「わっ」グラッ
エレジャンコニ「うわあああ!」スッテンコロリン
プシュー
クリスタ「いちばんのり!」ピョン
ライユミ(結婚)
35 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:04:22 ID:hGE3o6CQ
1005――JR新宿駅 中央線東京行ホーム
ガヤガヤ
エレン「ここが、シンジュクダンジョン!!」
ライナー「すげえ人の数だ!押し流されちまいそうだな」
ユミル「安心しろ、ゴリラは流されねえから」
アルミン「出口へは階段を下るみたいだ」
エレン「なんかすげえのあんぞ!」
アルミン「あれがハンジさんの言ってたエスカレーターって乗り物だね」
エレン「乗ろうぜアルミン!ミカサ!」ワクワク
アルミカ「うん!」
スタスタ
36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:04:52 ID:hGE3o6CQ
ライナー「甘いなエレンは。ラクしてたら兵士失格だぞ、常に鍛えなければな」クリスタチラッ
ライナー「俺とベルトルトはそこの階段からいかせてもらう」
ベルトルト(変なとこ格好つけないでよ…)
スタスタ
クリスタ「ユミルー」キラキラ
ユミル「わかってるよクリスタちゃん。乗ってみてえんだろ動く階段」
クリスタ「うんっ!皆も行こう?」
コニー「ジャン!サシャ!そこの出店見てみてえ!行こうぜ!」
ジャン「おい!下手に行動したらはぐれちまうぞ!ここはクリスタたちに続いて行くべ」
サシャ「食べ物買ってから行きましょう!クリスタ、すぐ追いますから!」
コニサシャ「うひょー!!」ダダダ
ジャン「話聞けよ!」
ユミル「子守はジャンに一任だな」
クリスタ「わんぱくって可愛いね」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:06:15 ID:hGE3o6CQ
――
アルミン「さて、エスカレーターを降りたところで」
アルミン「どうやら左にいくと西口、右にいくと東口に出るみたいだ」
エレン「全部の出口に出れるわけじゃないんだな」
クリスタ キョロキョロ
ユミル「どうしたクリスタ?」
クリスタ「あの……さっきすぐ近くの階段をライナーたちが降りてきてるはずなんだけど、見当たらなくて」
ユミル「さっそく迷子かよ。でけえくせに」
アルミン「シンジュクダンジョンは方角を狂わせ、人を迷宮へと誘う……」
一同 ゾッ
エレン「じゃあ俺たちは東口を行くか」
クリスタ「私たちは西口を出てみよう」
アルミン「集合時間には遅れないようにねー」
クリスタ「じゃあねー」フリフリ
エレン「じゃあ行こうぜ……シンジュクダンジョン東口、調査開始だ!!」
38 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:27:28 ID:hGE3o6CQ
――東口改札前
エレン「人すげえ!」
アルミン「目の前はファッションビルみたいだね。ルミネエスト。駅と併設されているんだ」
エレン「とりあえず外がどんな景色なのか見てえよな」
アルミン「そこに地上への階段があるみたいだ、上ってみよう」
トコトコ
――東口出口
エレン「到着!おおおおすげえ!建物でけえ!ごちゃごちゃしてる!」キラキラ
アルミン「すごいね!乗り物もたくさんある!これが異世界かあ」キラキラ
アルミン(ハンジさんの情報通り、壁より高い建物が乱立している。センスはさておいて、素晴らしい建築技術だ)
アルミン(ルールを守っているおかげで交通に混乱がない。皆青色点灯で歩き出してる。すごいや)
アルミン(ん?空を……鳥じゃない物体が飛んでいるぞ?あれは何だ?)
エレン「ってあっちい!東洋ってこんなにあちいのか」
アルミン「はは。立体機動装置を隠すのに雨具着てるからね。出番はなさそうだけど」
アルミン(逆に目立つよなあ、この装束)
39 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:29:53 ID:hGE3o6CQ
エレン「こっちの人間、肌の露出多すぎねえか?あいつ、あいつも、パンツみえそうじゃねえか」
アルミン「やめなよ!///時代と文化の違いってやつだ」
エレン「あっちはブラジャーが透けてるぞ。見とけよ。透けてんだから見ていいもんなんだろ」
アルミン(……///)チラッ
エレン「ワタタに実ってるな」
アルミン「タワワだよエレン///」
ミカサ「……」ゴゴゴゴ
エレン「まま待てよミカサ!ただの野郎のジョークじゃねえか」
アルミン「ごめんって!アルタ前で早速ブレードに手をかけないでくれ!テレビ局に声かけられたらどうするんだ!」
ミカサ「2人とも落ち着いて。これはミカサジョーク」
エレアル ホッ
ミカサ「ただしエレンは適用外」スッ
エレアル「」
40 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:32:16 ID:hGE3o6CQ
エレン「で、まず目的地はどっちだ?」
アルミン「えっと……あっちだ!あそこ、新宿通りを新宿三丁目方面へ進む、はずだ!」
エレン「その紙は?」
アルミン「駅で取ってきた周辺地図さ。でも方角が分かりづらくて難解だよ」
テクテク
エレン「それにしても本当にすげえ街だな……建物の巨人に囲まれてる気分だ」
ミカサ「空がせまい」
エレン「でもよ、こんなに高い建物の中を立体機動で飛び回ったら、すげえ気持ちいいだろうな!」
ミカサ「だめ」
エレン「やんねえよ」
アルミン「ついた、ここだよ!」
41 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:52:43 ID:hGE3o6CQ
1020――新宿通り 紀伊國屋書店本店前
エレン「この建物全部本屋だって言うのか?」
アルミン「そうなんだ。こんなに大きな書店、シーナにもないよ」
アルミン(すごいぞ!宝の山だ!)キラキラ
アルミン「ここが本店で、奥が別館だ。別館は小さいから先に見よう」
エレン「どきどきしてきた!」タタッ
アルミン「ちょエレン急ぎすぎ!」
ミカサ「子どもみたい」クスッ
アルミン「ねえミカサ」
ミカサ「?」
アルミン「今日は羽を伸ばして、楽しもう。エレンともっと近づけるといいね」ニコ
ミカサ「……うん/// しかしアルミン。あなたも同じ。気負ってはいけない」
アルミン「わかってるさ」ニコッ
「超大型巨人だあああああ!!」
42 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:56:15 ID:hGE3o6CQ
アルミカ「!?」
アルミン「別館からエレンの声が!」
ミカサ「一体何!?」ダダダ
アルミン「巨人ってどういう……!」
エレン「こいつを見ろ!超大型巨人だ!!」
アルミカ「!」
エレン「戦闘準備!」ジャキン
アルミン「え……ちょ!」
ミカサ「アルミンは下がって!」サッ
エレン「うおおおお!」ダッ
アルミン「待つんだエレン!!」
エレン「何いってんだアルミン!? 今ここで駆逐しねえと…!」
アルミン「よく見てくれ! こいつは偽物だ!」
エレミカ「!?」
43 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/04(水) 23:59:02 ID:hGE3o6CQ
アルミン「店の大きなガラスに……超大型巨人の顔の絵が書いてあるだけだ」
エレンミカサ「」
エレン「ほ、本当だ……動かねえと、思ったら……」
ミカサ「……」
アルミン「……」
アルミン「……プッ いや。エレン……無事でよかっ……」クスクス
エレン「笑うなよ!///」カァッ
ミカサ「……///」フルフル
エレン「お前も!こらえてんじゃねえ!///」
ミカサ「笑ってない……///」
アルミン「ミカサだって焦ってたじゃないか!あはは!涙でてきたよ!」ケラケラ
エレン「ちくしょう……恥ずかしすぎんだろ///」グズッ
アルミン(こうして3人で笑ってると、シガンシナにいた頃を思い出すなあ)
44 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/05(木) 00:01:32 ID:KzsvHs2Q
アルミン「それにしても……どうしてこんな所に」
ミカアル「!」ハッ
ミカサ「エレン!」
エレン ビクッ
ミカサ「ブレードを収めて……。人だかりが……できている」ジリッ
エレン「……!」
アルミン(迂闊だった!街中で大声出して刃物振るってしまった)
アルミン(ここの人間の恐怖を煽ったに違いない。この場を切り抜けないと!)
