【進撃の巨人】アルミン「新宿の巨人」クリスタ「サザンテラス口」 【厳選名作SS】

進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。なぜか現代の新宿に行けるようになった調査兵団。喜び勇んで調査に向かおうとするアルミンをエルヴィンが呼び止め、ある重大な任務を言い渡します。

145 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:05:06 ID:tZbG9R2U

アルミン「やめ、てくれ……っ」

クリスタ「一緒に、ここで生きよう……?」

アルミン「……っ」フルフル

クリスタ「私と」

クリスタ「行こう?」

アルミン(だめだ……もう……僕っ!)

アルミン(誰か……誰か助けて……っ!!)

ダンッ!!

アルクリ「!?」

アルミン(クルマの上に何か乗った……!?)

146 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:06:17 ID:tZbG9R2U

「クリスタ!アルミン!」ドンドン

アルミン「ライナーか!?」

アルミン(や、やった……!助けに来てくれたのか!)

ライナー「ああ俺だ!無事か!」

アルミン「うん!なんとか!」

ライナー「今出してやるから待ってろ!」ジャキン

クリスタ「やめてライナー!!」

ライナー「!?」

アルミン「え!?」

クリスタ「開けたらライナーは私のこときっと嫌いになる!大嫌いになる!だから開けないで!」

アルミン「状況を考えるんだクリスタ!そんな場合じゃないだろ!」

アルミン(恥ずかしい格好なのはわかるけど!)

ライナー「そうだ!開けるぞ!?」

クリスタ「ライナーは……私はわがままと言ったとき、そんなはずないって言った!」

147 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:17:29 ID:tZbG9R2U

クリスタ「でもそんなはずあるの!わがままで醜いの!だからだめ!」

ライナー「大丈夫だ!どんなクリスタだって俺は引いたりしない!」

ライナー「俺はどんな姿でも、クリスタを嫌いになったりしない!」

ライナー「待ってろ!」スッ

アルミン「待って!僕らかなり窮屈に閉じ込められているんだ!上からはだめだ!」

ライナー「どこをやればいい!」

アルミン「いいか!クルマの背中側にまわ……っ」

アルミン「むぐッ!」

アルミン(!?)

アルミン「んっ……んんー……!?」ジタバタ

アルミン(口に何か突っ込まれた!?何これ何これ!見えないよ!)

アルミン(まさかこれ……クリスタの肘!?)

クリスタ「お願い喋らないで」グリグリ

アルミン「ちょ……なに……して……むぐぐ」

148 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:26:27 ID:tZbG9R2U

ライナー「アルミン!聞こえないぞ!背中側がなんだ!」

アルミン「ラッ、ライ…………ッ」

ライナー「どうした!?指示をくれ!クリスタ!?」

クリスタ「……」

アルミン「……む……んんーっ!」ジタバタ

ライナー「なんか言ってくれ!」

クリスタ「……」

アルミン「んーっ!!」ジタバタ

アルミン(ああもう!ごめん……悪く思わないでよクリスタ!できるだけ甘噛みにっ)

グニッ

クリスタ「いたっ!」バッ

アルミン「……ぷあっ!」

アルミン「はあっ、はあ……はあ。ク、クリスタ……邪魔しないでよ……」

クリスタ「だって……これが最初で最後のチャンスなんだもん」

149 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:33:00 ID:tZbG9R2U

ガキィィンッ!!

アルクリ「!」

アルミン(ライナーがブレードを使っているのか!街中で刃物を振り回した以上、早くここから出ないと……)

ライナー「人さらいだ!クリスタとアルミンがこの中にいる!」

アルクリ(!?)

ライナー「中の様子がわからないから、うかつにブレードを使えない!」

アルミン(誰かと会話しているのか……?)

ライナー「やっている!全く傷がつかない!」

ライナー「定期的に煙弾を撃って場所を示す!」

ライナー「もう5時だ!あいつらと合流次第に応援に来てくれ!!」

アルミン(増援の可能性がある!クリスタがライナー相手に何をしでかすかわからないし……)

アルミン「ライナー!」

ライナー「アルミン!?」

アルミン「僕がなんとかする!」

150 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:45:10 ID:tZbG9R2U

アルミン「ライナーは逃げろ!もうじき騒ぎを聞いたケイサツが来てしまう!」

ライナー「馬鹿野郎!仲間を見捨てられるか!俺はお前たちをなんとしてでも助けるぞ!」

アルミン「危険だ!」

クリスタ「ライナー逃げて!お願い!」

ライナー「クリスタ!」

ライナー「このまま連れ去られちまったら22時には間に合わない!」

ライナー「お前がこの世界に取り残されてしまう!」

ライナー「そんなことさせてたまるか!お前を失いたくない!」

クリスタ「ライナー……」

ライナー「シャシンを一緒に見てくれるんだろう!?1000万円のチケットも俺が持ったままだ!」

クリスタ「でも!」

ライナー「クリスタ!俺は!お前が好きだ!」

アルクリ「!」

ライナー「誰よりも好きだ!わがままで醜かったとしても好きだ!」

ライナー「俺と結婚してほしい!」

151 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:48:41 ID:tZbG9R2U

ライナー「俺はお前のために、偉くなって、金稼いで、誰より幸せにしてやる自信がある!」

ライナー「巨人に怯えねえ、食い物に困らねえ世界をつくってやる!」

クリスタ「一緒に来てくれる……のかな……」ボソッ

アルミン(まずい!)

ライナー「クリスタ!俺は!」

ライナー「お前を残したまま!元の世界には帰れない!」

アルミン(待って!)

ライナー「もしこのまま取り残されるくらいなら俺も」

アルミン(だめだ!それ以上は……!)

アルミン「待つんだライナー!!」

ライナー「!?」

アルミン「僕にして!」

152 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 20:50:47 ID:tZbG9R2U

ライナー「ア……アルミン!?」

アルミン「僕を選んでくれクリスタ!」

アルミン(これに今のライナーを巻きこんでしまったら……確実に帰還できない!)

ライナー「は……おい待てアルミン!お前もクリスタのこと!?」

ライナー「どういうことだアルミン!」ガンガン

ファンファンファン

アルミン(ケイサツが来てしまった!)

アルミン「ライナー逃げろ!!」

ライナー「ああ!お前たちを助け出してからな!」

ガン! ガン!

ライナー「それに話が終わってない!」

アルミン「その話はまたあとだ!」

アルミン(かなり誤解されているけど……今は仕方ない)

155 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 21:07:10 ID:tZbG9R2U

アルミン「それより逃げろ!ケイサツは遠距離からの攻撃技術を持っている!殺傷能力も高い!」

アルミン「へたに抵抗すれば死ぬ!巨人ではなく、人間に!殺されるぞ!」

アルミン「ここで死んでる暇なんてないだろう!」

ライナー「……!!」

ライナー「くっ……煙弾を撃つ!あとは他のやつらがくるだろう!待ってろよ!」

ライナー「アルミン!クリスタを頼んだぞ!」

アルミン「ああ!」

ダンッ

アルミン(飛び降りた音……。ライナーならうまく切り抜けられると信じよう。問題は……)

クリスタ「ありがとうアルミン」

クリスタ「これからずっと、よろしくね」ニコ

アルミン(ライナーの煙弾……誰かに届いてるといいな……)

アルミン(じゃないと僕は、ここで神様に消されてしまう……)

158 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/11(水) 21:28:06 ID:tZbG9R2U

――

ブロロロ……

アルミン「ねえ」

アルミン「どうしてユミルとライナー、2人じゃないの?」

クリスタ「……ユミルは多分、私がやろうとしていることに気づいてた。でも帰ってくるって信じてくれてたんだと思う」

クリスタ「だって、私のお願いを叶えてくれる、だからまた必ず会おうって約束してくれたもの」

アルミン「お願い?」

クリスタ「1つは今日、皆が無事に、人類に役立つ物資をいっぱい持って帰還すること」

アルミン「僕らは皆に含まれてないんだね」

クリスタ「ごめんね。私たち以外には、無事に帰還してほしいな」

アルミン「……」

クリスタ「2つめは、“超大型ぞうさん shinjuku night”を手に入れること」

アルミン「何それ」

クリスタ「恋人同士を幸せにするものなんだって」

アルミン「へえ」

162 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/12(木) 00:49:44 ID:57DJSpeM

アルミン(なんだそれ)

クリスタ「ユミルは……ベルトルトのことが好きだから、連れては行きたくなかった」

アルミン「本人が言ってたの?」

クリスタ「ううん。でもいつもベルトルトを見てるもの。ユミルには誰より幸せになってほしい」

アルミン(見当違いって可能性は?)アセ

クリスタ「ライナーはね、私に好意を抱いてくれてるってなんとなく分かってたから、連れて行こうとした」

クリスタ「でも、この世界に憧れちゃいけないって、ライナーは言ったの」

クリスタ「むこうで生まれたんだから、むこうで生きるべきだって……」

アルミン「僕も同意見なんだけどな……」

166 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:02:53 ID:6RsmJLj.

クリスタ「でも、アルミンは誰よりこの世界に目を輝かせていたじゃない。きっと楽しい人生が送れる」

アルミン「だから僕を選んだの?」

クリスタ「それだけじゃないよ。アルミン……あなたも……家族、いないでしょ?」

アルミン「……」

クリスタ「私もひとりぼっちなの」

クリスタ「身寄りのない者同士、新しい家族になって、ひとりぼっちは終わりにしようよ」

クリスタ「ここならきっと、自分や誰かの死に怯える必要はないし……」

クリスタ「私たち、きっと上手くいくよ。私がアルミンを幸せにする。なんでもする」

アルミン「……」

クリスタ「だから、ね……?」

ガクン!

