ダイナ・フリッツ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダイナ・フリッツとは『進撃の巨人』の登場人物。主人公エレンの父親グリシャの前妻で「獣の巨人」ジークの母。その正体はフリッツ王家の末裔。ストーリー上、巨人の歴史と王家の情報を語る重要な役割を持つ。パラディ島に移住することを拒みマーレに留まった一族は、代々巨人の情報を隠し持っており、その末裔であるダイナはエルディア復権派と共に始祖の巨人の奪還を企てるが、計画は息子ジークの密告により失敗。ダイナは巨人化後、グリシャの後妻であるカルラを捕食する。最期はエレンの持つ座標の力で巨人の群れに喰われた。
ダイナ・フリッツのプロフィール・人物像
身長:168cm
体重:45kg
誕生日:7月26日
年齢:不明
血統:フリッツ王家
所属:エルディア復権派
CV:岸本望
ダイナ(ダイナ・フリッツ)とは、フリッツ王家の血を引くマーレ収容区に居住するエルディア人女性。金髪のセンター分けボブカット。息子ジークの金髪は母親譲りであることが分かる。
ダイナはグリシャの前妻であり獣の巨人ジークの母親である。168cmと長身で、夫のグリシャと並んでも釣り合っている。王家の血筋とはいえど、性格は控えめでいつもグリシャの半歩後ろを歩くような女性である。
初登場はシーズン1エピソード1の初回放送話の中で、主人公エレンの母カルラを捕食する巨人の姿である。また、巨人化する前の姿での登場は、エレンの父グリシャの回想シーンとなる。マーレのエルディア人収容区でグリシャとの出会いのシーンだった。
ダイナとグリシャは共に「エルディア復権派」であり革命を企てていた。グリシャとの息子ジークに対して、家庭で反マーレ教育を受けさせる。そしてマーレ政府がエルディア人の中から「マーレの戦士」を募集すると発表すると、グリシャとダイナは息子ジークを「マーレの戦士」に仕立て上げようと目論む。マーレに先んじてパラディ島の王家から「始祖の巨人」を奪還しようという計画だったが、ジーク自身が両親と「エルディア復権派」を密告したことで失敗。グリシャとダイナは「楽園送り(パラディ島に送られ無垢の巨人に変えられる刑)」にされてしまう。隣合って処刑される際、ダイナの最期の台詞が「どんな姿になっても探し出すから」であった。このセリフが、ウォール・マリア陥落の際グリシャの後妻でエレンの母であるカルラを、巨人化したダイナが真っ先に見つけるシーンと繋がっている。さらに巨人化したダイナの最後の登場となる12巻第50話、アニメ版ではシーズン2エピソード12の「叫び」にて、ハンネスを捕食したのちにエレンの座標の能力で無垢の巨人たちから喰われ死亡した。
ダイナ・フリッツの来歴・活躍
エルディア人収容区「レベリオ収容区」
本編22巻86話、アニメ版シーズン3エピソード20「あの日」のグリシャの回想で巨人化する前のダイナが登場している。
ダイナの一族は、後に“レイス”と名乗るようになったフリッツ王家の血族である。第145代フリッツ王は、敵対するマーレとの戦いを放棄してパラディ島に移り住んだが、フリッツ王家であるダイナの一族は移住を拒否し、マーレが管轄するエルディア人収容区に留まった。ダイナは、そのエルディア人収容区である「レベリオ収容区」で生まれ育った。
後の夫となるグリシャも同じく「レベリオ収容区」で生まれ育ち、父親の後を継いで医者になった。グリシャは幼い頃に妹のフェイをマーレ兵により犬の餌にされた経験があり、マーレへの復讐を誓っていた。そんな彼を同志たちがスカウトし、グリシャが率いる形でエルディア復権派が立ち上がった。フクロウ(エレン・クルーガー)と呼ばれるマーレ政府内通者の手引きで、ダイナは彼らエルディア復権派の前に姿を現した。
ダイナは自分が王家の血を引く者であると告白し、一族が代々継承してきた「始祖の巨人」や「フリッツ王家」の情報をエルディア復権派に提供した。
巨人大戦末期、島に逃れることを拒み大陸にとどまった王家の一族が存在した。そのただ一人となった末裔がダイナであること。ダイナの一族はエルディアが再び立ち上がる日を待ち続け、王家の持つ巨人の情報と共に収容区に潜伏していた。ダイナが復権派にもたらした情報はまさしく勝利への活路だった。フリッツ王が壁の中に持ち去った「始祖の巨人」。これこそがエルディア復活のカギである。そう歓喜する同志たち。
始祖の巨人は他の巨人すべてを支配し操ることができるが、フリッツ王はこのような絶対的な力を持っておきながら島まで退くことになったのか同志の中から疑問があがった。それに対し、ダイナは「145代目フリッツ王が戦うことを否定したからだ」と答えた。
巨人大戦前から8つの巨人による争いが絶えずあったが、フリッツ王家が始祖の巨人を保有することで均衡を保ってきた。しかし145代目フリッツ王が争いから目を背け役割を放棄し辺境の地パラディ島へ都を移したことで、エルディア人のこの惨めな日々が始まったのだと説明するダイナ。
翌年ダイナはグリシャと結婚し息子ジーク(後の獣の巨人)を出産。ダイナにとっておそらく一番幸せを感じる日々であったと思われる。
しかし幸せな時間は長く続かず、転機が訪れる。