エレミカアル「!」
アルミン(まずい、若者2人組が近づいてくる!エレン!ミカサ……!)
エレン「え?“それはコスプレですか”?」
45 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/05(木) 00:07:14 ID:KzsvHs2Q
――
アルミン「ふう……危機は去ったようだね」
エレン「あいつら俺達のシャシンっつーの撮ってたが、何の意味があるんだ?」
アルミン「こっちの世界の情報知ってるみたいだったし、調べる必要がありそうだ」
アルミン「ということで僕はこの書店をじっくり見ていくから別行動にするね」
アルミン(エレン!がんばってね!)チラ
エレン「……おう」チラ
ミカサ「? せっかくの異世界。3人で一緒に探検するべき。何より1人は危険」
アルミン「大丈夫、恐らくここの人間に敵対心はない。それに僕は団長からの任務があるから……」
ミカサ「3人でやれば早く終わる。手伝おうエレン」
エレン「……」
ミカサ「エレン?」
アルミン(嬉しいけど、今日は……)
46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/05(木) 00:08:07 ID:KzsvHs2Q
アルミン「ええっと! 気持ちは嬉しいよミカサ。ただちょっと話せない任務なんだ」
アルミン「だから2人で他を探検して、あとで僕に教えてくれたら嬉しいな」
エレン「……」
ミカサ「では……夕食は、一緒に」
アルミン(えと……)
エレン「そうしようアルミン」
アルミン「! ありがとう。じゃあ5時に帰りの集合場所にもなってる世界時計前……あ」
エレン「どうした?」
アルミン「皆と流れ解散しちゃったけど、夕方に一度点呼を取りたいな」
アルミン「皆適当だから……22時に本当に集まれるか不安だし」
アルミン「もし他の皆に会えた場合は、5時に僕らと一緒に一度集まってくれって言ってくれないか?」
エレン「わかった。JR新宿ダンジョン西口改札、世界時計前だな!」
47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/05(木) 00:09:06 ID:KzsvHs2Q
アルミン「あと夕食後には少し付き合ってほしい場所があるから、よろしくね」
アルミン(2人を展望台に連れて行こう。きっと喜んでくれるはず!)ニコニコ
エレン「もちろんだ」
ミカサ「アルミン。何かあったらすぐ駆けつける。呼んで」
アルミン「うん。ありがとう」ニコ
アルミン(このダンジョン、叫んで呼んだって届かない気がするけど、あはは)
エレン「じゃあとりあえず俺らも書店一回り見てから行くか」
ミカサ コクッ
アルミン「エレン、頑張ってね。ただいつもより少し正直でいればいいのさ」ヒソヒソ
エレン「……努力するよ」
48 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/05(木) 00:11:47 ID:KzsvHs2Q
エレンとミカサがついに恋人同士に……報告が楽しみだな。ソワソワ
……。ポツン
やっぱり話相手がいないのは寂しい。
ううん、わがまま言わない言わない。
あれ。そういえば僕、初恋ってまだだなあ。
どういう気持ちになるんだろう。本はあてにならないからなあ、こういうの。
僕にはまだ早いってことかな。
もうちょっと身長が伸びたら……の、伸びるかな?ゾッ
もうちょっと声が男っぽくなったら……、もうちょっと筋力ついたら……。
はあ。ガクッ
さて……。まずは気になるアレからだ。
「すみません店員さん。あのガラスの絵の巨人、ご存知ですか?」
55 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/06(金) 23:02:46 ID:HfIo4cao
「超大型巨人を知っているんですか!?」
「『シンゲキノキョジン』?マンガ……?これが……?」
この絵、僕らに……似てる?
僕に似てる人物、5巻で頭から出血してないか?不吉だ。背後の巨人は一体……?
あ、背表紙に本の概要が書いてあるみたいだ。
1巻、“人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた”
えっ?
2巻、“アルミンを助けようとするエレンであったが、代わりに自らが巨人に食われ”
僕?エレン?
4巻、“「巨人化したエレンが巨大な岩で穴を塞ぐ」という作戦が開始”
これってもしかして……!ハッ
じゃあ、この先は!
56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/06(金) 23:11:47 ID:HfIo4cao
6巻、“アルミンの前に「女型の巨人」が現れて陣形を破壊し”
8巻、“壁外調査失敗”
9巻、“ウォールローゼ破壊”
11巻、“超大型巨人と鎧の巨人の正体が発覚”
僕らの世界の……未来ってことか!?
こっちの世界は僕らの世界の情勢を全て把握しているってこと?史実なんだろうか。
中身を見てみないと断言はできない。でもこれが現実になるとしたら、まずいぞ。
ん?
10人が敬礼してる……。髪型や身長的に104期の成績上位者だろう。
エレンとマルコが消えたのを鑑みるに……消えるイコール死ってことか?
じゃあこの先アニと、ライナーとベルトルトは……?
アニは憲兵になったから、僕らより死ぬ確率ははるかに低そうなんだけどな……。
10番に入っていないユミルと僕、他の皆は大丈夫なんだろうか。
……。
57 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/06(金) 23:29:40 ID:HfIo4cao
さすがに中身を読んでいる暇はないな。先に任務を済ませないと。
とりあえずこのシリーズと他の書物を買って、団長が教えてくれた通り、西口のロッカーにしまおう。
壁外調査まで2週間、その間にこれを解析する。
これで……これで巨人の秘密に迫れる……!
「すみません。『シンゲキノキョジン』にまつわる本、1冊ずつ下さい」
「はい、巨人中学校も」
1240――青梅街道 新都心歩道橋付近
ガヤガヤ
「すみません。お尋ねしたいことが……」
「すみません。これについて聞きたいことがあるんですけど……」
はあ。
だめだなあ。やっぱり晴れた暑い日に雨具なんて怪しいよ。
この任務の購入リストの内容、よくわからないから聞き込みしてるけど。ペラッ
58 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/06(金) 23:37:55 ID:HfIo4cao
「お話よろしいですか?」
「……本当ですか!?ありがとうございます!」
(やった!)
「え?……15歳です。はい。出身は、シガンシナというところで……知らない、ですよね」
「はい旅行です。泊まる場所?もう今日帰るんで結構です!あは、あはは」
「それで、これについて……」
「へっ?かっ彼女!?いや、そんな僕にはまだ……早いっていうか……///」
「えっと、あの、ですから……このリストの物を売っている店を探していて……」アセッ
(なんだこの人……さっきから、ち、近い。気持ち悪い……)
「案内ですか?いえいえそんな!場所を教えていただけるだけでもうじゅうぶ」
(ヒッ!?)
「ああああの!ちょっと!?……手が、僕のおしり……ええっと……っ」
「探したよアルミン」
アルミン「!?」
60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/06(金) 23:59:54 ID:HfIo4cao
ユミル「悪いな。こいつは私のものなんだ。貸してなんかあげないよ」グイッ
アルミン「ユミル、ベルトルト……」
ユミル「おら、さっさと失せろあばずれ女。下品が伝染る」シッシッ
アルベル「……」
ユミル「行ったな……」
アルミン「……」
ベルトルト「……」
ユミル「おい。黙ってんなよ」
アルミン(下品って……)
ベルトルト(君は上品なのか……?)