アルクリ「!」

アルミン「……クルマが止まった?」

167 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:05:14 ID:6RsmJLj.

アルミン「ダンジョンから案外近いな……。誘拐ならもっと遠くに行くと思ったんだけど……」

クリスタ「……」

アルミン「ねえ。僕が頷いたところで、この窮地をどうするつもり?」

クリスタ「大丈夫だよ。私1000万円のチケット当てたって言ったじゃない?」

クリスタ「あれで解放してもらえるはずだから。多分22時以降だけど」

アルミン「ちょっと待って」

クリスタ「?」

アルミン「それさっきライナーが持ってるって叫んでなかった?」

クリスタ「……」

アルミン「……」

クリスタ「あ……そうだった……」

168 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:08:07 ID:6RsmJLj.

アルミン「……」

クリスタ「……」

アルミン「も、もしかして……それないとピンチ……?」

クリスタ「大ピンチ……」

アルミン(うわあ、なんて間抜けな神様だろう……)

クリスタ「ごっ……ごめんなさい!どうしよう!」オロオロ

クリスタ「私……これ以上アルミンを傷つけるつもりはなかった……!」

クリスタ「この計画だって、無傷で解放されると予感してたから……本当だよ!?」

アルミン「わ、わかったから。落ち着いてよ」

クリスタ「ごめん……ごめんね……どうしよう」ガタガタ

アルミン「とにかく、僕がなんとかする。女の子は何されるかわからない」

クリスタ「でも……きっとアルミンも女の子だと思われてる……。クルマに押し込められるときお姫様抱っこだっだ」

アルミン「え……ああそう……」アセ

169 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:11:06 ID:6RsmJLj.

クリスタ「あの人たちは多分……とっても強い」

アルミン「うん。神様が厳選した人さらいだろうからね」

クリスタ「……」

アルミン「奴らを倒して帰ろう……?」

クリスタ「……」

アルミン「……まさかこの後に及んで……帰らないなんて言わないよね?」

クリスタ「アルミンは逃げて……私は……帰らない」

アルミン「は……」

アルミン「どんなに危険かわかってるの!?1000万円のチケットがないんだ!君の計画はもう破綻した!」

クリスタ「私はどうなってもいい!この世界に残るの」

アルミン「もう残る残らないは後で考えていいから!でも今はやつらから逃げないと!」

クリスタ「言ったじゃない!チャンスはここしかないって!」

クリスタ「アルミンに迷惑はかけない!だから置いて行って!」

アルミン「できるわけないだろ!」

170 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:14:30 ID:6RsmJLj.

アルクリ「!」

アルミン(やつらがクルマから降りたみたいだ……来る……!)

アルミン「……この扉が開けば、君のブレードはなんとか出せるよね……?まずはそれで僕らの両手の布を切ろう」

アルミン「扉側の僕が君の盾になるから、その隙に出して。いいね?」

クリスタ「……」

アルミン「……」

アルミン(さっきあれだけ大声を出したんだ。寝たふりなんてかわいい真似はできないな……)

……ガチャッ

アルミン(開いた!……まず足っ!)ブンッ

ドカッ!

171 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:16:04 ID:6RsmJLj.

アルミン(1人は一発で決まった!)ムクッ

アルミン(ここは……立体駐車場か……!?何人いる!?あと2人……?運転手は別か?)

アルミン「!」

ガシッ

アルミン「やめろっ……離……せっ!」グググ

クリスタ「誘拐犯の皆さん!」

アルミン「!?」

クリスタ「私はついて行きます!ですから……アルミンを解放してあげて下さい!」

クリスタ「お願いします!」

アルミン「くっ……ちょっクリスタ!?僕より前に出ないで……っ!」ググ

クリスタ「どいてアルミン!あなたはこれで逃げるの!」ジャキン

アルミン(刃!)

174 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:21:38 ID:6RsmJLj.

アルミン「……っ!」

ググッ

ブチッ!

アルミン(これで両手が使える!)

アルミン「よし!刃貸し」

ドカッ

アルミン「ぐあッ!」ドサッ ゴロゴロ

アルミン「うう……っ」

アルミン(! あいつらクリスタの方へ……!)

アルミン「危ないっ!」ガバッ

ガンッ!

アルミン「う゛……っ!」

クリスタ「アルミン……!私を庇わないで!あなたは逃げるの!」

アルミン「はあっ……はあ……君を、置いていけないよ……!」

175 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:24:08 ID:6RsmJLj.

クリスタ「でも……」

ヒュ

アルミン「!」

ボコッ

アルミン「いづ……ッ!」ズササッ

アルミン「げほっげほっ……君が……どうして消えてしまいたいのかは知らない……」

アルミン「もしかしたら……ここでなら、本当に幸せになれるかもしれない」

アルミン「はあ、はあ……でもやっぱり……」ムクッ

アルミン「うおおおお!!」ブンッ

バキッ!

アルミン「ユミルとの約束を守るんだ……!ライナーの告白に返事をするんだ……!」

クリスタ「……!」

176 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:26:09 ID:6RsmJLj.

アルミン「それに僕らが戻らないと!皆がカラオケに行けないじゃないか……!はあ、はあっ」

アルミン「皆を驚かせたいって言ったくせに……いなくなったらだめだろ……!」

アルミン「はは……いなくなったらそりゃ驚くけど……!そんなサプライズ誰も望んでないよ……!」

クリスタ「……っ」

ブンッ

アルミン「!」パシッ

アルミン「ユミルやライナー……僕らはそんなに、ちっぽけな存在なの……?」グググ

アルミン「君の失踪願望を止められないほど……」

クリスタ「……!」

ガシッ!

アルミン「あ……っ!」

ドサッ

177 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:29:13 ID:6RsmJLj.

アルミン(まずい!2人がかりで組み伏せられた……!)ジタバタ

ドカッ ドカッ

アルミン「ぐっ……どけ……っ!離せ……っ!」ググ

アルミン(くそ……くそ……!)

アルミン(……頭が……ぼうっとする……)

アルミン(もし……例えばライナーだったら……彼女を守れたんだろうか……)

アルミン(クリスタが……)

アルミン(クリスタが……行ってしまう……!)

プシュー!!

アルミン(……へ?)

178 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 21:35:18 ID:6RsmJLj.

アルミン(催涙スプレー!?)

アルミン「ク、リスタ……」クラッ

クリスタ「アルミンを離して……ッ!」ダッ

アルミン「う……っ!どけぇええ!!」ガシガシ

ドカッ!

アルミン(よし抜けだせた……!)

アルミン「ありがとう!」

プシュー!

アルミン「って待って!かけ過ぎ!僕までかかってる!いたた!」ボロボロ

アルミン(痛い痛い!目が明かない、前が見えない……)フラフラ

クリスタ「こっち!」グイッ

アルミン「わっ!に、荷物……」

クリスタ「持った!」

アルミン(うう……涙が……)ヨロヨロ

バタバタ……

182 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:09:52 ID:6RsmJLj.

1725――西口 中央公園の更に西 路地裏

はぁはぁ

ドサッ

アルミン「ああ、こたえた……目がヒリヒリする……」

アルミン「やっぱり格闘術はだめだめだなあ……いてて……」ズキズキ

クリスタ「ずるい……アルミンが逃げてくれないから……戻ってきちゃった……」

アルミン「はは……助けてくれるって信じてたよ。君はやっぱり優しい子だ」

クリスタ「……」

アルミン「でもこんなわがままに人を巻き込むなんて、どうかしてる」

アルミン「しかも三番手の僕に。とばっちりもいいとこ」

クリスタ「ごめんね……」

アルミン「冗談だよ。僕らは助かった。もうそれで十分だ」

クリスタ「アルミン……」ウルッ

アルミン「……」

クリスタ「私……あの世界に生まれてしまった自分が嫌いなの」ポロポロ

183 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:27:21 ID:6RsmJLj.

クリスタ「必要とされていない……。いなくなっちゃいたい……」

アルミン「……」

クリスタ「うっ……ぐすっ……」ポロポロ

アルミン「確かに、目の前にこんなチャンスがあれば、そうしたくなっちゃうのもわかるよ……」

アルミン「でも、君は今まで壁のある世界で生きてこれたんだ。大丈夫」

クリスタ「……」ズズ

アルミン「神様お願いします」

クリスタ「へ……」

アルミン「クリスタが自分のことを嫌いでも……僕らは皆彼女が好きで、必要なんです」

アルミン「彼女が思ってるよりずっと」

アルミン「だからどうか、僕らの前から……消えないでいて、クリスタ」

184 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:29:11 ID:6RsmJLj.

クリスタ「アルミン……」

アルミン「ね、叶えてよ」

クリスタ「言ったでしょ……神様は……予感くらいしかできないの……」ポロポロ

アルミン「そうだった。じゃあクリスタに叶えてほしいな」

クリスタ「ふふっ……わかった」ニコ

アルミン「うん」ニコ

クリスタ「アルミン……」

アルミン「ん?」

クリスタ「痛かったよね……」

アルミン「あはは、とっても」

185 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:34:40 ID:6RsmJLj.