パラディ島のフリッツ王からマーレに侵攻するという宣告があったため、パラディ島に立ち向かうための戦士を選出し、マーレの保有する7つの巨人の継承者にするという内容がマーレ政府から告示された。もちろんフリッツ王は宣告など出していない。マーレ政府が動き出した理由は、近年の軍事技術の進歩によりマーレのもつ巨人の力が相対的に弱体化していくことを危惧し、資源豊富なパラディ島を征服して覇権を維持するためだった。しかし、80年前にフリッツ王が遺した「今後我々に干渉するなら 壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう」という言葉をマーレ政府も無視することはできなかった。この脅威が健在であるうちは何人たりとも正面から手出しはできない。つまりマーレ政府の目的はフリッツ王を刺激せぬように壁内に侵入し「始祖の巨人」を奪還することで、エルディア復権派の目的と同じであった。
絶望する復権派の同志たち。しかしグリシャは活路を見出す。息子のジークを「マーレの戦士」にすることであった。
それからはジークに「王家の血を引く子」「エルディア復権の希望」として育てるため、家庭で反マーレ教育を施し、スパイ活動をさせようと試みた。マーレに先んじてパラディ島の王家から「始祖の巨人」を奪還しようという計画だった。
ジークは我が子を危険に晒す親を見限り自らと祖父祖母の安全を選び、ジーク自身が両親と「エルディア復権派」を密告した。そのため、ダイナとグリシャをはじめとした復権派のメンバー全員が「楽園送り(パラディ島に送られ脊髄液を打たれ巨人化される)」にされることとなる。
グリシャは尋問され指を切り落とされる拷問をされた後、楽園へと連行された。楽園とは、エルディア人反逆者の流刑地のパラディ島である。楽園ではマーレ治安当局がエルディア人に巨人の脊髄液を打ち、巨人化させて島へ放していた。一度巨人化すれば、人を感知し、人を追跡し、人を喰らう。ただ死ぬまでそれだけを繰り返す。死ぬ術がほとんどない終身刑である。
仲間が次々と巨人化される中、グリシャを復権派へスカウトしたグライスが連行される。マーレ当局員の思いつきで人の姿のまま蹴り落されるグライス。仲間たちが次々と巨人化され放たれた後、逃げるグライスを追いかけていった。その光景をなす術なく見つめるグリシャ。次に連行されてきたのは妻であるダイナであった。ダイナは巨人化の注射を打たれて無知性巨人になる。その際、ダイナはグリシャに「どんな姿になっても…あなたを探し出すから」と最後の言葉を告げた。
ダイナは巨人化し、グライスを追いかけて島を駆けて行った。
一方、グリシャはマーレ治安当局に“フクロウ”として潜入していたクルーガーに助けられ、クルーガーから進撃の巨人を継承。グリシャはパラディ島に侵入し、マーレ人よりも先に始祖の巨人を奪還することを目指すのだった。
巨人化後のダイナ
845年、ウォール・マリアの南端にあるシガンシナ区の扉が鎧の巨人(ライナー)や超大型巨人(ベルトルト)の襲撃により破壊され、巨人が市街に侵入する。その際、超大型巨人(ベルトルト)が蹴り飛ばした壁岩がエレンの家に飛散し、中にいたエレンの母・カルラが下敷きになる。カルラを救おうとエレンとミカサが奮闘する中、そこに一体の巨人がやってくる。カルラは子供達だけでも救おうと駐屯兵のハンネスに子供を連れて逃げるよう頼んだ。そしてエレンやミカサ・ハンネスの目の前でカルラはその巨人に捕食された。
実は、このエレンの母・カルラを捕食した巨人の正体は、かつてマーレ治安当局によって巨人化させられたグリシャの前妻ダイナだった。
ダイナの最期
850年、ライナー(鎧の巨人)とベルトルト(超大型巨人)にさらわれたエレンを調査兵団たちが奪還しに向かった時、エレンの母・カルラを喰ったダイナ巨人が再びエレンたちの前に姿を現した。
エレンを連れて故郷へ逃げようとするライナーとベルトルトを引き留めるため、エルヴィン団長は自分達を囮にして無垢の巨人の群れをライナーとベルトルト達に突撃させた。その群れの中に、巨人化したダイナがいたのだった。
かつて、自らの非力さによりカルラを救えなかった後悔を引きずっていたハンネスは、巨人化したダイナに攻撃をしかけるも、最期は捕まり喰われてしまった。
目の前で巨人化したダイナにハンネスを捕食されたエレンは、再び自分が大切な存在を守れなかったことに絶望し、ダイナに拳を振りかざした。
「アァァァァァァァァァァァ!!!!!」
ダイナ巨人の手の平とエレンの拳が接触した瞬間、エレンの中に宿されていた「座標(始祖の巨人がもつ力)」が発動した。この事がきっかけになり、王家の人間ではないエレンでも、王家の者との接触によって始祖の巨人の持つ座標が発動させられるとエレンは後に気づく。ダイナは巨人化しているため言葉では伝承していないが、エレン達にこの条件を伝えるというストーリー上重要な役割を果たしているのである。
ダイナ・フリッツの関連人物・キャラクター
グリシャ・イェーガー