ユミル「顔に出てるぞ。助けてやるんじゃなかった」
61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/07(土) 00:14:23 ID:TU8BIPTQ
――
ユミル「ダハハハハ!」ゲラゲラ
アルミン「」ヌケガラ
ベルトルト「それ以上笑ったらアルミンがかわいそうだって」アセ
アルミン(最悪だ。ベルトルトとユミルにリストの内容を見てもらったら)
アルミン(まさか大人のオモチャだったなんて……。団長、いや、男の性が憎いよ……)ゲッソリ
ユミル「はー!笑った笑った!ところでさ」
ユミル「なんでお前ひとりぼっちなんだ?ご両親はどちらに?」
アルミン「エレンとミカサなら別行動中だよ。僕はこういった極秘任務を託されたから」
ベルトルト「いくつもあるの?」
アルミン「うん」
ユミル「なあお前、その任務……兵団のお荷物になりたくないから受けたのか」
ユミル「2人をくっつけるために受けたのか……」
アルミン「……半分ずつってところかな」
62 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/07(土) 00:15:30 ID:TU8BIPTQ
ユミル「最悪の回答だ。3人で壁外を探検しますーみたいな夢があんだろ?」
アルミン「うん。でも今回は2人が幸せになってくれたら、僕は幸せだ」
ユミル「欲張らないと死ぬぞ」
アルミン「人並みに欲張りだと思うけど」
ユミル「……寂しいな、お前」
アルミン「……?」
ユミル「みなしごなのはお前も同じなのにな」
ユミル「いくら健気に尽くしても、あの家族には入れない」
アルミン「へえ、ユミル」
アルミン「なかなか痛いところをついてくるね」ニコ
ユミル「痛いか」
アルミン「ちょっとね。でもいいんだ別に」
ユミル「?」
63 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/07(土) 00:16:04 ID:TU8BIPTQ
アルミン「エレンが駐屯兵団に囲まれたとき」
アルミン「僕は思っていたほど2人の足手まといになってないって気付かされたから」
アルミン「僕はもうそれだけで」
ユミル「いいのか?」
アルミン「ああ。それに僕ら、皆みなしごみたいなものだろう。文句は言わないよ」ニコ
ユミル「……」
ユミル「やってやるよ、その任務」
アルミン「!」
ユミル「ベルトルトが」
ベルトルト ビクッ
69 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 00:33:42 ID:5ZWiq77.
1440――南口改札付近
テクテク
あのいかがわしい任務はベルトルトとユミルに任せちゃった……申し訳ない。
でもそのおかげで思いの外早く、他の物資も団長のカツラも手に入れることができた。
カツラはもしもの時のために兵団の袋に入れておいたし、これで一安心。
他の荷物もずいぶん増えちゃったな……重いし、物資で前が見えない。早く西口ロッカーに行かないと。フラフラ
もっと体力付けなくちゃなあ。
「アルミーン!」タタタ
アルミン「あっ!コニー」
コニー「俺1人になってたから会えてよかったぜ!」
アルミン「それはよかった」ニコ
コニー「お前何やってんだ?」
アルミン「団長の頼まれごとを少しね」ヨイショ
70 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 00:34:31 ID:5ZWiq77.
コニー「なんだその荷物、ひとりで運ぶ気か!?」
アルミン「はは」アセ
コニー「手伝うぜ!」
アルミン「い、いいの?」
コニー「当たり前だろ。でもなんでエレンとミカサと一緒じゃねえんだ?」
アルミン「今日は2人で過ごして欲しいから」
コニー「つまんなくねえの?」
アルミン「確かに一緒の方が楽しいけど……1人でも結構わくわくしてるよ」
コニー「そんなもんかね」
「コニー!アルミン!」
コニアル「!」
コニー「ライナーとクリスタじゃねえか」
アルミン「どうしたの?なんか2人とも息切らしてない?」
71 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 00:35:40 ID:5ZWiq77.
ライナー「い……いや、まさか」アセ
クリスタ「そ、そんなことないよ」ニコ
ライナー「お前たちこそ、任務か?」
アルミン「うん」
クリスタ「私たちも手伝っていい?」
ライナー「なんでもするぞ」
アルミン「ありがとう!皆!」
アルミン「西口改札世界時計近くのロッカーをいくつか借りているんだ」
アルミン「だからそこまで一緒に荷物運んでもらってもいいかい?」
コニー「ロッカー?」
アルミン「持ち物を一時的に保管することができる場所のこと」
アルミン「そこに物資をためておけば、わざわざ持って移動しなくてすむだろ?」
72 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 00:36:16 ID:5ZWiq77.
コニー「頭いいな」
アルミン「じゃあこれ、よろしく」ヨイショ
ライナー「おう。だが俺らは南口から西口への行き方がわからないんだが」キョロキョロ
アルミン「大丈夫。南口改札の横のモザイク通りを通れば西口ロータリーに着くはずだから」
アルミン「そしたら右にある小田急百貨店に入って……」
コニー「アルミンお前ここに住めるな」
73 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 00:41:22 ID:5ZWiq77.
1450――西口世界時計付近ロッカー
ガチャッ
アルミン「ふう。これでおしまい。皆手伝ってくれてありがとう。助かったよ!」
アルミン(17時世界時計前の点呼の話が全員に行き渡ったみたいでよかった)
アルミン(僕が集合時間に行けないかもってことも言えたし、これで……)
アルミン「あっ」
ライナー「どうした?」
アルミン「さっき17時に間に合わないかもって言ったよね。エレンとミカサに伝言をお願いしてもいい?」
ライナー「ああ」
アルミン「西口センタービルには無料の展望台があるから行っておいでって」
コニー「展望台?」
ライナー「そりゃいいな」
クリスタ「さっき私たちトウキョウトチョウの展望台に上ろうとしたけど、荷物検査があったから諦めたの」
74 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 00:42:12 ID:5ZWiq77.
アルミン「それならライナーたちも行きなよ。きっと絶景だよ」
ライナー「了解した」
クリスタ「ねえアルミン。私たちのこと、もっと頼ってくれていいんだよ?」
コニー「だなー」
アルミン「じゃ、じゃあさ、僕お昼がまだなんだ。付き合ってもらってもいいかな?」
コニー「おう!」
ライナー「もう3時前だぞ。よく倒れなかったな」
クリスタ「どこか行きたいところはあるの?」
アルミン「すぐそこの小田急エースってところに、うどん屋があるんだ。そこに行ってみたい」
クリスタ「うどん屋?」
75 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 01:01:25 ID:5ZWiq77.
1515――西口 うどん屋
※コニー編のうどん屋シーンは1450と書いていた。これ1510くらいに脳内変更してね。すまん。
ズルズルッ
アルミン「あと面白いと思った情報は……伝書鳩かな」モグモグ
ライナー「デンショバト?」
アルミン「そう。鳩の帰巣本能を利用した伝達方法さ。この世界で昔から使われていたみたい」
クリスタ「どうやって利用するの?」
アルミン「種にもよるけど、鳩は方向感覚や視覚に優れているらしくてね」
コニー「頭いいのか」
アルミン「うん。飼いならせば、はるか遠くから自身の鳩舎に戻ってこさせることが可能みたいなんだ」
アルミン「その鳩にメッセージを持たせてやれば、その鳩自身の鳩舎までそれを届けてくれるって仕組みさ」
アルミン「帰巣本能なわけだから一方通行だけど、訓練次第では馬を走らせるより迅速で簡単な伝達が可能だ」
アルミン「実験してみる価値はあると思う」
76 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 01:02:57 ID:5ZWiq77.