クリスタ「本当にごめんなさい。手当てしなきゃ」

アルミン「そうだね」

クリスタ「でもその前に煙弾撃とう」ゴソゴソ

アルミン「あっ待ってくれ。やってみたいことがあるんだ」

クリスタ「?」

アルミン「ミカサがね午前中、僕に言ってくれたんだ。何かあったら呼んでってさ」

アルミン「聞こえるはずないってわかってるけど、2人に助けを呼んでみたい」

アルミン「僕には家族がいないけど、家族と同じくらい繋がっていると信じてみたい……なんてね」ハハ

クリスタ「さっき……私がアルミンには家族いないでしょって言ったから……?」

アルミン「あれは僕を連れて行くための口実だったんだろ」

186 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:37:23 ID:6RsmJLj.

クリスタ「それでも……本当にひどいことを言っちゃった」シュン

アルミン「いいよ。ただ僕が今、2人に頼りたいから呼ぶんだ」

スウ

「エレン!ミカサ!」

「僕たちはここだ!」

「デートなんてまた今度にして!早く助けてくれ!!」

「呼んだらすぐに駆けつけてくれるんでしょ!?早く来て!!」

「お願いだ!」

「僕を、僕たちを助けて!!」

アルミン「はあ、はあ。すっきりしたー」

アルミン「と思ったら傷が……いたた」ズキズキ

187 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:38:35 ID:6RsmJLj.

クリスタ「エレンとミカサが2人でいるとき、アルミンは絶対に邪魔をしないのかと思ってた」

アルミン「もちろんそうだよ」

アルミン「2人には幸せになってほしいからね。僕は2人の側にいられるだけでいい」

アルミン「でもたまには図々しくなってみようと思ったんだ。君みたいに」

クリスタ「えへへ」

アルミン「……ちょっとして来なかったら、普通に煙弾を打とう。ありがとうクリスタ」

クリスタ「うん」ニコ

クリスタ「あっ」ゴソゴソ

アルミン(荷物あさってる……)

クリスタ「私のワイシャツと下着は……あ、下着あった」ヒョイ

アルミン「ぎゃあっ///」バッ

188 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:40:35 ID:6RsmJLj.

クリスタ「あれ……ワイシャツがない。落として来ちゃったみたい……」ゴソゴソ

アルミン「ぼ、僕のシャツも血がついてる。後で駅前で服を買おう」

クリスタ「うん。誰かが来るとしても、まだだよね。下着つけておきたいから、アルミン目をふせてもらってていい?」

アルミン「とっくにふせてるから!早くして!///」ドキドキ

クリスタ「うん」モゾモゾ

アルミン(君にはそういう恥じらいが足りないよ……もう!///)ドキドキ

ゴソゴソ

クリスタ「……クルマの中で変なことしちゃって、ごめんね」

アルミン「い、いえ……///」

クリスタ「私……必死で……」

189 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:43:36 ID:6RsmJLj.

アルミン「な……なんといいますか……すみません……///」

クリスタ「どうして謝るの?」キョトン

アルミン(いろいろと……初めてだったもので……///)

アルミン「き、気にしないで下さい……/// 僕こそ、肘噛んじゃったよね。痕残ってない?」

クリスタ「残らないよ。甘噛みしてくれたんだもん」

アルミン「そう……どちらにしろ、あとでよく洗ってね……」

「アルミーン!!」

アルクリ「!」

アルミン「本当に来ちゃった!しかも早っ!エレンの声だ!」

クリスタ「まだベルトしか外してないよっ」アタフタ

アルミン「雨具!雨具被って!」アタフタ

バサッ

190 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:53:38 ID:6RsmJLj.

――

エレン「アルミンどうした!?ボロボロじゃねえか!戦ったのか?」

ミカサ「人さらいはどこ?ズタズタにしてやる」ギリッ

アルミン「もういないよ。大丈夫だ」

ベルトルト「クリスタ、君は……?」

クリスタ「わ、私はどこも怪我してないから大丈夫」ニコ

ベルトルト「そう。……ライナーがどうなったかは分かる?」

クリスタ「ライナーもきっと大丈夫だよ。安心して」

ミカサ「アルミン」

アルミン「?」

ミカサ「アルミンが私たちを頼ってくれて、とても嬉しい」

ミカサ「今日は私たちに気を使ってくれたみたいだけれど……やはり任務を手伝わせて欲しかった」

アルミン「ごめん。ありがとう」

191 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/14(土) 00:12:52 ID:.o69yX4I

エレン「ミカサには言ったが、普段お前ら遠慮しすぎなんだよ。俺がバカみたいだからやめろよ」

アルミン「あはは」

エレン「ミカサなんて、2人の幸せが私の幸せって言ったんだぜ」

アルミン「えっ」

クリスタ「ふふっ」

エレン「ん?」

クリスタ「アルミンもさっき同じようなこと言ってたよ」

アルミン「ちょっとクリスタ!///」

エレン「はあ。3人で一緒に決まってんだろ。誰が誰について行くとかなしだからな」

ミカサ「うん」

アルミン「そうだったね」

エレン「よし、戻るぞ」

アルミン「うん。いた……っ」ズキッ

192 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/14(土) 00:13:39 ID:.o69yX4I

エレン「掴まれ」スッ

アルミン「ありがとう」ヨイショ

エレン「にしてもひでえ怪我だな。そんなに強かったのかよ」

アルミン「まあね。神様と戦ったんだ。いい訓練になったよ」

エレン「神様?」

アルミン「うん。神様と、神様が選んだ人さらいと。もう手強いのなんの。あはは」

1755――西口 世界時計前

トコトコ

エレン「ついた!西口世界時計前!」

ミカサ「誰もいない」

アルミン「言える立場じゃないけど……予想通りだ」ハァ

アルミン「もうすぐ18時か……予約時間だし、二手に別れよう」

エレン「予約?」

193 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/14(土) 01:03:41 ID:.o69yX4I

クリスタ「実はね!私、18時からカラオケを予約してあるの」ニコニコ

ベルトルト「カラオケ!?」

エレン「カラオケ?知ってるのかベルトルト?」

ベルトルト「い、いや……」アセ

アルミン「だからカラオケに行く組と、ここで他の皆を誘導する組に別れるよ」

クリスタ「ううん。私、1人で世界時計前で待つ」

アルミン「えっ」

クリスタ「私たち着替えたからコウバンの近くにいても多分平気だし……」

クリスタ「今日皆をここに連れてきたのは私だから、ちゃんと帰りを待ちたい」コソコソ

アルミン「でも……」

クリスタ「大丈夫。もういなくなったりしないよ」ニコ

アルミン「本当?」

194 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/14(土) 01:05:26 ID:.o69yX4I

クリスタ「うん」

アルミン「わかった……」

エレン「じゃあ行くか」

ミカサ「気をつけてクリスタ」

クリスタ「ありがとう」

アルミン「また後でね」

クリスタ「うん」

アルミン「……」

クリスタ「もう大丈夫だってば」

アルミン「うん」

テクテク

195 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/14(土) 01:10:07 ID:.o69yX4I

アルミン「……」チラッ

クリスタ「前見て歩くー」ムスッ

アルミン「あはは」

テクテク

――

その後僕らはカラオケに行った。全員がそろったのは18時40分頃。

当然こっちの世界の歌はわからず、大声大会開催。勝者はオニオンフライタワーと叫んだサシャ。

あ、2曲だけ知ってる曲あったよ。グレンノユミヤとジユウノツバサ。どうしてだろうね。

途中からライナーがクリスタと妙に距離をとってるようだった……何かあったんだろうか。

クリスタはいつも通りだった。いつもの優しいクリスタ。

とても心中を企んでいたとは思えないなあ。

皆でくだらないことばっかりした。お腹抱えて笑った。

そして彼女の仕草や言葉の数々が、追い打ちをかけるみたいに僕をくすぐった。

205 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:08:46 ID:1F5532F6

2105――センタービル展望台

アルミン「コォォニィィー!!」

コニー「!?」

アルミン「どういうこと!?どうしてコニーがカツラを持ってるのさ!?」プンスカ

ジャン「どうして麦わら帽子がヅラになってんだオラアアア!」キーッ

ミカサ「コニー……」ゴゴゴ

コニー「いっいや、その……多分だけど、俺アルミンの任務手伝ったときに」

コニー「アルミンの物資と俺の土産を逆にロッカーにしまっちまったみたいでよ、アハハ!」

ジャン「ふざけんなよテメエエエ!」

コニー「ずっずみまぜんっ!!」ヒイイ

アルミン「もうそれ回収!回収だからねーっ!」バッ

エレン「それにしてもあのヅラどっかで見たことねえか?」

サシャ「こんな髪型の人身近にいましたよね。誰でしたっけ……」ウーン

206 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:11:41 ID:1F5532F6

アルミン「うああああ!!もうやめてくれ!考えちゃだめだからね!」アセアセ

コニー「なんだよアルミン」

アルミン「ややこしくしたコニーに言われたくないよ!」ムキー

コニー「す、すまん」

ふう。危なかった……。

カツラ入手失敗なんかしたら、団長に髪むしられるところだった。

チラッ

ライナーとクリスタが2人きり……。

さっきの告白の話は……してるのか?

なんだか気になっちゃう……。ソワソワ

ライナーと付き合うのかな。ユミルは同性だし……。

ハッ!

