エレン・クルーガー（進撃の巨人）の徹底解説・考察まとめ

エレン・クルーガーの概要

エレン・クルーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で、マーレに潜入していたエルディア復権派のスパイである。
グリシャ・イェーガーの記憶に現れた男性で、ユミルの民であることを偽ってマーレ人になりすまし、マーレ治安当局の職員として楽園送り実行担当をしていた。9つの巨人の1つである「進撃の巨人」の力を身に宿し、「フクロウ」と呼ばれていた。

パラディ島の船場でグリシャ・イェーガーに正体を明かす。ユミルの呪いによって寿命が近い自分の代わりに、グリシャにエルディア復権の願いを託して壁の中へ行くよう指示した。その後、進撃の巨人を継承させる為に無垢の巨人化したグリシャに捕食され、スパイとしての任務を果たし、その生涯を終えた。

登場シーンが少ないものの、巨人化して戦うシーンや彼の生き様がかっこいいと、読者人気が高いクルーガー。マレーの洗脳に染まらず、辛い使命を全うする姿にグッとくる読者が多かった。また、「これはお前が始めた物語だろう」をはじめ、心に響く名言を残している。

一方で掲示板サイト「なんJ」では、巨人化したエレン・クルーガーの戦闘スタイルが話題に。「プロレス技のバックブリーカーだ」「作者がプロレス技を描きたかったのでは」など、戦闘スタイルをネタにした投稿が盛り上がりを見せた。

エレン・クルーガーのプロフィール・人物像

身長：198cm
体重：100kg
誕生日：4月5日
CV：松本保典

エレン・クルーガーは、マーレ治安当局の職員として働くエルディア復権派のスパイであり、通称「フクロウ」と呼ばれている。革命軍であった父親がマーレに生きたまま焼かれたことから、マーレへの復讐とエルディアの復権を誓った。エルディア復権派であるユミルの民の医者に協力してもらい、血液検査をくぐりぬけマーレにもぐり込み、何千人ものユミルの民に拷問をし、巨人化させて蹴落すことでマーレにばれることなく、スパイとしての任務をこなしていた。
使命を全うする為にその役に徹した、強靭な精神力の持ち主である。
マーレ治安当局の職員として働く傍らでは、エルディア復権派に様々な情報を流し、王家の血筋であるダイナを復権派に送り込んだ。

クルーガーはエルディア復権派を取り締まるマーレ当局からも警戒されていた男であったが、最後まで見抜かれることはなかった。グリシャ・イエーガーと再会した際にはグリシャに壁の中に行くよう指示。9つの巨人の1つである進撃の巨人をグリシャに継承させるため、脊髄液を打ち込んで無垢の巨人となった彼に食われて死亡した。
スパイとしての任務を果たした重要人物である。

クルーガーが誰から進撃の巨人を継承したのかが気になるところだが、作中では彼が誰からその力を継承したのかは明かされていない。

エレン・クルーガーの来歴・活躍

エレン・クルーガーの過去

大陸にとどまった王家の一部は革命軍として活動しており、クルーガーの父親はその1人だった。しかし何も成し遂げることはできないまま、マーレによって生きたまま焼かれ殺された。
まだ幼かったクルーガーは戸棚に隠れながら、その恐ろしい光景を見ていることしかできなかった。
その後生き残ったエルディア人に助けられエルディア復権派に加入する。
マーレへの復讐とエルディアの復権を誓ったのだった。

グリシャ・イエーガーとの出会い

グリシャとクルーガーの出会いは、少年だった頃のグリシャが妹のフェイを連れ、外出許可書を持たず「飛行船を見に行こう」とエルディア人収容区の外にでた際である。
マーレ当局職員として働くクルーガーとグロスに見つかったグリシャは「妹の制裁も自分に」と、その場でクルーガーから二人分の拷問を受ける。
その際、フェイはグロスに「先に家に帰ろうね」と手を引かれ連れていかれた。

制裁が終わり帰ろうとしたグリシャに、クルーガーは「せっかくだから見ていけ」と呼び止め、並んで飛行船を眺めていた。しかしその後、フェイは河原で死体となって発見されたのだった。
グリシャはグロスがやったことを確信していたが、グロスはそれを否定し、グリシャの父親はマーレ当局職員にへりくだっていた。
クルーガーはグロスの性格・趣味を知っており、フェイが殺されることに気づいていたように思える。
クルーガーが呼び止めたことにより、グリシャがフェイと同じ目にあうところだったのを救ったのだった。

