フリーダ・レイス（進撃の巨人）の徹底解説・考察まとめ

フリーダ・レイスのプロフィール・人物像

身長：171cm
体重：57kg
年齢：不明
誕生日：2月2日
CV：日笠陽子

フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、壁内の真の王家レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれ、叔父のウーリ・レイスから代々レイス家に受け継がれてきた「始祖の巨人」を引き継いでいる。真の王家ながら、身分を隠すために表向きは地方の貴族として振る舞っている。フリーダの飾らない心優しい性格は領地でも評判であり、多くの者から慕われていた。また、妾の子という出自故に周囲から疎まれていた異母妹ヒストリアの事も気にかけており、何度も彼女に会いに行っては読み書きを教えたりして共に過ごしていた。
レイス家は自身達の正体を隠すために偽りの王家を用意する一方、中央上層部からは真の王として崇められていた。ウォール・マリア陥落の日、ヒストリアを除いた家族全員で礼拝堂の地下に集まった際に、エレンの父グリシャ・イェーガーがレイス家を襲撃。フリーダは巨人化してグリシャと交戦するが、引き継いだばかりの始祖の能力を十分に発揮できず、フリーダはグリシャに「始祖の巨人」を奪われ死亡。
その後、グリシャは息子であるエレンに巨人能力を移したため、レイス家の「始祖の巨人」の能力はエレンに宿っており、断片的ながらもフリーダの記憶も引き継いでいる。

フリーダ・レイスの来歴・活躍

レイス家

1800年以上前、ユミル・フリッツが「大地の悪魔」と契約し巨人の力を得たエルディアは、瞬く間に領土を拡大しエルディア帝国を建立した。それから13年後、始祖ユミルが死亡、しかし、彼女の巨人の力は九つに分かれ「九つの巨人」が誕生した。以降、エルディア帝国は巨人の力を以って大国マーレを打ち倒し、今の人類が3回絶滅するほどの人間を虐殺し、他民族から土地や財産を奪った上、民族浄化でエルディア人の人口を増加させた。
しかし、エルディアの暴虐に反撃を試みたマーレの内部工作により、エルディア帝国は弱体化。マーレは「九つの巨人」の内、7つを奪うことに成功し、100年前の巨人大戦に勝利する。そんな中、「始祖の巨人」を継承した145代目フリッツ王は度重なる戦いに心を痛め戦いを拒否。できるだけ多くの国民を率いてパラディ島へ逃亡。逃亡後、彼は「始祖の巨人」の能力を使い、「超大型巨人」による三重の壁を築く。さらに、壁内のエルディア人の記憶を改竄し、「壁の外」に関する記憶を全て消し去ってしまう。
その後、フリッツ王は偽りの王を玉座に座らせ、自身はレイスと名を改め地方の貴族として隠れて過ごし、秘密裏に「始祖の巨人」の能力と「世界の記憶」を親から子へ、何代にも渡って継承させていくのだった。

フリーダ・レイス

壁が築かれてから100年が経ち、フリーダはレイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第一子として生まれる。彼女には弟や妹が多く、同じ母から生まれた弟にウルクリン、ディルクと妹にエーベル、フロリアンがおり、他にもロッド・レイスの妾であるアルマが生んだ異母妹ヒストリアがいる。
彼女は頻繁に領地に赴いては領民を労い、その飾らない心優しい性格から多くの者に慕われていた。さらに、妾の子故に周囲から疎まれていた異母妹ヒストリア・レイスの事も気にかけ、何度も会いに行っては読み書きを教え優しく接しており、ヒストリアも「大きくなったらフリーダのような女性になりたい。」と言うほど彼女を慕っていた。

フリーダは地方の貴族の長女として振る舞うが、叔父のウーリ・レイスから代々レイス家に受け継がれてきた「始祖の巨人」を引き継ぎ、特別な巨人能力と世界の記憶を継承する。「始祖の巨人」の能力は、巨人をはじめすべてのエルディア人を自由にコントロールできる強力な能力だが、能力を引き継いだ副作用で初代王カール・フリッツの思想までも引き継いでしまう。
その思想とは「もし世界がエルディア人の絶滅を願うのであればそれを受け入れる。エルディア人が犯した罪は重く、決して罪を償うことはできない。そもそもエルディア人、巨人は存在してはいけなかった。我々は間違いを正すことを受け入れる」というものであり、「不戦の契り」と呼ばれる。
そのため、王家の人間が「始祖の巨人」を継承すると、能力を引き継いでも初代王の思想に取り憑かれてしまい、能力を行使することができなくなってしまう。叔父から能力を引き継いだフリーダも、当初は「不戦の契り」に抗おうとしていたが、継承後には初代王の思想に取り憑かれてしまうのだった。