いやいやだめだめ!恋の出歯亀はだめだってばもう!///ブンブン

207 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:12:31 ID:1F5532F6

あーもう……クリスタ……

例え同情や慈悲で選ばれたんだとしても……

君に心中を持ちかけられた三番手がどう思うのか、少しは考えてほしかった……。

2125――西口地下通路 センタービルから世界時計前へ

テクテク

キャッキャワイワイ

世界時計前に戻ったらロッカーの荷物を全部出そう。

『シンゲキノキョジン』……。

結局コウダンシャには行けなかったけど……あれの存在が僕らの世界を大きく変えるだろう。

あの裏表紙の敬礼が僕らの生死を予言しているとすれば、ライナーとベルトルト、アニが危ない。

早く中身を見てみないと……。

ん?

208 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:13:43 ID:1F5532F6

ジャン「な?頼むって」

サシャ「えー」

(サシャとジャンか。楽しそうだなあ)

サシャ「私のワンピース失くしたくせにー!」ムキー

ジャン「それは謝ったろ」

ジャン「ミカサとデートできるよう協力してくれ。パンでもなんでもやるからよ」

サシャ「どうしましょっかねー」ニヤニヤ

ジャン「なんだその顔。腹立つ」ツネッ

サシャ「いたあい!ほっぺつねらないでくださいよー!乙女のお肌が……。真っ赤ですか?」ヒリヒリ

ジャン「ハハハッ!トマトみてえ!」ケラケラ

サシャ「ひどー!」

ジャン「うるせえ。お前昨日俺に協力するって心臓捧げたろ?従え」

サシャ「乱暴されたからやめます!いーっだ!」

209 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:14:41 ID:1F5532F6

ジャン「おい反逆行為だぞ!」

サシャ「あはは!」

(敬礼……反逆行為か……)

「……ルミン」

エレン「おいアルミン!」

アルミン「へっ!?」ビクッ

アルミン「エレン……何?ごめんぼうっとしてた」

エレン「ちょっと話聞いてくれ」

アルミン「うん」

エレン「ミカサへの気持ちの答えの結果報告しないとな」

アルミン「そうだね」

210 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:15:59 ID:1F5532F6

エレン「俺はミカサが女子として好きだ」

アルミン(エレンが自覚したー!)パア

アルミン「じゃあ2人は」

エレン「でもミカサはよ、2度家族を失ってるし、俺に恩もあるだろうし……」

エレン「俺につきっきりで、元々俺以外の選択肢はねえみてえじゃん。それってなんかやだって思った」

エレン「だからあいつには、もっと他のやつとも喋ってみろって言ったんだ」

アルミン「だからさっきミカサはジャンといっぱい喋ってたんだね」

アルミン「変な結論だなあ」

エレン「いーだろ別に」ムスッ

アルミン「うん、いいと思うよ。でもエレン、ジャンを甘く見て負けないようにね」クスクス

エレン「はあ?当たり前だろ」

「エレン、次は私がアルミンと喋る」

211 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:16:56 ID:1F5532F6

――

ミカサ「私達の話はエレンから聞いた?」

アルミン「うん。エレンはエレンなりに、君を大事にしようと考えてたね」

ミカサ「口は悪いけれど……結局優しい。それがエレン///」テレテレ

アルミン「もうちょっと改善されるといいんだけどね。あはは」

ミカサ「今日は本当にありがとう、アルミン。あなたも好きな人ができたら相談してほしい」

アルミン「うんわかった。ミカサ、僕好きな人ができた」

ミカサ「!?」

アルミン「と言っても叶いそうにないんだけど……」

ミカサ「大丈夫……私が何としてでも振り向かせる……」ジャキン

アルミン「あはは、ミカサジョーク?」

ミカサ「……」ゴゴゴ

アルミン「ヒッ!だめだからね!」ガシッ

「アルミン、ちょっといいかい?」ヒョコッ

212 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:19:47 ID:1F5532F6

――

アルミン「大人のオモチャ任務手伝ってくれてありがとうね」

ベルトルト「どういたしまして」ニコッ

アルミン「でもね、領収書が大変なことになってる。宛名が『エルヴィンヅラのくせに』って……」

ベルトルト「ハハ、ごめん。それで……これ」ゴソゴソ

アルミン「ちょっ!そんないかがわしいもの袋から出さないでよ!///何なのさそれ!」

ベルトルト「“超大型ぞうさん shinjuku night”」

アルミン(さっきクリスタが言ってたやつ!あの子にこんな入れ知恵したのは誰だよもう!///)

ベルトルト「クリスタから貰ったんだ。好きな人を幸せにしてあげてってさ。やっぱり僕に回ってきた」ニコ

アルミン「ユミルと付き合ってるんでしょ?ネタは上がってるんだよ?」

ベルトルト「シャシンのこと?誤解だって」

アルミン「じゃあこれ誰に使おうっての?」

ベルトルト「ユミル」

アルミン「」

「おいベルトルさん、アルミンよこせ」

213 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:22:05 ID:1F5532F6

――

ユミル「お前がクリスタを止めたんだろ?」

ユミル「私はあいつが幸せなら……ここに残ることも選択肢の1つだと思っていたが……」

アルミン「ユミルってクリスタ大好きだね。ベルトルトのことは?」

ユミル「あ?手頃な暇つぶし」

アルミン(その暇つぶしに襲われないようにね……)

ユミル「お前はどうなんだ?ライナーから、お前もクリスタ狙いだと聞いた」

アルミン「当時は嘘だったんだけどね」

ユミル「当時は?」

アルミン「うん、今は嘘とは言い難いかな。散々迷惑被ったはずなのにね、はは」

ユミル「あいつなりに、同じみなしごのお前を何とかしようと思ったんだろ」

アルミン「うん、わかってる。クリスタはライナーの告白……受けると思う?」

ユミル「はあ?あいつは私のもんだ。しかもお前と心中図った後だしな。ねえよ」

ユミル「……惚れてるかどうかは知らね。まあ自分を好いてくれる人間なら……拠り所にはしてるんじゃねえの」

「アルミン、ちょっとこっち来い」

214 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:23:30 ID:1F5532F6

――

アルミン「さっきのカツラの件、ミカサへの誤解が解けてよかったね」

ジャン「いや最悪だろ……。くそかっこ良かったのに俺」ハァ

アルミン「まだ反撃の余地はあるよ。このくらい」スッ

ジャン「それだけかよ」

アルミン「でも元々望みは薄かったわけだし、かなり好転したと思うよ」

ジャン「お前はなんつうか、素で失礼なこと言うよな」

アルミン「今の冗談なんだけど……」

ジャン「才能はねえなお前」

ジャン「どうせお前はエレンサイドなんだろ」フン

アルミン「そんなことはないさ。ミカサが幸せになれるかどうかが問題だからね。こればっかりは」

アルミン「本物のプレゼントで、今度こそ頑張ってね」

ジャン「お、おお」

アルミン「それでさ、ひったくりに遭ったんだろ?どんなやつだった?」

ジャン「ああ。一生会いたくねえな、えっと……」

215 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:24:45 ID:1F5532F6

――

サシャ「この消臭剤味のガムあげますから質問いいですか?」

アルミン「ん?ああ、ありがとう」モグモグ

サシャ「あのですね、ジャンの恋の応援についてです」

サシャ「私はジャンに頑張れっていいました。でもちょっと嘘付いた気がしてて……なんといいますか」

アルミン「嘘と思うならそれ、君がジャンに恋してるってことじゃないのかなあ」

サシャ「///!?」

アルミン「だってそうでしょ?」

サシャ「そうなんでしょうか……///」

サシャ「でもジャンは馬面ですし、目つき悪し……結構かっこいいですし///」ドキドキ

アルミン(ん?コニーがこっち見てる……)

アルミン「いっ、いやあサシャ。それきっと、お腹すいてる証拠だよ!」アセアセ

サシャ「そうですかねアハハ!」

アルミン「ねえ、ひったくりってどんなやつだった?」

サシャ「えっとですね……」

216 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:26:26 ID:1F5532F6

――

アルミン「で、コニーはサシャが好きなんだね」モグモグ

コニー「内緒だからな!な!///」

アルミン「わかってるよ。どういうところが好きなの?」

コニー「よくわからんが好きだ。おっぱいでけえし」

アルミン「女性の胸は予想以上にナイーブなんだ。気をつけてね」

コニー「ん?でもおんぶしたときに俺の背中でおっぱいずっと潰れてたと思うぞ」

アルミン「痛がらなかったの?」

コニー「全然」

アルミン(クリスタは触れただけであんなに痛がって……もしかして何かの病気か?)

