太陽の牙ダグラム(Fang of the Sun Dougram)のネタバレ解説・考察まとめ

『太陽の牙ダグラム』とは、テレビ東京系列で1981年10月から1983年3月まで放送されたSFロボットアニメである。地球からの圧政に苦しむ植民惑星「デロイア」が独立するまでの動乱を、戦争と政治の両面から描く。地球生まれの主人公「クリン・カシム」は数奇な運命の下、デロイア独立戦争に義勇兵として参戦する。『機動戦士ガンダム』の流れを汲んだ「リアルロボット」路線の作品であり、後に『装甲騎兵ボトムズ』や『機甲界ガリアン』を手掛ける高橋良輔のロボットアニメ初監督作品でもある。

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CV:鈴木泰明
第18話から登場するボナール市の新市長。元はボナール市の公安長官で、独立派ゲリラを徹底弾圧して功績を立てる。市長の座を巡る件以前からデスモントとは対立していた。フォンの意向で抵抗するデスモントを無視して市長として振る舞う。その姿勢はまさに地球連邦の傀儡そのものであり、フォンに都合のいいことを吹聴するだけのスピーカーと化していた。フォンとは地球の士官学校で同期だったという縁故があり、それが登用のきっかけだったと思われる。デスモントの葬儀で芝居がかったスピーチをするなど、自己の利益のためには死者を侮辱することもためらわない卑怯漢として描かれていた。

アール・シルバ

アール・シルバ

CV:亀井三郎
第49話で登場したミンガス州代表。連邦議会開催を前にして、ドナンの指示で反メドール派の一角を切り崩すべそうとするフォンから接触を受ける。しかし保身に走るフォンの心理につけこんで逆に彼を味方につけようとする。議会ではデロイア独立を支持して反メドールに利益誘導しようとするが、「今こそ地球連邦が一致団結すべし」とのドナンの演説に賛同が集まり失敗する。ハシゴを外された形のフォンはドナンへの恭順を新たにする結果となる。

ロマン・ガーコフ

ロマン・ガーコフ

CV:緒方賢一
第63話で登場。肩書きはコフォート州の通商官だが、実際は反メドール派(コフォード・ミンガス・ローディア)の共同貿易代表として活動している。兵器納入の実績作りのため、寒冷地用コンバットアーマーを売り込む。ラコックを経由してフォンにセールスを仕掛けることにより、双方に恩を売ろうと画策していた。ちなみに「CB-X」というタイトルのカタログに載っていたコンバットアーマーは、後に登場する寒冷地用コンバットアーマー「ビッグフット」や「ブリザードガンナー」とは完全に別物だったため、セールスには失敗した模様。

その他の地球連邦軍人

地球連邦の保有する軍隊である「地球連邦軍」に属する軍人達。第1軍から第8軍からなり、本作の舞台はデロイア星である関係上、作中に登場するのはほとんどがデロイア州所属である第8軍の兵士である。その中でも様々な思惑や信念を持った人物が交錯し、混沌とした物語を織りなす。ここでは主要人物以外の地球連邦軍軍人を紹介している。作中に登場した順に記載している。

ミゲロ

ミゲロ

CV:木原正二郎
第1話で登場した地球連邦軍第8軍の大尉。太陽の牙による輸送列車襲撃を予見したフォンの指令を受け、コンバットアーマー3機を引き連れて迎撃に向かう。非常に生真面目な性格なようで、電話越しのフォンにすら鯱張った挙動を示す。ヘリ上から部下を指揮して太陽の牙を追い詰めるが、ダグラムの性能と太陽の牙の連係プレイの前に不利になって素早い判断で撤退した。

ダンロック

ダンロック

CV:池田勝
第2話で登場した第8軍(デロイア駐留軍)の老司令官で中将。参謀の「フォン・シュタイン大佐」にデロイア独立に向けた決起を訴えられるも断り、業を煮やしたシュタインに射殺される。死の直前の毅然とした態度から、フォンがドナンと共謀して偽りのクーデターを起こそうとしていることに感づいていたようだ。

おそらくフォンはダンロックをデロイア独立の神輿として担ぎ出し、しかる後に独立派の議員共々始末するつもりだったようだ。彼を射殺してしまったフォンは結局自身がデロイア独立の扇動役となる。その後フォンは独立支持派議員を排除した後に、「自分は独立派の議員に騙されていた。自分の真意はデロイアの州への昇格だ」などという、苦しい芝居をこなす羽目になる。

ジュディア・オハラ

ジュディア・オハラ

CV:尾崎桂子
第2話でドナンがデロイアに向かうために登場したシャトルの添乗員。軍属で階級は中尉。機長からは「我が第3空軍の名花」と紹介されている。地球の最高権力者であるドナンの世話をさせるために、能力だけで無く容姿も選りすぐりの女性士官を選抜してきたようだ。しかし搭乗機はバスクの襲撃により擱座してしまった。事件収束後ドナンは同型の代替機でスペースポートに向かっているが、彼女がその機に移乗したのかは不明。

ブレナー

ブレナー

CV:石森達幸(第3話)/緒方賢一(第67話)
第3話で登場した第6軍の北極駐屯基地指令で階級は大佐。レーク達にデロイアの現状を伝える。第67話で再登場し、助太刀無用の陳情に現れたフォンに、独立派と第8軍の共倒れを狙うラコックの策略を警告した。自身はラコックからの命令に従い、足止めされた独立派を包囲するよう指揮を執る。

ダーク

ダーク

CV:戸谷公次/佐藤正治
地球連邦軍の曹長で、ドナン救出作戦に参加したコンバットアーマー部隊の隊長を務める。評議会議長救出のために招集されただけはあり、操縦技術と指揮能力を併せ持つ、たたき上げの下士官。登場回は少なく序盤で退場するが、その存在はクリンに大きな影響を与えた。命令された作戦を完遂することをモットーとする典型的な軍人だが、クリンの部隊編入というイレギュラーな事態にも対応する柔軟さも併せ持つ。

第3話から登場。サンドレア空港急襲の混乱の中、整備不足のコンバットアーマーで孤軍奮闘する。ドナン救出作戦では部下を引き連れて反乱軍と激しい戦闘を繰り広げた。コンバットアーマーの整備に手を出そうとするクリンを諫め、人はそれぞれ役目があることを諭したり、作戦開始前に緊張しているクリンに声をかけるなど、大人としての気遣いを見せる。ドナン救出後は部下と共にデロイアに残り、敵に回ったクリンと対峙する。戦いに躊躇してダグラムの高性能を活かせないクリンを熟練の操縦技術で翻弄するが、キャナリーとビリーに銃口を向けたことでクリンの攻撃を受け、爆散する乗機と運命を共にした。ダークを自らの手で殺害したことを自覚したクリンは、しばし放心状態となる。

短い時間とは言え、クリンにとっては初実戦を共に戦った上官であった。コクピットに妻子の写真を持ち込んで眺めるほどの良き家庭人としても描かれている。その写真は機体が炎上しても奇跡的に燃え残るが、ダグラムのつま先がその写真を踏みつけて去る。この演出はクリンが選んだ道の過酷さや残酷さを視聴者に見せつけた。

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