ライナー「万が一巨人がいる場所でも、上空だから妨害される心配いらんな」
コニー「さっき街で歩いてる鳩見たが、あれは皆迷子か?」ハテ
アルミン「あれは普通の鳩だよ。今の時代では使われていない技術みたい」
クリスタ「すごいね。どこで知ったの?」
アルミン「通信技術の歴史書で。詳しくは帰って読むつもり」
アルミン「というわけで、ごちそうさま。おいしかった」
ライナー「結局箸使ってたアルミンが最後だな」
クリスタ「いろんなこと教えてくれたしね」
アルミン「あはは、お箸はやっぱり難しかった」
クリスタ「あっごめん。私お手洗いに行ってくる」ガタッ
タタタ
ライナー「クリスタがお花を摘みに……」ハナヂダラダラ
コニー「今日ずっと鼻血だしてんのか?」
アルミン「貧血起こしちゃうよ?」
77 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 01:04:32 ID:5ZWiq77.
ライナー「仕方ないさ。なんせ今日俺とクリスタは結ばれるからな」
アルコニ(また始まった)
ライナー「おい、あからさまな呆れ顔してくれるな。2人きりになりたいと言ったのはクリスタだぞ」
アルコニ「ええっ!?」ガタッ
ライナー「今日はライナーと過ごしたいってな。ユミルといたのにだ。確実に両思いだろこりゃ」フフン
アルミン「両思いってことは、付き合うの?」
ライナー「それ以外に何があるってんだ。童貞卒業もお前たちより一足先になるな」ニヤ
コニー「すげえ!」
アルミン「い、いや僕にはまだ早いかな」アセ
アルミン(クリスタってライナーのこと好きだったのか……。皆恋してるんだなあ)
83 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 19:08:14 ID:GGmUC5jE
1535――西口 世界時計付近コインロッカー
「アルミン!」タタタ
アルミン「!」
アルミン「クリスタ?さっきうどん屋で解散したはずじゃ……?急用ができたって」
クリスタ「ごめんね。私、相談があるの。皆には内緒で」
アルミン「なに?」
クリスタ「さっきくじでお金を当てて、今手元に数万円残ってる」
クリスタ「このお金で、皆をカラオケに招待したいんだけど……」
アルミン「カラオケ?」
クリスタ「みんなで楽しくわいわいご飯を食べられる場所なんだって。とても素敵じゃない?」
アルミン「面白そうだね!でもクリスタが当てたお金なのに、いいの?」
クリスタ「うん。皆が喜んでくれたら、私も嬉しい」
84 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 19:09:13 ID:GGmUC5jE
アルミン「そっか。じゃあ17時に西口世界時計前に集まったら行くといいよ」
クリスタ「アルミンはさっき用事があるって言ってたもんね。でも場所が分かれば後からでも、来てほしいな」
アルミン「ああ。じゃあそうしようかな」
クリスタ「うん。あっ皆には内緒だよ?驚かせたいの」
アルミン(ライナーに相談しないのかなって思ったけど、好きな人を驚かせたいってことかな)
アルミン「わかった」
クリスタ「それで……大人数は予約が必要みたいだから、デンワするんだけど」
クリスタ「上手くできるか、ちょっと怖くて。アルミン一緒にやってもらっていい?」
アルミン「もちろん」
クリスタ「ありがとう」
クリスタ「あれっアルミン。雨具も、立体機動装置もはずしちゃったの?」
アルミン「うん。今ロッカーにしまったところ」
クリスタ「どうして?危ないよ」
85 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 19:12:20 ID:GGmUC5jE
アルミン「今から武器……この世界で言うと、護身用品を見に行くからさ」
アルミン「見慣れない顔立ちの男が物騒な格好で行ったらさすがに目立つんだ」
クリスタ「アルミンは優しさが顔に出ているから大丈夫だよ」
アルミン「あはは、ありがとう。でも人は見かけによらないって言葉もあるし、やっぱり警戒される」
クリスタ「私も付いていきたい。いい?」
アルミン「僕はいいけど」
クリスタ「?」
アルミン「ライナーはいいの?」
クリスタ「このダンジョンだから、もうきっと会えないよ」
アルミン(まあ確かに……)
クリスタ「それにアルミンが心配なんだもの」
アルミン「じゃあお願いしようかな」ニコ
クリスタ「うん」
86 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 19:13:32 ID:GGmUC5jE
アルミン「何かあったときのために、クリスタは装置をつけていてほしい」
クリスタ「わかった」
アルミン「じゃあ先にデンワしちゃおう。そこにコウシュウデンワがあるから」
クリスタ「うんっ」ルンルン
アルミン(やっぱりクリスタは優しいなあ。癒される。さすが神様)
テクテク
アルミン「これがデンワ」ドキドキ
クリスタ「緊張するね」ドキドキ
アルミン「やり方が書いてある。まずジュワキを取るって」
クリスタ「本当に取っていい?」
アルミン「うん」
87 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 19:14:26 ID:GGmUC5jE
ガチャ
クリスタ「……何も聞こえないよ?」
アルミン「お金入れてないからね。お金を入れる」チャリーン
クリスタ「……アルミン」
アルミン「番号押してないからね。ボタンを押して」
クリスタ「このボタン?」スッ
アルミン「やめて!それ110番!」ガシッ
プルルル
アルミン「いいかい。繋がったら“モシモシ”って言ってから話し始めるんだよ」
クリスタ「まかせて」ドキドキ
プルルル
ガチャ
クリスタ「モリモリ!こちらクリスタ・レンズです!」
アルミン(声が大きい)
92 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 20:34:25 ID:GGmUC5jE
1545――南口改札付近 甲州街道
トコトコ
クリスタ「さっきは緊張しちゃったよー」
アルミン「コウシュウデンワからじゃ基本的に予約ってできないんだね」
クリスタ「頼み込んだら了承してくれて、本当によかった。武器のお店はこっち?」
アルミン「うん。近いし、後で東急ハンズにも寄っていいかな」
クリスタ キョロキョロ
アルミン「さっきから何を見てるの?」
クリスタ「あ、鳩を見てるの」
アルミン「鳩か」
クリスタ「さっきの伝書鳩の話を聞いたら、鳩ってすごいなって思って」
アルミン「人にも馬にも好かれるクリスタだ。鳩ともすぐに仲良くなれるだろうね」
アルミン「神様の使いって言われているし」
93 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 20:38:13 ID:GGmUC5jE
クリスタ「そうなんだ」
アルミン「うん」
クリスタ「アルミン」
アルミン「ん」
クリスタ「私、神様なの」
アルミン「そうだね」
クリスタ「そうじゃなくて」
アルミン「?」
クリスタ「本当の神様」
アルミン「本当の神様って……何の?」
クリスタ「わからない。気づいたのは一昨日だから」
アルミン「一昨日って……荷台が異世界に繋がった日……」
94 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 20:44:12 ID:GGmUC5jE
クリスタ「うん。今回、私たちの世界とこの異世界を繋げたのは私なの」
アルミン「え……?」
クリスタ「……」
アルミン「……」
クリスタ「私なの」
アルミン「……君が?どうやって?」
クリスタ「神様の力で。と言っても無意識なんだけどね」
アルミン「冗談じゃなくて……?」
クリスタ「うん。さっきうどん屋さんでコニーがここの神様の話をしていたよね。ハンジさんから聞いたっていう」
アルミン「信教の自由があり多神教……」
クリスタ「そう。いろんな神様がいる。トイレの神様だって、いるんだよ」
クリスタ「この世界には……私を、クリスタ・レンズを神様だと言ってくれる人がいるみたいなの」
95 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 20:46:45 ID:GGmUC5jE
アルミン「君を?」
クリスタ「どうしてだろうね。私はこの世界の人間じゃないのに」
クリスタ「でもその共通認識が、私がこの世界に繋げた要因の1つなんじゃないかって」
アルミン(なぜだ?もしかしてあの『シンゲキノキョジン』に起因して……?)
アルミン(あの本をこっちの人間が読んで、僕らと同じようにクリスタを神様と認識していたとしたら)
クリスタ「もう1つ要因はあるみたいなんだけど……言えない」
アルミン「えっ気になるよ」
クリスタ「男の子には言えないの。恥ずかしいから///」
アルミン(どういうこと?)