コニー「ってお前その食ってるガム……サシャから貰ったのか!?」

アルミン「うん。ちょっと不思議な味だね」モグモグ

コニー「今すぐ吐き出せ!腹壊すぞ!」

アルミン「ええっ!ぺっ!……そ、そういえば、ひったくりってどんなやつだった?」

コニー「えっとなあ……」

217 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:32:10 ID:1F5532F6

――

ライナー「告白は撤回した」

アルミン「!?」

ライナー「俺は、お前にならクリスタを任せられると思っている」

アルミン「正気かライナー!どうしてそんな……!」

ライナー「……」

アルミン(ライナーの性格では考えられないことだ……そこまでの理由が……)

アルミン「あ、あんなに好きだったじゃないか……君らしくない……。理由は?」

ライナー「……誰にも言うつもりはない……」

アルミン「……そう。わかった」

ライナー「クリスタは頼んだぞ」

アルミン「彼女の気持ち次第だよ……」

ライナー「だな。ところで悪いんだが……昼、クリスタが宝くじで当てた金を撒いたんだ」

アルミン「は?」

ライナー「それとなく理由を聞いてくれんか。気になって仕方ない」

218 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:37:57 ID:1F5532F6

――

クリスタ「内緒です!///」

アルミン「えっ」

クリスタ「もう!神様にもプライバシーがあるのー!アルミンは全部知らなくていいのー!」

アルミン「す、すみません……」

アルミン(プライバシーって言葉を持ちだされると……何も言えない)

アルミン「じゃあ神様、ジャンたちとひったくりを遭遇させたのは、君だね?」

クリスタ「うん」

アルミン「人さらいとは別の方法でだ。神様って人を思い通りに動かせないんだろ?」

アルミン「だから君はひったくりを……脅しでもしたんじゃないかな」

クリスタ「脅しじゃないよ、お願い」

クリスタ「あの時間の南口改札前」

クリスタ「ジャンとサシャに動いてもらわないと、アルミンと2人きりでいられないって予感がしたから」

アルミン「悪い子」

クリスタ「ごめんなさい」

219 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:42:38 ID:1F5532F6

クリスタ「でもよく気がついたね。“彼ら”について」

アルミン「ひったくりに遭った3人の話を聞いて、なんとなく」

アルミン「“彼ら”の存在は……最初からそんな気がしていたしね」

アルミン「巨人であるエレンを護衛も付けずに異世界へ送るなんて、まずないと思ったんだ」

アルミン「君がさらわれることが唯一のチャンスと言っていたのは、ああでもしないと“彼ら”に助けられてしまうから」

クリスタ「ふふっ、ご名答。本当に賢いねアルミンは」

アルミン「どうも」

クリスタ「でも、どうしてだろうね。別に内緒にしなくてもよかったと思うんだけど」

アルミン「……」

クリスタ「あのね……」

アルミン「……」

クリスタ「ライナーのこと」

アルミン「……うん」

222 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:49:14 ID:1F5532F6

クリスタ「私の返事を聞く前に、告白は撤回だって」

クリスタ「ライナーは私が思うような人間じゃないって言ってた……。とても辛そうに」

アルミン「思うような人間じゃない、か……」

クリスタ「アルミン?何か知っているの?」

アルミン「ううん……」

クリスタ「そう」

クリスタ「仕方ないよね。今日自分勝手やったつけが回ってきた。それだけ」

クリスタ「私は最初、ライナーの好意を利用しよう企んでいたんだから……」

クリスタ「でも、悲しいな……」

アルミン「……」

アルミン「ねえクリスタ、君は……」

アルミン(ライナーに惹かれているの……?)

クリスタ「ん?なに?」

アルミン「いや、なんでもない」フルフル

223 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:56:29 ID:1F5532F6

アルミン「あ、もう世界時計前につく。荷物とらなきゃね」

クリスタ「うん」

アルミン(きっと、僕の思い違いだ……)

アルミン(もしそうだとしても、人の恋路に口出しはできないし……)

2145――世界時計前付近のロッカー

バタン

エレン「これで荷物は最後だよな?」

アルミン「うん。手伝ってくれてありがとう」

224 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:57:27 ID:1F5532F6

「おーい」

エレアル「!」

ライナー「集合シャシン撮るぞ。世界時計を後ろにな」

ジャン「でもゲンゾウしねえんだろ?意味ねえじゃん」

ライナー「記念だ記念」

ミカサ「待って。撮る人が1人必要」

ベルトルト「今日1番怒られた人がやるべきじゃない?」ボソッ

一同「……」ジィ

コニー「俺かよ!?集合シャシンに集合できねえとか有り得ねーっ!」

クリスタ「私が撮るよ」

サシャ「えっ一緒に写りましょうよー」

アルミン「!」

225 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 01:58:40 ID:1F5532F6

アルミン「僕、近くの人に撮ってくれるようお願いしてくるね」

タタタ

アルミン「すみませーん。シャシン撮って頂けませんか?」

アルミン「ひったくりさん」

アルミン「いえ」

アルミン「リヴァイ兵長」

236 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:03:00 ID:433uCWlM

――

アルミン「皆!撮ってくれるって!」タタタ

エレン「さすがだアルミン!って……」

一同「……」

エレン「おい!どうしてあんな威圧感のあるチビに頼んだんだよ!?こええよ!」コショコショ

ライナー「頼むんだったらあっちのいいケツした姉ちゃんに頼めよ!」コソコソ

アルミン「しーっ!削がれちゃうよ!?」ヒヤヒヤ

エレン「じゃあ俺がここに立つからな」スッ

ジャン「当たり前のように真ん中陣取るじゃねえよ」

ミカサ「私がエレンの隣」サッ

ジャン「ミ、ミカサ!隣……///」ドキドキ

ミカサ「……」

サシャ「ミカサの隣はジャンですよー!」グイグイ

237 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:03:37 ID:433uCWlM

ジャン「おいサシャ押すなよっ!」

アルミン「ミカサ、僕はエレンの隣にするから」

ミカサ「なら構わない」

ジャン「しゃっ!」サッ

サシャ「よかったですね!」ニコニコ

コニー「んで俺はサシャの隣だよな!」

サシャ「そうなんですか?」

コニー「い、いいか?」

サシャ「もちろんです!」ニコ

ユミル「私はクリスタの側ならどこでも……」

ライナー「……」スッ

ユミル「おい無言でクリスタに近づくなクソゴリラ」

クリスタ「いいじゃない。ほらほらユミルはベルトルトの隣へどうぞーっ!」グイグイ

238 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:04:14 ID:433uCWlM

ユミル「ちっ」

ベルトルト「ひど」

ライナー「おい待て、ベルトルトとユミルはこっちだ」

ユミル「……ったく」

ベルトルト「え?どうして?」キョロキョロ

ユミル「のっぽは邪魔くせえんだっつの。おら、そのままつめろよ」

アルミン「!」

クリスタ「!」

アルミン「……」

クリスタ「お隣になったね」

アルミン「うん」

クリスタ「楽しかった?」

アルミン「うん」

クリスタ「でもアルミン、とっても悲しそうな顔してる。どうして?」

アルミン「今日が楽しすぎたからじゃないかな」

239 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:13:08 ID:433uCWlM

クリスタ「でも……」

アルミン「僕は同期の皆が好きだよ」

クリスタ「?うん」

アルミン「訓練兵時代から、ずっとそう思ってたし」

クリスタ「アルミン?」

アルミン「これからも……」

クリスタ「……」

アルミン「……」

クリスタ「アルミン……どうかしたの?」

アルミン「いや……」

アルミン「ごめん。何でもない。笑顔で写ろうね」ニコ

クリスタ「うん」ニコ

240 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:14:32 ID:433uCWlM

サシャ「皆さん!ここは景気付けに、ポーズでも決めましょうよ」

エレン「そうだな。いっちょ心臓でも捧げとくか」

アルミン「ははっ、かなり軽い捧げ方」

エレン「俺らにはこれだろ」

サシャ「号令は私がやりましょうか」モグモグ

コニー「ガム食いながらのヤツはだめだろ」

ジャン「主席がやるべきだな」

ライナー「いいな、それ」

ミカサ「わ、私は……/// エレンに譲る」

エレン「おっ!じゃあ代表して……」ニヤニヤ

ジャン「おい待て!俺あミカサに頼んだんだぞ!だったら俺が!」ズイッ

241 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:16:04 ID:433uCWlM

エレン「はあ!?でしゃばんな!」

ジャン「うるせえ!」

ギャー ギャー…

「心臓を捧げよ!!」

「はっ!!」バッ

カシャッ

エレン「ん?今誰が言った?」キョロキョロ

アルミン「待ちくたびれたんだろうね、きっと」

242 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:39:22 ID:433uCWlM

2200――

「全員荷台に乗ったかー」

「おいっベルトルト俺を落とす気かよ!」グイグイ

「そ、そんなつもりは」アセアセ

ガヤガヤ

アルミン(今、僕にできること……)

クリスタ「アルミン?どうしたの?あとは私達が乗るだけだよ」

アルミン「……」

クリスタ「ねえ」

アルミン「君のこと考えると、うずくまっちゃいたくなるんだ」

クリスタ「お腹痛いの?」

アルミン「ううん。君のために何ができるか……考えてた」

アルミン(でもどれも……)

クリスタ「……?」

クリスタ「ありがとう。気持ちだけで十分だよ」ニコ

243 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:40:20 ID:433uCWlM

アルミン「……っ」ブンブン

クリスタ「違うの……?」

アルミン「1つ聞いてもいい?」

クリスタ「どうぞ」

アルミン「君はユミルを誰より大切にしていて、ライナーに惹かれているね?」

クリスタ「……!」

アルミン「僕と心中しようとした後だからって、遠慮しないで」

クリスタ「……うん」

アルミン「そう……」

アルミン(時間だ……)

アルミン「神様ご相談があります」

クリスタ「なんでしょう?」

244 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:44:52 ID:433uCWlM

アルミン「耳を貸して」

クリスタ「ん?」

アルミン「君をさらってもいいかな」

クリスタ「アルミン……?」

アルミン「……」

クリスタ「さっき兵長と喋ってから様子が変だよ。何か言われたの?」

アルミン「事情が変わったんだ」

クリスタ「事情って」

アルミン「ここから君をさらった場合……。予感の力を発揮してみて」

クリスタ「……先輩たちに捕まって、元の世界に強制送還」

245 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:45:41 ID:433uCWlM

アルミン「うん。だから元の世界には帰るよ。でもその前に、一緒にシンジュクを跳んでくれないかな」

アルミン「君と跳びたい」

アルミン「先輩たちが帰るまでは、荷台通じるんでしょ?」

クリスタ「そうだけど……」

アルミン「じゃあお願い。昼は僕がさらわれたんだ、さらい返したっていいだろ?」

アルミン「ってのは冗談だけど……」

アルミン「どうだろう?」

クリスタ「どうって……」

クリスタ「アルミンが今、何を考えているのか……わからないんだけど……」

246 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:51:14 ID:433uCWlM

アルミン「僕自身も今こんがらがってるんだけど……」

アルミン「でも僕にはこれくらいしかできないから、ぜひ君をさらいたい」

クリスタ「……そう」

アルミン「……」

クリスタ「いいよ」

ガッ!!