グリシャ・イェーガーはマーレのエルディア人収容区でのダイナの夫である。父親の後を継いで医者になった。幼いころに妹をマーレ兵に虐殺された過酷な過去があり、マーレへの憎しみを買われてエルディア復権派にスカウトされ、復権派のリーダーとなる。王家の末裔であるダイナと出会い結婚した。作中ダイナとの結婚生活は心休まる時間であったという描写がある。ダイナと同じようにジークを愛していたが、マーレのパラディ島侵攻の告示により自分の役割を全うするため、妻のダイナと共に息子ジークにエルディアの誇りを託しつつ、敵国に忠誠を誓うマーレの戦士になるよう仕向けた。グリシャは幼い頃に感じていた、親が子を自らの思想に染め上げる罪深さを理解しているはずだったが、同じ過ちを繰り返した。7歳の息子ジークに密告され楽園送りとなる。処刑の直前にフクロウに助けられ、進撃の巨人を継承することになる。その際、フクロウから「壁の中で家庭を持て 人を愛せ」と告げられるも、「俺にはダイナが…」とダイナを想っている描写がある。
ジーク・イェーガー
ジーク・イェーガーはダイナとグリシャの実子である。ダイナの王家の血筋を受け継いだ正統な王位継承者である。ジークの脊髄液入りの注射やワインを飲んだエルディア人を自らの叫びで巨人化させることができ、さらに操る力をもつ。「奇跡の子」と呼ばれるその力でマーレ兵団で地位を確立しているが、この力はダイナの血統ゆえである。王家の血筋であることはマーレには明かしておらず、その飄々とした振る舞いや言動で真相をかわしている。主人公エレン・イェーガーの異母兄でもある。
幼いころに両親より反マーレの教育を叩きこまれ、マーレ兵に志願させられたことから、親の愛情を与えられずマーレへの復讐の道具として扱われたと感じている。そのため人を信じられず、本心を常に隠している。母親のダイナではなく、父親のグリシャを恨んでおり、異母弟であるエレンに「俺達はあの父親の被害者だ」と伝えている。
エレン・クルーガー
エレン・クルーガーはマーレ当局に潜入したエルディア復権派の内通者フクロウである。9つの巨人のひとつである「進撃の巨人」を持っている。
ダイナはフクロウに導かれてグリシャたち復権派と出会うことになる。フクロウの正体を知らされたグリシャは、ダイナが王家の血統である事実をクルーガーが揉み消さなければ、ダイナだけは化け物にされずに済んだのではないかと問い詰める。それに対してクルーガーは、敵であるマーレ当局に王家の血統を渡すべきではなかったと反論し、死ぬまで敵国のために子を生まされ続ける人生に比べればマシな最期だったと答えた。潜入したマーレ当局では、今までも復権派の同志を楽園送りにしており、そのことを悔やむと同時に必要な犠牲だと認識している。マーレに強い憎しみを持つグリシャに自らを喰わせて「進撃の巨人」を継承した。
エレン・イェーガー
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アルミン・アルレルト(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。
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進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。
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ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。
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クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。
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フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。
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イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。
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ジャン・キルシュタイン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ジャン・キルシュタインとは『進撃の巨人』の登場人物で、調査兵団に所属する兵士。第104期訓練兵団を6番で卒業した。自己の保身を第一に考える現実主義者で、思ったことを率直に言い過ぎる性格からたびたび主人公のエレン・イェーガーと対立していた。当初は巨人の脅威から逃れるために内地への配属を希望していたが、友人のマルコ・ボットが戦死したことで考えを大きく変え、調査兵団に入団する。入団後は持ち前の現状把握能力を活かして同期のまとめ役として活躍した。
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