クリスタ「とにかく、ハンジさんはそう推論してた」
アルミン「上の人には話してあるの?」
クリスタ「うん。不思議と自覚があったから。一昨日申告して、ハンジさんが事前調査をしたの」
アルミン(だから団長はこの現象を信用していたのか)
クリスタ「うふふ。アルミンが首をかしげてる」
96 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 20:49:06 ID:GGmUC5jE
アルミン「からかわないでよ」
クリスタ「珍しいんだもん」クスクス
アルミン「君のことを神様って言う人間は多い。でも本当に神様になるなんて……」
クリスタ「不思議だね」
アルミン「神様って特別な力使えたりするの?千里眼とか、人を思いのままに動かしたりとか」
クリスタ「ううん。できない。ただ少し……予感がするくらいかな」
アルミン「予感」
クリスタ「うん。でもなんとなくしかわからないし、そんなに確実でもない」
クリスタ「神様同士が作用し合うから、正確なことは把握しきれない……んだと思う」
アルミン「……」
クリスタ「……」
アルミン「驚きすぎて反応に困ってる……」
クリスタ「私も」
97 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/08(日) 20:49:53 ID:GGmUC5jE
アルミン「と、とりあえずひれ伏した方がいいかな」サッ
クリスタ「うふふ。苦しゅうない、面を上げい」
アルミン「それちょっと違う」
アルミン「でも……この話、僕にしていいの?団長から秘密にしとけって言われなかった?」
クリスタ「言われたけど、いいの」
アルミン「どうして?」
クリスタ「私は、アルミン。あなたを選ぶことにしたから」
アルミン「?」
102 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 01:44:59 ID:AAf9q8rs
――護身用品店
クリスタ「あっアルミンお帰り!」
アルミン「お待たせクリスタ。出口で待たせちゃってごめんね」
クリスタ「ううん。収穫はどうだった?」
アルミン「思いの外不作だ。拳銃や刀の所持に厳しい国だけあって」
アルミン「うーん、デンチがなくちゃ使えないものばかりなんだよなあ」
クリスタ「デンチ?」
アルミン「うん。でもデンキの力によってこの世界が飛躍的に発展したことは明白だ」
アルミン「つまり僕たちもこの技術を学べば、生活が一気に進展するだろう」
アルミン「研究ためにもデンチ、デンキュウなんかは持って帰るつもりだよ」
クリスタ「これは……催涙スプレー?」マジマジ
アルミン「あはは、それはならず者撃退用」
103 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 01:46:11 ID:AAf9q8rs
クリスタ「面白そう」ゴソゴソ
アルミン「あはは、さり気なく開封しないで」
クリスタ「うふふ。アルミンが焦ってる」ゴソゴソ
アルミン「クリスタって意外とおてんばだよね。だめだってばもー」
クリスタ「あはは、こっちだよー」フリフリ
アルミン「ちょっとー」
クリスタ「はは」
アルミン「返してってばー」
ガバッ
アルミン「!」
アルミン(後ろから抱きつく感じになっちゃった……!)
アルミン「ごっごめん!///」バッ
104 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 01:47:08 ID:AAf9q8rs
クリスタ「ううん。大丈夫だよ」
アルミン「そ、そう///」
クリスタ「あ、でもならず者だったら催涙スプレー使えたね」ウフフ
アルミン「勘弁して」
クリスタ「ごめんね。返します」スッ
アルミン「うん」
アルミン(訓練以外でもないのに女の子に抱きついちゃうなんて!僕のばか!///)ブンブン
アルミン「ととと東急ハンズはあちらでございます」
クリスタ「落ち着いてアルミン」
105 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 01:56:25 ID:AAf9q8rs
1635――サザンテラス口改札前付近
クリスタ「サザンテラス口って可愛らしい名前だよね。サザンって南のこと?」
アルミン「うん。でもサザンテラス口の甲州街道挟んだ向かいには南口があるし、あっちの奥には新南口もある」
クリスタ「シンジュクは南が好きなんだ」
アルミン「そうかもね。それでこれからのことなんだけど」
クリスタ「うん」
アルミン「東急ハンズも行けた。集合時間の17時も近いし、クリスタは世界時計に向かったほうがいい」
アルミン「これから僕はデンシャに乗ってコウダンシャに行く」
クリスタ「コウダンシャ?」
アルミン「うん。待ち合わせに間に合わないって言ったのはこのためだ」
アルミン「コウダンシャに行けば巨人の手がかりが掴めそうだからね。デンシャに乗って……」
クリスタ「だめだよ」
アルミン「……どうして?」
106 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 02:08:59 ID:AAf9q8rs
クリスタ「……?」
アルミン「どうかした?」
クリスタ「なんの音?」
キーン
アルミン「あれか。ヒコウキって言うんだって。たくさんの人を乗せて飛ぶ、巨大な鉄の鳥さ」
クリスタ「小さく見えるよ?」
アルミン「ずっと高所、雲の上を飛んでいるからだよ。近くでみたらすごく大きいはず」
アルミン「すごいなあ。僕も乗ってみたい」キラキラ
クリスタ「この世界ってすごいよね」
アルミン「ああ。驚かされてばかりだ。全く飽きないよ」
アルミン「きっと壁なんてないから行きたい場所に行けるだろうし、知りたいことも知れるだろう」
クリスタ「アルミン」
アルミン「ん?」
クリスタ「今日がずっと続くといい?」
107 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 02:11:41 ID:AAf9q8rs
アルミン「あはは、悪くないね。でも叶わないよ」
クリスタ「……」
アルミン「時間も迫ってきてるし、僕そろそろ行かなきゃ」
クリスタ「待って!」グイッ
アルミン「へ……?」
クリスタ「もう少しここにいて」
アルミン「もう少しって……」
クリスタ「あと少し」
アルミン「……」
クリスタ「……」
アルミン「えっと……」アセ
クリスタ「私が」
クリスタ「叶えてあげる」
108 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 02:13:19 ID:AAf9q8rs
アルミン「……?」
クリスタ「今日がずっと続くように、叶えてあげる」
アルミン「どうやって……」
クリスタ「誰にも言ってないけど……私は今日」
クリスタ「この世界に残るつもり」
アルミン「!?」
クリスタ「私、壁の世界で消えたいと思ってた。早く死んで消えちゃいたいって」
クリスタ「でも死ぬのが怖くないわけじゃない」
クリスタ「今日22時に間に合わなければ、死なずに、あの世界からいなくなることができる」
クリスタ「これはチャンスなの」
アルミン「……本気?」
クリスタ「うん」
アルミン「い、いや、大げさだよ。また荷台を繋げれば、行き来できるんだろ?」
クリスタ「ううん。もう今日だけだよ。多分もう一生繋がらない」
109 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 02:14:49 ID:AAf9q8rs
アルミン「……!」
クリスタ「アルミン。私、一緒にここで生きてくれる人、家族になってくれる人、探してたの」
アルミン「は……」
クリスタ「一緒にこの世界で、生きよう?」
アルミン「……」
クリスタ「……」
アルミン「はは……」
クリスタ「……」
アルミン「冗談は、よしてよ……」
クリスタ「考えてみて。この世界に残れば、新しい場所、新しいものにたくさん出会えるよ」
クリスタ「アルミンが望むもの、きっとある。世界中冒険できる」
クリスタ「炎の水や氷の大地、砂の雪原……見たいものが見れる」
アルミン「だめだよ……考え直すんだクリスタ」
110 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/09(月) 02:16:50 ID:AAf9q8rs
クリスタ「決めたの」
アルミン「まだ間に合う」
クリスタ チラッ
アルミン(……僕の後ろを見てる?)
クリスタ「ううん。もう時間。ごめんねアルミン」
ガンッ!!