一同「!?」グラッ

247 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:52:43 ID:433uCWlM

ジャン「ア、アルミン!?何荷台蹴ってんだ!」

コニー「動き始めちまったぞオイ!」

ライナー「!」

エレン「アルミン!クリスタ!早く乗れ!」

ミカサ「元の世界に帰れなくなる!」

アルミン「エレン!ミカサ!」

アルミン「荷物を守って!」

エレン「は……お前も乗れよ!何やってんだよ!」

アルミン「クリスタ!行こう!」ダキッ

クリスタ「わっ」フワッ

バシュー…!

248 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:55:28 ID:433uCWlM

――

バシューッ

クリスタ「キラキラしてる」

アルミン「そうだね」

クリスタ「夜でも跳べるね」

アルミン「うん」

クリスタ「アルミン」

アルミン「ん?」

クリスタ「私、1人でできるよ?アルミン怪我してるし……」

アルミン「こっちのほうがさらった感が出てるでしょ」

クリスタ「なにそれ」クスクス

クリスタ「さっきも展望台から景色を眺めたけど……立体機動だと違うね」

アルミン「うん。夜風も気持ちいい」

クリスタ「大きな赤い星」

249 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 22:56:25 ID:433uCWlM

アルミン「あれは高層ビルのライトだよ。点滅してる」

クリスタ「まぎらわしい」プスー

アルミン「クリスタ」

クリスタ「ん?」

アルミン「君はまだ、ここに残りたいと思う?」

クリスタ「どうだろうね。今一緒に来てって言ったら、アルミンは来てくれるのかな?」

アルミン「……」

クリスタ「嘘。いいの。ちゃんと戻るよ。そう決めたから」

クリスタ「……どうしてこんなことを?」

アルミン「一緒にさらわれたときに、僕は君にお願いしたよね」

アルミン「僕らの前から消えないでねって」

クリスタ「うん」

アルミン「念を押しておこうと思ったんだ。言いたいことも増えたし」

クリスタ「ふふっなにそれ」

250 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 23:02:20 ID:433uCWlM

アルミン「僕はね、君が好きだよ」

クリスタ「……!」

アルミン「今日は君に翻弄されて、散々な目に会った」

アルミン「あんなに迷惑かけられて、三番手ともわかってた……それなのに、僕は君を好きになった」

クリスタ「アルミン……私」

アルミン「いいんだ、聞いてくれるだけでいい」

クリスタ「……」

アルミン「今はただ、僕は君が好きで、君を必要としている人間はここにもいるんだってこと」

アルミン「君をさらって、伝えたかった。言葉より行動で」

クリスタ「アルミン……」

アルミン「それとね、君がいなくなったら皆がどう思うのか、知ってほしかったから」

アルミン「きっと帰ったら大変なことになってるよ」

251 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 23:03:17 ID:433uCWlM

クリスタ「泣かれちゃう?」

アルミン「うん。そして僕は怒られる」

アルミン「ふふっ」

アルミン「だから……」

クリスタ「うん。わかった。消えたりしない。ありがとうアルミン」

アルミン「……っ」ウルッ

アルミン「でさ、もしさ……」

クリスタ「……?」

アルミン「もし、君がこの先、辛くなってしまったら……」

アルミン「君を連れて帰る僕を、恨んでくれていい……」

クリスタ「……」

アルミン「……」

クリスタ「……変なの」

アルミン「え……」

252 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 23:04:07 ID:433uCWlM

クリスタ「アルミンを巻き込んでしまったのも、元の世界で生きようと決めたのも私」

クリスタ「どんなことが起こってもアルミンのせいなんかじゃない」

アルミン「優しいね……」

クリスタ「アルミンこそ」

アルミン「……」ポロポロ

クリスタ「人さらいさんが泣いてる」

アルミン「あはは……格好悪いよね、台無し……」

クリスタ「そんなことない」

アルミン「僕ね、今頭の中がごちゃごちゃなんだ……」

クリスタ「そう……よかったら理由を、教えてほしいな」

アルミン「ごめん……」ズズッ

クリスタ「そう」

クリスタ「さっきのライナーもそうだった。泣いちゃっているのに理由を教えてくれないの」

クリスタ「アルミンもライナーも、納得できない理由だったら、怒りますからね」ニコ

253 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 23:05:31 ID:433uCWlM

アルミン「うん……」

アルミン(僕にできることはきっと……ここまでなんだ……)

アルミン「う……っ」ポロポロ

グラッ

アルクリ「わっ!」

ダンッ

アルミン「あ、危ない……」ヒヤヒヤ

クリスタ「泣いてちゃ前がみえないよ。袖でいい?」

アルミン「うん、ごめん」

クリスタ ゴシゴシ

アルミン「ありがとう。見えた」

クリスタ「ふふっ」

アルミン「ん?」

クリスタ「神様をさらうなんて」

アルミン「貴重な体験だよ」

254 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 23:12:08 ID:433uCWlM

クリスタ「ねえ、せっかく夜のダンジョンを立体機動装置でお散歩できてるだから、もっと楽しもう?」

アルミン「へ……」

クリスタ「明日のことは明日考えよう。私達はまだ、ダンジョンにいるんだから」

クリスタ「ね。先輩に捕まるまでは」

アルミン「うん。じゃあこの際、必死で逃げてみようかな」

バシュー

クリスタ「あっ見て!サザンテラス口!」

アルミン「じゃあこの道が甲州街道だ。この道をずっと行こう」

クリスタ「クルマの光が川の水みたい。先に何かあるの?」

アルミン「ずうっと行けば、海の近くまで行ける。とりあえず、ガスがなくなるまで遠くに行こう」

アルミン「ガスが切れたらデンシャに乗って、海を見ようよ。それから海の魚を食べてみたいなあ」

クリスタ「そんなこと言ってたら、本当に逃げ切れちゃうかもよ?」クスクス

アルミン「あははっ」

クリスタ「海ってしょっぱいんでしょ?」

アルミン「うん。きっとこんな顔になるよ、こーんな顔」

255 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/20(金) 23:15:07 ID:433uCWlM

クリスタ「ふふっ変な顔」クスクス

アルミン「あはは」ケラケラ

グラッ

アルミン「わっ!」

クリスタ「また!よそ見しちゃだめー!」

アルミン「はは、ごめんね」

その後、もちろん僕らは先輩たちに捕まり、元の世界へと強制送還された。

任務を放棄したとして罰をくらうかと思ったけど、先輩たちは見逃してくれた。

帰還後――団長の部屋

トントン

「入りたまえ」

258 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 00:43:15 ID:3b5QNSD2

ガチャ

アルミン「失礼します」

エルヴィン「座りなさい」

アルミン「はい」

エルヴィン「神様を連れ去るとは……君は面白いことをしたな」

アルミン「すみません……」

エルヴィン「いや。任務自体に支障はなかったんだ。無事でよかったよ」

エルヴィン「……飲んでいきなさい」カチャ

アルミン(紅茶)

アルミン「頂きます」

エルヴィン「君は、私の命令を守れなかったのだね」

エルヴィン「何も考えず、少年でいなさいという命令が」

アルミン「はい……。団長のお心遣いだったのだと、痛感しています」

エルヴィン「言ってごらん」

260 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 01:30:10 ID:3b5QNSD2

アルミン「まず……出発前のハンジさんの説明には嘘がありましたね」

アルミン「あの荷台以外は異世界へ繋がらないって……」

エルヴィン「……」

アルミン「僕らが出発してから、先輩方も別の荷台で後に続き、僕らの動向を観察していた」

アルミン「特別作戦班の先輩方はエレンと神様クリスタの護衛」

アルミン「そしてリヴァイ兵長とハンジさんは……」

アルミン「裏切り者を探していた……そうですよね……?」

エルヴィン「ああそうだ」

エルヴィン「君は帰還前、リヴァイに質問したそうじゃないか」

エルヴィン「“ライナーとベルトルトか”と」

268 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:46:41 ID:3b5QNSD2

アルミン「はい……」

エルヴィン「なぜわかった?」

アルミン「書物『シンゲキノキョジン』からの推測です」

アルミン「この世界の情勢が記されていたあの書物の裏表紙には、104期成績上位10名の敬礼姿が描かれていました」

アルミン「そして死亡した者はそこから消える……最初はそう解釈しました」

アルミン「しかし帰還間際、敬礼は公に心臓を捧げる決意を示すもの」

アルミン「その意志を否定した、心臓を捧げられなくなった者も消える対象なのでは、と考え直しました」

エルヴィン「つまり死者、もしくは……反逆者。裏切り者か」

アルミン「はい。これから先、敬礼姿が消えるのは、ライナー、ベルトルト、アニですが」

アルミン「その考えを濃厚にしたのはアニ・レオンハートです」

アルミン「彼女は憲兵になったので僕らより死ぬ確率は極めて低いはずなのですが」

アルミン「女型の巨人と呼ばれるものが捕獲された次の巻から、敬礼姿が消えているんです」

アルミン「さらに女型の巨人と思しき巨人の絵は、アニ独特の格闘術の構えと酷似していて……」

アルミン「彼女はマルコの立体機動装置を所持していたこともあるし……可能性はあると思いました」

269 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:47:29 ID:3b5QNSD2

エルヴィン「ライナーとベルトルトも同様に、裏表紙からか」

アルミン「はい。彼らは超大型巨人、鎧の巨人の正体が明らかになった次巻から、敬礼姿が消えました」

アルミン(それにライナーは……告白の撤回がとても不可解だったから……)