ウォール・マリア陥落

偽りの王家に壁内の政治を委ね、中央から崇められていたレイス家だが、突如「超大型巨人」と「鎧の巨人」がウォール・マリアを襲撃。さらに、壁が破壊されたことにより、多くの巨人が壁内に侵入。シガンシナ区の住人は巨人に蹂躙され、人類の活動領域は今までの2/3までに減少してしまう。レイス家はウォール・マリア陥落時、ヒストリアを除いた家族全員で礼拝堂の地下に集まっていた。しかし、突如現れたエレンの父グリシャ・イェーガーがレイス家を襲撃。フリーダとグリシャは互いに巨人化して交戦になるが、引き継いだばかりの始祖の能力の十分に発揮できず、フリーダはグリシャに敗北し死亡。「始祖の巨人」の能力を奪われてしまう。さらに、グリシャはレイス家が「始祖の巨人」を奪還しに来ることを恐れ、フリーダの家族も惨殺。しかし、彼女の父ロッド・レイスは逃走に成功し行方をくらましてしまう。
その後、グリシャは自らを食わせる形でエレンに「始祖の巨人」の能力を移し死亡。エレン本人は、巨人時の記憶障害で自身が父を食い殺したことや、巨人能力を身に宿していることを忘れてしまうが、トロスト区に再び巨人が侵攻してきた際、エレンの巨人能力が発現。さらに、偶然的にエレンは巨人を操る「始祖の巨人」の能力を引き出すことに成功する。一方、その出来事が要因で「始祖の巨人」をエレンが保有していることが明らかとなり、始祖奪還を狙うロッド・レイスや中央憲兵に誘拐されてしまう。

フリーダの記憶

偶然的に「始祖の巨人」の能力を引き出したエレンだが、彼の脳内にフリーダの記憶が流れ込む。また、フリーダの異母妹であるヒストリアも、彼女と過ごしていた日々を夢の中で思い出しており、フリーダは死後も王家の一族や「始祖の巨人」保有者に対して記憶を通して影響を及ぼしていた。その後、レイス家の惨事から逃げ延びたロッド・レイスは「始祖の巨人」をレイス家に取り戻そうと、中央憲兵と協力しエレンとヒストリアを誘拐。レイス家の地下礼拝堂にて、ヒストリアにエレンを捕食させようと試みる。そして、その際にエレンはグリシャがレイス家を襲撃したこと、自身が父を食い殺したことを知るのだった。
フリーダ殺害の犯人がエレンの父と知ったヒストリアも当初はエレンを捕食しようとするが、今までの「始祖の巨人」継承者が巨人の脅威を排除しなかったことや、フリーダが「私達は罪人だ。」と言って情緒が度々不安定になっていたことに疑念を抱く。その時、ロッドから「始祖の巨人」や「不戦の契り」について語られる。真相を知ったヒストリアは、自身を押し殺す生き方を否定し、父に反旗を翻す。エレンを救助し、礼拝堂から脱出したヒストリアとエレンは、暴走の末巨人化したロッドを討伐。討伐時、ヒストリアに父の記憶が流れ込み、フリーダが初代王の思想に抗っていたことを知る。その後、ヒストリアは壁内の真の王として女王に即位するのだった。
ヒストリアが女王に即位し、調査兵団はついにウォール・マリア奪還作戦を開始。多くの犠牲を払いながらも、奪還作戦は成功する。兵団の団員はその功績を称えられ、ヒストリアとの謁見式が行われるのだった。そして、謁見式の最中、エレンはヒストリアとの接触を介し、ウォール・マリア陥落時のグリシャとフリーダの記憶が流れ込む。グリシャはフリーダに「始祖の巨人」の能力を使い壁内に侵入した巨人を殺してほしいと懇願していたことが判明する。しかし、その願いは聞き入れてもらえず、フリーダの返答に対しエレンは、静かに怒りを募らせる。

あの日の真実

ウォール・マリア奪還成功から4年後、エレンは異母兄であり王家の血を引くジーク・イェーガーと接触。彼らは「始祖の巨人」の能力をを引き出すことに成功し、能力を介し父グリシャの記憶を垣間見る。
ウォール・マリアが陥落した日、グリシャはレイス家地下礼拝堂を訪れる。彼はフリーダに「始祖の巨人」の能力を行使し、壁内に侵入した巨人を殺してほしいと懇願する。彼の願いをに対し、迷う様子を見せたフリーダだが、初代王の思想に取り憑かれた彼女は「我々がただ何も知らずに世界の怒りを受け入れれば、死ぬのは我々エルディア人だけで済むのです。」と、グリシャの願いを聞き入れる事はなかった。
「始祖の巨人」を奪っても、王家の人間以外は能力を引き出せないと説明を続けるフリーダだが、その際、グリシャが身に宿している「進撃の巨人」の特性を聞かされる。その能力とは、未来の継承者の記憶を覗き見ることができる能力で、この時、グリシャは既にフリーダから「始祖の巨人」を奪い、王家の血を絶やすという未来を知っていたのだ。しかし、グリシャは子供を殺すことはできないと、自身のこれからの行動を躊躇い戦意を失ってしまう。

フリーダは家族を守るために交戦を試みるが、戦意を喪失したグリシャの様子を見て、彼女も巨人化を躊躇ってしまう。しかし、項垂れるグリシャにエレンは未来の記憶を通し、彼がレイス家を殺害するように仕向けるのだった。結果、グリシャはフリーダや幼い兄妹も殺害し「始祖の巨人」を強奪。さらに、ロッド・レイスは未来の出来事に影響を与えないため、意図的に見逃していたことが明らかになる。
その後、「始祖の巨人」はエレンへと引き継がれ、初代王から継承されてきた「不戦の契り」を打ち破ることに成功。エレンは初代王の破滅思想を受け入れず、パラディ島を守るため壁内の「超大型巨人」を目覚めさせ世界中を踏み潰す「地ならし」を引き起こすのだった。

フリーダ・レイスの関連人物・キャラクター