アルミン「!?」
アルミン(頭……殴られた……?)
フッ
120 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 01:15:32 ID:mougFFrM
――
ブロロロロ……
ハッ!
アルミン「っつ……いたた……」ズキズキ
アルミン(何者かに後ろから頭を殴られて、拘束されたのか……?)
クリスタ「アルミン」
アルミン「クリスタ!大丈夫!?怪我はない!?」
クリスタ「大丈夫」
アルミン「そうか……よかった……」
アルミン「ここはクルマの荷台、だよね?真っ暗だし……僕ら2人で窮屈だ」
クリスタ「うん」
アルミン(両手は布で固く縛られている……)
アルミン(足だけでは、いや、両手使えたって自力では出られそうにない)
121 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 01:23:35 ID:mougFFrM
アルミン「クリスタのブレード、出せる?」
クリスタ「ううん」
アルミン「だよね狭すぎる……。そうだ荷物は?」
クリスタ「多分足下に。でも取れない」
アルミン「護身用品はあるか……。でも脱出に役立つものは入ってないな……」
クリスタ「……」
アルミン「ねえ」
クリスタ「……」
アルミン「……君がやったの?」
クリスタ「うん」
アルミン「さらわれてしまえば、22時に間に合わなくなるから」
クリスタ「そう。私はあの場所であの時間に、人さらいが現れることを予感してたの」
クリスタ「だからアルミンを誘導した」
アルミン「僕は神様に嵌められたのか」
122 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 01:32:58 ID:mougFFrM
クリスタ「私、わがままなの。消えたいけど、ひとりぼっちは嫌。家族がほしい」
アルミン「わがままって……度を越してると思うよ……」
クリスタ「だからアルミン、一緒に来て?」
アルミン「いやだ」
クリスタ「お願い」
アルミン「……!」
クリスタ「どうしたの?」
アルミン「……」
クリスタ「来てくれるの?」
アルミン「いや……。話の腰を折って悪いんだけど……」
アルミン「足」
クリスタ「?」
アルミン「あの……僕の足に挟まってる君の太もも……位置、ずらせない……?」
123 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 01:48:15 ID:mougFFrM
クリスタ「え?」
アルミン「少しでいいんだ。下にひいて欲しい」
クリスタ「えっと」スッ
アルミン「う、ううん……そっちじゃなくて……クリスタ側にひいて」
クリスタ「ん?」スリッ
アルミン「え……っ!///ちょっと!なんで上なの!」
クリスタ「これ以上下がんないよ」
アルミン「そう……じゃあ悪いんだけど、動かないでもらっていい?1ミリたりとも」
クリスタ「どうして?」
アルミン「どうしても」
アルミン(落ち着け……脱出の方法を考えるんだ)
クリスタ「……」
アルミン「……」
スリスリ
アルミン「ちょっ……!///」
127 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 02:08:32 ID:mougFFrM
アルミン「やめてクリスタ!動かないでって言ったばかりだよ!?」
クリスタ「機動装置が邪魔で安定しなくて」
アルミン「そ、そうなの……ごめん。じゃあ待つから、上手く体勢とってね」
クリスタ「うん」モゾモゾ
アルミン「……」
スリスリ
アルミン「ねえ……///」
スリスリ
アルミン「ねえまだ……っ?///」
スリ……
アルミン「待ってよ!わざとやってるでしょ!?」
クリスタ「ごめんねアルミン」スリスリ
アルミン「謝る、くらいなら……っ!やめてっ!///」
クリスタ「脱出の手段を考えてるんでしょ?やだよそんなの」
128 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 02:51:55 ID:mougFFrM
アルミン「やだよじゃないよ!待って待ってストップ!本当に……やめて!///」
クリスタ「ならついて来てくれるって言って!」
アルミン「やだってば!ちょっと離れて……っ」ジダバタ
クリスタ「やだってばじゃないよ!お願いだか」グイグイ
スッ
クリスタ「いたっ!」
アルミン「!?」
アルミン「ごっごめん!」
アルミン(クリスタの……その、胸?かな。さ、触っちゃった……?)
アルミン(で、でもそんなに痛がるほど触っちゃったの僕?触れただけっぽかったけど……)
アルミン「痛かったよね……ごめん」
クリスタ「ううん。大丈夫……」
129 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/10(火) 02:57:11 ID:mougFFrM
クリスタ「アルミンが触りたいって思ってくれるなら……」
スス
アルミン(僕の手を……)
ピトッ
アルミン「へ」
アルミン(柔らかくて……あったかくて)
アルミン(頂きの感触?)
アルミン「は……っ!?///」カアァァ
アルミン「雨具の下!着てないの!?///」
クリスタ「うん」
アルミン「どうして!?露出狂なの!?」
143 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:02:18 ID:tZbG9R2U
クリスタ「アルミンはいい人だから、ここまでしないとと思って。シャツと下着脱いできたの」
アルミン「脱いできたって」
クリスタ「い、色仕掛け……?」キョトン
アルミン「大胆すぎて引くよ!」
クリスタ「だよね……。でもこれ以外アルミンを連れて行く方法、思いつかなくて」シュン
アルミン「好きでもない男にこんなことするなんてだめだ。自分を大切にしてよ」
クリスタ「ごめんなさい」
アルミン「い、いや僕に謝られても……。君はライナーが好きなんだろ?」
クリスタ「……本当はライナーを連れて行こうと思ってた」
アルミン「はあ。僕は次点でこんな目に……」
クリスタ「でも本当の本当はユミルを連れて行こうと思ってたの」
アルミン「三番手じゃないか!」
144 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:03:28 ID:tZbG9R2U
クリスタ「お願い」ギュムッ
アルミン「ヒッ!押し付けないでっ」
クリスタ「ん……っ」
アルミン「勝手に変な声出さないでよ!///」
アルミン(どうしよう……今僕と暗がりで密着してるのは、皆のクリスタだ)
アルミン(彼女が僕にこんなこと……!このままじゃ僕……まずいって!///)
スリスリ
クリスタ「アルミン……」
アルミン「こんなやり方……ずるいよ……///」
クリスタ「本当にごめんね……。でも、さらわれても、きっと大丈夫だから安心して」
アルミン「うう……っ///」
クリスタ「だから今は……ここから出ようと考えないで……」
スリスリ
Related Articles関連記事
進撃の巨人(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創による日本の漫画作品。『別冊少年マガジン』で連載されていた。ジャンルはダークファンタジーであり、人類存亡をかけて巨人との戦いに挑む人々の物語が描かれている。巨大な壁に守られた人類達の元に、圧倒的な力を持った「巨人」が出現。主人公のエレン・イェーガーは目の前で母を捕食され、巨人の殲滅を誓う。日本国内だけでなく、海外からの人気も高く、テレビアニメや実写映画化をはじめ、様々なメディアミックス展開がされている。
Read Article
進撃の巨人の九つの巨人まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創によるダークファンタジー漫画およびそれを原作としたアニメ・小説・ゲーム・映画などのメディアミックス作品。人類を無差別に殺す謎の生命体「巨人」が存在する世界を舞台に、巨人を駆逐することに執念を燃やす主人公エレン・イェーガーの戦いを描く。作中ではエレン以外に巨人化の能力を持つ人物が登場し、それらは「九つの巨人」と呼ばれている。「九つの巨人」はそれぞれ「始祖の巨人」や「鎧の巨人」などの固有名称を持ち、普通の巨人とは一線を画す特殊技能を持っている。
Read Article
進撃の巨人の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ
『進撃の巨人』は、諫山創原作の漫画である。少年漫画雑誌『別冊少年マガジン』で2009年から連載された。突如現れた巨人により人類は滅亡の危機にさらされるが、巨大な壁を建設することで100年間平和を保ってきた。しかしある日超大型巨人が壁を蹴破り、人類は再び巨人の襲来に遭う。巨人に母を捕食された主人公・エレンは、巨人のせん滅を誓って調査兵団に入団する。大迫力の戦闘シーンの合間には、エレンや幼なじみのミカサらをめぐる恋愛要素も描かれている。
Read Article
進撃の巨人の壁・地区・歴史情報まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創によるダークファンタジー漫画およびそれを原作としたアニメ・小説・ゲーム・映画などのメディアミックス作品。人類を無差別に殺す謎の生命体「巨人」が存在する世界で、生き残った人類は3重の壁を築き、その内側でかろうじて命脈を繋いでいた。しかしそんなある日、壁を超える巨体を持つ「超大型巨人」によってシガンシナ区の扉が壊され、巨人の大群が壁内に侵入。人類は活動領域の後退を余儀なくされた。巨人に母親を殺されたエレンは、全ての巨人を駆逐することを心に誓う。
Read Article
進撃の巨人の回収済み・未回収の伏線・謎まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創によるダークファンタジー漫画、およびそれを原作としたアニメである。2009年から少年漫画雑誌『別冊少年マガジン』で連載された。正体不明の巨人の脅威に怯える人類は、強固な壁を作り100年間の平和を実現していた。しかしある日超大型巨人が壁を破壊し、人類は再び巨人に襲撃される。巨人に母親を喰われたエレン・イェーガーは巨人を駆逐するために調査兵団に入団。巨人との対戦の中で、巨人の正体やエレンたちの出生の秘密など、たくさんの伏線が明かされてゆく。
Read Article
北欧神話徹底解説・考察まとめ!おもしろくて分かりやすい!