アルミン(“思うような人間じゃない”という断り方を含めて)

アルミン「つまり確証は1つもありませんでした。反逆ではなくただ死亡したという方があり得ますから」

アルミン「あとはリヴァイ兵長の顔を窺って……」

エルヴィン「はは、リヴァイは15歳にカマをかけられたとふてくされていたよ」

アルミン「すみません」

エルヴィン「君の言う通り、リヴァイとハンジは世界時計前でロッカーを監視していた」

エルヴィン「前日、君に世界時計前のロッカーを使うよう促したのはそのためだ」

エルヴィン「そして証拠を掴んだ」

エルヴィン「明日ライナー、ベルトルト両名を拘束する。彼らは黒だ」

アルミン「帰還時の物資落下事故を起こしたのも、やはり彼らですか?」

エルヴィン「おそらくな。やられたよ全く」

270 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:48:15 ID:3b5QNSD2

エルヴィン「君の言う『シンゲキノキョジン』を含む物資を持ち帰れなかったのは非情に残念だ……」

エルヴィン「憲兵のアニ・レオンハートについても容疑者として調べを進める」

アルミン「あの……」

エルヴィン「ん?」

アルミン「リヴァイ兵長から聞きました。ユミルはなぜ捕らえられるのでしょうか……?」

エルヴィン「彼女はベルトルトが巨人であることを知っていたようだったとの報告がある」

エルヴィン「しかし彼女はどうやら事情が違うようだ……。彼女とは良い関係を築きたい」

アルミン「今後僕らは、ユミルと面会はできるんですか?」

エルヴィン「彼女の協力次第だな」

アルミン「そうですか……」

エルヴィン「……」

アルミン「まだ……信じられません……3年もずっと一緒でしたから」

エルヴィン「無理もない」

アルミン「思い違いであってほしかった……」

アルミン「だってあんなに楽しかったのに……一体どうして……」

271 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:49:12 ID:3b5QNSD2

エルヴィン「……」

アルミン「ライナーもベルトルトも、僕らにとてもよくしてくれていました……本当に楽しかった……」

エルヴィン「しかし事実だ」

エルヴィン「まだ他にも共謀者がいるかもしれない。油断はできない」

アルミン「はい……」

エルヴィン「……」

アルミン「僕自身、心の整理がついていないのですが……」

エルヴィン「?」

アルミン「彼女が心配です……」

エルヴィン「クリスタ・レンズか」

アルミン「ライナーが人類の敵だと知ったら……」

アルミン「いや……ユミルだって今はどうなるかわからない……」

272 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:51:31 ID:3b5QNSD2

アルミン「そしたら、彼女はまた……この世界から消えてしまいたくなるんじゃないかって……」

アルミン「彼女にとって2人はきっと特別な存在です……」

エルヴィン「それで彼女をさらったのか」

アルミン「僕は」

アルミン「僕の気持ちを伝えることぐらいしか……できないですから……」

アルミン「さらっちゃいたいくらい好きです……みたいな、はは」

アルミン「なんて……」

エルヴィン「……」

アルミン「……」

エルヴィン「君が責任を感じる必要はない」

エルヴィン「遅かれ早かれ、この事実は明らかになっていただろう」

アルミン「……」

273 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:53:02 ID:3b5QNSD2

エルヴィン「彼女はどこまで予感できているんだろうな」

アルミン「気づいていると……?」

エルヴィン「彼女の力については結局不明瞭なままだったからな」

エルヴィン「どちらにしろ、明日から彼女は神様ではなくなる。今まで通りのクリスタ・レンズだ」

エルヴィン「支えてあげなさい」

アルミン「はい……」

エルヴィン「……」

アルミン「……」

エルヴィン「……初恋か?」

アルミン「ええっ!」ガタッ

アルミン「えっと……は、はい……///」テレテレ

エルヴィン「いつ頃から?」

274 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 17:55:23 ID:3b5QNSD2

アルミン「今日ですかね……///」テレテレ

エルヴィン「告白まで1日かからなかったのか。ずいぶんと早い」

アルミン「えっおかしいですか!?」

エルヴィン「愛の逃避行も含めれば極々少数派だ」

アルミン「あああ愛の逃避行なんて!///僕たちは、ちゃんと帰還するつもりでした……」

エルヴィン「中々すばしっこかったと聞いたが」

アルミン「そ、それは……」

アルミン(もう少し一緒にいたいとか……思っちゃってたら……///)

エルヴィン「はは、愛の力か」

アルミン「団長……からかってますね」ム

エルヴィン「すまない。大人は君たちのような年頃の子を、ついからかいたくなるんだ」

アルミン(もう……)プスー

エルヴィン「新兵には戦場に赴く前に……死んでしまう前に、ただの少年少女として生きて欲しい」

エルヴィン「我々はそう願っていた。昨日も言ったね」

エルヴィン「巨人や死に怯えない、穏やかな時間を過ごして欲しいと。それが叶ってよかったよ」

275 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 18:10:27 ID:3b5QNSD2

アルミン「でも……」

エルヴィン「ああ。実際はそれぞれが1日を楽しんだ裏で、それぞれの思惑もまた作用し合っていた」

エルヴィン「しかしそうだとしても、我々は君たちに、やはり感謝するよ」

アルミン「……」

エルヴィン「君もきっと、大人になればわかるだろう。我々の気持ちが」

エルヴィン「だからアルミン」

アルミン「はい」

エルヴィン「今は現実を飲み下し」

エルヴィン「そして生き残りなさい」

エルヴィン「これは命令だ。従いなさい」

アルミン「はい」

276 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 18:16:45 ID:3b5QNSD2

エルヴィン「でだ。私のウィッグを調達できなかったことに関してだが……」

アルミン「代わりに僕の髪をむしるんですか?」ガタガタ

エルヴィン「……」

――

迷宮シンジュクダンジョン。

行き止まり、遠回り、近くにいるのに出会えない。なかなか相手に届かない。

募る想いは迷子になった。僕らはそんな恋をした。

壁なんてない、巨人なんて知らない世界の、

ただの少年少女みたいにね。

この先、世界はどう転がるかはわからない。

ただ、クリスタ。君のためにできること、僕は一生懸命考える。

277 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 18:19:16 ID:3b5QNSD2

――

タタタ

クリスタ「お待たせアルミン!って、あれ……」

クリスタ「ライナー」

ライナー「クリスタ」

クリスタ「ライナーもアルミンに呼ばれたの?」

ライナー「ああ。まあ待つか」

クリスタ「うん」

ライナー「……」

クリスタ「……」

ライナー「来ると思うか?」

クリスタ「ううん」

ライナー「だよな。全くあいつは、さっきはクリスタをさらっておきながら……」

278 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 18:20:08 ID:3b5QNSD2

クリスタ「うん。アルミンは優しすぎる。本当に……」

ライナー「?」

クリスタ「ライナー」

ライナー「ん?」

クリスタ「会えてよかった」

ライナー「俺にか?」

クリスタ「聞いて欲しいこと、あったから」

ライナー「そうか。なんでも聞くぞ」

クリスタ「あのね、さっきサシャが百味ガム落としたって騒いでて……」

ライナー「待て。なんでも聞くと言ったが、それ明日でもよくないか?」

クリスタ「今がいいのー」

ライナー「お、おう」

――

279 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/21(土) 18:33:38 ID:3b5QNSD2

アルミン「新宿の巨人」

クリスタ「サザンテラス口」

おしまい

――

新宿の巨人シリーズ、104期調査兵団ひとまずお終いです。
回収してない点については、リヴァイとハンジ番外編でまた今度。

クリスタは無理心中なんてしないよね…。
そして容赦の無い終わり方にしてすみません。ええっ!てなった方が多いかと思います…。
色んなエンド考えて悩んだけど、個人的にはどのキャラも魅力的すぎて容赦無くなった気がします。

このシリーズについて、何か疑問があれば答えます。
あと、誰視点が面白かったかよかったら教えてほしいです。

以上です。長い間お付き合いありがとうございました。もうほんと。

あとでアルクリでおまけ書きます。幸せなやつをお口直しに。

298 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 00:40:43 ID:cp.Un8M.

――

短いですが、アルクリでおまけ。本編と関係なし。

――

アルミーン

なにクリスタ?