スパイとしての任期終了

クルーガーはマーレに潜伏している間、エルディア復権派の同胞を拷問し、巨人化させ蹴落とすことで、自分がエルディア復権派だと見抜かれないよう職務に励んでいた。

ある時、グリシャの息子であるジークによる裏切りで、グリシャやその妻のダイナ含むエルディア復権派が全員楽園送りの刑に決まった。
次々と刑が進み復権派たちが巨人化の薬を打たれる中、ついにグリシャの番がやってきた。グロスはフェイを犬に食わせたことを語りながら、自分の娯楽のためにグリシャを突き落とし巨人に食わせようとする。しかしその時、クルーガーがグロスを突き落とし、「俺がフクロウだ」と正体を明かした。
そして、「巨人の力はこう使う」と、ナイフで手に傷をつけ巨人化し、周辺にいたマーレ治安当局の職員を皆殺しにし、船を真っ二つにした。クルーガーがグリシャに正体を明かした理由は、クルーガーの体に宿る巨人の力をグリシャへ継承する為だった。

九つの巨人のひとつである進撃の巨人を体に宿すクルーガーは、ユミルの呪いにより寿命が迫っていた。九つの巨人を体に宿したものは13年しか生きることが出来ないのだ。寿命が近づいている自分の代わりに、マーレへの復讐とエルディアの復権を託せる人物を待ち続けていた。そしてグリシャに進撃の巨人を継承したことで、スパイとして生涯を終えた。

グリシャに託す任務

クルーガーは寿命が迫っていた為、進撃の巨人を継承させる相手をグリシャに決めた。グリシャはマーレに妹を殺され強い憎しみを持っていた為、復讐を果たしてくれると考えたからである。
しかしグリシャはもう誰も恨んではいないと否定した。
それを聞いたクルーガーは、妹が死ぬ原因を作ったのはグリシャであり、その罪を償う為には進み続けるしかないのだ、と諭す。そしてグリシャは自分の行動のツケを払うため立ち上がったのだった。
クルーガーはグリシャへ任務を告げる。その任務とは始祖の巨人を王家から奪還することであった。
始祖の巨人とは無垢の巨人を操り、ユミルの民の記憶も操作できる巨人である。マーレはパラディ島の資源を狙っていたが、無垢の巨人の存在が邪魔で迂闊に近づけなかった。そのため始祖の巨人を手に入れて無垢の巨人を排除しようとしていた。始祖の巨人がマーレの手に渡ればエルディア人は間違いなく滅亡してしまう。
頼みの綱はフリッツ王が世界に向けて残した「パラディ島を攻めれば壁の巨人が世界を平らにならす」という「地鳴らし」の警告だが、実際には壁の王は「不戦の契り」に縛られて戦わないとわかっている。145代目フリッツ王はエルディア人の過去の残虐な行為を反省し、世界が望むならエルディア人の滅亡を受け入れ戦わないと決めていた。
そのため、エルディア人が存続するためには誰かが壁の中に潜入し、壁の王から始祖の巨人を奪う必要があったのだ。

グリシャは進撃の巨人を継承し壁内へ入り、記憶喪失を装い医者として働く傍ら、始祖の巨人を王家から奪還することに成功する。

エレン・クルーガーの能力

進撃の巨人にある隠された能力

記憶の干渉

進撃の巨人の能力には、未来の継承者の記憶を見ることができる能力があり、クルーガーはその能力で未来が見えていた。
クルーガーはまだ産まれてもいない「ミカサやアルミン、みんなを救いたいなら使命を全うしろ」とグリシャに言い、グリシャが「ミカサ？アルミン？誰だ、それは」と聞くと、「わからない、誰の記憶だろう？」と話した。
クルーガーがミカサやアルミンのことを知っていたのは、「進撃」の能力で未来の継承者から記憶を見せられたからと思われる。その記憶はまぎれもなく未来の継承者であるエレンのものであり、クルーガーは記憶の干渉を受け、エレンが継承する未来をすでに見ていたのだ。

エレン・クルーガーの関連人物・キャラクター