北欧神話(ほくおうしんわ)とは、キリスト教が広まる以前にノルド人(ノース人)が信仰していた神話体系。ノルド人がスカンジナビア半島を勢力圏としていたため、スカンジナビア神話とも呼ばれている。口伝によって伝えられていたが、13世紀頃、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによって『エッダ』という書物にまとめられた。 「滅亡の運命」が定められた神々の隆盛と終焉を描いており、全体的に暗い印象のエピソードが多い。物語全体の完成度が高く、漫画などの現代の創作物においてもたびたび題材として用いられる。
Read Article
進撃の巨人の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『進撃の巨人』とは、巨人たちに立ち向かう人類の戦いと世界の謎を描いた、諫山創による漫画作品。人類を守る壁を破壊し侵入した巨人によって両親を喪った少年エレン・イェーガー。巨人を滅ぼすためエレンは調査兵団に参加し、巨人との戦いに身を投じる。作品の人気が高まるに従い、個々のキャラクターへの注目も高まって、彼らが発した心揺さぶるセリフに惹かれる読者も増えていった。巨人という死に直結する敵が常に存在する世界での物語は、数々の名言を生み出した。
Read Article
進撃の巨人の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ
『進撃の巨人』とは諫山創によるダークファンタジー漫画及びそれを原作としたアニメ・映画・ゲームなどのメディアミックス作品。この記事では、『進撃の巨人』のアニメに使用された歴代のオープニング・エンディング主題歌・挿入歌と、実写映画、アニメ映画などの主題歌を紹介する。
Read Article
ユミル・フリッツ/始祖ユミル(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ユミル・フリッツは『進撃の巨人』の登場人物で、「始祖ユミル」とも呼ばれている。エルディア人こと「ユミルの民」の始祖となった女性で、光るムカデのような生物と接触したことで彼女は「始祖の巨人」の能力を得たとされている。マリア・ローゼ・シーナという名前の3人の娘達がおり、パラディ島の3重の壁は彼女達の名前から名付けられた。ユミルの死後、巨人化能力は3人の娘達に引き継がれ、さらに子々孫々に脈々と継承されることとなった。
Read Article
ジーク・イェーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ジーク・イェーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で主人公エレン・イェーガーの異母兄。「獣の巨人」の継承者として調査兵団の前に立ちはだかり、高い投擲能力で多くの兵士を殺傷した。「九つの巨人」の継承者で組織されるマーレの戦士部隊のリーダーであり、多くの戦場でマーレに勝利をもたらしてきた。しかしその真の目的はエルディア人の救済であり、全てのエルディア人から生殖能力を奪うことで巨人の力を巡るこれ以上の悲劇を起こらないようにしたいと考えている。
Read Article
リヴァイ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
リヴァイ・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団に所属する兵士長。1人で1個旅団(約4000人)並みの戦力を持つとされ、「人類最強の兵士」として名高い。三白眼と刈り上げた髪型、小柄な体格が特徴で、ブレードを逆手に持って回転しながら巨人の肉を切り刻む戦闘スタイルを好んでいる。性格は冷静沈着で無愛想。スラム出身ということで言動も粗暴である。神経質で潔癖症だが、部下の最期を看取る際には汚れを気にせず手を握るという仲間想いの一面もある。
Read Article
エレン・クルーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エレン・クルーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で、ユミルの民であることを偽造してマーレ人になりすまし、マーレ治安当局の職員として潜入していたエルディア復権派のスパイである。9つの巨人の1つである「進撃の巨人」の力を身に宿し、通称「フクロウ」と呼ばれている。 ユミルの呪いによって寿命が近い自分の代わりに、グリシャ・イエーガーにエルディア復権の願いを託して壁の中へ行くよう指示した。その後進撃の巨人を継承させる為無垢の巨人化したグリシャに捕食され、スパイとしての任務を果たし、その生涯を終えた。
Read Article
アニ・レオンハート(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アニ・レオンハートとは、『週刊少年マガジン』に連載されている諫山創原作の漫画・テレビアニメ作品に登場する人物である。主人公のエレン・イェーガーと同じ第104期訓練兵団に所属し、卒業後は憲兵団に入団する。口数が少なく感情を表に表さないため、取っ付きにくい印象を与える性格。しかし格闘技に優れており、冷静な判断を下せるため訓練兵団卒業の際は4位の成績を収める実力の持ち主。
Read Article
フロック・フォルスター(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フロック・フォルスターとは『進撃の巨人』の登場人物で、104期訓練兵団の卒業生。当初は駐屯兵団に所属していたが、ウォール・マリア最終奪還作戦の前に調査兵団に移籍した。「獣の巨人」を倒すための特攻作戦では唯一生き残り、瀕死のエルヴィン団長をリヴァイ達の元へ連れて行った。その後はエレンをパラディ島の救世主として祭り上げる「イェーガー派」の中心人物として、兵団総統を暗殺しクーデターを先導した。
Read Article
エレン・イェーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エレン・イェーガーとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の主人公。壁の外の世界に強い憧れを持っており、幼少期から調査兵団に入ることを目指してきた。その想いは、母親を巨人に食い殺されたことで一層強まり、調査兵団に入って巨人を駆逐することを心に誓う。性格は熱血漢で直情的。無鉄砲と思えるほどの勇敢さから、強大な巨人相手にも物怖じせずに向かっていく。命の危機に瀕した際に巨人化する能力に目覚め、人類の自由のためにその力を振るっていくことになる。
Read Article
グリシャ・イェーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
グリシャ・イェーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で主人公エレン・イェーガーの父。シガンシナ区で診療所を開き街の人々から尊敬を集めていたが、シガンシナ区に巨人が流入した後行方不明となる。失踪直前エレンに巨人化の薬を打ち込み、世界の真実が隠された自宅地下室の鍵をエレンに託した。物語中盤で彼が壁外の世界から「始祖の巨人」奪還のためにやってきた巨人化能力者であったことが明らかとなる。
Read Article
ピーク・フィンガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ピーク・フィンガーとは『進撃の巨人』の登場人物で「車力の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成されるマーレの戦士の一員として、数々の戦場で功績を打ち立ててきた。当初は始祖奪還計画に参加せずマーレ本国を守っていたが、850年「獣の巨人」であるジーク・イェーガーと共にパラディ島に上陸する。ウォール・マリア奪還を狙う調査兵団との決戦では後方支援を担当し、負傷したジークと「鎧の巨人」であるライナー・ブラウンの逃走を助けた。性格はマイペースだが、冷静沈着で判断力に優れている。
Read Article
ファルコ・グライス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ファルコ・グライスとは『進撃の巨人』のキャラクターでマーレの戦士候補生。戦士候補生の同期であるガビ・ブラウンに好意を抱いており、彼女を救うために「鎧の巨人」継承を目指している。内気な性格だが、「悪魔の末裔」と言われるパラディ島の人々に対しても自分達と変わらない人間だと捉える優しい心の持ち主。心的外傷を負った兵士にも親切に接しており、そこでクルーガーと名乗る負傷兵と出会い、交流を深めていく。
Read Article
キース・シャーディス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
キース・シャーディスとは『進撃の巨人』の登場人物で第104期訓練兵団の指導教官。スキンヘッドに顎ひげを生やした強面の男性で、訓練兵の間では鬼教官として恐れられている。元々は第12代団長として調査兵団を率いていたが、無謀な壁外調査を繰り返し多くの部下を死なせたにもかかわらず成果を残せなかったことから、自分の無能を悟りエルヴィン・スミスに団長職を引き継がせた。主人公エレンの父親であるグリシャ・イェーガーとは以前から面識があり、彼が消息を絶つ直前に顔を合わせた最後の人物である。