洗面所の電球切れたー

ほんとだ

私あとで替えておくから

えっ

だから今はこっちの電気使ってね

そんな。今僕が替えるよ。予備とってきて

いいの?時間は?

まだ余裕あるから

299 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 00:42:34 ID:cp.Un8M.

ありがとう タタタ

脚立脚立っと ガタッ

はい、予備の電球。お願いしますっ

お願いされました

ゴソゴソ…

ところでアルミン

んー?

今日は何日でしょー? ガバッ

わっちょっと危ないよっ グラッ

でしょー? ギュー

もちろん覚えてるよ

ふふっ

300 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 00:45:24 ID:cp.Un8M.

お店の予約はぬかりなく

さすがアルミン

17時に新宿西口の…

世界時計前集合ね

うん

楽しみっ

だね

…でさ

なあにー?ギュウウ

一旦離れようか

301 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 00:50:30 ID:cp.Un8M.

えっ

安心して電球替えられないよ

あっそうだね

ゴソゴソ…

ねえ

んー?

どうして今日アルミンはお仕事なの… シュン

翌日休暇をとってって君が言ったー

そうだけど… プスー

はいこれ、古いやつ持っといて

うん…



… プスー

303 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 00:53:47 ID:cp.Un8M.

クリスタ



今夜はゆっくりできるから…

うん…





クリスタ



それっ グイッ

きゃっ…

305 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 00:59:49 ID:cp.Un8M.

モゾモゾ…

電球も替えたことだし…もう行かなきゃ ニコ

ふふっそうだね

306 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 01:01:10 ID:cp.Un8M.

ガチャ

いってきまー…

アルミン!

ん?

待ってメガネ忘れてるっ タタタ

あっごめん取りに行かせて

これこれー タタタ



どうしたのアルミン?

307 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 01:02:21 ID:cp.Un8M.

僕今両手がふさがってるんだ

ふさがってないよ?

塞がってるつもり。だからお願い ズイッ

…?

ほらほら

チュッ

あれ

え?

メガネかけて欲しかったんだけど…

308 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 01:05:10 ID:cp.Un8M.

あっ間違えちゃった

あはは

カチャッ

装着完了っ

得した気分 フフン

もう、アルミンったら クスクス

行ってきます ニコ

行ってらっしゃい ニコッ

バタン

309 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 01:08:13 ID:cp.Un8M.

はっ!

夢か……だよね……

知らない世界だったなあ

シンジュクって何だ……

朝だ。顔洗いにいこ

トコトコ

310 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/22(日) 01:09:22 ID:cp.Un8M.

ふああ……っ

よおアルミン。でけえあくびだな

おはようライナー。浮かない顔だね

今日はクリスタが夢に出てこなかった

当然だよ

どうして?ハテ

クリスタは2人もいないからさ



おしまい

323 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/25(水) 20:56:56 ID:SGG/6qJc

約束のタイムテーブルです。思いの外全員がバラバラに動いたので、エレミカ以外は単体に。
面倒で書かなかったところと、書き忘れたところがあると思いますが、いいよね。ん?と思うところは多分リヴァハンのせいです。
アニとマルコも書きたかったな。

以上です

続編

nobuhiro1983
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@nobuhiro1983

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ロッド・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

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ロッド・レイスとは、「進撃の巨人」に登場するキャラクターである。壁内人類の真の王家であるレイス家当主。実質的には壁内での最高権力者である。ウーリ・レイスの兄であり、フリーダ・レイスやヒストリア・レイスの父親。正妻との間に5人の子がいたが、当時使用人として働いていたアルマとも関係を持ち、ヒストリアが産まれたことにより、事実的には子供は6人。だがグリシャにより正妻との間の子は皆殺されてしまい、生き残っている子供はヒストリアただ1人である。

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ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ケニー・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物で、中央第一憲兵団対人立体機動部隊の隊長。かつて「切り裂きケニー」の異名を取った大量殺人鬼だったが、ウーリ・レイスとの出会いを経て現在は中央第一憲兵団に所属し対人戦闘を専門とする部隊を率いている。リヴァイ・アッカーマンの育ての親であり、彼に戦闘技術を教えた人物でもある。その戦闘能力はリヴァイと同等かそれ以上であり、対立した調査兵団を大いに苦しめた。

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ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ヒッチ・ドリスとは『進撃の巨人』の登場人物で、憲兵団の新兵。アニ・レオンハートとは同期でルームメイト。ウェーブヘアが特徴の少女で、軽薄で不真面目な言動が多い。他の新兵同様安全な内地で楽をするために憲兵団に入ったが、実は機転の利くところがある。アニのことは愛想のない同期だと思っていたが、ストヘス区の戦闘以降行方不明になったことを心配しており、アニの正体が「女型の巨人」であることを知って大きなショックを受けていた。同期のマルロ・フロイデンベルクに好意を持っているが、マルロ本人は気づいていない。

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エルヴィン・スミス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

エルヴィン・スミス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

エルヴィン・スミスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団第13代団長である。調査兵団は人類の生存圏を広げることを目的とし、日々巨人との死闘を繰り広げている。その類まれなる頭脳と判断力から大きな功績を挙げているが、目的のためなら手段を選ばない非情さから「悪魔的」と称されることもある。彼の真の目的は世界の真実を解き明かし、「人類は王家によって記憶を改竄された」という父の仮説を証明すること。人類最強と称されるリヴァイ兵士長を調査兵団に入れたのも彼である。

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ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ベルトルト・フーバーとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団団員。第104期訓練兵団を3位で卒業し、どの分野でもそつなくこなすことができる優秀な人物である。ただし優柔不断で判断を他人に任せる傾向があり、積極性に欠けることから他の同期と比べると少し影が薄い。その正体は、ウォール・マリア陥落の主因となった「超大型巨人」であり、始祖奪還作戦のために大国マーレから派遣された「マーレの戦士」の1人だった。任務を達成し故郷に帰ることを切望していたが、結局その願いは叶わず異国の地で命を落とすこととなる。

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ライナー・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ライナー・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ライナー・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団の団員。主人公エレン・イェーガーとはウォールローゼ南区第104期訓練兵団時代の同期である。責任感が強く、リーダーシップもあることから同期の中ではまとめ役を担っていた。しかし、その正体はウォール・マリアを破壊した「鎧の巨人」であり、始祖奪還を目的にパラディ島に送り込まれたマーレの戦士である。正体が判明した後はたびたびエレン達と対立し、始祖の力を巡って死闘を繰り広げていく。

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ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ポルコ・ガリアードとは『進撃の巨人』の登場人物で「顎の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成される「マーレの戦士」の一員として、「顎の巨人」の持ち味である硬い顎と牙や俊敏性を活かし数々の戦場で活躍している。戦士候補生時代の同期であるライナー・ブラウンとは「鎧の巨人」継承権をめぐって争ったライバルだった。自分ではなく能力の低いライナーが「鎧の巨人」継承者として選ばれたことや、兄のマルセルがライナーをかばって巨人に食われたことから、ライナーに対して悪感情を抱いている。

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ガビ・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ガビ・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ガビ・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で、「マーレの戦士」候補生。天真爛漫で型破りな性格で、憧れの従兄であるライナーから「鎧の巨人」を継承するため日夜訓練に励んでいる。パラディ島のエルディア人を悪魔の末裔として強く憎んでおり、彼らを皆殺しにして自分達善良なエルディア人を収容区から解放することを願っていた。しかし成り行きでパラディ島に渡ることとなり、そこで出会った人々との交流からガビの考え方は変化し始める。

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ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ハンジ・ゾエとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団所属のベテラン兵士。初登場時は分隊長だったが、後にエルヴィン・スミス団長の後を継いで調査兵団第14代団長に就任する。ゴーグル(平常時は眼鏡)を着用し、茶髪を無造作に1つにまとめた中性的な外見をしている。明るく聡明な人物だが、巨人に対する情熱は人一倍で変人揃いの調査兵団内でも特に異彩を放っている。ウォール・マリア最終奪還作戦以降は左目を負傷したことから眼帯を着用している。

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アルミン・アルレルト(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

アルミン・アルレルト(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。

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ダリス・ザックレー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリス・ザックレー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリス・ザックレーとは『進撃の巨人』の登場人物で憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を束ねる総統。特別兵法会議においてエレン・イェーガーの処遇を調査兵団に委ねた人物である。王政編では調査兵団団長のエルヴィン・スミスや駐屯兵団司令官のドット・ピクシスらと共にクーデターに加担する。実はエルヴィンが決起する以前から王政に根深い嫌悪感を抱いており、密かに体制転覆の機会をうかがっていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政幹部達に喜々として拷問を行っている。

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進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。

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ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。

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クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。

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イェレナ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

イェレナ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。

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ジャン・キルシュタイン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ジャン・キルシュタイン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ジャン・キルシュタインとは『進撃の巨人』の登場人物で、調査兵団に所属する兵士。第104期訓練兵団を6番で卒業した。自己の保身を第一に考える現実主義者で、思ったことを率直に言い過ぎる性格からたびたび主人公のエレン・イェーガーと対立していた。当初は巨人の脅威から逃れるために内地への配属を希望していたが、友人のマルコ・ボットが戦死したことで考えを大きく変え、調査兵団に入団する。入団後は持ち前の現状把握能力を活かして同期のまとめ役として活躍した。

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フリーダ・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

フリーダ・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。

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