Read Article
ロッド・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ロッド・レイスとは、「進撃の巨人」に登場するキャラクターである。壁内人類の真の王家であるレイス家当主。実質的には壁内での最高権力者である。ウーリ・レイスの兄であり、フリーダ・レイスやヒストリア・レイスの父親。正妻との間に5人の子がいたが、当時使用人として働いていたアルマとも関係を持ち、ヒストリアが産まれたことにより、事実的には子供は6人。だがグリシャにより正妻との間の子は皆殺されてしまい、生き残っている子供はヒストリアただ1人である。
Read Article
ダイナ・フリッツ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダイナ・フリッツとは『進撃の巨人』の登場人物。主人公エレンの父親グリシャの前妻で「獣の巨人」ジークの母。その正体はフリッツ王家の末裔。ストーリー上、巨人の歴史と王家の情報を語る重要な役割を持つ。パラディ島に移住することを拒みマーレに留まった一族は、代々巨人の情報を隠し持っており、その末裔であるダイナはエルディア復権派と共に始祖の巨人の奪還を企てるが、計画は息子ジークの密告により失敗。ダイナは巨人化後、グリシャの後妻であるカルラを捕食する。最期はエレンの持つ座標の力で巨人の群れに喰われた。
Read Article
ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ケニー・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物で、中央第一憲兵団対人立体機動部隊の隊長。かつて「切り裂きケニー」の異名を取った大量殺人鬼だったが、ウーリ・レイスとの出会いを経て現在は中央第一憲兵団に所属し対人戦闘を専門とする部隊を率いている。リヴァイ・アッカーマンの育ての親であり、彼に戦闘技術を教えた人物でもある。その戦闘能力はリヴァイと同等かそれ以上であり、対立した調査兵団を大いに苦しめた。
Read Article
ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ヒッチ・ドリスとは『進撃の巨人』の登場人物で、憲兵団の新兵。アニ・レオンハートとは同期でルームメイト。ウェーブヘアが特徴の少女で、軽薄で不真面目な言動が多い。他の新兵同様安全な内地で楽をするために憲兵団に入ったが、実は機転の利くところがある。アニのことは愛想のない同期だと思っていたが、ストヘス区の戦闘以降行方不明になったことを心配しており、アニの正体が「女型の巨人」であることを知って大きなショックを受けていた。同期のマルロ・フロイデンベルクに好意を持っているが、マルロ本人は気づいていない。
Read Article
エルヴィン・スミス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エルヴィン・スミスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団第13代団長である。調査兵団は人類の生存圏を広げることを目的とし、日々巨人との死闘を繰り広げている。その類まれなる頭脳と判断力から大きな功績を挙げているが、目的のためなら手段を選ばない非情さから「悪魔的」と称されることもある。彼の真の目的は世界の真実を解き明かし、「人類は王家によって記憶を改竄された」という父の仮説を証明すること。人類最強と称されるリヴァイ兵士長を調査兵団に入れたのも彼である。
Read Article
ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ポルコ・ガリアードとは『進撃の巨人』の登場人物で「顎の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成される「マーレの戦士」の一員として、「顎の巨人」の持ち味である硬い顎と牙や俊敏性を活かし数々の戦場で活躍している。戦士候補生時代の同期であるライナー・ブラウンとは「鎧の巨人」継承権をめぐって争ったライバルだった。自分ではなく能力の低いライナーが「鎧の巨人」継承者として選ばれたことや、兄のマルセルがライナーをかばって巨人に食われたことから、ライナーに対して悪感情を抱いている。
Read Article
ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ベルトルト・フーバーとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団団員。第104期訓練兵団を3位で卒業し、どの分野でもそつなくこなすことができる優秀な人物である。ただし優柔不断で判断を他人に任せる傾向があり、積極性に欠けることから他の同期と比べると少し影が薄い。その正体は、ウォール・マリア陥落の主因となった「超大型巨人」であり、始祖奪還作戦のために大国マーレから派遣された「マーレの戦士」の1人だった。任務を達成し故郷に帰ることを切望していたが、結局その願いは叶わず異国の地で命を落とすこととなる。
Read Article
ライナー・ブラウン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ライナー・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団の団員。主人公エレン・イェーガーとはウォールローゼ南区第104期訓練兵団時代の同期である。責任感が強く、リーダーシップもあることから同期の中ではまとめ役を担っていた。しかし、その正体はウォール・マリアを破壊した「鎧の巨人」であり、始祖奪還を目的にパラディ島に送り込まれたマーレの戦士である。正体が判明した後はたびたびエレン達と対立し、始祖の力を巡って死闘を繰り広げていく。
Read Article
ガビ・ブラウン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ガビ・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で、「マーレの戦士」候補生。天真爛漫で型破りな性格で、憧れの従兄であるライナーから「鎧の巨人」を継承するため日夜訓練に励んでいる。パラディ島のエルディア人を悪魔の末裔として強く憎んでおり、彼らを皆殺しにして自分達善良なエルディア人を収容区から解放することを願っていた。しかし成り行きでパラディ島に渡ることとなり、そこで出会った人々との交流からガビの考え方は変化し始める。
Read Article
ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ハンジ・ゾエとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団所属のベテラン兵士。初登場時は分隊長だったが、後にエルヴィン・スミス団長の後を継いで調査兵団第14代団長に就任する。ゴーグル(平常時は眼鏡)を着用し、茶髪を無造作に1つにまとめた中性的な外見をしている。明るく聡明な人物だが、巨人に対する情熱は人一倍で変人揃いの調査兵団内でも特に異彩を放っている。ウォール・マリア最終奪還作戦以降は左目を負傷したことから眼帯を着用している。
Read Article
ダリス・ザックレー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダリス・ザックレーとは『進撃の巨人』の登場人物で憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を束ねる総統。特別兵法会議においてエレン・イェーガーの処遇を調査兵団に委ねた人物である。王政編では調査兵団団長のエルヴィン・スミスや駐屯兵団司令官のドット・ピクシスらと共にクーデターに加担する。実はエルヴィンが決起する以前から王政に根深い嫌悪感を抱いており、密かに体制転覆の機会をうかがっていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政幹部達に喜々として拷問を行っている。
Read Article
アルミン・アルレルト(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。
Read Article
進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。
Read Article
ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。
Read Article
クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。
Read Article
フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。
Read Article
イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。
Read Article